('A`)が海へいくようです

1:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 19:44:23.47 ID:suMdAyJc0
  
パソコンを落とし、一息ついてから俺は時計を見た

時計は午前2:03をさしている

・・・約束の時間まであと5時間ほどか。

体を大きく伸ばす。骨がポキポキと音を立てる。

('A`)「・・・一眠りするか。」

俺はソファで横になり、あくびをした後 静かに眠った。



5:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 19:46:14.36 ID:suMdAyJc0
  
ことの発端は大学の講義を終え、荷物をまとめる俺あいつがと話しかけてきたことから始まる。


−三日前

( ^ω^)「ドクオ、明日から夏休みだお!」

こいつは内藤ホライゾン。 通称ブーン。
高校時代からの親友で、去年俺とともにこのVIP大学に入学した。
イケメンで、高校時代からよくモテるやつだった。

('A`)「そーだな。大学の夏休みは無駄に長いから困る」

( ^ω^)「あるあるwww」

実家に帰る予定もない俺はどうせ夏休み中バイトばっかやっているだろう。
別に金がほしいわけではないが、部屋で腐ってるよりはいくらかましな生活だろう。

( ^ω^)「ところでドクオ、来週開いてるかお?」

('A`)「んあ?決まってんだろwww俺はいつもノープランさwww」

( ^ω^)「おっおっwwじゃあ、しあさってからツンと三人で二泊三日で海に行かないかお?」

思わず咥えかけたタバコを落とす

('A`;)「はいぃ!!?」



6:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 19:46:51.92 ID:suMdAyJc0
  
ツンとはブーンの彼女であり、俺ら三人は同じ高校の出だ。

彼女は

そして俺とツンは部活が同じだったこともあり、俺たち三人は仲がよかった  が、



( ^ω^)「あさってで、ツンの学校も休みになるんだお!だからドクオt・・」

('A`;)「まてまてまてまて、さすがにそれはできんだろ」

さすがに恋人二人の旅行についていく気にはなれなかった。


( ^ω^)「これは僕もドクオに来てほしいし、何よりツンも望んでることだお。」

('A`)「・・・考えさせてくれ」

ブーンは「わかったお、明日には返事くれお」といって帰っていった。

('A`)「さて・・・どうしたもんかね」



7:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 19:47:35.73 ID:suMdAyJc0
  
その後、俺はガストで軽く夕食をとり、タバコが切れているのに気づいたのでコンビニに入った。

俺はしばらく店内を回って歩き、俺はタバコを三箱取りレジに出した。

その途中、自動ドアが開き、若い女性が入ってきた。

その女性がこっちを見たかと思うと

ξ゚听)ξ「ドクオ?  ドクオじゃない!」

('A`)「ん?・・・おぉ、ツンか。」

くるっとした巻き髪、少しつりあがった目をした綺麗な顔をした女性、

積出 玲子。 通称ツン。

目つきと言動できつい印象を与えるが、実はやさしくて、微Mだってことを俺は知っている。

俺がレジを済ませると、ツンは「すこしまって」と言い、カロリーメイトとウィダーインゼリーを持ってきた

('A`)「なんじゃそら」

ξ゚听)ξ「夕食よ。 ダイエット中なの。文句ある?」

('A`;)「いえ・・・特に」

ツンはレジを済ませ、「出ましょ」と言い、店から出た。俺もそれに続く。



8:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 19:49:45.41 ID:suMdAyJc0
  
俺の二歩先にツンが歩き、俺はツンについてしばらく歩いた。しばらくしてツンが口を開いた。

ξ゚听)ξ「ブーンから聞いた?あの話。」

('A`)「海の話か?」

ええ、そうよ。と彼女は立ち止まり振り返った。

('A`)「・・・せっかくの旅行なんだから二人で楽しんでこいよ」

ξ゚听)ξ「気を使うあんたの事だからそういうと思ったわ・・・ねぇ、こうしない?」

('A`)「ん?」

ξ゚听)ξ「私と内藤があんたの宿代を出すわ。っていうか三人でもう予約とってあるけど」

俺がおい、と言おうとしたが、それをツンが手で制した

ξ゚听)ξ「だからドクオ、私たちのドライバーになってくれない?宿代はガソリン代と運賃でいいわ。 
      どう?悪い話じゃないでしょ?」

ξ///)ξ「べ、べつにあんたに来てほしいわけじゃないんだからね!
       あんたの運転じゃないと乗りものに弱いブーンが酔うからなんだから!!」

俺は苦笑した



9:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 19:51:10.20 ID:suMdAyJc0
  
ここまでしてくれる友人の誘いを断る理由など無い。

('A`)「その話・・・・乗ったッ!」

ξ゚听)ξ「じゃあしあさってに迎えにきてね!多分ブーンの家にいると思うから」

('A`)「OK、午前中には着きたいから7時にはいく。それまでにちゃんと服着とけよ」

ξ゚听)ξ「うんわかtt  ξ///)ξ「って、ちょ!!」

('A`)「じゃあなwww」

ξ///)ξ「もう・・・!」


家に帰り、ブーンに 「海の件だけど、行くことにした」とメールし、そのまま寝た。

そういえば日付が変わる前に寝るのは久しぶりだ。



こうして俺は三人で海へいくことになった



14:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 20:28:48.85 ID:suMdAyJc0
  
携帯のアラームが響く。

重いまぶたを開き、アラームを止め、携帯で時間を確認する。


−6時01分

うん、いい頃合だ。

ソファの上で思い切り伸びる。それに答えるかのように背骨がポキポキ鳴った。


俺は低血圧で朝は苦手だが、今日久々には気持ちよく起きれた。

カーテンを一気に開ける。

顔をのぞかせ始めた太陽の光が俺の部屋に入る。

寝起きの目にまぶしい光が少し痛い

('∀`)「今日はきっといい天気だ」

心なしかウキウキする



15:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 20:39:01.70 ID:suMdAyJc0
  

トーストにマーガリン、レタス、トマト、ハムをはさみかぶりつく。

うん、うまい

熱いコーヒーを淹れ、一口含む。コーヒーの心地よい苦さが口の中に広がった


コーヒーを飲み干し、洗顔、着替えを済ませ、時計を見る。

−6時38分。

ここからブーンの家まで15分ほどだ。完璧。


ポケットに財布と携帯を入れ愛車のキーを持ち、旅行かばんを持つ。

('A`)「いってきます」

習慣で言ってしまうこの言葉を答えるものが誰もいないアパートの一室に俺は投げかけた。

がらんとした部屋に俺の声が響く。

俺はドアに鍵をかけ、駐車場へと向かった



20:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 21:01:57.75 ID:suMdAyJc0
  
俺の愛車は朝日を浴び、宝石のように輝いていた。

俺は愛車のトランクを開ける。

この車は親父が俺に遺してくれたものだ。口数も少なく、無骨だったが、やさしかった。

親父との思い出はあまりないが、この車を運転する親父が俺は好きだった。

(いいか、ドクオ。運転するときは紙コップの水がこぼれないように運転するんだ。)

('∀`)(豆腐屋の親父かあんたは・・・)

荷物を詰めつつ、昔の親父にツっこむ。

車のドアをあけシートに深く座り、大きく車の中の空気を吸い込む。
やはり落ち着く。だからこの車は大好き。
俺はエンジンを入れ、ハンドルに手をかけ、アクセルを踏む。

すべるように車は車道に出る。その間に起こる振動はほとんどない。

親父のアドバイスから車に常に置くようにしている紙コップから水はこぼれない。

('A`)(早朝は車が少なくて気持ちいいな・・)

俺は鼻歌まじりにブーンの家に向かった



28:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 21:24:35.58 ID:suMdAyJc0
  
ほどなくして、ブーンの住むアパートに着いた。

時間も七時二分前。上々、上々。
ブーンとツンはアパートの前で待っていた。
ブーンが俺に向かって手を振っている
二人の側に車をつける。

('A`)「よぉ」
( ^ω^)「おいすー」
ξ゚听)ξ「おはよー」

互いに挨拶を交わす。
ブーンは眠そうにあくびをした。

( ^ω^)「今日が楽しみでよく眠れなかったんだお」

('A`)「ほう、大変だったな、ツン。」

ξ゚听)ξ「そりゃあもうベッドが壊れるかt・・・・ξ///)ξ「って!何言わせんのよ!」

('A`)(・・・やっぱな)



30:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 21:37:46.04 ID:suMdAyJc0
  
二人はトランクに荷物を乗せ、後部座席に乗り込んだ。

そして再び車道へと出る。

('A`)「確かラウンジだったな。」
俺はツンに問いかける。

ξ゚听)ξ「ええ、そうよ」
( ^ω^)「どれくらいかかるんだお?」

ブーンが聞く

('A`)「三時間ってとこか。」

( ;^ω^)「結構かかるお・・・」

('A`)「まぁな、でも昔はいくだけで半日かかったからな。近くなったもんさ。」

などと他愛のない話をしながら俺は車を走らせた。



36:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 22:20:50.68 ID:suMdAyJc0
  

( ^ω^)「・・・・やっぱ不思議だお」

数分後、ブーンが口を開いた

('A`)「ん?なにがだ?」

( ^ω^)「僕はいつも車とか電車とか自転車とかに乗ると酔ってすぐ吐いちゃうんだお。
     でもドクオの運転だとなぜか酔わないんだお。」

そのために、ブーンの部屋は大学に歩いていけるよう徒歩5分のところにある。

ξ゚听)ξ「ほんとよね、ドクオの運転だとぜんぜんゆれないわよね。」
ξ///)ξ「べ、別にほめてるわけじゃないんだから!」


('A`)「はいはいありがとさん。まぁ昔練習したからなー。コップの水がこぼれないように。
   意識しなくてもそういう運転ができるようになったわけだよ。」

( ^ω^)「ほー、ドクオは器用だお。」

俺はちょっと照れくさくなって長くなった後ろ髪を掻き揚げた。
照れるとなぜかそうしてしまう。小さいころからの癖だ。

−−−ドクオ、お前は器用なのだな

('A`)(器用・・・・か。前あいつもそんなこと言ってたな・・・)

女性でありながら男言葉を使い、いつも自分の気持ちに率直な女性を俺は思い出していた。



42:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 22:39:40.66 ID:suMdAyJc0
  
('A`)(クー・・・。元気にやっているだろうか。)

( ^ω^)「ドクオ?どうしたお?ボーっとして」

('A`)「ん?ちょっと考え事してた。」

ξ゚听)ξ「ちょっと運転手さん、気をつけてよ。事故なんて起こしたらしゃれんなんなわよ。」

俺は「わるいわるい、気をつけます」といい、運転を続けた。

途中何回かツンに「髪の毛じゃまじゃないの?」とか「切ったほうがいい」とか言われたが、
「大丈夫。」とか「そのうち」とか生返事をした。

髪の毛は長いほうがいい。俺の顔を隠してくれる。

そういう気持ちを説明するのは面倒だし欝になる。


( ^ω^)「似合ってると思うけどせっかくのイケメンがよく見えないお」

俺がブーンがすきなのは、絶対に嘘は言わないことろだ。
だからブーンにこういう事言をわれると、照れくさい。俺はまた無意識に後ろ髪を掻き揚げた。



53:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 23:08:36.02 ID:suMdAyJc0
  
車は高速に乗った。
俺は高速道路が好きだ。思い切り走れるからだ。

俺は少しづつアクセルを踏み入れる。それにあわせ、徐々に車のスピードが上がっていく。
景色が高速で俺の前から後ろに流れていく。


ξ゚听)ξ「そういえばあんたが意識を保ったまま高速乗るのは始めてね。」

( ^ω^)「おっおっ!速いお!!」
ブーンは初めて見る高速で流れる景色をみて興奮気味である。

('A`)「へぇ、じゃあいつも車で遠出するときはどうすんだ?」


( ^ω^)「酔い止め飲みまくって意識をぶっ飛ばしてから乗るお。」

ξ;゚听)ξ・('A`;)「それはやばいだろ」

( ^ω^)「?そうかお?大学にいくためにVIPに越してくるときもそうやって来たし、帰るときもそうだお」

急にブーンのからだが心配になった。大丈夫か?こいつ。

('A`;)「今度帰るときは俺に言え、乗せてってやっから・・・」

( ^ω^)「マジかお?頼むお」

取り留めのない会話が車内にあふれていた。
そういう他愛のなさに、これはきっといい旅になると 俺は予感した。



56:◆L2jfNrixB. :2006/08/05(土) 23:28:20.28 ID:suMdAyJc0
  
高速に乗って、二時間ほどが過ぎた。

トンネルを通る車内は静かだった

( -ω-)ξ--)ξ.zZ

後部座席の二人は仲良く肩をよせ、寝息を立てていた

少し欝になったが、ほんのりとした幸せも感じていた。

この二人が付き合いだしたのは、高校三年の文化祭直後。

それからちょうど三年ほどたつ。

その三年間、俺はこの二人を見守ってきた。時には相談を受けたりもした。

そんな二人に俺は親心のようなものを感じていたのかもしれない。

トンネルを抜けると、目の前に青く澄んだ海が見えた。陽光が反射し海面はキラキラと輝き、遠くには大きな客船が見える。

('∀`)「おい二人ともおきろ、海が見えたぞ」

(つω-)「ふぉ・・・?   ( ゚ω゚)!! ツン!おきるお!!」
ξ゚听)ξ「馬鹿、おきてるわよ・・・・きれいね」

青空よりも青い美しい海を見て、二人はしばし言葉を失った



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