( ^ω^)ブーンは盗賊のようです
- 17:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:30:57.02 ID:uSr+4SrN0
ブーンの手がギコの手をガシリッと掴んだ
(;゚Д゚)「チッ!」
しかし、ギコは簡単にその手を弾いた
だが、それだけでは意味がない
ギコにとって、ヘイストのかかっているブーンから
重いものを二つも担いだ状態で逃げ切るなんて事は、到底できるはずがない
(;^ω^)「逃がさないお!!」
再びブーンの手がギコの、今度は腕をガシリッとしっかり掴んだ
( ^ω^)「捕まえたお!!」
(;゚Д゚)「くそッ!離せッ!」
腕をつかまれた状態で、ギコはブーンに対して
その剣を振るった
ブーンは、思わず腕を放して後退した
(;^ω^)「あ、危なかったお…」
( ^ω^)「けど負けないお!」
- 18:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:34:15.49 ID:uSr+4SrN0
再びギコに飛びかかろうとするブーン
しかし、何故かその距離はどんどんと離されていった
(;^ω^)「あれ?おかしいお…急に足が…」
(;゚д゚ )「イカン!ヘイストの効力が切れた!!」
(;゚Д゚)「お?なんか分からんけど、チャンスだなッ!」
(;^ω^)「待つおッ!!弟者さんを返すおッ!!!」
(,,゚Д゚)「じゃあな」
ブーンの叫びも空しくギコに追いつくこと無く
逃げられてしまった
(;^ω^)「ハァ…ハァ…そんな…」
少し経つとドクオ達もブーンに追いついて来た
('A`)「ブーン!ギコは…」
(;^ω^)「スマンコ…逃げられたお…」
(;゚∀゚)「くそ…!」
( ´ω`)「皆…ごめんだお…」
- 19:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:37:19.25 ID:uSr+4SrN0
ξ゚听)ξ「気にしないで。とりあえず今は、兄者さんのところに戻りましょう」
( ´ω`)「…」
(´・ω・`)「その前に、街に寄って行っていいかい?」
――スノーフリアの街
街への道、ショボンは途中でその道を逸れた
ショボンが向かう先には
家が一件、丸ごと入った巨大な氷があった
( ^ω^)「…ショボンの家かお?」
(´・ω・`)「あぁ」
ショボンは家の前で手を組み祈りを始めた
おそらく両親に対してのものだろう
すると横からツンが、その氷に対して炎を当て始めた
しかし、その氷に変化はない
- 20:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:40:14.17 ID:uSr+4SrN0
ξ゚听)ξ「全然溶けもしないのね…」
(´・ω・`)「僕の奥底に眠ってた力の全てが凝縮した氷だからね
多分、溶かす方法はないと思う…」
( ^ω^)「大丈夫だお。僕があいつらからあの宝石を取り返して
これを溶かしてみせるお!」
(´・ω・`)「あぁ。頑張ろう」
ショボンの祈りが終わった後
各自は、しぃにお礼を言いにスノーフリアの街まで向かった
ブーンは、しぃの家の扉を開けしぃを呼んだ
( ^ω^)「しぃさーん」
…
静寂
家からしぃの返事は、返ってこない
- 21:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:42:50.13 ID:uSr+4SrN0
( ^ω^)「あれ?いないのかお?入るおー」
扉を完全に開け家の中を見渡す
しかし、そこにしぃの姿はなかった
( ゚∀゚)「あれ?いないのか?」
(´・ω・`)「どこか散歩にでも行ってるのかな?」
('A`)「お礼をしたかったんだけどな…」
ξ゚听)ξ「とりあえず服はここに置いていきましょうか」
( ^ω^)「あれ?」
突然ブーンの目にあるものが映った
( ^ω^)「これ…なんだお?ペンダント?」
ブーンが拾ったものは、青い石が紐で括り付けてあるペンダントだった
そして次の瞬間、それを見たショボンの表情が、驚きの表情に変わった
- 22:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:44:58.53 ID:uSr+4SrN0
(;´・ω・`)「そ、それは…しぃさんが肌身離さず持っていたペンダントだ!」
( ^ω^)「え?」
(;´・ω・`)「それがここに落ちてたって事は…」
(;^ω^)「…誰かに攫われた?」
(;゚∀゚)「まさかギコの奴がしぃさんを?!」
ξ゚听)ξ「けどなんで…?」
('A`)「…弟者さんも連れてかれたし…分からない事だらけだ…」
( ^ω^)「…今はとにかく兄者さんのところに帰るしかないのかお…」
しぃの失踪、弟者が攫われる
二つの謎を残したまま一行は兄者の元へと帰る事にした
- 24:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:47:03.80 ID:uSr+4SrN0
――兄者の小屋
長い階段を下るブーン達の足取りは重かった
兄者に弟者が攫われたなんて事を言ったら兄者がどんなにショックを受けるか
それを思うと自然と足は重くなっていった
( ´_ゝ`)「お!おかえり、おつかれちゃ〜ん」
( ´ω`)「…」
(;´_ゝ`)「お、おいおい。そんなに俺寒かったか?」
( ´ω`)「ごめんだお…弟者さんは…」
( ´_ゝ`)「え?あぁ弟者なら今風呂に入ってるぞ
なんでも氷付けになってたんだってなぁww馬鹿なやつだ」
( ^ω^)「…………え?」
(;´_ゝ`)「え?って…え?」
(;^ω^)「え?ちょ…だって弟者さんはギコに連れ去られて…」
- 25:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:49:36.52 ID:uSr+4SrN0
( ´_ゝ`)「弟者だったらギコって奴が連れて帰ってきたよ
あいつがどうかしたのか?」
(;^ω^)「…頭が混乱してきたお…意味が分からないお…」
(;゚∀゚)「ちょ、ちょっとまて?ギコはここに何しにきたんだ?」
( ´_ゝ`)「あぁ。実はお前らがここから出て行ったすぐ後
魔石搭載の動力が中々届かないからって催促しにきやがったんだよ
そんで弟者の事情を話したら一目散に出て行きやがって」
( ´_ゝ`)「それで、しばらく待ってたらあいつが弟者を連れてきたって訳だ
で、早速動力を渡せって言うもんだから、チャッチャーと作って渡したら
さっさと行っちまった…って訳だ」
(#´_ゝ`)「あ!!あいつ金払ってねぇじゃん…後で訴えてやる…」
( ^ω^)「動力を頼んでたもう一人のやつってのはギコの事だったのかお…」
(´・ω・`)「いや、ギコ自体がそんなものを欲しがるとは思えない
多分軍の命令だろうね」
(;^ω^)「軍!?軍がなんでそんなものを…」
( ゚∀゚)「軍もシベリアを目指してるなら、当然魔石導入動力が必要になる…って事か?」
( ^ω^)「でもなんでそんなに急いでたんだお?」
- 26:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:51:07.67 ID:uSr+4SrN0
ξ゚听)ξ「急がなきゃいけない理由でもあるのかしら…?」
(´・ω・`)「分からないな…」
一行が、頭を傾げてる時
弟者が風呂から上がって出てきた
(´<_` )「風呂終わったぞ兄者」
( ´_ゝ`)「おう。把握した」
(´<_` )「あれ?そっちのは山に居た人達じゃないか。どうしたんだ?」
ブーン達は、弟者に今までの事情を話した
(´<_` )「なるほどな。君達も動力が必要って事か」
( ´_ゝ`)「そういう事だ。って事で弟者。さっそく作業に取り掛かるぞ」
(´<_` )「おーともさ」
( ^ω^)「今から作るのかお?」
( ´_ゝ`)「あぁ。ギコって奴に渡した奴は飛行船がすでに出来上がってから
直ぐに出来たが、こっちはまだなんでな。あと一週間は掛かると思うぞ」
( ^ω^)「把握した」
- 27:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:55:27.75 ID:uSr+4SrN0
ブーン達は、兄者達の小屋の前で
テントを広げていた
テントの中心に作った焚き火が
パチパチと音を立てながら辺りを照らしている
ブーン達はその焚き火を囲むようにして
座っている
( ^ω^)「なんか分からない事だらけだお…」
( ゚∀゚)「軍が、宝石を使って何かを叶えようとしてるのは分かってるんだよな」
ξ゚听)ξ「でもそれと、しぃさんが何か関係あるのかしら…?」
('A`)「…直接、軍に聞くしかないな…」
( ゚д゚ )「とりあえず今日は寝よう。皆疲れただろう
時間はまだある。そう急がずに行こうじゃないか」
( ^ω^)「確かに急ぐ事はないか…寝るお…」
そして、それぞれが各自
自分のテントに入っていった
そして一時間程しただろうか
ブーンは、未だ眠れないでいた
- 28:◆63X1NcT632 :2006/07/17(月) 22:59:04.27 ID:uSr+4SrN0
( ^ω^)「…分からないお…軍が何をしようとしてるのか…」
( ´ω`)「しぃさん…」
ブーンは、そのままゆっくりと眠りについていった
――朝
( -ω-)「…zzz」
( ^ω^)「お…」
(;^ω^)「え?」
ブーンは目を覚まし辺りを確認して驚いた
そこは、昨日自分が眠りについたテントの中とは
かけ離れた部屋の中だった
十七話 終わり
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