( ^ω^)ブーンは盗賊のようです

22:◆63X1NcT632 :2006/07/13(木) 00:26:38.48 ID:dhXLM+o80
  

ゴゥン ゴゥン ゴゥン

ユークリッドから東へ歩く事、2時間
道は、開けたところに出て、先には大きな小屋が見える
そして小屋からは、なにやら機械の音と思われる音が聞こえる

( ^ω^)「やっとついたのかお…」

ξ゚听)ξ「長かったわね…さっさと行きましょう」

ブーン達は、機械音が止まないその小屋へと向かった

キイィィ

木で出来た扉をブーンはゆっくりと開けた

( ^ω^)「おじゃまんぼーう」

('A`)「失礼しまーす…」

扉を開け全員家の中に入り辺りを見回す
しかし、そこは薄暗く機械すら見えない



23:◆63X1NcT632 :2006/07/13(木) 00:28:07.99 ID:dhXLM+o80
  

(´・ω・`)「ん?場所を間違えたかな?」

( ゚∀゚)「でも機械の音はするぞ」

( ゚д゚ )「皆、こっちだ」

ミルナは、一つの扉を指す
そして、そこを開けた
そこには、地下深くへ続く階段があった

( ^ω^)「おぉ…隠し通路かお…秘密基地みたいだお」

( ゚д゚ )「別に隠してはいないが…とにかくこっちだ」

暗く、太陽の光が届かないその通路には
松明の明かりが点々と奥まで続いていた

ξ゚听)ξ「けど、なんでこんな地下に作ったのかしら」

( ゚д゚ )「多分、あいつの趣味だろう。
     あいつは太陽の下に出る事を極端に嫌うからな」

( ^ω^)「あ、明かりが見えたお」

道の奥にうっすらと部屋の光が見えた
ブーン達はその光へと向かう



24:◆63X1NcT632 :2006/07/13(木) 00:29:27.45 ID:dhXLM+o80
  

( ^ω^)「…ぉぉぉ」

('A`)「これは…すげぇな…」

ブーン達の目の前に広がったのは
広い空間に無数に置かれた機械だった
まるで何かの工場のような、そんな印象を叩きつけられた

( ゚д゚ )「…いないな…というと、あそこか」

ミルナは一人、部屋の隅へ向かっていく
その先には小さな扉がある

ミルナはゆっくりその扉を開けて言った

( ゚д゚ )「おーい、いるんだろう?私だ、ミルナだ」

    「お?ミルナか、久しぶりだな」

( ゚д゚ )「久しぶり」

ミルナは扉の前で、扉の中へ向かい話しかけている
どうやらその扉の中に、知り合いという人物がいるらしい

( ^ω^)「どんな人だお?」

     「ん?客人か?」

ブーンの声に反応してその人はゆっくりと扉の中から出てきた



25:◆63X1NcT632 :2006/07/13(木) 00:30:40.62 ID:dhXLM+o80
  

( ´_ゝ`)「やぁ、よーうこそ我が根城へ」

ブーンは、その人を見て驚きを隠せなかった
まさに駄目人間を絵にしたような格好
ボサボサの頭に、汚れた服
本当に、地上には出てないらしい

( ´_ゝ`)「俺の名前は、兄者。宜しくな」

兄者は、そういうと手を前に出してきた
ブーンは、それを少し嫌がり後ろへ一歩下がった
それもそうだ、兄者の手は傷と機械の油でいっぱいだったからだ

(;^ω^)「よ、よろしくだお」

( ´_ゝ`)「なんだ、そのあからさまな嫌がりかたは。ちょっと傷つくぞ。
      ただの握手じゃないか」

(;^ω^)「いやー、そのなんていうかー、あのー」

(#´_ゝ`)「俺の手が握れないと申すかーー!!」

(;^ω^)「ヒイィィィ!!すみません!します!させて頂きますお!!」

( ´_ゝ`)「よーし、宜しくな」



26:◆63X1NcT632 :2006/07/13(木) 00:31:50.27 ID:dhXLM+o80
  

兄者とブーンは、熱く、固い握手をした
その後ブーンが手洗いに直行したのは言うまでもない

( ´_ゝ`)「失礼なやつめ」

( ゚д゚ )「まぁ、そう言うな。とりあえず今日は頼みがあってここに来たんだ」

ミルナは、全ての現状を兄者に話した

( ´_ゝ`)「なーるほど、ま、確かに世界を探してもそんな飛行船を作れるのは
      俺と弟者くらいだな」

( ゚д゚ )「だから、こうして頼みに来たって訳だ」

( ´_ゝ`)「まぁ、それはいいんだけど少し問題があるんだよ…」

( ^ω^)「今戻ったお、それで問題って?」

(#´_ゝ`)「こいつ…」

( ´_ゝ`)「一つは、どんな暴風雨の中でも飛べるように
      魔法で防御壁を貼る必要があるのだが、それが出来ない
      二つ目は、今弟者がいないって事だ。」

( ^ω^)「弟者って誰だお?」



27:◆63X1NcT632 :2006/07/13(木) 00:33:05.13 ID:dhXLM+o80
  

( ´_ゝ`)「俺の最高の相棒にして家族の一人ってとこだ」

( ゚д゚ )「今どこにいるか分からないのか?」

( ´_ゝ`)「いや、それは分かっている。
      丁度、魔法壁を貼るために必要な魔石を取りに行っている。」

      *魔石
    魔法による特殊な加工が施されたエネルギーの元
    これを機械に装備する事で、機械自体が特殊な能力を得る

( ゚д゚ )「魔石か…なんに使おうとしてたんだ?」

( ´_ゝ`)「ついこの前オーダーが入ってな。魔石を装備した動力を作ることになった」  

( ^ω^)「どうするお…」

( ´_ゝ`)「ミルナの頼みだ。聞いてやりたいが、弟者もいない今どうする事も出来ない」

( ´_ゝ`)「そこでだ。お前らが、弟者と魔石を持って帰ってくる、というなら
      その頼みは受けようじゃないか」

( ^ω^)「マジかお!それくらい簡単だお!!」

( ´_ゝ`)「言ったな?」

(;^ω^)「え?」

――そして――



28:◆63X1NcT632 :2006/07/13(木) 00:34:21.69 ID:dhXLM+o80
  


ブーン達は、とある大陸を目指して
兄者から借りた飛行船で空を飛んでいた

『( ´_ゝ`)「じゃあ、俺の飛行船貸してやるから、頼んだぞ」』

(;^ω^)「って言われたけど…」

ξ゚听)ξ「まさか向かう先が…」

('A`)「極寒の地…スノーフリア…」

スノーフリア、というのは一年の天気のほとんどが雪という
世界で一番寒い大陸の事である

ξ#゚听)ξ「どうすんのよ!私あんな寒いところ行きたくないわよ!」

(;^ω^)「そ、そんな事言ってもしょうがないお!!だって…」



29:◆63X1NcT632 :2006/07/13(木) 00:35:01.10 ID:dhXLM+o80
  

『( ^ω^)「数日、待ってれば弟者も帰ってくるんじゃないのかお?」』

『( ´_ゝ`)「いや、それがな…ここ、二週間程帰ってこないんだよ…
       だから何かあったのかと心配でな」』



30:◆63X1NcT632 :2006/07/13(木) 00:36:12.21 ID:dhXLM+o80
  

(;^ω^)「て言うんだから…」

( ゚д゚ )「まぁ、しょうがないだろう。それに弟者の事も心配だ。何か事件に巻き込まれてなきゃいいが…」

( ゚∀゚)「ジッとしててもしょうがないしな…」

< `∀´>「このウリ特性のホッカイロがあれば大丈夫ニダ。ホルホルホル」

(´・ω・`)「…スノー…フリア…」

各々の、心配を乗せながら飛行船は、スノーフリアへと向かっていった


(*^ω^)「おっおっおっ」

 ザクッ

(*^ω^)「雪だおwwwおっおっおっ」

飛行船が、スノーフリアにつくと
ブーンは勢いよく雪の上に飛び降りてはしゃぎ出した



31:◆63X1NcT632 :2006/07/13(木) 00:37:33.28 ID:dhXLM+o80
  

('A`)「おー、雪だな」

ξ*゚听)ξ「白銀の銀世界…すばらしいわ…」

( ゚∀゚)「お前ら散々文句言ってたくせにまんざらでもないのな…」

(*^ω^)「おっおっおっ…おっおっ…………」

( ^ω^)「…」

( ゚∀゚)「どうした」

( ^ω^)「…」

('A`)「ちょwwwww凍ってるwww」

ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと大丈夫!?」

ツンは急いで炎でブーンを溶かした
ブーンの体は湯気を出しながら、回復していった



32:◆63X1NcT632 :2006/07/13(木) 00:38:16.24 ID:dhXLM+o80
  

(;^ω^)「ささささささ寒すぎだおおおおおおおお」

(;゚∀゚)「確かに、このままじゃ弟者を探す前に凍え死んじまうな…」

(´・ω・`)「皆、こっちだ」

急に、ショボンは、延々と続く雪景色を進みだした

(;^ω^)「ショ、ショボボボボンンンどどどこにいくんだおおお?」

(´・ω・`)「街だよ。まずは防寒服を買わなきゃいけないし」

<;`∀´>「街って行ってもどこにも見えないニダ…」

(´・ω・`)「大丈夫、こっちだよ。」

一行は、どうする事も出来なかったので
ショボンに従うしかなかった
ブーン達が、しばらく歩くと、遠くで煙のようなものがうっすら見える



33:◆63X1NcT632 :2006/07/13(木) 00:39:17.22 ID:dhXLM+o80
  

( ^ω^)「煙だお!…って事は、街かお!?」

ξ゚听)ξ「すごい…ほんとにあったんだ…」

( ゚д゚ )「……ショボン君は、何故この街の存在を知っていたんだ?
     こんな辺境の地の隠れた街なんかよほどの事が無い限り分からないだろう」

(´・ω・`)「簡単な事だよ」


(´・ω・`)「あの街は、僕の生まれた街なんだ」





十三話  終わり



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