( ^ω^)のケツの穴から糸こんにゃくが飛び出してるようです

52:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 09:36:53.62 ID:15CJYzIE0
  

――――『日常を、幸せを奪われる事の辛さは、御前は十分にわかってるはずだお!?』――――

―――あの時はまだ、ブーンにはわからなかったお。
     けど、今。ようやくわかったお。尾綿。

(  ゚ω゚)(―――確かに―――――――――-―つらいッ・・・・!)

ξ゚听)ξ「・・・その落ち込みよう、・・・やっぱり本当だったのね・・・」
(;^ω^)「―――ちょっと待つお!『やっぱり』て!『やっぱり』てなんやねんな!」

普段から「そんな感じの奴」に思われてたのだろうか。
悲しそうに涙をぬぐうツンの姿を見たせいか、そんな不安がブーンの胸をよぎるが、

(;^ω^)(落ち込む前にまず弁解だお!!!)
ξ゚听)ξ「・・ねぇ、ブーン? ・・・そんなことするのには、何か理由があったんでしょ?・・・っぉ、教えて?」
(;^ω^)「優しい台詞だけど今ばかりは胸が痛いお!・・・ていうか何で声が震えてるんだお!?
      あとそんな台詞吐くんならその一定の距離をどうにかして欲しいお!」

ブーンが涙ながらにわめき散らした。

―――――――そんな時だった。

教室の扉、先生たちが出て行った扉が、轟音を立てて吹き飛んだ。



55:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 09:54:09.45 ID:15CJYzIE0
  

(;^ω^)「――――――ッ!!」

ブーンは、吹き飛んだ教室の扉の破片――その中でも割と大きなものが、こちらに飛んでくるのを見た。

(;^ω^)「にニッ、、2 3 5 7――――!!!」

素数を数えるが早いか、即座に放ったブーンの拳が、飛来する扉の破片を打ち砕いた。

(  ゚ω゚)「イッ・・・・・!・・たく無い、お?」

これも糸こんにゃくのおかげか―――そういえばツン、「こんにゃく」っていってたお・・・『糸』が抜けてるお・・・・
そんなことを考えながら、破片の飛んできた方向――――扉のあったところを見る。

???「・・・ここだな?ケツにこんにゃくを突っ込んでる野郎がいるってのは・・・」

(;^ω^)「だっ・・誰だお!?」

( ,,゚Д゚)「・・ん?俺か?・・俺の名前はギコ。・・・今のパンチ、・・・そうか、御前がケツに―――」
(;^ω^)「ケツケツ言うな!シリアスさに欠けるんd―――――

瞬間。

音も無く消えたギコがブーンの首を掴み、そのまま――――

( ,,゚Д゚)「っぉおおああああ!」

ゴン。 と、ブーンを壁に叩きつけた。



57:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 10:05:52.51 ID:15CJYzIE0
  

(  ゚ω゚)「――――――っぉ」

ギコは、ブーンを放すと同時に壁を蹴り、離れたところに着地する。
支えを失ったブーンは、ずるり と床に落ち、

(;^ω^)「テライテェお!」
( ,,゚Д゚)「・・・やっぱ平気かゴルァ。・・つーことは御前もケツから加工食品が飛び出している人間なんだな?」
(;^ω^)「空気嫁!!今その言葉はNGなんだお!せめて略してくだしあ!」

――――あれ?

( ^ω^)「御前『も』って・・・・しかも今の力・・・・ってことはつまり・・・」

それを聞いたギコはニヤリ、と笑い、

( ,,゚Д゚)「そうだ。俺もケツから加工しょ―――・・KKT人なんだよゴルァ!」
( ^ω^)「ですよねー・・・ぉ」

ふと、こちらを見て呆然としているクラスメイト(だった人)達がいるのに気がついた。

( ^ω^)「ちょwwww何見てるんだおwwww危ないから避難汁!!」
ξ゚听)ξ「・・っで、・・・・でも・・・!」
( ^ω^)「いいから早く避難するんだお!ここにいたら間違いなく・・・」

汚いものを見せる事になる。なんて、とても言えなかった。



59:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 10:18:09.12 ID:15CJYzIE0
  

( 'A`)「・・ブーン。」
(´・ω・`)「・・・・・・・っ」
ξ゚听)ξ「・・・わかったわ。」

ブーンはただ、この場にはそぐわない台詞を言いよどんだだけなのに。
その姿に何を見出したのか、三人とクラスの皆は意を決したかのように頷いて見せた。

( ^ω^)「・・・これが終わったらまた、弁解するお。それまで待っててくれお。」
( 'A`)「・・・・ッ・・行くぞ。皆・・・!ブーンはこれからあの男とお楽しみの時間だ。邪魔するもんじゃねえ」
(´・ω・`)「そうだね。長くなりそうなふいんきryだ。」
(;^ω^)「何でそうやって語弊のある言葉ばっかり!・・あぁもう!皆さっさと言っちゃったじゃないかお!」

ドクオとショボン、ツンもさっさと行ってしまった。だが、

( ^ω^)「―――――!」

出て行く際に、ドクオの手が扉の影から出、

( 'A`)「 b 」

親指を立てて、そのまま――――

( 'A`)「 p 」

振り下ろした。

(#^ω^)「御前ってやつは!最後までそれなのかお!?ちょっとホロリとした気分を返せお!!」



62:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 10:32:35.87 ID:15CJYzIE0
  
それでもまぁ、ドクオの『がんばれよ』とか『グッドラック』的な意味は伝わった。と、思う・・よ?

( ^ω^)「・・・・僕、がんばりゅ!」
( ,,゚Д゚)「――――ッ!?(・・・コイツッ・・・ふいんきryが変わった・・・!?)」

するとギコは、クックック、と肩を震わせ、

( ,,゚Д゚)「おもしれぇ。それでこそ闘りがいがあるってもんだぞゴルァ・・・!」
( ^ω^)「――――ッ!?(・・・コイツッ・・・ふいんきryが変わった・・・!?)」

するとブーンは、

( ^ω^)「おっおっおっ」

( ,,゚Д゚)「行くぞゴルァ!!1」
(;^ω^)「ハヤスwwwww見えないwww」

またしても一瞬で消えたギコの攻撃を待つが、ぱんちやきっくはいっこーにとんできません。

(;^ω^)「・・・・攻撃してこないのかお?」
( ,,゚Д゚)「・・・フン。攻撃? ・・・・そんなものしなくても・・・」

ギコの声は、背後で聞こえた。
( ^ω^)「そこかお!  ――――おっ?」
首だけで振り返るブーンは、其処にギコの姿が無いことに気付き、
( ,,゚Д゚)「俺達KKTは、触って叫べば死ぬ・・・・そうだろ?」

その声が、下から聞こえてきたと気付いた時には、全てが遅かった。



63:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 10:46:58.59 ID:15CJYzIE0
  


『ブリュルッ』


( ,,゚Д゚)「ガッハぁ!!」
(;^ω^)「ぁ・・・やっぱり間に合わなかったお・・」

なんということでしょう!
ブーンは『シリアスな展開っぽいから』という理由で、放屁をずっと我慢していたのです!

( ,,゚Д゚)「く・・・っそぉおっ!・・・こんな、こんなお約束みたいな展開に・・・!」
( ^ω^)「ふん・・・秘策はとっておくものなんだぜ?(それにしても実も出たみたいな音だったお///)」

そしてブーンはスッと、開いた左手を眼前に、右手をまっすぐ伸ばして身体の右側に静止、脚を肩幅異常に開いて――
そう、俗に言う『ジョジョ立ち(4巻表紙)』をして、あることをギコに告げる。

( ^ω^)「それに・・・御前のその『動き』、・・それはもう見切った!!」
( ,,゚Д゚)「な・・なんだってー!?(AAry」


―――そう、何を隠そうこの『ジョジョ立ち』は、たんなるふいんきry作りだったのだ。



68:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 11:10:12.90 ID:15CJYzIE0
  

( ^ω^)「御前のその『速さ』の秘密・・・それは、KKT人の強力な脚力を利用して
      一瞬の内に床を複数回蹴ってるからだお!!!11(ってなんかで読んだ)」
( ,,゚Д゚)「なッ!? こ、こうも一瞬で見切られるとは・・・!ブーン、恐ろしい子!」
( ^ω^)「ふん・・・伊達にジャンプは見てねえぜ!」

ブーンはカマ掛けのつもりで言ったのだが、見事に当たった様で本当によかった。

( ,,゚Д゚)「チッ・・・ だがまぁ、それがわかったところで俺の有利に変わりは無いんだぜ?」
( ^ω^)「kwsk」
( ,,゚Д゚)「俺は、御前のケツから飛び出している加工食品が『こんにゃく』だということを知っている。
     だが御前は、俺のケツに突き刺さってるものが何なのかを知らないだろ?」
( ^ω^)「!!111!!」
言われてみればそうだった。戦いというのは、尾綿のときのように『フェアな』ものが全部な訳ではないのだ。

( ^ω^)「・・・知らないなら、知ればいいんだお。・・・お前のこれで!」
刹那、ブーンの姿が消えた。

( ,,゚Д゚)「! ・・・チィッ!」
舌打ちひとつ、ギコも一瞬で消える。

( ,,゚Д゚)(互いに同じ移動法、これで±0・・・なら、勝負を決定付けるのは―――

( ^ω^)「遅いんだぜ?」

いつかのように、炸裂するヒップドロップ。
ギコもまた、誰かのように床に叩き付けられた。



74:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 11:34:49.57 ID:15CJYzIE0
  
( ,,゚Д゚)(―――バカ、なッ・・・!)
意識が飛びそうにな衝撃に何とか耐え、ギコは考える。
( ,,゚Д゚)(奴の方が早い―――?一体、何、故ッ・・!?)

ぐぐ、と腕に力をこめて立ち上がり、今しがた自分に重いケツでの一撃を加えた男―――ブーンの姿を見る。
そして、気がついた。

( ,,゚Д゚)「――――!  そうか、貴様は―――!」

( ^ω^)「そうだお。ブーンは・・・   ・・・って一体何がだお?」


ギコはブーンよりも1つ年上で、北VIP高校の3年生。
ちょうど去年の今頃、いつの間にかKKT人にされていたギコは『奴ら』からKKT計画のことを聞き、
『奴ら』の言うとおりに――軍部等に侵入し、人を殺し、同じKKT人に接触、捕縛し――与えられた力を
惜しみなく使ってきた。

そんな生活の中でも学校での生活は楽しいもので、高校最後の体育大会や文化祭を満喫したわけだが、
その際、何度かブーンの名前・姿を目にすることがあった。

そう、あれは文化祭での事―――――


゚+。:.゚.:。+゚ 明らかに回想に入るタイミングがおかしいです。ほんとうにありがとうございました。゚+。:.゚.:。+゚



79:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 11:54:09.04 ID:15CJYzIE0
  

司会「さぁ、いよいよやってきました!V速市名物、北東西VIP高校合同開催・秋の超文化祭!」

見物に来た、生徒の親類や市民が、耳をつんざかんばかりの歓声を上げる。

司会「開会式は後半に持ってきていますので、早速第一種目といきます!」

歓声がよりいっそう大きくなり、地響きを起こしているかのような感がある。

司会「第一種目はー・・『3校全生徒による徒競争』でッす!!!!!」

この文化祭では、競争のような走る競技はこれのみで、残る競技はもうかなり入り組んだものとなっている。
ちなみにこの競技は、V速市を西から東へ横断する(どのような道を使っても構わない)というものである。

審判「位置についてー」

西VIP校のグラウンドに集合した全生徒が、一斉にクラウチングスタートの準備をする。

審判「よーい・・・」     パァン!

溢れる怒号。巻き起こる砂埃。殴り合い、蹴りあい、互いを引きずりながら進む生徒達――。

ギコもまた先頭付近には居るものの、その先頭を越す事は最後まで出来なかった。

全力で走り、争う生徒をものともせず、腕を広げて先頭を突っ切るその人間―――

それは紛れも無く、ブーンだった。



82:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 12:11:02.46 ID:15CJYzIE0
  

( ,,゚Д゚)(そうだ!あのときに優勝した1年・・!)

そのときのブーンはまだKKT人ではなかった。
まだギコは高速移動術を身に付けてなかったとはいえ、生身の身体でギコより早かったのだ。

その人間が、KKT人となってパワーアップしている・・・そう考えると、背筋に薄ら寒いものが走った。

( ^ω^)「まぁよくわからなけど、とりあえずブーンはお前に勝つお!」
( ,,゚Д゚)「・・・つい最近目覚めたKKT風情が・・・ 調子に乗るんじゃねえぞゴルァ!」

また、ギコが一瞬で消える。
ブーンも応じてその場から消える。

見えない戦いなので、描写は出来ない―――――そんな甘えを打ち砕くかのように、戦いは唐突に止まった。

(;^ω^)「――――おっ・・!」
( ;,゚Д゚)「・・・・っはぁ・・!」

たった2秒間の戦いだったが、それでも十数回拳を交えた二人は、急に身体が重くなったのを感じた。



84:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 12:25:56.53 ID:15CJYzIE0
  
当たり前だ。目にも留まらぬ速さで動き続ければ、いくら強化された人間といえども疲れるに決まっている。

(;^ω^)「な・・・なんか脚がガクブルだお・・・立てないお」
( ;,゚Д゚)「俺もここまで動き続けた事は無かったからな・・・あ、脚が・・・」

二人とも、脚ががくがくになってへたり込んでしまった。
そんななか、ブーンはギコに勝ち誇ったように言う。

( ^ω^)「でも、ギコ・・気付いたかお?」
( ,,゚Д゚)「?」
( ^ω^)「フフ・・気付いてないようだお。・・・手前のケツを見てみな?」
( ,,゚Д゚)「?  ・・・!! これは・・・ズボンとパンツが、ケツのところだけ裂かれているッ!?」
( ^ω^)「隙だらけなんだぜ?」

だが、ギコも負けじと、余裕の笑みをつくり、

( ,,゚Д゚)「・・・・・・くく、なんだ?お前も気付いてなかったのか?・・・ケツを見てみろ」
( ^ω^)「? ・・・!! これは・・・ブーンも同じく、ケツのところだけ裂かれているッ!?」
( ,,゚Д゚)「隙だらけなんだぜ?」

互いにケツのところを狙ってばかり故に生まれた隙なのだが、そんな事には気付かない。



85:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 12:27:57.66 ID:15CJYzIE0
  

その時だった。

ガララ、と教室の扉が開き、

( 'A`)「おーいブーン?もう終わってたりすんのかー?」

ドクオ が あらわれた!
教室内に広がっている光景は――――
―――疲れて脚を震わせながらへたり込む、ズボンとパンツがケツのところだけ裂かれている二人の男。

( 'A`)「・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・」
( ,,゚Д゚)「・・・・・」


( 'A`)「ウホッ  邪 魔 し た な 」

ガララ、と教室の扉が閉まり、

(;^ω^)「アッー!待ってくれだおドクオ――――!!!」

ドクオー、ドクオー、クオー、オー、ォー…

ブーンの叫びだけが、教室内にこだました。



86:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 12:40:10.71 ID:15CJYzIE0
  

(#^ω^)「ビキビキ」
( ,,゚Д゚)「?」
(#^ω^)「・・・許さんお」

ブーンは怒っていた。

(#^ω^)「ブーンは普通に暮らしていたんだお?何でそれがこんな辱めに遭わないといけないんだお?
      ・・・『未来で生き残るため』なんて大義名分掲げて・・・それじゃもうちょっとマシな方法考えろバーロー!!」

ブーンは悲しんでいた。

(ヽ^ω^)「・・・このこんにゃく・・いや、KKT計画なんてものがあるから
      ・・・ドクオにもショボンにもツンにも汚いものを見るような目で見られて・・・もうオムコにいけないお・・」

ブーンは喜び勇んでいた。

(*^ω^)「・・けど、この力があってよかったお。・・いや、この力があるせいでこんな目に遭ってるんだけれど・・
      ・・この力なら、KKT計画をぶち壊せるかもしれないお。・・否!・・この力で、ぶち壊してみせるお!!」

ブーンは我慢していた。

(;^ω^)「・・あと おしっこ行きたいお」



91:◆ihG6agNduo :2006/07/22(土) 13:03:14.06 ID:15CJYzIE0
  

( ^ω^)「ぬ・・・・おおお、おおぉおぉ・・!」
( ,,゚Д゚)(た・・・・立ち上がる気か!?馴れない運動をしたせいでガクブルのくせに・・・!)

怒りと尿意に震える足腰に鞭打ち、ブーンは立ち上がった。
  /⌒ヽ
 ( ^ω^) < ぬおおおおおおっおっおっおっおっおっおっおっ!!!!!!111!!!11
 ⊂__つ
  (ヽ ゚゚ ノ
  ∪∪
( ,,゚Д゚)「何故だ・・・!何故脱ぐ・・・・!何故貴様は脱ぐんだ!」
( ^ω^)「どうせこんにゃくだと知られてる身・・・破れたパンツ一丁でも対して変わらないお・・」
( ,,゚Д゚)「・・たとえそれが、・・オムツにしか見えなくてもか・・・・?」

( ^ω^)「・・・・」

コクリ、と、ブーンは頷いて見せた。 例えそれが、間違った選択であろうとも。
自分の信じたものを掲げ、立ち向かう――――

( ^ω^)「これが・・・!これがブーンの一張羅なんだお!!」

( ,,゚Д゚) (―――――器が違ぇ・・)

ブーンは走り出した。 この戦いを終わらすために。
そして、KKT計画を潰すための第一歩として。
( ,,゚Д゚)「・・・・」
迫り来るブーンを見ながら、ギコは思う――――。

――――『なんでこの学校は、文化祭で競争をしているんだろう?』――――



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