( ^ω^)ブーンは盗賊のようです
- 3:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 22:43:38.68 ID:KwemJhNQ0
彡 ^ω^)「おっと…」
しかし、男は軽やかにブーンを避け
更にその背中に蹴りを入れた
その衝撃でブーンは壁まで転がっていく
(;^ω^)「けほっ…」
彡 ^ω^)「…ブーンよ。もう一度聞く。私と共に来ないか?」
(;^ω^)「何度聞かれても同じだお…!」
彡 ^ω^)「そうか。残念だ」
カチャッ
(;^ω^)「!!」
男の手には、銃が握られている
そして銃口がゆっくりとブーンの眉間に向けられた
- 7:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 22:46:56.24 ID:KwemJhNQ0
彡 ^ω^)「…これ以上は話しても無駄なようだな」
男の引き金を握る指に力が入っていく
( ^ω^)「待つお!!」
彡 ^ω^)「…なんだ?この期に及んで命乞いか?」
( ^ω^)「これを見るお!!」
彡 ^ω^)「む…?」
彡;^ω^)「なっ!!いつの間に!!!」
そう言ったブーンの右手には
先ほどまで男が持っていた宝石が握られていた
( ^ω^)「僕は団長に拾われてからずっとこっちの方で食ってきたお!
物を盗むなんて簡単だお!!」
( ^ω^)「そして、それを撃った瞬間、僕はこれを砕くお!」
彡;^ω^)「くっ…こしゃくな…ッ!!」
彡 ^ω^)「…だが…
ハハ…フハハハハッ!!!」
- 8:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 22:49:32.32 ID:KwemJhNQ0
彡 ^ω^)「私が、銃を捨てたとしよう。だが…どこにお前の逃げ場がある?
まさか、この広いビルから逃げられるとは思ってはいないだろう?」
( ^ω^)「そんな事かお」
彡#^ω^)「…何ィ?」
( ^ω^)「逃げ道だったら…」
ブーンは、ゆっくりと立って自分の後ろにある壁をノックした
彡;^ω^)「まさかッ!」
その壁とは…
一面ガラス張りの壁
( ^ω^)「アリーヴェ・デルチ!だお!!」
ガシャァアアンッ!
何を血迷ったのか
ブーンはそのガラスの壁に飛び込んだのだ
ブーンの体はガラスを割りそのまま
ビル50階から外へと飛び出た
- 9:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 22:51:09.90 ID:KwemJhNQ0
彡;^ω^)「あ、あいつ…!」
彡;^ω^)「クー!!」
男がその名を呼ぶと、すばやくその扉を開け
先ほどの女性が現れた
川 ゚ -゚)「何事ですか?」
彡;^ω^)「ブーンに、あの宝石が盗まれた!なんとしても取り返せ!!」
川 ゚ -゚)「了解しました」
( ^ω^)「…」
ブーンは、逆さまの状態で
空を落下していた
( ^ω^)「さて勢いで、飛んじゃったけど…どうするお…」
- 10:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 22:53:44.35 ID:KwemJhNQ0
( ^ω^)「ここで問題だお!!空の飛べない僕がどうやって着地するか!
三択の内、1つだけ選びなさい
@、ハンサムのブーンは突如、逆転のアイデアがひらめく
A、仲間が来て助けてくれる
B、助からない。現実は非情である」
( ^ω^)「さぁ…今夜のご注文はどれ!?」
( ^ω^)「…」
(;^ω^)「なんてやってる暇無いお!それに今は朝だお!!
このままじゃBしかないお!!」
ただいまの位置――約ビル35階…
(;^ω^)「…やばいお…マジでピンチだお…」
(;^ω^)「このままじゃつぶれたトマトか、おせんべえになっちゃうお…」
(;^ω^)「なぁーんて言ってるうちにもう地面がかなり近いとこまで来てるお!!」
(;^ω^)「まだ死にたくないおー!!」
- 11:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 22:56:34.68 ID:KwemJhNQ0
地面まで…残り10mと迫り
ブーンも最期を悟ったその時…
( ^ω^)「…なんと仲間が…!!」
(;^ω^)「な、訳ないですよねぇー!!!!!!!!!」
( ;ω;)「いやぁああああーー!!」
ブーンは、もうだめだ
そう悟り目を閉じた
――!
( ^ω^)「…お?」
すでにつぶれたトマトになっているはずのブーン
しかし、その体には傷一つついていない
そしてゆっくりと目を開けると、声が聞こえた
「大丈夫ですか?!」
( ^ω^)「あ、あなたは!」
- 12:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 22:59:27.75 ID:KwemJhNQ0
;(●), 、(●)「まったく急に降って来るもんですからびっくりしましたよ!!」
そこにいたのは
ブーン達が軍に捕まった時に、ジョルジュ達と一緒に
ブーン達を助けに来てくれたあのダディだった
ダディが、ブーンが地面にぶつかる瞬間にキャッチしていたのだ
( ^ω^)「ダディさん!」
(●), 、(●)「いったいビルから落ちてくるなんて、何やってたんですか?
私が偶然この場にいなかったら、見るも無残な姿になってましたよ」
(;^ω^)「…ほ、ほんとに助かったお…」
ブーンは全身の力が抜けた
しかし、再び全身に力が入った
(;^ω^)「そそそ、そうだお!!ダディさん!逃げて欲しいお!」
;(●), 、(●)「え?なんですかいきなり!」
- 13:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 23:02:32.09 ID:KwemJhNQ0
(;^ω^)「今はkwsk説明してる暇はないお!とにかく急いで欲しいお!
軍に追われてるんだお!」
(●), 、(●)「分かりました!何かよく分からないけど、逃げればいいんですね?!」
そしてダディはブーンを抱えたまま
街を全力疾走した
(●), 、(●)「で、どこまで逃げればいいんですか?」
( ^ω^)「適当に、逃げて欲しいお」
(●), 、(●)「…うーん、どうしましょう…軍に追われてるとなると街を出なければ…」
(●), 、(●)「あ、そうだ!ここはあの人のところに行きましょう!」
( ^ω^)「あの人?」
(●), 、(●)「丁度この街に来てるんですよ。あの人が」
(●), 、(●)「それでは飛ばしますよ!!」
ダディの言うあの人
ブーンには、その人がまだ分からなかったが
とにかくダディの言うとおりに、その人の元へと行った
―― 一方、軍のビル
- 14:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 23:05:45.72 ID:KwemJhNQ0
彡 ^ω^)「ここから飛び降りたら、助かる事はないはずだが…」
川;゚ -゚)「報告します!ブーンは、何者かによって連れ去られたとの事です!」
彡;^ω^)「助かったというのか!えぇい!探せ!なんとしても宝石を取り返すのだ!!」
川;゚ -゚)「はい!」
彡;^ω^)「…もうすぐであれが完成するという時に…」
―― 一方…
( ゚∀゚)「もう12時だぞ…なんでブーンは帰ってこないんだ…!」
(;'A`)「や、やっぱりなんかあったんじゃないのか?」
(;゚∀゚)「なんかってなんだよ!」
(;'A`)「知らん!!」
ξ;゚听)ξ「まさか誰かに連れ去られたなんて事は…?」
(;゚д゚ )「しかし、何故…?」
<;`∀´>「やっぱりここは何か証拠が何か探すニダ!」
- 15:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 23:07:46.03 ID:KwemJhNQ0
ようやく事の重大さに気づき
慌てふためく一行
( ゚∀゚)「ん?」
(;'A`)「だ、団長、なんか見つけたのか?」
( ゚∀゚)「んー?いや、今ブーンの声がしたような…」
(;'A`)「何を馬鹿な事を…!……あれ?」
「ぉーぃ」
どこからともなく聞こえるブーンの声
しかしその姿はどこにも見えない
('A`)「……確かに…なんか聞こえるな…」
( ゚∀゚)「だろ!?ブーン!!どこにいるんだー!?」
「ここだぉー」
声はするけど姿は見えず
一行は、ブーンの姿を探した
- 17:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 23:09:57.74 ID:KwemJhNQ0
ξ゚听)ξ「あ!あれ!」
ようやくツンが何かを見つけた
一行がツンの方向を見ると
ツンは空を指差していた
( ゚∀゚)「空…?」
全員が、空を見上げる
そこにあったのは飛行船だった
('A`)「あれ…?あれって…」
そしてそこにいた誰もがその飛行船を知っていた
いや、その持ち主を知っていた
ブーンを乗せた飛行船はゆっくりと降りてきた
そして、着陸すると中から人が出てきた
( ^ω^)「皆!ただいま帰ったお!!」
(#゚∀゚)「このビチクソがぁぁー!!」
ゴシカァンッ!!
走りよってきたブーンに
ジョルジュの鉄拳がうねりを上げた
- 18:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 23:12:43.58 ID:KwemJhNQ0
( ;ω;)「ぎゃー!だ、団長いきなり何をするんだお!」
(#゚∀゚)「おめぇ人がどれだけ心配してたと思ってんだよ!」
('A`)「最初は散歩に行ったっていってなかったか?」
ゴガァンッ!!
(;'A`)「痛ぇ…」
(#゚∀゚)「余計な事は言わなくてよし!!」
ξ゚听)ξ「けど、ブーン。あんたどこ行ってたのよ。それにあの飛行船は…」
( ^ω^)「ちょっと連れ攫われてたお」
ξ;゚听)ξ「ちょっとの出来事じゃないでしょ!」
( ^ω^)「それで、ミッドガルズの街まで行ってたんだけど
あの人とバッタリあってここまで運んでもらったんだお!」
そう言ったブーンが指差す先には一人の人がいた
そう、ここにいるほとんどの人間がその人物を知っていた
- 19:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 23:17:56.62 ID:KwemJhNQ0
/ ,' 3「久しぶりだな。皆」
;'A`);゚∀゚);゚听)ξ;`∀´>「荒巻さん!!」
そう、ブーンが大陸を渡る時や
捕まってしまった時など、何度もブーン達を助けてきた
あの荒巻がそこにいた
('A`)「なんで荒巻さんがブーンと一緒にいるんだ?」
/ ,' 3「ちょっと街まで買い物に来ていてな。そしたらブーンが追われているというもんだから…」
( ゚∀゚)「追われてる?誰に…」
(;^ω^)「そうだったお!軍に追われてるんだったお!!」
ξ;゚听)ξ「軍に?なんで?」
( ^ω^)「これを軍から取り返したんだお!」
そういってブーンはあの宝石を見せた
(;'A`)「おいおいそれって…」
( ゚∀゚)「あの宝石じゃねぇか!?」
( ^ω^)「そうだお!そして軍の総統…僕のトーチャンはヤバイ事にこれを使おうとしてるんだお!」
( ゚∀゚)「お前のトーチャン…?待て待て…話がよく分からなくなってきたぞ…」
- 20:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 23:25:06.64 ID:KwemJhNQ0
ブーンは、軍本部で知った事の全てをドクオ達に話した
( ^ω^)「つまりカクガクシカジカシコシコって事なんだお!」
(;゚∀゚)「なんてこった…じゃあなおさらこれを渡すわけにはいかねぇじゃねぇか!!」
( ^ω^)「そうだお!なんとしてもトーチャンより先にこれを使って
これをこの世から無くさなきゃいけないんだお!」
(´・ω・`)「話によると、一回りずつ小さくなるみたいだね…
ブーンの話と今の大きさを考えると
つまり願い事を叶えられるのは残り一回って事じゃないか…」
('A`)「でもどうするんだ?新しい飛行船が完成するまであと一週間はかかるって言うじゃないか…」
( ´_ゝ`)「待ちな!」
(´<_` )「話は聞かせてもらったぞ」
そこには、どこから話を聞いていたのか
兄者と弟者の姿があった
- 21:◆63X1NcT632 : 2006/07/19(水) 23:26:54.65 ID:KwemJhNQ0
( ´_ゝ`)「どうやら本気で急いでいるみたいだな。だったら俺らも本気を見せるべきだな!」
(´<_` )「そうだな兄者!」
( ´_ゝ`)「よし!半日で完成させてやる!待ってろ!」
(;^ω^)「そ、そんな事が出来るのかお!」
( ´_ゝ`)「当然だ」
(´<_` )「俺達の力をなめてもらっちゃ困るぜ」
( ^ω^)「分かったお。有難うだお!!」
( ^ω^)「それじゃあ…準備をするお!最終決戦だお!」
十九話 終わり
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