( ^ω^)ブーンは盗賊のようです

5:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 22:55:30.02 ID:Yc5Y+GC/0
  

/ ,' 3「それじゃあ任せたぞ」

崖の上に立つ巨大な邸が見える森の中
飛行船を止め、ブーン達は邸を見上げていた

( ^ω^)「崖から上るのかお」

( ゚∀゚)「正面から行くのは俺のポリシーに反するからな。
     崖から行った方がそれっぽいだろ」

('A`)「よし、それじゃあ行くか」

< `∀´>「今回は、ここで待たせて貰うニダ」

/ ,' 3「うむ、頼んだぞ」

三人は、頷くと一気に崖を上り始めた
順調に、上っていきあっと言う間に
上にたどり着いた



7:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 22:57:06.27 ID:Yc5Y+GC/0
  

はずだった
 
 ズルッ

('A`)「しまッ…!!」

ドクオが崖の頂上に手をかけた瞬間
その手はすべりおち、ドクオの体は宙に浮いた

(;^ω^)「ドクオ!!」

ブーンはすばやい判断でドクオに手を伸ばし
なんとかその腕を掴んだ
ぶーらぶーらと振られつつも
ドクオは、なんとか再び崖に手をかける事が出来た

('A`)「す、すまん…」

( ^ω^)「気をつけるお」

('A`)「あぁ」

('A`)「…」



8:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 22:58:42.76 ID:Yc5Y+GC/0
  

そして三人は、なんとか崖の上にたどり着いた
と、同時に全速力で且つ静かに、走り出す

そしてあっという間に、邸に侵入すると
地下にあった大きな扉の前にたどり着いた

( ゚∀゚)「雰囲気からしてこの部屋だろうな。鍵が何十にも掛かってる」

( ^ω^)「じゃあドクオ、任せるお」

('A`)「おう」

 カチャッ カチャッ カチャッ カチッ

ドクオはお得意のピッキング能力で、鍵をあっという間に開けてしまった
音を立てないよう、ゆっくりと扉を開け
松明の火で、部屋を照らす

( ゚∀゚)「これは…書庫か」



9:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 23:00:24.92 ID:Yc5Y+GC/0
  

照らされた部屋には大量の本棚とそこに納められた本だった

(;^ω^)「多いお…これを見てるだけで、頭がクラクラしてくるお…」

('A`)「お前少しは本を見ろ…どれどれ…どんな本があるんだ?」

というと、ドクオは一番近くにあった本棚の一冊の本を手に取った

('A`)「なになに…「隠された都市の伝承」…ってこれ…」

( ^ω^)「もしかしてツンの探してるところの事かお!?」

('A`)「見てみないと分からんな…どれ」

表紙から1ページ1ページ中を読んでいく

('A`)「…なんか歴史の事ばかりだな…場所についての事なんか…あ、これか?」



10:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 23:01:43.17 ID:Yc5Y+GC/0
  

('A`)「北に天高く、そびえる山。天に最も近い場所…」

( ゚∀゚)「北の山って言ったら…トッポ山脈か
     雪が酷くて、誰も頂上に言った事がないという…」

( ^ω^)「そんなところにあるのかお…」

(;゚∀゚)「けど困ったな…あの辺の大陸の空は、いつも荒れているんだ…
     今の飛行船と俺達じゃ、行っても落ちるのが関の山だぞ…」

(;^ω^)「そ、そんな」

('A`)「とりあえずこの事は後で話そう。今は、あれを探すのが先決だろ?」

( ゚∀゚)「あぁ、そうだったな。とりあえずこの本は貰っておこうか」

ジョルジュは、懐に本をしまった

( ^ω^)「それじゃあエリクシルを探しに行くお!」

三人は、松明を消し書庫を出た

     「誰だ!」



11:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 23:04:28.86 ID:Yc5Y+GC/0
  

扉を開けると同時に、長い廊下に響いた声

(;^ω^)「げっ!」

その声の主は、ブーン達をジッと見ている

( ゚д゚ )「盗賊か…こんな邸になんのようだ?」

(;'A`)「チッ、逃げるぞ!」

ドクオは、そう言うと共に反対側の通路へ全速力で走る

( ゚д゚ )「そうはいかんざき」

そう男が言うと、ドクオは急にその足を止めた
いや、正確には『止められた』

男は、いつの間にかドクオの正面に立ち
人差し指でドクオの頭を抑えていた



12:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 23:07:17.88 ID:Yc5Y+GC/0
  

(;'A`)「な、に…?」

( ゚д゚ )「時の魔法『スロウ』をかけさせて貰ったよ。
     残念ながら君は、少しの間だけ動けなくなった」

(#゚∀゚)「てめぇ!!」

ジョルジュは我を忘れたかのように
男へ向かっていく

( ゚д゚ )「『ヘイスト』」

男がそうつぶやくとまた目の前から、消えた

(;゚∀゚)「またか!」

( ゚д゚ )「こっちだ」

男はいつの間にかジョルジュの真後ろに回っていた
そしてジョルジュの首をd と叩いた
ジョルジュは、そのまま意識が無くなったかのように地に倒れた



13:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 23:09:36.81 ID:Yc5Y+GC/0
  

(;^ω^)「団長!な、何を…!」

( ゚д゚ )「別に、ツボを突いただけだよ」

( ゚д゚ )「それで……君はどうするんだい?」

(;^ω^)(今、ここで逃げてもあの瞬間移動みたいなのですぐに追いつかれる…
      それにドクオと団長を置いていくわけには…!)

(;^ω^)「分かったお…諦めるお」

( ゚д゚ )「よし」



そしてブーン達は、大広間に連れて行かれた
縄で縛られ動く事は出来ない



14:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 23:10:57.30 ID:Yc5Y+GC/0
  

(;^ω^)「おっおっおっ。また捕まってしまったお」

(;'A`)「俺ら盗賊に向いてないのかもな…」

(;゚∀゚)「おい悲しい事言うなよ…」

( ゚д゚ )「さて、雑談はそこまでにしてもらおうか。
     じゃあまずここに入った理由から聞かせて貰おうじゃないか」

(;^ω^)「えーっと…」

ブーンは、エリクシルの事、荒巻の事などをその男に話した

( ゚д゚ )「なるほど…確かに、その薬は私が持っているな」

(;^ω^)「今言ったとおり、それが必要なんだお」

( ゚д゚ )「ふむ、君達の事情は分かった。いいだろう、譲ろうじゃないか」

(*^ω^)「マジかお!?」

('A`)「なんか、妙にあっさりしてるな…話では頑固な人と聞いたんだが…」



15:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 23:12:59.40 ID:Yc5Y+GC/0
  

( ゚д゚ )「あぁ、確かに私はよく頑固者と言われるな。普通なら渡さないさ。けどな」

( ゚∀゚)「けど?」

( ゚д゚ )「これを渡せば人一人の命が助かるんだろう?」

( ^ω^)「だおだお」

( ゚д゚ )「ならば、渡さぬ訳にはいかないだろう。私は…」

( ^ω^)「?」

( ゚д゚ )「すまない。なんでもない。」

そういうと男は大広間にあった壁画の枠の一部を押した
すると、なんと壁画が一回転し、そこから小さな
フタのついたグラスが出てきたのだ

(;^ω^)「す、凄い仕掛けだお…」

( ゚д゚ )「いざと言う時の為に隠しておいたのさ」



17:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 23:21:32.78 ID:Yc5Y+GC/0
  

( ゚д゚ )「それじゃあ、ホレ」

男は、縄を解くとグラスをブーンに渡した

( ^ω^)「ほんとにありがとうだお!」

( ゚д゚ )「なあに、気にするな。」

( ^ω^)「それじゃあ、戻るかお。それじゃあさよならだお。」

そういって、ブーン達は男にお辞儀をすると
飛行船へと戻っていった
男は、ブーン達の姿が見えなくなるまでその背中を見ていた

( ゚д゚ )「…」



22:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 23:36:51.16 ID:Yc5Y+GC/0
  

( ゚д゚ )「あの薬で、人が助かるんだな。
     もう…助けられなかったなんて思いはしないで済んだんだな」

そういうと、首から下げていた
写真のついたペンダントを眺める

( ゚д゚ )「あの病気で、娘が無くなる思いは…他の人にはさせたくないんだ…」

そうつぶやくと、男は自分の部屋へと帰っていった
その背中は、何か物悲しかった―――



23:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 23:38:01.64 ID:Yc5Y+GC/0
  

( ^ω^)「ただいま戻ったお!」

/ ,' 3「おぉ!手に入れたか?」

( ^ω^)「ご覧のとおり!!」

ブーンはその手に持つグラスを
嬉しそうに荒巻に見せた

/ ,' 3「おぉ…良かった…これで、娘は助かるんだな…」

荒巻の目からは、いままで見せた事のなかった
涙がこぼれ落ちた

/ ,' 3「ほんとに…ほんとに…」

(;^ω^)「ちょww泣きすぎだお!」

('A`)「それだけ娘さんを思ってるんだよ。
    だけどその涙は、娘さんが治った時の為に取っときな」

/ ,' 3「…あぁ。ありがとうな」



24:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 23:39:15.51 ID:Yc5Y+GC/0
  

( ゚∀゚)「それじゃあ、荒巻さんとはここでお別れか」

( ^ω^)「色々と世話になったお」

< `∀´>「短い間だったけど楽しかったニダ」

/ ,' 3「いいや、世話になったのはこっちの方じゃよ」

('A`)「それで、これからどうするんだよ?」

( ゚∀゚)「目的地が決まったからな。飛行船を使う必要もないだろう
     だから、ここから一番近い港町から、船で行こうと思うんだ」

( ^ω^)「今度は船旅かお!おらぁワクワクしてきたぞ!」

/ ,' 3「よし、それじゃあ街の近くまで運ぼう」

( ^ω^)「ありがとうだお!」

/ ,' 3「なぁに、ワシ達は『仲間』じゃろ?」

(*^ω^)「おっおっおっ」

次は船で行く事になったブーン達
しかし、またそこから事件に巻き込まれていくのであった…


九話   終わり



25:◆63X1NcT632 : 2006/06/30(金) 23:40:04.67 ID:Yc5Y+GC/0
  

おまけ(と偽った言い訳


ゴシカァンッ!

(;^ω^)「あうあう」

ξ#゚听)ξ「ちょっと!何私を忘れてるのよ!!」

(;^ω^)「あー、いやーそのー、気持ち良さそうに寝てたから…」

ξ゚听)ξ「…まぁいいわ。今回は許してあげるわよ。
      どうせ邸には行かなかっただろうし」

(;^ω^)「じゃあ殴ることないんじゃ――」

ゴシカァンッ

( ;ω;)「たんに殴りたいだけなんじゃないのかお!?」



終わり



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