( ^ω^)ブーンが空も飛べるようです

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:12:49.71 ID:lmWyBZb20
  
( ^ω^)「日差しがまぶしいお」

ここはマンションの屋上。人生に疲れたブーンは、
小さいころの夢だった空を飛ぶことを実現することにした。

( ^ω^)「僕の人生バイバイだお」



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:18:41.60 ID:lmWyBZb20
  
寂れたフェンスをよじ登り、道路側に降り立つ。
深夜で交通量も少ない道路を見つめていると、吸い込まれて異次元にいけそうな気がした。
ブーンは両手を広げた。
風が冷たい。

( ^ω^)「うはww空も飛べるはずだお」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:20:22.92 ID:lmWyBZb20
  
足が離れる。体が浮く。
風が頬を切る。全身を押し上げる。

( ^ω^)「うはwwktkr」

両手をバタつかせる。風を掻く。
ブーンはそのままの体勢で真っ暗な闇に飲み込まれていった。



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:22:58.29 ID:lmWyBZb20
  
晴れ渡った空。大きな入道雲。
ブーンは必死に腕を上下させながら下を見た。
視界に飛び込んでくるのは、緑。
さわやかな風に揺れる草原の上をブーンは飛んでいた。



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:25:05.94 ID:lmWyBZb20
  
( ^ω^)「テラキモチヨスwww」

ゴツン。

( ☆ω☆)「おっおっ」

ホンダのミラが頭にぶつかった。
それで目が覚めた。
叫び声、クラクション、怒声。
ブーンはそのまま意識を失った。



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:28:16.40 ID:lmWyBZb20
  
汚い天井が見えた。

( ^ω^)「お?」

周りを覆う白いカーテン、ベッド脇で鳴る機械。
ブーンは病院のベッドに寝ていた。

( ^ω^)「なんでこんなところに……草原はどうしたんだ、お!!」

体を起こそうとして、全身に激痛が走った。



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:31:09.16 ID:lmWyBZb20
  
ブーンが悶絶していると、白いカーテンが揺れ、若い女性が入ってきた。

(*゚ー゚)「あ、目が覚めましたか」

( ^ω^)「いててて。俺はなんでこんなところに寝ていててててて」

(*゚ー゚)「あ、起きちゃだめですよ。ちょっと先生を呼んできますからね」

そういって女性はすぐ出て行った。
なんでこんなところにいるのだろう。
ブーンは必死に記憶を掘り起こした。

( ^ω^)「僕は空を飛ぼうとしたんだお。それで」

「落ちて車にぶつかった」

ブーンの言葉をさえぎるように、男が声を出した。



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:34:37.24 ID:lmWyBZb20
  
(´・ω・`)「やあ」

( ^ω^)「お、どちらさんかお?」

(*゚ー゚)「お医者さんですよ。あなたはマンションの屋上から落ちて、救急車で運ばれたんです」

( ^ω^)「思い出したお」

あれは夢だったのか、それともちょっと変わった走馬灯だったのか。

(´・ω・`)「まあ奇跡的に肩が脱臼しただけだから、心配はないよ」

( ^ω^)「そうですかお」

ブーンは医者に適当なあいづちをうちつつ、もう一度夢でもいいから空を飛んでみたいと思った。



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:37:49.53 ID:lmWyBZb20
  
ブーンはそのまま意識を失った。

( ^ω^)「お、ここはどこだお?」

ブーンは暗い路上に立ち尽くしていた。
遠くに街灯があるだけで、周りは漆黒の闇に覆われている。
物音ひとつしない。

( ^ω^)「俺は病院のベッドに寝ていたはずじゃ……」

そのとき、街灯のほうから女性の悲鳴が聞こえた。

( ^ω^)「セクロスktkrwww」

ブーンは地面をけった。すると体が風船のように宙に浮いた。



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:42:59.42 ID:lmWyBZb20
  


( ^ω^)「おっおっ」

時間の流れが止まったかのように、周りの景色がスローで流れる。
そのとき頭で声が聞こえた。

「腕を思いっきり動かせ」

無意識のうちにブーンの腕が上下する。

( ^ω^)「うはwwまた飛んでるおwww」

ブーンは嬉しさのあまり、襲われている女性の上を通り越して飛んでいった。
次の日、街灯の下から女性の死体が発見されたという。



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:46:31.70 ID:lmWyBZb20
  
( ^ω^)「はっ!」

目を開けるとともに、ブーンは体を起こした。
全身に激痛が走るが、気にせず回りを見渡す。
目に入ってくるのは、白いカーテンのみだった。

( ^ω^)「また夢かお」

ξ゚听)ξ「夢だけど夢じゃないよ」

( ゚ω゚)「アー!セクロスフラグktk」

女性の足が鼻に入った。

( ^ω^)「痛いお」

鼻を押さえるブーンに気を向けず、女性は淡々とした口調で話し始めた。

ξ゚听)ξ「夢じゃないよ」



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:48:41.64 ID:lmWyBZb20
  
怪訝な顔をするブーンにニッコリと微笑みながら

ξ^竸)ξ「あなたは夢の中に入れるのね」

とイミフなことを言った。当然ブーンは変な顔を返す。
すると今度は声を上げながらこう言った。

ξ゚听)ξ「いい、あなたは夢の中で、近い未来を体験できるの」

よく分からないので、ブーンは寝た。



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:51:55.61 ID:lmWyBZb20
  
ブーンはぽかぽか陽気で気持ちのいい草原に寝転んでいた。

( ^ω^)「あうー、気持ちいいおー。どうしてこういうときってちんちんに手が伸びるのかおー」

ξ゚听)ξ「変態」

( ゚ω゚)「アー!」

ブーンはパンツの中に入れた右手をサッと取り出した。
そして何食わぬ顔でスピッツを歌い始めた。

ξ゚听)ξ「あのね、真面目に話を聞いてくれる?」

( ^ω^)「そらもーとべーるは……分かったお。聞いてやるお」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:54:56.23 ID:lmWyBZb20
  
女性はまずツンと名乗った。そして、自分は政府の秘密特別機関に属していると言った。
ブーンは鼻くそを食べていた。

ξ゚听)ξ「それでね、研究中に突然あなたのビジョンが見えたの」

( ^ω^)「美女?」

ξ゚听)ξ「それを所長に言ったらね、スカウトしてこいって」

( ^ω^)「パトカー?」

ξ゚听)ξ「とりあえず研究所に行きましょうか。私の夢に引っ張るね」

ツンがそういった瞬間、視界が黒く染まり、次には白い大理石の立派な建物の中にいた。



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:57:52.35 ID:lmWyBZb20
  
ξ゚听)ξ「しょちょー。連れてきましたよ」

ツンが奥に向かって声を張り上げると、奥からめんどくさそうな声が返ってきた。
そして現れたのは病院にいた男だった。

(´・ω・`)「やあ、よく来たね」

( ^ω^)「ちょww状況がよく分からないおww」

ここで読者に説明しよう。俺にもよく分からないのだ。

( ^ω^)「なるほど」

(´・ω・`)「とりあえず、君には不思議な力があることが分かった。
     よって君を政府公認の特殊部隊に入隊させることにする」



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 03:00:38.48 ID:lmWyBZb20
  
( ^ω^)「特殊部隊?」

(´・ω・`)「君は例の法案が可決されたことを知っているかね?」

( ^ω^)「知らないお」

ξ゚听)ξ「バカ。なんで知らないのよ」

ツンの言葉を手でさえぎり、再び所長が声を出した。

(´・ω・`)「亡命してきた人間を無条件で入国させるとともに、生活の保護まで行っちゃおうという
      まさに八方美人なこの国らしい法案だよ」

ショボンが深刻な顔をしてそう言った。

( ^ω^)「お?よく分からないお……」



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 03:04:01.38 ID:lmWyBZb20
  
ξ゚听)ξ「つまりね、いま以上に外国人がこの国にあふれるのよ。
      そうすると当然、増えた外国人の犯罪が増加するでしょう」

(´・ω・`)「それで、その問題を解決するのが我らが特殊部隊なんだ」

ブーンはしゃがみこんで、靴の裏に貼りついているガムをつついているのに夢中だったが、
ショボンの次の言葉を聞いた瞬間ガバっと顔を上げた。

(´・ω・`)「君はニートじゃなくなるんだよ!!!!」

( ゚ω゚)「なんだってー!」

ξ゚听)ξ「なんだってー!」



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 03:08:53.01 ID:lmWyBZb20
  
( ^ω^)「ででで、でもそんなうまい話があるわけないお
     俺にはネットサーフィンする能力しかないんだお?」

ξ゚听)ξ「さっき言ったでしょう?あなたは不思議な力を持っているのよ」

( ^ω^)「不思議な力?」

(´・ω・`)「そうだ。現実世界と夢の中のリンク」

現実世界と夢のリンク。それは、つまりこういうことだ。
いま君たちはパソコンを見ていると思う。しかし>>35は社会人だから寝てしまうという。
しかしブーンの場合は、寝てもまだこのスレを見ることが出来るのだ。
寝ながらにして現実の世界に存在できる不思議。
まさに不思議ちゃんというほかないだろう。



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 03:11:52.56 ID:lmWyBZb20
  
( ^ω^)「俺にそんな力が……」

(´・ω・`)「あるらしい。しかも夢の中だと空も飛べるという超人的能力も付属する」

( ^ω^)「夢の中じゃ最強ってことかお」

(´・ω・`)「そうだ!つまりその力を使えば、外国人の犯罪なんかお茶の子さいさいだろう!」

( ^ω^)「でも……いたいのは嫌だお」

ξ゚听)ξ「ニートでもなくなる!モテモテひゅーひゅー」

( ^ω^)「任せなさい」

こうしてブーンは政府公認の胡散臭い部隊に所属することになった。



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 03:14:03.30 ID:lmWyBZb20
  
(´・ω・`)「今日のところは目を覚ましなさい。現実世界でまた会おう」

ショボンがそういってハンマーでブーンを殴ると、目の前が真っ暗になり、病院のベッドに戻った。
相変わらず見えるのは白いカーテン。

( ^ω^)「……へんな夢を見たお」

ブーンはとりあえずオナヌーを開始した。



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 03:23:27.89 ID:lmWyBZb20
  
ここはとある居酒屋。外国人基地が近くにあるため、軍人が多く立ち寄ることで有名。
軍人はこの国を守ってやっているという変な自信があるので、
当然のように女性店員にセクハラを行う。
なかには女性店員を外に連れ出して強姦するつわものもいた。
店主はそれを知りながらも、軍人を諌めることはしなかった。
何故なら彼らに目をつけられては、この場所で商売をすることが出来なくなるからだ。



48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 03:28:07.78 ID:lmWyBZb20
  
こんな行為が一般的に起こる世の中じゃ、外国人の優遇などという法案は成立するわけがない。
そこで衆議院議員が考え出したのが、外国人への強硬手段。
外国人が犯罪を犯すと、通常より重い罰が罰せられるほか、
比較的簡単に、銃を突きつけることが出来る特殊部隊の配備が行われることを条件に
なんとかかんとか可決に持ち込んだ。
しかし外国人は力も強い。生半可な力では太刀打ちできない。
そこでショボンが設立していた怪しげな研究所に税金を導入し、
超人的力を持つ能力者たちを隊員に任命することにした。

(´・ω・`)「こうして生まれたのが我々V.I.P。政府公認の特殊部隊なんだ」



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