( ^ω^)が退魔屋になったようです

8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/20(火) 23:57:56.69 ID:wL8H3Yi60
  
黒い装束に身を包み、同じく黒に彩られた世界に身を投じてる。
案の定、学校が終わり、家に帰ると仕事の依頼がきていた。

【吸血鬼退治】

簡単に概要だけ聞くと、吸血鬼には2種の種類が居るとのこと。
一つは生まれたときから吸血鬼である、【真祖】
もう一つは、【真祖】から、血を吸われた人間である【死徒】
この2種だという。
吸血鬼はイメージどおり、血を吸った相手を吸血鬼とする。
つまり、このまま野放しにしておけば、鼠のごとく繁殖し
この街は吸血鬼しか居ない世界になるのだ。
そんなわけで、早急に対処をということで、依頼が舞い込んできていた
敵の力は未知数。情報によると、死徒の吸血鬼のようだ。
吸血鬼はイメージどおり、夜間しか活動ができないという。
つまり、夜にしか退治のチャンスが無いと言うこと。
( ^ω^)「めんどくせぇお・・・」
闇に包まれた世界でそう一人ごちる。

第2夜



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/20(火) 23:58:25.59 ID:wL8H3Yi60
  
いま、俺は夜でも人通りがありそうな繁華街のとあるビルの屋上にいた。
このビルの屋上から、繁華街を見下ろす。
バカみたいな露出度をしている女性が多数見える。
そして、あきらかに自分よりも年上の男性に声をかけている。
いわゆる援助交際というやつだろう。もしくは風俗の呼びこみ・・
どちらにしろ、まともな世界だとは思えない状況である。
そんな、まともじゃない世界から、さらにまともじゃない生物を探す。
はっきりいって、頭が痛くなる作業であった。

しかし、ソレは案外すんなりみつかった。
明らかに、人として、活動をしていない目を持った男。
とある、女性がソレに声をかけ、そのまま路地裏へと消えていく。
( ^ω^)「さーて、仕事だお」
俺は、皮手袋(手の平と甲の部分だけを負おう)を手にはめながら、夜の町へと身を投じるのであった。



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/20(火) 23:58:41.12 ID:wL8H3Yi60
  


从'ー'从「え、ちょっと・・・なによー?」
明らかに様子がおかしい男を目の前に女性が恐怖の表情を浮かべる。
普通どおり、エロイオヤジに声をかけて、一発やらせて、それでお金をもらえばそれで終わりのはずだったのに
どうも、そんな訳にはいかなさそう。というか、怖い。。
目の前の男には 生気がない、声をかけたときは気づかなかったが
生きている人間の目じゃない。
目の前のソレはゆっくりと、下品な笑いを浮かべながらゆっくりと
近づいてくる。まるで、私が獲物のように。
从'ー'从「ちょっと、、まって、サービスするからさ・・ね?乱暴なことはしたらいやー」
目の前のソレが人間じゃないと頭では分かっているのだが、口からはそれとは反する答えが飛び出る。
しかし、案の定、男は止まらず、さらに私にむかって寄ってくる
从'ー'从「あ、いや・・・あ・・・」

体が動かない、恐怖に支配されると人間の体はこんなにも、動かなくなるものなのか。
ペタンッ
とその場に座り込むと、ただ目の前の恐怖が襲ってくるのを待つしか出来ない。

从>ー<从「あ、あ、あ、いやああああああああああああああああああ」
思いっきり絶叫を上げる。
それと同時に私の意識は、深い闇の中へと引きずりこまれていくのであった。



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/20(火) 23:59:13.43 ID:wL8H3Yi60
  



从>ー<从「いやあああああああああああああああああ」
女性が大声をあげると同時にぐったりする。気絶をしたのであろう。
俺としてはその方が都合が良かった。
吸血鬼の男は、獲物がぐったり動かなくなるのをみると
ニヤリ、とゲスな笑みを浮かべた気がした。
( ^ω^)「さて、そこまでだお」

ゆっくりと獲物に手をかけている男に向かってそう言い放つ
その言葉で、男は動きを止め、ゆっくりとこちらに向かう
ドサッと、手放した女が地面に落ちる音が響いた。
男の目は、ソレは尋常を越えていた。
赤く血走った目。その焦点ははるか遠い地を見ているかのごとく合うことが無い。
創作開始の一日目から出会えるとは運が良い
俺は一人そう思っていた。

( ^ω^)「さて、個人的私怨は無いけどお、ここで無に帰ってもらうお」
俺はそう言うと身構える。
それと同時にビキビキビキ
音を立てながら右腕が変化を始める。
変化が終わると同時に俺は獲物に向かい 翔けていた。



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/20(火) 23:59:34.66 ID:wL8H3Yi60
  
距離は、5メートル弱。
一跳躍にて懐へ飛び込める距離。
バッ!!!と空気を裂きながら、懐に飛び込もうとした瞬間獲物は右手を振り上げ、振り下ろす。
勢いのついた俺の体は、ずんぜんのところで、急停止し、それをかわす。
それと同時に、距離を取りなおす。
通常の獲物であれば、今のスピードではついてくることは出来ず
一撃で事無きを得る。しかし、今回の獲物は違っていた。
今のスピードについてこれ、それに対応ができる。

( ^ω^)「なるほど、これは強敵だお。」

皮肉をたっぷりと込めながら、そうつぶやく。
実際、今の動きについてこれたからといって、手を焼くとは思えなかった。
いまのギアについてこれるならば、もっとギアをあげれば良い
ただ、それだけだった。

俺は、右腕と同じように、次は両足を開放する。
ビギビギッ っと 鈍い音を立てながら、足が変化をする。
変化には多少の時間がかかるが、目の前の男はソレをただ黙って見ていた。
どんな考えがあるかはわからない。しかし、それは俺にとっては都合の良いことだった。



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/20(火) 23:59:59.41 ID:wL8H3Yi60
  
( ^ω^)「ふっ、情けのつもりお?じゃあ、俺もその感謝の意をこめてお、ひと思いに殺ってやるお。」
変化を終えた、足を踏ん張りながらそう言う。勝負はあっけなく、簡単に付いた。
変化を終えた足で、地を翔ける。
それは瞬間とも言えるスピードで。相手の懐に飛び込む。同時に変化した右腕を横に一線振り切る。
それだけで事は終わった。
動きについてこれない目の前の相手は、反応することなく、首と胴体が離れていた。
グルグルグルグルと回転しながら回る首を見ながら

( ^ω^)「任務終了だお」
そう言い、再び一線。手を横に振ると、その頭部はこなごなに砕け散り。その場には、動かなくなった女性と、一つの肉片があるだけだった。



( ^ω^)「これで、下らない噂も終わるお…」
べっとりと手についた赤い血糊を拭きながら、俺はその場から去っていった。
第2夜 End



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