( ^ω^)ブーンが運命に喧嘩を売るようです

198: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/26(月) 01:35:37.88 ID:vv4YsYe40
  
第7話 「渋沢」


俺たちはモナー達のおかげか、たいして巡回兵と遭遇する事も無く、アサピーの元まで辿り着いた。
…まぁ途中で何人かコキャッ!とやったが死んではいないだろう。…多分。

( ゚∀゚)「やっと会えたなぁ。アサピーさんよ!!」
(;@д@)「だ、誰ですかアナタは!私をこの国の王と知っての狼藉ですか!?」
( ゚∀゚)「はっ!奪って取った玉座に座り込んでいばってる奴何ざの言葉は聞きたくねえな。」
(;@д@)「え!衛兵ー!衛兵ー!!謀反者だ!!私を助けろーー!!!」
( ゚∀゚)「…情けねぇ野郎だ。最後の時位王様らしくビッ!と決めろや!」
( ゚∀゚)「せもてもの情けだ。苦しまねぇように空っぽのその頭ぁ一突きで貫いてやる!!」

そう叫び全ての決着を着けるべく、俺はアサピーに向かって全速力で走り出した!!

(# ゚∀゚)「オオオオオラアアアアアア!!!!」
(;@д@)「ヒギャー!!た、た、たすけt



199: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/26(月) 01:36:26.52 ID:vv4YsYe40
  
ちぃん

全力でアサピーの頭蓋を突き破る筈だった剣が完璧に止まった。

(;゚∀゚)「な……なん、で」
(;@∀@)「はっ、はっ、はっ、」

刃渡り5cm程しかない玩具のようなナイフ
普通の物と違うのは向こう側が透けて見える程の薄さをでありながら、絶対に刃毀れすらおこさないその強度。
ダークグレーの服を好んで着、笑っているような憮然としているようなよく分からない表情を普段は絶対に崩さない。
そうこの人は…この人の名は!!

(# ゚∀゚)(-@∀@)「渋沢!!」
( ,_ノ` )「…呼んだかい?」



201: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/26(月) 01:37:14.89 ID:vv4YsYe40
  
(# ゚∀゚)「なんで、なんで!こんな雑魚に付いたんだ!」

先程から全く同じ体勢が続いている。こちらは両手で全力を込めて押し通そうとする。
対して渋沢は左手をダラリと垂れ下げ、その先のナイフを軽くこちらに当てているだけ。
それだけで全く動かなくなる。

(# ゚∀゚)「あんた、強い奴が好きなんだろ!なんでそんな雑魚の所にいるんだよ!自分に恥ずかしくねぇのかよ。」
( ,_ノ` )「昔から全く変わらないな…。」
(# ゚∀゚)「な…に…おぉ!」

渋沢がゆっくりとナイフを上げる。それにつられて俺の剣も上がっていく。
どんなに力を込めてもビクともしない。

( ,_ノ` )「普段はお調子者を気取って、何かあると誰よりも速く激昂する…。」
(# ゚∀゚)「く、お、お、お、お、お!!」
( ,_ノ` )「こっちの方が面白い敵が現れるかと思ったんだが…ダメだな。お前は不合格だ。」

渋沢のナイフが刀身から離れる。しかし、離れたと同時に刀身の部分の重みが消える。
パラパラと鉄の屑が空中を舞っていた。

原子分解



202: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/26(月) 01:37:58.56 ID:vv4YsYe40
  
(;゚∀゚)「皆にげr

後ろを振り向いたときには既に皆の姿は無かった。
血球さえも分解してしまったのだろうか。

( ∀ )「あはははははははーーー!!」
(-@∀@)「フン、あまりの恐怖に壊れてしまいましたか。」
( ゚∀゚)「ははwwチゲーよ雑魚ww」
(#@д@)「な!まだ減らず口ぉ!」
( ゚∀゚)「やっぱあんたは最高だぜww渋沢さん!こんなところで鈍ってないか心配だったんだけどよw」
( ,_ノ` )「………。」
( ゚∀゚)「もう分かっちまったんだろ?ここに居たってあの人以上となんて出会えないってww」
( ゚∀゚)「あんたがいなくなりゃぁ、こんな所俺がはりきらなくったって誰かが落としてくれるもんなw。」
( ゚∀゚)「だから笑いが止まらんのさ。あーはっはっはっはっはっはっは!!!!」

ガシャーン!
アサピーが耐えかねたように近くの壺でジョルジュの頭を思いっきりぶったたいた。

(#@д@)「うるさい人ですね〜!渋沢!こいつの息の根を止めてしまいなさい!!」
( ,_ノ` )「………。」
(#@д@)「どうした渋沢!やれというのが分からないんですか!!」
( ,_ノ` )「…俺はアンタの私兵としてここにいるわけじゃない。戦士としてここにいる。あまりうるさいようだとその口
                   分解
      するぞ…!」
(#@д@)「グウゥゥ!!衛兵ー!!コイツを地下牢にぶち込んでおけ!!」

アサピーがジョルジュを地下牢に送ろうとしている時、渋沢派何処か遠くを見つめていた。
自分の好敵手を探し出すため、世界に一人しかいない自分と渡り合える相手。
そんな考えをおくびにも出さないいつもの表情で、渋沢は遠くを見つめ続けた。



203: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/26(月) 01:39:21.16 ID:vv4YsYe40
  
 ;ω;)「あう、あう、」

なんでこんな事になるお?途中までは絶対に優勢だったはずだお?
それが突然、瞬く間に状況は逆転した。
イマイチ何がどうなったのかは分からない。突然銃の発砲音が聞こえてきたと思ったら。
僕の周りの人たちが血を噴出しながら倒れていった。

( ;ω;)「あう、あう、あう、」

偶然彼らの体が僕に覆いかぶさり、僕は周りの世界から遮断された。
三人?いや四人か?ともかく成人男性が何人も僕の上に覆いかぶさって来て、とても重い。
しかしどかす訳にはいかない、彼らが僕の盾になってくれている。
どかす訳にはいかない。

( ;ω;)「あう、あう、あう、」



204: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/26(月) 01:39:39.47 ID:vv4YsYe40
  
大声を上げて泣き出しそうになるけど、必死に我慢する。
敵に気付かれちゃいけない。

急に外の音が聞こえなくなる。一体どうしたんだお?
もしかして、皆死んじゃったのかお!?
不安になって肉の盾をどかし、辺りをキョロキョロと見回す。
良かった。皆死んだわけじゃないみたいだ。何人か見覚えのある人たちが立っている。
だが、その表情は皆憎悪や落胆、放心等マイナスのオーラを醸している。
なにが…それになんで戦が終わってるんだお?
そう思って更に辺りを見回すと

( ;ω;)「……えっ?」

モナーが白旗を立てていた。
嘘だお。勝ってたはずだお?なんで降伏してるんだお?

また僕は何も出来なかったのかお?



206: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/26(月) 01:41:45.98 ID:vv4YsYe40
  
この降伏はしかたない。気持ちを切り替えて被害を最小限に留めるんだ。

(#メ._凵j「…まさか貴様があの薄汚いレジスタンス共の元にいたとはな。」
( ´∀`)「……ウサギ。」
(#メ._凵j「うるさい!黙れ!!二度も…二度も私の気持ちを踏みにじりおって!」
( ´∀`)「…スマナイモナ。」
(#メ._凵j「…いいだろう!貴様が今まで何をやってきたのか、どれだけ極刑に足る男か私が見極めてやる!」
( ´∀`)「本当にスマナイモナ…ウサギ。」
(#メ._凵j「今の貴様がその名で呼ぶな!さっさと話せ。」

相変わらず変わらない奴だ。何となく昔に戻ったような気がする。
話している内容は昔とはまるで違うけど、いつも真剣に私の話を聞いてくれたウサギ。
一緒に軍の上層部まで上り詰めた。
今こうして敵対しているのが不思議な位、同じ時間を過ごした。



207: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/26(月) 01:42:04.80 ID:vv4YsYe40
  
(メ._,)「…つまり、貴様らは戦争を止めるために戦っていたのだというんだな?」
( ´∀`)「そうモナ。無罪とは言わない、皆を極刑にするのだけはやめて欲しいモナ。」
(メ._,)「…信用できんな。」
(;´∀`)「ウサギ!!」
(#メ._凵j「その名で呼ぶな!!そう呼んでいいのは父様と母様、それに昔の貴様だけだ!今の落ちたお前にその資格は無い!!」
(;´∀`)「聞け!ウサギ!!このままではニューソクとVIPは共倒れになるモナ!!」
(#メ._凵j「貴様!!まd
(;´∀`)「このままでは陛下の血も途絶えてしまうモナ!!」

ウサギが私の襟元をグイッと引っ張る。当然私の体はその分浮く事になる。

(#メ._凵j「貴様ァ!!!国王陛下に対してまで無礼を働くほどに落ちたかァ!!!」
(;´∀`)「本当のことモナ!!このままではニューソクは滅亡するモナ!!」

沈黙。そして静寂。
しばらくの間二人とも動かなかったが、やがてウサギの方が襟首を掴んでいた手を乱暴に離した。

(メ._,)「貴様らの身柄は『ロビー』の捕虜強制収容施設に送る事にする。そこで更正して来い。」
( ´∀`)「ありがとうモナ。ウサギ。」
(メ._,)「フン!」


第7話 「渋沢」  終



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