( ^ω^)ブーンがK-1のリングで亀田興穀選手と闘うようです
- 1:1:2006/08/07(月) 04:24:54.58 ID:ggeuBmPO0
- ( ^ω^)「もう終わりかお・・・?」
(‘A`)「ちっくしょう・・・」
(´・ω・`)「・・・入門してからわすか1ヶ月。ここまでやるとはね」
(‘A`)「誰か冷やすものもってきてくれ・・・マジで効いた・・・」
(´・ω・`)「ブーン、アイシング用の氷が製氷機にあるから持ってきてくれ。僕はちょっと会長と話してくる」
( ^ω^)「了解だお。ドクオ大丈夫かお?」
(‘A`)「ああ・・・なんとかな」
ブーンはたった今10ラウンドのスパーリングを終えたとは思えない軽快な足取りで、リングを降りると、
氷をアイスボトルに詰めて、ドクオの元に戻ってきた。
- 4:1:2006/08/07(月) 04:25:41.85 ID:ggeuBmPO0
- ('A`)「おう・・・すまんな・・・ああ、いい気持ちだ・・・」
( ^ω^)「大丈夫かお?」
(‘A`)「お前さ、いつのまにカウンター覚えたんだ? それに目もよくなったな・・俺の攻撃きれいにさばきやがって・・・」
( ^ω^)「ドクオや他の練習生のスパー見て、見よう見まねでやってみたんだお。それにショボンが相手の目をよく見ろって言ってたから、言うとおりにしたら、上手く防御できただけだお」
(‘A`)「まじかよ・・・」
- 5:1:2006/08/07(月) 04:26:41.64 ID:ggeuBmPO0
- (´・ω・`)「聞きましたか、あいつ誰も教えてないカウンターまで、見ただけで完璧に決めてましたよ」
(*゚ー゚)「うん・・・彼には入門当初から注目してたけど、ものすごい速さで成長してるわね・・・」
(´・ω・`)「50年にひとりいるかいないかの天才ですよ。間違いない」
(*゚ー゚)「そうね・・・大事に育ててあげないとね・・・」
(´・ω・`)「確かに。でも慎重すぎても駄目だとおもうんです。そろそろデビュー戦の用意を・・・」
(*゚ー゚)「わかったわ。近いうちに組んでみるから、それまでしっかりと練習見てあげてね」
(´・ω・`)「トレーナー生命にかけて、あいつを一流のキックボクサーにしてみますよ」
- 7:1:2006/08/07(月) 04:28:23.21 ID:ggeuBmPO0
- ブーンはすざまじいスピードで成長していった。
ダイエット目的で、たまたま家の前にあったキックボクシングのジムに入門してから1ヶ月。
もはやキックボクシング暦3年のドクオでは、スパーリングパートナ−としてままならないほどに成長した。
早めに経験を積ませようという、トレーナーショボンの考えから、わずか1ヶ月という異例の速さでアマチュアキックボクサーとしてデビュー。
それから破竹の5連勝5KO無敗のままプロ試験を受け、余裕の合格。
まったくの素人だったブーンが、わずか半年でプロのキックボクサーとしてデビューを飾った。
プロデビュー後も、にやけた顔に似合わない豪快なKOを量産し、プロ戦績15戦15勝14KOと勝ち続け、
キックボクシング界のみならず、格闘技界全体までブーンの名前は鳴り響いていた。
そんなある日、谷川という男から、ブーンの所属するジムに電話がかかってくる。
- 99:1:2006/08/07(月) 07:03:31.14 ID:ggeuBmPO0
- そんなある日、谷川という男から、ブーンの所属するジムに電話がかかってきた。
(´・ω・`)「はい、VIPPER’Sジムです」
谷「もしもし、わたくし谷川と申すものです、あの、K−1なんかのプロデュ−スをしております、谷川です」
(´・ω・`)「谷・・・あ!!!はい!!!よくTVで拝見しております!!!」
谷「いやいや汚い顔を見させてしまって申し訳ない。ところでですね、お宅のブーン選手のことで電話を差し上げたんですが」
(´・ω・`)「はい!!!ブーンですね!!!」
谷「先日彼の試合を大変興味深く観戦さえてもらいましてね、できれば今度K-1デビューする亀田興毅選手の対戦相手としてぜひリングに上がってもらいたい、と思っておりまして」
(´・ω・`)「亀田・・・!」
- 10:1:2006/08/07(月) 04:31:51.03 ID:ggeuBmPO0
- 亀田興毅。22歳。
19歳でライトフライ級の世界チャンピオンになり、その二年後にはフライ級、スーパーフライ級のベルトも奪取し、
元々あった人気にさらに火がつき、今ではドラマに映画、自伝「これがわいの生き方や!っしゃおらー!」の出版など、
マルチな活躍が目立っている選手だ。
最近ではハリウッド版「ドラゴンボールZ」への出演が決定していたが、なんとK-1への電撃参戦を表明。
そのために契約まで交わしていた出演をキャンセルするという暴挙に出た。
よくも悪くも世間を騒がせている男である。
- 12:1:2006/08/07(月) 04:36:23.26 ID:ggeuBmPO0
- そんな亀田がブーンと・・・。
ショボンは少しとまどった。
これはチャンスである。
名前のある選手、しかも超がつくほど注目されている亀田選手の対戦相手に、ブーンがなるのなら、いやでも注目される。
名前を飛躍的に上げるチャンスだ。
が、ブーンにとっても初参戦であるK-1の舞台。
万が一でも無様に負ければ、今後の格闘技人生に大きな障害が残ってしまう。
- 17:1:2006/08/07(月) 04:40:00.75 ID:ggeuBmPO0
- (´・ω・`)「少し、考えさせてくれませんか?」
谷「わかりました。明後日の12時まで待ちましょう。それまでにお返事がいただけなかったら、他の選手へまわします」
(´・ω・`)「・・・わかりました」
ショボンは電話を置くと、汗だくになりながらサンドバックを叩くブーンへと目をやった。
- 19:1:2006/08/07(月) 04:44:47.13 ID:ggeuBmPO0
- ( ^ω^)「オラオラオラオラオラオラ!!!!!」
('A`)「・・・毎度のことながらもっと静かに練習できんのか・・・」
( ^ω^)「んあああああああああああ!!!!!」
('A`)「・・・・・よく疲れないな、それだけ叫んで・・・」
( ^ω^)「おああああああああああああ!!!!!」
(‘A`)「・・・・・きめえ・・・」
- 21:1:2006/08/07(月) 04:49:06.44 ID:ggeuBmPO0
- (´・ω・`)「会長・・・ちょっといいですか・・・?」
(*゚―゚)「ん? どうしたの?今いいところで・・・」
ショボンが会長室に入っていくと、しぃは亀田興穀出演ドラマ「冬のカメダ」を観賞していたところだった。
TVの画面では亀田の坊主頭を、伊藤美咲がいとおしげに撫ぜているシーンが映っている。
(´・ω・`)「実は・・・」
- 24:1:2006/08/07(月) 04:55:19.70 ID:ggeuBmPO0
- (*゚―゚)「・・・・まさかこんなに早くK-1に出れるなんて・・・まだプロデビューしてから1年半もたってないわよね?」
(´・ω・`)「1年と5ヶ月と1週間です」
(*゚―゚)「そう・・・でもわたしは賛成するわ。ブーン君にとってもこれはかなりのビッグチャンスよ」
(´・ω・`)「はあ・・・しかし・・・」
(*゚―゚)「・・・・・? 何か引っかかることでも?」
(´・ω・`)「はっきり言って、今のブーンの実力では、亀田選手には勝てないと思います」
- 26:1:2006/08/07(月) 05:02:17.00 ID:ggeuBmPO0
- (*゚―゚)「・・・そうかしら? わたしには十分に通用すると思うけど」
(´・ω・`)「・・・まず亀田選手は小柄ながらもパワーがあります。ブーンはこれまで、
高長身と、異常とも言えるリーチの長さを駆使して、アウトボクシングスタイル主体で勝ちを拾ってきました」
(*゚―゚)「拾ってきた・・・」
そうつぶやくとしいは、リモコンの停止ボタンを押した。
亀田が満面の笑みを浮かべながら、夜空を見上げたままの姿で止まった。
- 28:1:2006/08/07(月) 05:08:07.58 ID:ggeuBmPO0
- (´・ω・`)「ブーンは確かに強い。でもまだまだ格闘技経験が1年未満の素人なんです。幼少のころから空手やボクシングで鍛えられてきた亀田選手とは違う」
(*゚―゚)「でもプロアマ通産で20勝あげてるわよ。それにまだ一度も負けは無い」
(´・ω・`)「その負けがないのがネックなんです。亀田選手は最初の世界戦でダウンを奪われ、その後もダウンされ、KOされながらも三階級を制覇した。経験の質が違う」
(*゚―゚)「そうね。あれには感動したわ・・・」
(´・ω・`)「それだけじゃない。一番問題なのは、何度もうわさされている八百長疑惑なんです」
(*゚―゚)「八百長・・・」
- 31:1:2006/08/07(月) 05:13:36.85 ID:ggeuBmPO0
- そのころブーンは、練習を終え、ドクオと遅めの晩御飯を食べにいつものファミリーレストランへ行っていた。
( ^ω^)「よーし、今日は頑張ったから、オムライス定食頼んじゃうお!スープはコーンポタージュの方で!」
(‘A`)「いいよな・・・お前は減量する必要がなくてさ・・・あ、サラダとオレンジジュースください」
( ^ω^)「なぜかまったく太らない体質なんだお」
(‘A`)「ちっくしょう・・・」
- 34:1:2006/08/07(月) 05:18:03.03 ID:ggeuBmPO0
- ウエイトレスが注文を聞き、行ってしまうと、ふたりは大きく背伸びをした。
(‘A`)「ああ・・・・今日も疲れたな。試合の日が近いから、そろそろダメージ抜いてかないと駄目なんだけどな」
( ^ω^)「ドクオは頑張りすぎだお!無理は禁物だお!」
(‘A`)「そうだな・・・この前の二の舞は踏みたくないし・・・今度はなんとしても勝たないと」
( ^ω^)「今度は勝てるお。苦手だったパンチもあれだけ練習したし、大丈夫だお。自信持つお」
(‘A`)「そうだな・・・ありがとよ」
ドクオが短くお礼を言った時、ブーンの携帯が鳴った。
- 38:1:2006/08/07(月) 05:24:25.06 ID:ggeuBmPO0
- ( ^ω^)「お? ツンからだお?」
(‘A`)「相変わらず続いてるんだな・・・おまえら」
( ^ω^)「フヒヒ僕らの愛は永遠なんだお。ちょっと電話でるお」
(‘A`)「おk・・・あ、お前のオムライスきたぞ・・・しかしうまそうだな・・ちっくしょう」
( ^ω^)「もしもし、どうしたんだお? 今練習終わってドクオとご飯食べてるとこだお」
( ^ω^)「え? どうしたんだお? よく聞こえないお? 落ち着いて話すお」
- 40:1:2006/08/07(月) 05:30:59.69 ID:ggeuBmPO0
- ('A`)「・・・?」
( ^ω^)「うんうん・・・えっ!? そんなことは知らないお? デマじゃないかお?」
( ^ω^)「とにかく知らないお? テレビ見てみろって言われてもここにはないお・・・」
(‘A`)「なんか知らんがテレビなら、ほれこれで見れるぞ」
ドクオはそう言うとカバンの中から携帯電話を取り出した。
ドクオがなにやら操作した後、ブーンが画面をのぞくとバラエティー番組が映っていた。
- 41:1:2006/08/07(月) 05:37:42.33 ID:ggeuBmPO0
- ( ^ω^)「あっ、ドクオの携帯で見れるお! 何チャンネルだお? え? TBSかお」
(‘A`)「TBSか・・・いやな予感がするな・・・」
ドクオが再び携帯を操作すると、画面が変わり、なにやら記者会見場が映し出された。
ブーンとドクオはご飯を食べるのも忘れて、顔をくっつけるようにして、画面をのぞきこむ。
- 48:1:2006/08/07(月) 05:44:08.66 ID:ggeuBmPO0
- (‘A`)「あ・・・? えーっと・・かめだ・・・こうき・・・K-1電撃初参戦・・対戦相手決定・・・」
( ^ω^)「かめだって誰だお? 亀田のおせんべい作った人かお?」
(‘A`)「おまえ・・・なにもしらないのかよ・・・亀田ってあれじゃん、エラソーな口聞く坊主頭の奴だよ。月9とかにも出てたぞ」
( ^ω^)「あんまりテレビは観ないんだお」
ドクオがぶつぶつ言いながら、画面下に映っているテロップを読んでいく。
(‘A`)「対戦・・相手は・・な・・いとう・・・ホライ・・・ズン選手(21)に決定・・・・」
- 56:1:2006/08/07(月) 05:55:39.94 ID:ggeuBmPO0
- ( ^ω^)「・・・・?」
('A`)「えっ・・・ちょ、おま、いつのまに!?」
( ^ω^)「聞いてないお」
('A`)「だってほら、お前の等身大パネルも用意されてるぞ!」
( ^ω^)「ほんとだお。我ながらなかなかカッコイイお。腹筋がやばいくらいに割れてるお」
('A`)「そんなことより、おまえさ・・・あっ!亀田が出てきた!」
- 63:1:2006/08/07(月) 06:02:51.05 ID:ggeuBmPO0
- 亀田は金髪美女の腰に回していた腕を高々と上げると、ブーンの等身大パネルの前に立ち、空中に上げたままの拳を、ブーンのパネルめがけて振り下ろした。
スパンッとハデな音と共にブーンの首がはじけ飛ぶ。
さらに亀田は腰をすばやく回転させ、ブーンの胴に回し蹴りを入れた。
パネルのブーンは見事に二つに折れ、亀田の足で何度も踏まれた。
( ^ω^)「ひどいお・・・」
(‘A`) 「いや、そんなことより、なんで本人が知らないうちに話が決まってんの?」
( ^ω^)「言われてみればそうだお。ひどいお」
- 66:1:2006/08/07(月) 06:09:01.99 ID:ggeuBmPO0
- ('A`)「ショボンは何も言ってなかったか?」
( ^ω^)「ぜんぜん聞いてないお」
('A`)「ショボンが隠し事するわけないしな・・・おかしい・・とにかくジムに戻るぞ」
( ^ω^)「あっオムライス・・・」
('A`)「今はそれどころじゃないだろ・・・」
( ^ω^)「悲しいけど、我慢するお・・・あ、ツン、もしもし、僕も知らなかったお。一旦ジムに戻るお。知らせてくれてありがとお」
- 69:1:2006/08/07(月) 06:18:25.83 ID:ggeuBmPO0
- 結局ショボンがブーンが亀田と戦うことに反対したため、しいとの話し合いはまとまらずに平行線をたどっていた。
(´・ω・`)「ふう・・・本人の意向抜きでこれ以上話しても、らちがあきませんね」
(*゚ー゚)「そうね・・・まずブーン君の意思を確かめるのが先決だったわね」
(´・ω・`)「明日、ブーンと3人で話し合いましょう。谷川さんは明後日まで待ってくれるって言ってましたし」
(*゚―゚)「そうね・・・今日はこれで終わりにしましょ・・・あれ?」
(´・ω・`)「おや、グットタイミング」
ブーンとドクオが勢いよく会長室のドアを開けると、ふたりはショボンに詰め寄る。
- 70:1:2006/08/07(月) 06:24:30.97 ID:ggeuBmPO0
- ('A`) 「どうゆうことだか説明してくれ、ショボン」
( ^ω^)「もう、ふたりとも黙ってるなんて、ひどいお。びっくりしたお」
(´・ω・`)「・・・?どこから漏れたかな・・・?それとも会長?」
(*゚ー゚)「いいえ、わたしは誰にも話してないわ」
('A`) 「なんで、ブーンに黙ったまま、亀田との対戦を決めたんだ」
( ^ω^)「サプライズかお?」
(´・ω・`)「ちょっと待って・・・確かに亀田選手とのオファーはあったけど、まだ決まったわけじゃない」
- 72:1:2006/08/07(月) 06:32:21.73 ID:ggeuBmPO0
- ('A`)「おいおいついさっきテレビで、亀田の野郎が記者会見やってたぞ。対戦相手がブーンに決まったってな」
( ^ω^)「僕のパネルふみふみされたお」
ショボンとしいが目を合わせる。
(´・ω・`)「・・・!?そんなバカな・・・まだ返事してないぞ!何かの間違いだろう?」
(*゚ー゚)ドクオ君、それは本当に見たの?」
('A`)「まだやってると思うから、おふたりさんも見てみ」
そう言うとドクオは「冬のカメダ」が停止されたままのテレビを切り替え、TBSにチャンネルを合わせた。
- 78:1:2006/08/07(月) 06:43:16.96 ID:ggeuBmPO0
- 亀「なんやーふざけたツラしとうるのお。こんなんでホンマにオレとやるつもりなんかなあ?
冗談ではすまされへんで。内臓とか破裂してヒイヒイ泣いてもシランで(笑)」
マイクを持った亀田の顔がアップで映され、すでに亀田節として定着した勝気な関西弁で記者達の質問に答えていた。
記者「対戦相手の内藤選手ですが、現在無敗のキックボクシングの選手です。亀田選手はボクシングを今までやってこられて、
三階級を制覇されましたが、K−1という異なったルールでの対応はいかがでしょうか?」
亀「あんなん、オレのパンチで一撃や。対応もクソもないわ。オレはオレの戦い方をするだけや。K−1でもプライドでも関係ないわ」
テレビから響く亀田の声にショボンとしいは愕然としている。
(´・ω・`)「なんてこった・・・」
(*゚ー゚)「・・・なんてこと・・・」
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