( ^ω^)ブーンは盗賊のようです

4:◆63X1NcT632 :2006/06/25(日) 22:00:14.07 ID:7KLHmvXD0
  


( ^ω^)「随分とでっかい遺跡だお…」

ξ゚听)ξ「じゃあさっそく行くわよ」

ブーン達は、wktk遺跡の前にいた
遺跡は、今まで見てきた貴族の城とまではいかないが
普通の建物よりも、大きく威圧感もあった

(;^ω^)「中はまっくらだお。何にも見えないお…」

ξ゚听)ξ「大丈夫よ。見てなさい」

ツンはそういうと手を広げて、精神を集中し始めた
すると、ツンの手の上には一つの火の玉が現れたのだ



5:◆63X1NcT632 :2006/06/25(日) 22:01:55.28 ID:7KLHmvXD0
  

(*^ω^)「わぉ!凄いお!手品かお!」

ξ;゚听)ξ「手品って…もしかしてあんた魔法を知らないわけじゃないでしょ?」

( ^ω^)「初耳だお」

ξ;゚听)ξ「…まぁいいわ。
      これは火の魔法の基本。「モエス」よ
      明かりの変わりになる程度だけど、冒険者にとっては必須魔法なのよ」

( ^ω^)「ふーん」

ξ*゚听)ξ「まぁ私程になると、火の魔法ならある程度使えるんだけどね」

( ^ω^)「ほーん」

ξ#゚听)ξ「…」

 ボガァッ

( #)ω;)「あれ?今なんで僕殴られたんだお?」

ξ#゚听)ξ「自分の胸に手を当ててみれば分かるわよ」

( #)ω;)「??」



6:◆63X1NcT632 :2006/06/25(日) 22:03:00.83 ID:7KLHmvXD0
  

ブーンを一発殴ると、ツンはさっさと遺跡へ入っていった
ブーンは、なんで自分が殴られたのか分からないままツンについていった

真っ暗な遺跡の中、ツンの手のひらにある
唯一の明かりが辺りを照らす
暗くていまいち分からないが、あちらこちらに人骨が転がっている

(;^ω^)「じじじじじ人骨ぅぅ!」

ξ;゚听)ξ「なにそんなに、ビビッてんのよ…あんた男でしょ?」

(;^ω^)「いや、でも…ひぃぃぃぃ!今なんか踏んだぁぁ!!」

ξ;゚听)ξ「なによもう…って、ただの人骨じゃないのよ。驚かせないでy…」

(;^ω^)「?どうしたお?なんかやばいもんでも見つけたのかお?」

ξ゚听)ξ「これは…、何か書いてあるわ」

明かりをともした先には、屍と化した人の
血で書いたと思われる、文章があった



7:◆63X1NcT632 :2006/06/25(日) 22:04:12.07 ID:7KLHmvXD0
  

ξ゚听)ξ「なになに…『欲望に目を眩ますな、神の裁きが下る』………なによコレ?」

( ;;ω;)「ひぇぇえええ!やっぱりなんかあるんだお!!
     ブーン達はここで死ぬんだお!」

ξ#゚听)ξ「うるさいわね!さっきから!だったら一人で帰りなさいよ!」

(;^ω^)「え?いいのかお?じゃあ、帰らせてもらいますお?」

ξ#゚听)ξ「勝手にしなさいよ!」

そういうとブーンは、一人出口へ向かっていった
ツンは、ブーンの影が見えなくなるまでブーンを見つめていたが
見えなくなると、ふとため息をついて先へ進んだ

ξ゚听)ξ「…ちょっとキツくいいすぎちゃったかな…」

ξ ゚ -゚)ξ「…明かりがないのに…大丈夫かしら…」

ξ ゚ -゚)ξ「…やっぱり、ブーンも一緒に…」

      「ぎゃぁぁああ!!」

ξ゚听)ξ「!ブーン!?」



8:◆63X1NcT632 :2006/06/25(日) 22:05:11.06 ID:7KLHmvXD0
  

後ろから突然のブーンの叫び声
それに気づき振り向いたツンの脳裏に先ほどの言葉が過ぎった

『神の裁きが下る』

ξ;゚听)ξ「ブーン!!」

(;^ω^)「ぎゃぁぁぁあ!何も見えないおー!怖いおー!あ"あ"あ"なんか踏んだおぉぉぉ!!
     ツンさーーん!ツンさーーーん!?助けてー!!やっぱ一緒に行くおー!!」

その叫び声は、ビビりまくって泣き言を叫びまくっていたブーンの声だった

ξ#゚听)ξ「…心配して損した」

ξ;゚听)ξ「もう…私がいないと何にも出来ないのかしら」

ξ゚ー゚)ξ「……まぁ、楽しいからいいか」

ξ゚听)ξ「あーもう、うるさいわよ!今行くからそこで待ってなさい!」



10:◆63X1NcT632 :2006/06/25(日) 22:06:25.49 ID:7KLHmvXD0
  

結局ブーンとツンはそんなやり取りを繰り返しながらも
遺跡の奥へなんとか辿りついた

ξ゚听)ξ「なんとかついたわね」

(;^ω^)「つ、疲れたお…」

ξ;゚听)ξ「それはあんたが騒ぎまくってたからでしょ…」

相変わらず、そんなやり取りをする二人の目に
一筋の光が指した

( ^ω^)「!?なんだお?」

ξ゚听)ξ「台の上に何かあるわね。それが光ってるみたい」

その光は、ツンの炎の光を押しのけて
部屋全体にまで広がっている



12:◆63X1NcT632 :2006/06/25(日) 22:08:14.94 ID:7KLHmvXD0
  

( ^ω^)「綺麗だお…」

ξ*゚听)ξ「凄い…これなら60万モリタポは軽いわね!!」

( ^ω^)「取りに行くお!」

ブーンは、その光の元へむかって走り出した
ツンも追って走るが、何か違和感を感じてその足を止めた

『欲望に目を眩ますな、神の裁きが下る』

ξ゚听)ξ「!!」

ξ;゚听)ξ「ブーン!待って!」

( ^ω^)「お?」

時既に遅し
ブーンは、既にそれを手に持ち上げていた
それは、赤く真紅に光る宝石だった



14:◆63X1NcT632 :2006/06/25(日) 22:09:23.38 ID:7KLHmvXD0
  

( ^ω^)「やっぱり綺麗だお…」

ξ;゚听)ξ「ブーン!それを戻しなさい!」

( ^ω^)「おー」

ブーンはその宝石の魅力にすっかり見とれていて
ツンの声など届いていない

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ξ;゚听)ξ「何!?」

(;^ω^)「おっ?僕は何を…」

突然の揺れ。ただの地震ではない
揺れと共に、その宝石の光が少しづつ消えていく
そしてそれと同時に、地面から巨大な、何かが出てきたのだ

人のような姿をした、「それ」はブーンとツンのちょうど間に立った
まるでブーンを逃がさないようにとしてるかのように…



17:◆63X1NcT632 :2006/06/25(日) 22:11:19.94 ID:7KLHmvXD0
  

(;^ω^)「な、なんだおコレはーー!!」

ξ;゚听)ξ「ゴーレム…」

それは、岩のようだが完全に意思を持っているようだった
その巨大な体は岩と石で出来ており
簡単な攻撃では、傷をつける事も難しそうだ

(;^ω^)「あわわわわわ…」

ξ;゚听)ξ「ブーン!早く宝石を元の位置に戻しなさい!
      それはその宝石を守るためにいるゴーレム!!
      それを守るために宝石を取ったあなたを攻撃してくるわよ!」


   *ゴーレム
  魔法による特殊な加工をされた岩の魔人
  魔力により、意思を持ち製造者の命令に従い続ける


ツンの言葉どおりゴーレムは、ブーンに向かって
その巨大な拳を大きく振りかぶる



18:◆63X1NcT632 :2006/06/25(日) 22:12:37.97 ID:7KLHmvXD0
  

(;^ω^)「くっ…」
         
ブーンは宝石を持ったまま、走り出した

ゴガァァァンッ

先ほどまでブーンのいたその位置の床が、ゴーレムによって
見事に破壊される

(;^ω^)「ちょwwあんなのに潰されたら僕おせんべいになっちゃうお!」

ξ;゚听)ξ「ブーン!早く戻ってきなさい!あれはあなたを狙ってるのよ!」

(;^ω^)「無理だお!こいつが邪魔でそっちに行けないお!」

二人の会話に割ってはいるよう
ふたたびゴーレムの巨大な拳がブーンへ向かっていく

(;^ω^)「くっ…」

(;^ω^)「こんなところで…!」



19:◆63X1NcT632 :2006/06/25(日) 22:14:05.82 ID:7KLHmvXD0
  

ブーンは、もう駄目だそう悟って目を瞑った
しかし、いくら待ってもゴーレムの拳はこない
ブーンは恐る恐る、目を開ける

そこには、氷付けになりピクリとも動かない岩のかたまりと化したゴーレムがいた
部屋を見渡すと、まるで一瞬で氷付けにされたかのように、氷っていた

ξ;゚听)ξ「なに…これ…」

(;^ω^)「な、なにが起こったんだお…」


     「いやぁよかった。間に合ったみたいだねぇ」


後ろから声がする
ブーン達は振り向こうするが、体はピクリとも動かない

(´・ω・`)「あ、動かないよ。君達も動けない程度に氷らせたから」

声の主はショボンだった
この男が、この部屋と、この岩の魔人を一瞬のうちに氷らせたのだ



20:◆63X1NcT632 :2006/06/25(日) 22:14:52.53 ID:7KLHmvXD0
  

(;^ω^)「だ、誰だお?!」

その姿を確認する事は出来なかったが
今の、この状況は先ほどよりも更にマズイという事を体が悟った

(´・ω・`)「さぁね。盗人に、名乗る名は持ち合わせてないのでね。
      確か、ここは侵入禁止区域のはずだよ?
      そこに入るって事は、それくらいの覚悟はあるって事だよね?」

一歩一歩、コッ…コッ…コッと
少しずつ、靴の音は近づいてくる
ショボンは動けないブーンの正面に立ち、その顔を見た

(´・ω・`)「まだ子供じゃないか。
     こんなところに来るなんて、その覚悟は認めるよ」

(´・ω・`)「それじゃあ…まずそれを渡して貰おうか」

ショボンが目を向けた先にあったのは
未だに輝き続けているその赤い宝石だった

(;^ω^)「…」




三話   終わり



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