( ^ω^)ブーンが空も飛べるようです

134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 10:48:52.29 ID:lmWyBZb20
  
■第二話:夢の中へ


研究室のベッドの上。頭には無数のコードがつながれている。
V.I.P.はその特殊な任務から圧倒的に隊員が足りないので、
誰でも夢の中から現実の世界へとリンクできるようにする研究が進められていた。

(´・ω・`)「いいかい、いまから睡眠薬を投与するからね。
      夢の中に入ったら、そのまま適当に夢の中で過ごしてくれ」

隊員を強制的に眠らせ、夢の中での行動を監視して分析する実験。
この実験を何度も繰り返せば、ブーンやツンの能力の秘密が分かり、
それによって誰でもリンクできるようになるかもしれない。

( ^ω^)「本当に分析できるのかお?」

(´・ω・`)「分からない。実際いまの僕には
      リンクがどういう仕組みなのか全く分からないんだ」



135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 10:53:23.81 ID:lmWyBZb20
  
ξ゚听)ξ「まあ眠るだけで給料がもらえるんだから、今回の仕事は楽よね」

( ^ω^)「そういう考え方もあるおね。おk。うってくれ」

二人の腕に注射の針が刺さるとともに体から力が抜け、
二人はそのままストンと夢の世界に移動した。

( ^ω^)「お、ここはどこだお」

薄暗い森。目の前には古ぼけた洋館。
どこかの山の上なのだろうか。緑が青々と生い茂っているのに、
頬を切る風はとても冷たかった。

( ^ω^)「隣にツンがいないお。仕方ないから洋館にでも入って休むかお」



137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 10:55:04.95 ID:lmWyBZb20
  
⊂\     /⊃
 \\/⌒ヽ//
(( \( ^ω^)   )) 「この動作も慣れてきたお」
  /|   ヘ
 //( ヽノ\\
⊂/ ノ>ノ  \⊃
   レレ  スイスーイ
  彡

ブーンが飛びながら洋館に向かっていくと、突然二階の窓が開いた。

( ^ω^)「お?誰かがこっちを見てるお」



139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 11:01:38.39 ID:lmWyBZb20
  
二階の窓から覗いていた男が筒のようなものをブーンに向けた。

( ^ω^)「お?なん」

ブーンは額にちくりと刺激を感じ、意識を失った。

【ツン】

ξ゚听)ξ「ここはどこだろう」

ツンは薄暗い洞窟の中に倒れていた。
ぽちゃん、ぽちゃんと、どこからか水の滴る音がする。
ツンは腰のバックから懐中電灯を取り出した。

ξ゚听)ξ「変ね、こんな場所は見たことがないわ」

リンクはたいてい自分の見た場所や、行った場所、強く想像した場所に移動することが多い。
そのため外国人の犯罪が起こると、起こった場所を強く意識することで
その場所もしくは近い場所に移動できるのだ。



140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 11:12:13.32 ID:lmWyBZb20
  
ξ゚听)ξ「ブーンとも離れちゃったみたいだし、どうしようかなぁ」

ツンはどこへ行くともなく、洞窟を歩き始めた。
すると前方から奇妙な音が聞こえる。
ズルリ……ズルリ……。
なにか巨大なものが這う音、そして微かだが不気味な呼吸音も聞こえてきた。

ξ゚听)ξ「ん、なんだろう」

懐中電灯を少し上に向けると、四メートルほど先が大きく左に折れている。
音はその見えない先から聞こえてきた。
ズルズルズルズル。
音が大きくなるとともに、這うスピードが速くなった。
そして曲がり角から顔を現したのは大きな蛙だった。

ξ*゚д゚*)ξ「ぎゃー!」



141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 11:16:01.21 ID:lmWyBZb20
  
目がない不気味な顔、大きな白いからだ。
巨大な蛙のようなものが地面を物凄いスピードで這ってくる。

ξ゚听)ξ「くそ、こんな生物見たことない」

ツンは素早く拳銃を構え、顔の中心に三発撃ち込んだ。

ξ゚听)ξ「うそ」

巨大な蛙はスピードを緩めずに突進してくる。

ξ゚听)ξ「なんで銃が効かないの?」

振り下ろされた巨大な手を横に飛んでかわしながら呟いた。



142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 11:19:23.67 ID:lmWyBZb20
  
【ブーン】

ここはどこだお。お、夢の中だったおね。俺は洋館に向かおうと思って空を飛んで、
そしたら二階の窓から顔を出したオサーンに銃で撃たれて……。

( ^ω^)「ふぉぉぉぉぉ」

ブーンは勢いよく体を起こした。
薄暗いが、頭の上にシャンデリアが見える。
そして目の前には大きな階段が、少しづつ曲がりながら二階へと続いている。

( ^ω^)「さっきの洋館の中かお」



143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 11:21:47.08 ID:lmWyBZb20
  
さっきの男は誰なのか。なぜ銃で撃たれたのに生きているのか。
なぜ洋館の中に寝ているのか。
答えは考える前に出た。

( ^ω^)「あのオサーンは敵じゃないお」

はたしてそうなのだろうか。
オサーンを侮ったブーンの運命は、洞窟で蛙に襲われているツンの運命は。

( ^ω^)「続く」



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