( ^ω^)ブーンは盗賊のようです
- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:21:11.34 ID:baGShgL90
機械、魔法、魔道具―――
様々な技術の存在する広い世界――
その世界にある小さな大陸から話は始まる
( ^ω^)「イィィィヤッホォオオウッゥゥ」
空が暗く月の光が照らす頃
月の光は空を翔ける一人の少年を映した
少年は、気持ち良さそうに空を翔ける
その少年の目の先には一つの城があった
少年は盗賊なのだ
少年は城の近くまで行くとゆっくりとベランダに降り立った
( ^ω^)「よっ…侵入成功っと…」
少年は背に背負っていたパラグライダーを折りたたみ、バッグにしまうと辺りを見回した
( ^ω^)「ふむ。見張りはいないようだお」
兵がいない事を確認すると、バッグから地図らしき物を出し、指で場所を確認
もういちど「ふむ」と頷くと地図をバッグにしまい、足音を立てずに走った
- 2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:21:56.53 ID:baGShgL90
- 松明の光が当たらない位置で少年は宝物庫の方を眺める
( ^ω^)「そうだお!」
少年はふと何かを思いつくとバッグの小ポケットに入れてあった小石を取り出すと
自分とは逆の位置にそれを投げた
カッ
石は地面にあたると丁度いい音を出した
当然その音に見張りが反応する
(゚」゚)「誰だ!」
見張りがゆっくりとその音の元へ行く
少年は見張りの視界から、自分が消えるのを確認すると
宝物庫の方へ一直線に…、ではなく見張りの方へ駆け寄る
その足音に見張りが反応するも、時既に遅し
少年の掌底が急所へ入っていた
(;゚」゚)「ぐぅっ…」
少年がゆっくり離れると見張りはその場にバタリという音を立てて倒れる
- 4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:22:28.86 ID:baGShgL90
- ( ^ω^)「さぁて後は…」
(*^ω^)「フヒヒヒヒ、お宝だおww」
少年は見張りから鍵を奪い宝物庫の扉を開けた
扉を開けたその先には、目が眩むばかりの金銀財宝があった
(*^ω^)「うっひょーいwwお宝ゲットォww!」
少年は宝の山へ飛び込むと大喜びにはしゃぐ
しかしその顔もすぐに先ほどまでの真剣な表情に変わった
( ^ω^)「っと、悪ふざけはここまでにして例の物を探さないと…」
例の物、少年は元々この山のような宝が欲しかったわけではなかった
たった一つの物を探しに来ていたのだ
( ^ω^)「…やっぱりここにも無いのか…」
その言葉から察するにお目当ての物は無かったようだ
少年は、幾つかの宝石をバッグに詰めると、ゆっくりと出口へと向かった
しかし急にゆっくりとした足取りも、急ぎ足に変わった
- 5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:22:51.75 ID:baGShgL90
- ザッザッザッ
ガシャッガシャッガシャッ
鎧の音と足音、それも複数の音が聞こえる
見つかった
少年は、急いで扉を開けると影に隠れるよう走り出す
(゚」゚)「いたぞ!」
やばい。本格的に見つかった
少年はその自慢の足で全速力で走る
それに合わせるように少年を追う足音のテンポも速くなる
( ^ω^)「…おっと」
少年は思わず足を止めた。行き止まりだ
後ろを振り返ると複数の兵士に囲まれている
(゚」゚)A「観念しろ盗人!」
(゚」゚)B「正面は兵士、後ろはガケ。逃げ場は無いぞ!」
兵士の言うように後ろは崖。元々丘の上に作られた城なのでその高さは
思わずガクブルしてしまうものだ。これが絶体絶命のピンチというものだろうか
しかしそんな中、少年は笑っている
- 6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:23:11.44 ID:baGShgL90
- ( ^ω^)「それじゃあ、アリーヴェ・デルチだお!」
少年はそう言い残すと何を血迷ったのか、背中から崖に飛び降りていた
兵士達は驚きざわめいた。そして崖の下を確認する。
岩場の波打ち際に死体が一個転がっている。という兵士達の期待は見事に裏切られた
兵士達が目にしたのは死体なんかではなく、空を翔ける一つのパラグライダーだった。
(;゚」゚)「くそ!やられた!」
兵士達は悔しそうに持っていた武器を地面に叩きつけた
少年は、そんな兵士達を見て笑わずには入られなかった
そして高々と大声で叫んだ
( ^ω^)「覚えとくおー!僕の名はブーン!!
大盗賊団「VIPPER」のブーンだお!フホホホホホホホwww」
( ^ω^)ブーンは盗賊のようです
- 7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:23:43.84 ID:baGShgL90
- 「こんのド低脳がぁぁぁぁぁああ!!!!」
ゴシカァンッ!!
山の中の小さな小屋から1km先まで届くんじゃないかってくらいの
大声と人を殴る音が聞こえた
(#゚∀゚)「いったいどこの国に自分の名前を大声でバラす盗賊がいるんだよこのカスがぁ!」
小屋の中にいる集団の中の団長の様な人物が一人の少年を怒鳴りつけている
その少年とは、まさしく。あのブーンだ
(;^ω^)「あの…その…なんていうか調子に乗りすぎたっていうか…
これから、色々と団の事を考えて行動します…
だから、これ以上タンコブを増やすのとかそういうのはちょっと勘弁してくだs」
メメタァッ!
間を入れずに団長の拳がブーンの殴る
( ;ω;)「い、いいいい痛いお!」
(#゚∀゚)「ったく、二発でも軽いと思え!おまけに団の名前までバラしてきやがって…」
( ;ω;)「だ、だって…」
- 8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:24:18.52 ID:baGShgL90
- ('A`)「往生際が悪いぞブーン。今回はどっからどう見てもお前が悪い。本当にありg(ry」
ブーンの横にいた小柄な少年がブーンを叱る
( ;ω;)「ド、ドクオ…だってかっこいいと思って…」
(;'A`)「あのなぁ…」
< `∀´>「気にするなニダ。むしろウリ達の名前が広がっていい事ニダ
愚民がウリ達に恐れおののくニダwww」
('A`)「それで結局仕事がやり辛くなったら意味ないだろ」
<;`∀´>「あ……ブーン!謝罪と賠償をy(ry」
( ;ω;)「ニダーまで…も、もう許してくれお…悪かったお…」
( ゚∀゚)「まぁ今回はお宝を盗んできたからな。この事は水に流してやる。」
- 9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:24:54.13 ID:baGShgL90
- (*^ω^)「ほんとかお!フヒヒヒヒ!」
ドグシャァァッ
(#゚∀゚)「調子にのるなよ…」
( ;ω;)「ごめんなさい」
( ゚∀゚)「さて…辛気臭い話はやめだ!ブーンがかっさらってきた金でパーッっと行こうじゃねぇか!」
「オォー!」
酒の入ったコップを掲げる。乾杯だ
( ^ω^)「…ふぅ」
酒の飲めないブーンはジュースの入ったコップを持ってふと、ため息をつく
('A`)「どうしたブーン、さっきの事ならあんま気にすんなよ。
団長の怒りっぽい性格は前からだろ」
( ^ω^)「ドクオ…いやその事じゃなくて…」
- 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:25:55.43 ID:baGShgL90
- ('A`)「…あぁ、あれの事か」
「あれ」、おそらくブーンの探していたものだろうか
( ^ω^)「あそこの貴族の城にもなかったお…これで5箇所目なのに…」
('A`)「まぁそう気を落とすなって。こうやって盗賊やってればそのうち見つかるさ」
…
('A`)「唯一の家族の形見…なんだっけか?」
少しの沈黙の後のドクオの質問に、ブーンはコクリと頷く
( ^ω^)「あの宝石はカーチャンの宝物だったお…
カーチャンの大事にしていた宝石…
いったいどこにあるんだお…」
( ゚∀゚)「…やっぱり飛行船が必要か」
(;^ω^);'A`)「うわぉ!団長!!」
- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:26:33.90 ID:baGShgL90
- 二人の会話に割り込むように団長がポツリと呟いた
( ゚∀゚)「もうこの大陸にある目星のついてた場所は全部取りつくしちゃっただろ
こんな小さい大陸で探しても、見つからないだろうからな」
(;^ω^)「団長、もしかして今の話を盗み聞きしてた?」
( ゚∀゚)「オゥ!ヒソヒソ話されると聞きたくなる性分でな!」
( ゚∀゚)「で、本件の方だけどさ。
大陸を渡ろうと思ってるんだよ。」
;^ω^);'A`);`∀´>「な、なんだってー!!!」
(;'A`)「っておい!ニダーおまえもか!!」
< `∀´>「ウリに内緒で何を話してるニダ」
(;^ω^)「う、うーん」
( ゚∀゚)「まぁ、結局は団員全員に話す事になるんだ。いいじゃねぇかww」
- 12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:28:19.88 ID:baGShgL90
( ゚∀゚)「ってなワケで、大陸を渡る事になった。
まぁこんな小さな大陸にいつまでいてもしょうがないからな!
ブーンの探してるブツを探すついでに大陸を移動しようと思う!!」
「ワァー!」
団長の急な決断にも団員達はしっかりと対応する さすがだ
( ゚∀゚)「何か質問はあるかー?」
( ^ω^)「はい!はいはいはいはいはぁーい!」
( ゚∀゚)「はい!ブーン君!なにかな!?」
( ^ω^)「僕達、飛行船なんか持ってないお。どうするんだお?」
…
( ゚∀゚)「あ」
(;^ω^)「ちょwwwwwwwwww何も考えてなかったのかおwwwww」
( ゚∀゚)「いや、冗談だ。ちゃんと考えてある」
- 13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:29:00.31 ID:baGShgL90
- ('A`)「どうすんだ?」
( ゚∀゚)「東の山のてっぺんにカラクリ好きの偏屈じいさんがいただろ?
噂によれば、そのじいさんが飛行艇を作ったそうなんだ。」
( ^ω^)「つまりそのじいさんから奪うと…?」
( ゚∀゚)「正解ぃ!」
< `∀´>「さすが団長ニダ!ウリ達に出来ない事を平然とやってのける!そこにシビれるあこが(ry!」
( ゚∀゚)「そうと決まれば話は早い、決行は今日の夜だ。
ただ、大人数で行くと見つかるかもしれんから、俺とブーンとドクオとニダーで行く事にする!」
そして、夜―――
山の上の屋敷。多少古いものの大きくしっかりとした建前で
研究設備もしっかりしているらしい。
そんな屋敷へ忍び寄る影が四つ
( ^ω^)「肝心の飛行船はどこにあるんだお?」
( ゚∀゚)「屋敷の東側、あぁちょうどあそこ見える倉庫だな」
- 14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 23:29:53.99 ID:baGShgL90
- ('A`)「よし。行くぞ」
三人は自慢の俊足で倉庫へ向かった
<;`∀´>「ウ、ウリを置いていくなんてなんたる事を!謝罪と賠償を(ry」
ニダーの事は気にしていない三人は、すでに倉庫の入り口にたどり着いていた
( ^ω^)「あ、鍵がかかってるお」
('A`)「俺に任せろ」
ドクオが得意の小手先テクで鍵をあけた
小柄な体とその技術は、細かい作業に対して頼りになる
('A`)「よし。」
( ゚∀゚)「侵入成功だな。」
( ^ω^)「でもまっくらで何も見えないお…電気の元はどこだお?」
( ゚∀゚)「いや、これだけ大きい倉庫だ。電気をつけたら窓から光が漏れて、見つかる恐れがある」
戻る/一話 2ページ目