( ^ω^)ブーンは盗賊のようです

24:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:05:30.15 ID:UEML3VWI0
  

(´・ω・`)「やぁ、またあったね」

(;^ω^)「…いやな再会だお…」


ショボンのその体からは以前より更に鋭い冷気が流れている

(´・ω・`)「さて、君達はカキ氷になってもらうよ」

( ^ω^)「だが断る!シロップが無い今!カキ氷を食べても美味しくないお!」

( ゚∀゚)「練乳!練乳!」

('A`)「カルピスでなんとかなるだろ」

(#´・ω・`)「…じゃあ本当になってもらおうかな」

(´・ω・`)「『ブリザード』!」

再びあの冷気が部屋を凍結させていく
ツンを一瞬で氷らせた魔法
しかし、ツンはそれを見て驚くどころか笑っていた



26:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:06:52.48 ID:UEML3VWI0
  

ξ゚听)ξ「そうはいかないわよ!ブーン!協力しなさい!」

( ^ω^)「分かったお!あれを使う時が来たようだお!」

そういうとツンは右手をショボンに向け
ブーンは、そのズボンを脱ぎその尻を向けた

(;゚∀゚)「おい!なにやってんだ!」

( ^ω^)「団長!見てるお!ブーンの新しい力!」

ブーンはそう叫ぶと尻に魔力をこめ始める

(´・ω・`)「無駄なあがきを…こおりつけ!!!」

ブリザードの出力が上がり一気に
ブーン達に襲い掛かる

ξ゚听)ξ「同じ手は食わないわよ!食らいなさい!」

( ^ω^)「おおおおおおおおおお!!」



27:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:08:00.92 ID:UEML3VWI0
  

ξ゚听)ξ ^ω^)「『メラゾーマ』!!」

呪文の叫びとともに、ツンの手のひらとブーンの尻から炎が巻き起こる
そして炎は、混ざり合うように巨大な炎の球体となり
部屋の中心へ飛んでいき爆発を起こした

 ドオォォーーーーーーーッン!!

爆発は、回りの氷と大気の水分を蒸発させつつ
部屋中に広がる
ブーン達に向かっていた氷は全て、爆煙により蒸発した

(;´・ω・`)「複合魔法…まさか、そんなものが使えるとはね…」

    *複合魔法
  術者同士が、近くで特定の魔法を使うと起こる現象。
  その威力は元の魔法を遥かに上回る

ξ゚听)ξ「氷は炎に弱い。あなたが言った言葉よ。
      確かに私一人じゃあ、あなたには勝てないわ。けど二人なら…ね。」

(;´・ω・`)「くっ…だが、まだ負けたわけではない!!」



28:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:09:29.27 ID:UEML3VWI0
  

ショボンは、再び右手に魔力を込め天井に向けた
すると天井に、巨大なツララが形を成していく

(´・ω・`)「『ディープフリーズ!』」

ショボンが指をパチンッ!と鳴らすと
そのツララはブーン達目掛けて、勢いよく飛んでくる

(●), 、(●)「みなさん伏せてください!」

(●), 、(●)「『ATフィールド』!!」

ダディは、シャーミンの時に見せたあのバリアを展開させる
その大きなエネルギーの壁は、大人数のブーン達も大きく包んだ

 パキィッ キィインッ パキィィッ!

ATフィールドに遮られ、ツララはブーン達に触れることは無い
しかしそのツララも止む事はなく降り注ぐ

;(●), 、(●)「ムゥゥッ!マズいです!ATフィールドが消えそうです!」

/ ,' 3「よし!ワシ達に任せろ!」

( ゚∀゚)「部下達に、守られっぱなしじゃ駄目だもんな!」



29:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:10:54.33 ID:UEML3VWI0
  

ATフィールドが消えると共に押さえられていたツララが
一気に降り注ぐ

/ ,' 3「行くぞ!」

( ゚∀゚)「おおらぁ!!」

急に、ジョルジュが荒巻の乗っていたロボットを担ぎ上げた
かと思えば、それを思いっきりツララのほうへ投げつけた

/ ,' 3「変形!」

荒巻は、ロボットにいくつかついているうちの一つのボタンを押した
すると、ロボットはその形を変え、プロペラの様な刃を持った球体のような形に
変わり、いきおいよく回転を始める

  キィンッ! ガガガガガガッ!!
 
回転した刃は、円を描き降り注ぐツララを全て砕いていく


(;´・ω・`)「そ、そんな…まさか…」



30:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:12:40.14 ID:UEML3VWI0
  

< `∀´>「今ニダ!」

ニダーが、煙幕弾を投げると、部屋中が煙で包まれていく

(;´・ω・`)「!煙幕か…!」

( ^ω^)「おぉぉぉおおお!!」

どこからか聞こえてくるブーンの声
防御体勢を取ろうにも煙幕で、回りが見えない
戸惑うショボンは、横から飛んで来ていたブーンに気が付かなかった

( ^ω^)「食らうお!!」

(´・ω・`)「そこか!」

ショボンはブーンの声に反応しその方向を見るが
もう既にブーンの蹴りがショボンの腹に入っていた

(;´・ω゚`)「ぐぁっ…!」

鈍い声を出し、少しの対空後ショボンは地面に転がった

 キイィンッ

何かが落ちる音



31:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:14:15.42 ID:UEML3VWI0
  

(;´・ω-`)「!!…しまったッ…!」

煙が段々と晴れていくと
その落ちたものは赤い光を放った
それこそ、ショボンが大事に持っていたあの宝石だった

( ^ω^)「おっ!それは返してもらうお!!」

宝石目掛けて、ブーンは全力で飛び込んだ

(;´・ω・`)「わ、渡してたまるかァーーッ!!」

ショボンも手を伸ばすも蹴られたダメージが響き
その手は、遠くの宝石に届かない

( ^ω^)「もらtt ――――」

 ガギイィィィィーーッン!!

宝石を取ろうとしたブーンの手を何かが遮った
ブーンは、それを寸前で避け後ろに後退する
それは、常人には持てそうにもないくらいとても大きな剣だった

    「やっぱり、持ってたじゃねぇか」



32:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:15:43.27 ID:UEML3VWI0
  

声と共に上の方から一人、人が降りてきた
その人は、降りてくると同時に剣の柄を握ると
そのまま剣の上に座った

(,,゚Д゚)「ショボンさんよ」

(;´・ω・`)「ギ、ギコ…」

(;^ω^)「だ、誰だお?!」

(●), 、(●)「ギコ…AA軍、四大幹部の一人ですね」

(;゚∀゚)「向こうの仲間か…」

(,,゚Д゚)「あぁその通りだ。今すぐ、ここで全員ぶっとばしてぇところだが…」

そう言い止めると、剣から降りると同時に、地面に突き刺さった剣を引き抜いた
そしてその小さな体のどこから出てるのかと思う程の力で剣を振り回し
刃の先をショボンに突きつけた

(,,゚Д゚)「今用があるのはお前の方だ」

(;´・ω・`)「…」



33:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:17:16.12 ID:UEML3VWI0
  

(,,゚Д゚)「まぁ、大体予測はついてんだろ。それの事だよ」

そういうと宝石をチラッと見て、再びショボンを睨みつける

(,,゚Д゚)「あの人に言われて、お前を監視してたら案の定。
     まさかほんとに持ってたとはなぁ」

(,,゚Д゚)「これは回収させて貰うぞ。」

ギコは、片手で剣を構えつつ宝石を懐にしまった

(;´・ω・`)「そ、そんな…」

(,,゚Д゚)「お前の処分は、あの人が決める。
     今ここでぶっ殺してもいいんだがな。」

(;´・ω・`)「…クソッ!」


(;^ω^)「いったい何がなんだが…」

ξ゚听)ξ「ブーン!早くこっちに来なさい!!」



34:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:20:39.58 ID:UEML3VWI0
  

突然のツンの声
声の方を見ると、もう既に皆脱出していてその姿は無い
ただ一人、ツンが残り手招きをしていた

(;^ω^)「何か分からんけど…チャンスだお!」

ブーンも、全速力で出口へ向かって走る
しかし、ギコはまったくこっちへ向かってくるそぶりを見せないどころか
こっちを
見てすらいなかった
ギコは、ブーンがビルから出たのを確認すると
その背中に言うようにふと呟いた

(,,゚Д゚)「今回は見逃してやるが…次にあったら次はないと思えよ」

そして再びショボンを見た

(,,゚Д゚)「それじゃあ、行くぞ。あの人のところに。」

(;´・ω・`)「…あぁ」



―――…



35:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:22:59.15 ID:UEML3VWI0
  

ビルから脱出したブーン達は
町外れの止めてあった飛行船の前に集まっていた


( ^ω^)「いやぁ危なかったお」

ξ゚听)ξ「ほんとに一時はどうなる事かと思ったけどね」

('A`)「ほんとだよ。団長達が助けに来てくれなかったらどうなってた事か…」

( ゚∀゚)「まぁ、仲間を助けるのは当然の事だからな!」

ξ゚听)ξ「けど、今回ブーンがあんなに早く魔法を使えるようになるとは思わなかったわ
       悔しいけど、今回はあんたの力のおかげで助かったわけだし」

(*^ω^)「おっおっおっ!努力と才能だお!」

ξ゚听)ξ「才能…ね。もしかしたら
      ブーンは魔法を使う素質があるのかもしれないわね」

(*^ω^)「!マジかお!僕すげぇwwwwっうぇwwwっうぇww」

ξ;゚听)ξ「……それはないか…」



36:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:24:19.44 ID:UEML3VWI0
  

('A`)「それで、これからどうするんだ?」

( ゚∀゚)「あぁ、まずは荒巻さんの用事を済ませようと思ってる」

< `∀´>「秘薬エリクシルを盗むニダね」

( ゚∀゚)「あぁ」

/ ,' 3「やっとじゃな」

( ^ω^)「じゃあ、ツンとダディさんとは、ここでお別れかお」

ξ゚听)ξ「え?」

ツンはキョトンとした顔でブーンを見た

(;^ω^)「いや、え?って…だってツンは冒険者だお。
     僕達、悪党の仕事に付き合う必要はないお?」

ξ゚听)ξ「まぁ…そうなんだけどね。
      あなた達は、飛行船でどこに行こうとしてるの?」



37:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:25:28.30 ID:UEML3VWI0
  

( ゚∀゚)「そういや、特に考えてなかったな…
     ブーンの探しモンもどこにあるか分からんし…」

ξ゚听)ξ「それじゃあ!私も連れて行って頂戴!
      一時的に仲間になる変わりに、とある場所に連れてってほしいの!」

ξ゚听)ξ「最果ての都市「シベリア」へ。」

( ゚∀゚)「…」

( ゚∀゚)「はぁ…?」

ξ#゚听)ξ「ちょっと!人が真面目に話してるのに「はぁ…?」はないでしょ「はぁ…?」は!」

ツンは大声を上げながらジョルジュの首をぐいぐいと絞める

(;゚∀゚)「ちょ…げほ…もちつけ……だってよぉ」

('A`)「それは、世界のどこかにある都市の事だろ?
    行くとどんな夢でもかなえられるっていう」



38:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:27:22.23 ID:UEML3VWI0
  

ξ゚听)ξ「そうよ!私はそのために冒険してるんだから!」

( ^ω^)「いいお!一緒に探すお!」

(;゚∀゚)「って、おい!ブーン!」

(;'A`)「どこにあるかも知られてないんだぞ?」

( ^ω^)「目的もなく、さまよってもしょうがないお。どうせならそんな冒険をしてみたいお!
      きっと、世界を旅してればカーチャンの形見も見つかるお」

('A`)「…冒険ねぇ…」

( ^ω^)「それに魔法が使えるツンがいれば百人力だお!」

ξ゚听)ξ「ブーン…」

( ゚∀゚)「まぁ…そうだな!だったら連れてってやろうじゃねぇか!シベリアによ!!
     少しくらい夢を持って旅をした方が楽しいもんな!」

ξ*゚听)ξ「ほんと!?」



39:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:29:19.81 ID:UEML3VWI0
  

( ^ω^)「さすが団長だお!物分りがいいお!!」

(*゚∀゚)「ほめるなほめるな!ガハハハッ」


(●), 、(●)「では私は、ここでお別れですね。
         楽しそうな旅ですが私にはやるべき事がありますので」

( ^ω^)「そうかお。短い間だったけど有難うだお」

(●), 、(●)「いえいえ、では、また会いましょう!!」

そう言って、おじぎをするとダディは
あの足の速さで、街へと戻っていった


( ^ω^)「よし!そうと決まれば行くお!冒険に!」

/ ,' 3「まぁ、待て。先にワシの用事を終わらせてからにしてくれんか?」

(;^ω^)「あ、すまんこ。じゃあ、まずはそっちに行くかお!」

( ゚∀゚)「おう!」

( ^ω^)「それじゃあ出発だお!!」



40:◆63X1NcT632 : 2006/06/29(木) 23:29:52.03 ID:UEML3VWI0
  

こうしてブーン達の物語はまた一歩進んだのであった



――― 一方…



(  )「それじゃあ…たっぷり話してもらおうか…」

(;´・ω・`)「…」







八話   終わり



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