( ^ω^)ブーンは盗賊のようです

3:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:12:24.07 ID:uSr+4SrN0
  

その大きな剣を片手で持つギコ
ブーンとギコは静かに目を見つめ合った

(;^ω^)「な、なんでお前がここに…」

(,,゚Д゚)「別に今回はお前らが目的でここに来たんじゃないがな」

(,,゚Д゚)「俺が用があるのは…」

ギコがふと目を背けると
その先には、弟者の入った氷があった

(,,゚Д゚)「あいつだ」

(;´・ω・`)「弟者?どういう事だ?」

(,,゚Д゚)「詳しい事は言えないな。だが…」

ギコは、そこで喋るのをやめた
いや、ゆっくりと喋っている暇がなくなったのだ
ギコがその場からジャンプし、地面に降り立つと同時に
先ほどまでギコの真下で倒れていたフェンリルがゆっくりと起きた



4:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:13:56.94 ID:uSr+4SrN0
  

フェンリル「おのれ…たかが人間の分際で…」

フェンリルの傷は、氷で止血されていた

(;^ω^)「しゃ、喋った…!?」

(´・ω・`)「知能が高いからね。しかし、起き上がってくるとは好都合だ…
      まさか生きてるとはね…これで母さん達の仇がとれるってもんだよ」

(,,゚Д゚)「とりあえずこいつをかたつけるか」

( ^ω^)「頑張るお!」

武器を取り、敵に向かおうとしたブーンを
ショボンが服を引っ張り、止めた

(;^ω^)「ショボン、何するんだお」

(´・ω・`)「ブーン、こいつは僕に任せてくれ。こいつは僕の手で殺す…
      他の皆も下がっててくれ」

フェンリル「フゥー…人間が…デカイ口を叩いていられるのも今の内だぞ!!」

一人、前に出てきたショボンに対してフェンリルは
その大きな口から巨大な氷を吐き出した



5:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:16:00.42 ID:uSr+4SrN0
  

(´・ω・`)「『ヒャダルコ!』」

ショボンは呪文を叫ぶと、手のひらを向けた
手のひらからは、それと同じくらいの氷が出てきて
お互いの氷は中心で砕け散った

フェンリル「少しはやるようだな…」

(´・ω・`)「今度は、こっちの番だ」

ショボンは、そういうと両手に魔力を集中させた
そしてそれを真横に向けると
そこに、巨大な氷の剣が形成されていく

(´・ω・`)「『フリジット・コフィン』!」

そして両手をいっぱいに振るい
そのフェンリルに向けその剣を放った

フェンリル「こざかしい!!」

だがフェンリルは、それを爪で砕く

お互い、間合いをつめながらジっと睨みあいをするなか
そのフェンリルの頭の真上にギコが高速で移動していた



7:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:18:57.41 ID:uSr+4SrN0
  

(,,゚Д゚)「脳天カチ割ってやるよ!」

そして着くと同時に、その大剣をフェンリルの頭に向け一直線に振り下ろした

フェンリル「二度も同じ手を食らうと思ったか!小僧が!」

フェンリルはギコに向け地面から巨大な氷の刃を出し、それを遮った
だがその氷は、攻撃を遮るだけではなくギコに牙を向ける
ギコは、剣を引き戻すと同時にそれを弾くと、ショボンの横に降りた

(´・ω・`)「ギコ!手を出すな!これは僕の戦いだ!」

(,,゚Д゚)「お前の都合なんか知った事か。こっちは急いでんだ」

(,,゚Д゚)「おら、話してる暇はないぜ!」

ギコが顔を向けると、フェンリルがその大きな体と爪ごと
ショボン達に向かってきた

フェンリル「このまま二人共々、押し潰してくれる!!!」

(;^ω^)「ショボン!」

(;´・ω・`)「チッ…相手も僕も力は氷。このままこっちに来られると食い止める術がないッ!!」

(;´・ω・`)「こうなったら…仕方ないッ…!」



9:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:21:21.99 ID:uSr+4SrN0
  

(´・ω・`)「ギコ!一瞬だッ!一瞬だけ力を貸せ!」

(,,゚Д゚)「このままだとお互い死ぬか…いいだろう!ただし一瞬だからな」

二人は、同じ方向
向かってくるフェンリルを見つめた

(,,゚Д゚)「絶氷の剣!」

そう叫ぶと、ギコは全身の力をこめ
空気を裂きながら剣を天高く構える

(´・ω・`)「断罪の剣!」

ショボンが、全身の魔力をこめ冷気を放つと
フェンリルのその巨大な体は空中で一瞬だけ動きを止める

フェンリル「何ッ!」

そしてその一瞬を突くよう
ショボンが、その全身全霊を魔力に込めた冷気をギコの剣に集めていく
するとどうだろう、ギコの剣の刃の部分は冷気と魔力により巨大で禍々しい形に変化していった

(,,゚Д゚)「その身刻め!」

(´・ω・`)「奥義!」

ギコは、その剣を持ちフェンリルの眼前まで一気にジャンプした



10:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:22:37.20 ID:uSr+4SrN0
  

(,,゚Д゚)´・ω・`)「『セルシウスキャリバー!!』」

その叫びと共にフェンリルの体はその巨大な剣によって一気に真っ二つにされていく
そしてショボンの目の前に剣で切られた傷から大量の血を吹き出しながら倒れた

フェンリル「…たかが人間に…この私が…」

(´・ω・`)「その状態でまだ生きてるとはね…僕が直々にトドメを指してやる」

フェンリル「…!小僧…どこかで見たことがあると思っていたが…
       数年前のあの時の小僧か…」

(´・ω・`)「そうだよ。まさか、母さん達と一緒に氷らせたはずだったお前と
      会えるとは思ってなかったよ。これで、母さん達の仇が取れる…」

ショボンはそういうと再びその両手に氷の剣を作り始めた

フェンリル「フン…あの時にお前を確実に殺しておくべきだったか…」

(´・ω・`)「……これで…終わりだ…」

ショボンは、ゆっくりその手を振りさげた
その剣と共に――



12:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:25:11.66 ID:uSr+4SrN0
  

( ^ω^)「ショボン!」

(´・ω・`)「母さん…父さん…仇は取ったよ」

(,,゚Д゚)「さて…と…」

ギコはそうつぶやくと弟者の方へ向かった
弟者を包んでいた氷は無くなっていた
それを作ったフェンリルが死んだ事で溶けてなくなったのだ

(´<_`;)「う、うーん…」

(,,゚Д゚)「お前が弟者だな?」

(´<_` )「あぁ。そうだが…」

(,,゚Д゚)「じゃあさっさと行くぞ」

(´<_`;)「え?ちょ…?」

ギコは、剣を持っていないもう片方の手で
弟者を担いだ

(;^ω^)「お、お前ッ!弟者さんをどうするつもりだおッ?!」



14:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:26:34.40 ID:uSr+4SrN0
  

(,,゚Д゚)「急ぎの用って言っただろ。喋ってる暇はねぇ。それじゃあな」

ギコは弟者と剣を担いでいるとは思えないほどのスピードで
一気に、山を下っていった

(;^ω^)「ちょ…弟者さん持ってかれちゃったお!」

(;'A`)「ど、どうするんだ?」

( ゚∀゚)「どうするって決まってんだろ!!」


( ゚∀゚)「追って奪還する!!」  ドンッ☆

ジョルジュはそう言うと、ギコを追って全速力で山を下りだした

(;^ω^)「団長!僕等も団長を追うお!」

ブーン達も、ジョルジュを追って山を下る

しかしギコは、二つも重いものを担いでいるのにも関わらず
相変わらずのスピードだ

(;^ω^)「お…追いつけないお!!」



15:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:27:37.74 ID:uSr+4SrN0
  

(;゚∀゚)「おい、あんたの魔法でどうにかならないのか!?」

(;゚д゚ )「時の魔法をかけるには対象に触れてなきゃいけないんだ」

(;^ω^)「だったら、ヘイストを僕にかけるお!僕が走って追いかけるお!」

(;゚д゚ )「よし!頼んだぞブーン君!『ヘイスト』!!」

ブーンに、ヘイストがかけられるとその速度は一気に増した
ヘイストの効力で、ブーンとギコの間の距離は段々と詰められていく

(;゚Д゚)「チッ…早いなッ…!」

(;^ω^)「もう少しッ!!」

ブーンの手がギコの手をガシリッと掴んだ





十六話  終わり



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