( ^ω^)ブーンは盗賊のようです
- 8:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:28:15.14 ID:IYBpvnT50
(;^ω^)「それにしても、凄い街だお」
ブーン達は、ミルナの言う機械技師のところへ行く前に
ユークリッドの街を眺めつつ、旅支度をしていた
('A`)「さすが歴史の街と言った所か…
家は、全部石造りだな」
( ゚∀゚)「街全体の雰囲気も昔を思わせるな
ミッドガルズとはまったく逆の街って感じだ」
< `∀´>「世界は広いニダ」
ξ゚听)ξ「あんた達、ボーっと街を眺めるのもいいけど
しっかり分担された物買って来なさいよ」
( ^ω^)「分かってるお。ドクオ、行くお」
ブーン達はそれぞれに別れ買い物を始める
ブーンとドクオは食料調達係
必要最低限の食料を順調に買い進めて行った
- 9:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:29:55.66 ID:IYBpvnT50
('A`)「なんだこれ?」
ドクオは奇妙な物体を手に持ってふと呟く
(´曲`)「いらっしゃい」
('A`)「これなんだ?」
(´曲`)「マタデー」
(;'A`)「いやだから…」
(´曲`)「美味いよ?」
('A`)「マジか…」
(´曲`)「一匹500モリタポでいいよ」
('A`)「高いな…」
( ^ω^)「ドクオ何やってるお」
('A`)「あ、すまん」
(´曲`)「チッ」
( ^ω^)「ドクオ、あんまり無駄な買い物は駄目ってツンが言ってたお」
- 10:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:31:29.74 ID:IYBpvnT50
…
( ^ω^)「あれ?ドクオー?」
ドクオの返事はない
ブーンが、今まで話しかけていたと思っていたそこに
ドクオの姿はなかった
ふと目をやると先の武器屋の前でボーッと武器を眺めていた
(;^ω^)「ドクオ聞いてるかお?」
('A`)「ん?あぁ」
( ^ω^)「何を見てたんだお?」
('A`)「これだよ、これ」
ドクオが指差す先には、ドクオが持つには少し
大きい一本の剣
(*'A`)「カッコイイな」
( ^ω^)「カッコいいお」
- 11:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:32:53.72 ID:IYBpvnT50
('A`)「ブーン、今いくら持ってる?」
( ^ω^)「駄目だお」
(;'A`)「ちょ…俺まだ何にも言って無いぞ」
( ^ω^)「ツンに、無駄な買い物は駄目って言われたお
それに、もうあんまり残ってないお」
('A`)「…だよなぁ」
( ^ω^)「突然どうしたお?ドクオらしくないお」
('A`)「俺さ…役に立ってないなと思ってよ」
( ^ω^)「そんな事ないお。ドクオの力は凄い役に立ってるお」
('A`)「そりゃあ…手先だけは器用だからな。でもさ…いざ戦闘となると
俺ってなんの役にも立ってないんだよな」
('A`)「遺跡の時も、ビルの時も、ミルナさんのとこでも…俺、なんも出来なかった」
( ^ω^)「…」
- 12:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:34:21.58 ID:IYBpvnT50
('A`)「だからさ、強くなりたいんだ」
( ^ω^)「でも、剣を使えば強くなれるわけじゃないお?」
('A`)「分かってるけど…他に強くなる方法が思いつかないんだよな
俺って…馬鹿だからさ、だから…」
( ^ω^)「…分かったお!僕のヘソクリを使っていいお」
(*'A`)「…!ブーン」
( ^ω^)「一緒に強くなるお!」
('A`)「おう!」
――そして…
ξ゚听)ξ「おかえり、ブーン。食材は買えた?」
( ^ω^)「バッチリだお!」
- 13:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:35:53.21 ID:IYBpvnT50
( ゚∀゚)「お?ドクオ、どうしたんだ?それ」
('A`)「あぁ、ちょっとな」
ドクオは、嬉しそうに笑いながら剣を背中に背負っている
('A`)「俺も…皆の役に立つんだ…」
( ^ω^)「おっおっおっ」
( ゚∀゚)「それじゃあ、さっさと行こうかってとこだが
もう日が暮れちまってる。今日は、宿を取ろう」
(*^ω^)「おっおっ、宿に泊まるのも始めてだお。旅は楽しいお」
――その夜
( -ω-)「zzz...」
( -ω-)「うーん…トイレー…」
ブーンは、寝ぼけつつ
ふらふらとトイレへと向かう
- 14:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:37:11.63 ID:IYBpvnT50
ブォンッ ブォンッ
( ^ω^)「お?」
どこからか聞こえる、何かを振る音
音に釣られ外へ向かうと
そこには小さい体で、力いっぱいに剣を振るうドクオの姿があった
(;'A`)「321…!322…!323…!」
( ^ω^)(…ドクオ)
(;'A`)「かならず…役に立って見せるからな、ブーン!」
( ^ω^)(頑張るお…)
ブーンは、そんなドクオの姿を影からずっと眺めていた
その日の夜は、月が綺麗だった
――朝
ブーン達は朝食を取っていた
- 15:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:38:42.70 ID:IYBpvnT50
( ^ω^)「おっおっおっ、ドクオ、これからも頑張るお」
('A`)「?」
こうして隠れたところで
ブーンとドクオの友情はまた一つ深まった
(#^ω^)「あー!ドクオ、僕のウインナー食べたお!!」
(#'A`)「食べてねぇ!!」
…だろうか?
( ゚∀゚)「さて…そろそろ行くか」
ブーン達は、そのままユークリッドの街を後にした
そしてゆっくりと東を目指し歩いていく...
しばらく歩くと周りは、木に囲まれていた
奥へは、長い道がずっと続いている
- 16:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:40:27.89 ID:IYBpvnT50
ξ゚听)ξ「長いわねー…」
(;^ω^)「ちょ…ちょっと疲れたお…」
('A`)「ちょっと休まねぇか?」
( ゚∀゚)「そうだな。ちょっと休むか」
街を出て一時間、さすがに少し疲れが溜まったのか
休む事になった
一行は、その場ですわりこむ
全員、疲れで緊張が解けていたのか
油断をしていた
突然、回りからガサガサッという音と、ガルルという獣のような声
気づいた時には、すでにウルフに囲まれていた
*ウルフ
牙と爪が特徴の狼のようなモンスター
すばやく集団で狩りをするのが特徴
(;゚∀゚)「囲まれてる…!?」
ξ;゚听)ξ「油断したわね…どうしよう」
- 17:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:42:06.84 ID:IYBpvnT50
('A`)「出番だな」
全員、武器を置いてしまい戦闘準備が取れて無い状況の中
ただ、一人
唯一ドクオだけが、武器を持っていた
ドクオはこの状況を待っていたのだ
('A`)「俺が頑張るんだ!」
そんなドクオに一匹のウルフが飛びつく
ドクオは、背中に背負った剣を引き抜くと同時にそれを前面へ押し出し
ウルフを切り裂いた
それを見た他のウルフも一斉にドクオに飛び掛る
ドクオは、剣をいっぱいに使い複数のウルフをなぎ払っていく
が、しかし相手が多すぎた
一瞬ドクオに、フラっとスキが出来た
(;'A`)「しまっ!!」
ウルフはそのスキに一斉に飛び込む
ドクオは、もう駄目だ。そう思いふと目を閉じた
- 18:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:43:44.78 ID:IYBpvnT50
しかし、いっこうに攻撃はこない
ふと顔を上げるとそこには
各自、武器を持ちウルフの牙を押さえつつ
ドクオを囲むブーン達の姿があった
('A`)「ブーン…」
( ^ω^)「一人で頑張るのもいいけど、僕らをもっと頼って欲しいお
強くなるのは、そんなに急がなくてもいいお」
('A`)「…!」
( ゚∀゚)「オラァ!かかって来な!!」
ジョルジュはいっぱいに腕を振るい、ウルフを弾く
(´・ω・`)「そこだ!」
そのスキを付き、後方からショボンがそれを氷らせる
ξ゚听)ξ「スキあり!」
ツンも負けじと炎で応戦する
- 19:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:45:11.11 ID:IYBpvnT50
( ^ω^)「僕等は、仲間だお
一人で勝てない敵にも、皆で協力すれば勝てるお」
('A`)「そうだったな…」
( ^ω^)「来たお!!」
残り一匹残ったウルフがブーン達に襲い掛かる
('A`)「うおおああ!!」
ドクオは、力いっぱい剣を振るった
剣は、ウルフの体を頭から裂いて真っ二つにした
('A`)「…強く…なるんだ。皆で!」
( ^ω^)「やったお!!」
('A`)「俺達の、勝利だな!!」
ブーンとドクオは高くハイタッチした
- 20:◆63X1NcT632 :2006/07/09(日) 22:46:26.76 ID:IYBpvnT50
ドクオは、一歩
ある意味強くなったのかもしれない
そして一行は、そのまま東へ向かった―――
十二話 終わり
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