( ^ω^)が退魔屋になったようです

14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:01:53.47 ID:2xRbCs6d0
  
( ;゜ω゜)「グ・・ッッア、、ァ・・・・ぁぁあぁ」
熱い吐息が、喉を焦がしながらあがってくる。
吐く息はまるで自分の体から出たものじゃないごとく灼熱の熱さを持っていた。
腕を動かそうとすれば、ギチギチギチっと錆びたロボットのような音を立てる。
力を解放しすぎた反動だった。
幼少のころ、何度かこの反動に襲われた時がある。
その当時の体は、今ほど熟成されていなかったため
身が裂けるような、地獄の苦痛だった。
それから、何度かこのような反動に襲われながら
力のコントロールを身につけてきた。
ゆえに今回の反動は、久々だった。
( ;^ω^)「グッ・・・ァ・・・ハァ・・・・ァァ・・」
内なる巨大な何かが、外に出せと暴れる。そのたびに、体には激痛が走り、熱を持つ。

出せ、出せ、出せ、出せ、出せ、ダセ、ダセ、ダセ、ダセ、ダセ、ダセ、ダセ、ダセ、ダセ、
ダセ、だせ、だせ、だせ、だせ、だせ、だせ、だせ、だせ、だせ、だせ、だせ、だせ、だせ
だせだせだせだせだせだせだせだせだせだせだせだせだせだせだせだせだせだせだせだせ
うるさい、うるさい、ウルサイ!

( ;゜ω゜)「グァァーーーッ・・・ァ・・・ァァァ」
内なる何かを押さえつけるように叫ぶ。
しかし、その叫び声ですら、灼熱の吐息によってかすれる。負けるか、くそがっ、アアアア
こうして、俺の意識は闇の奥底へと落ちていくのであった。



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:02:23.93 ID:2xRbCs6d0
  
吸血鬼(別名バンバイヤ)
空想上の生き物とされており、それを目撃した人はいない。
しかしながら、吸血鬼として恐れられてきた人物は、多数いる。
その中の一人として、15世紀ごろのルーマニアに現れたワラキアの吸血鬼が最も有名かもしれない。
ワラキアの吸血鬼として呼ばれていたとしてるのは
ヴラド・ツェペシュ(ヴラド3世)である。
ヴラド家に生まれた彼は、ヴラド二世の次男としてこの世に生を受ける。
ヴラド家は、代々ワラキア領地を支配しており、ワラキア公という呼び名がついていた。
しかし1447年、父のヴラド二世とともに、長男が暗殺される事件が起こる。
ここから、彼の吸血鬼としての道が開かれることとなる。
彼は、父のように、ワラキアの領地を支配しようと目論見る。
しかしながら、そう事はうまく進まなく、何とか統治できたワラキアも実の弟により、それを追い落とされる。
ここで、在る事件がおきる。
ヴラド三世が、追い落とされ、幽閉されている間。彼の妻(ウラド3世の妻)が城の塔から身投げをした事件が起こる。
彼は、それをたいそう悲しみ、落ち込んだという。



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:02:56.94 ID:2xRbCs6d0
  
そうして、幽閉から開放されるときには、ヴラド3世の様子はこの世のものとは考えられない様子をしていたと記録に残されている。
彼は再び、ワラキアの地を統治することとなる。
彼、ヴラド3世は勇猛で軍略に優れ、オスマン・トルコに対してよく抗戦し、ルーマニアを守った英雄とされている。
しかし、幽閉から出た直後の彼は、英雄などではなく、ただの殺人鬼だったのかもしれない。
ヴラド・ツェペシュ 彼の名にある 【ツェペシュ】という文字には「串刺し」という意味合いがある。
これは、彼がワラキアを統治していたとき、トルコの攻勢によりルーマニアが圧迫を受けているときだった。
彼は、持ち前の軍略を駆使し、ルーマニアを守ることとなる。しかしその時代背景の裏にある複雑な関係もあり、
彼は、トルコの軍勢とともに、ワラキア領内の貴族や民も数多く串刺しにして処刑したと言われているのだ。
もとより残酷だった、ヴラド3世が行なったこの敵味方分けなくの串刺しは、当時の人々の中では、恐怖となって植えつけられたのであろう。
それからこの ツェペシュという名が付けられた。

しかし、これだけで、吸血鬼としておそれらるのは考えにくい。
ここで、われわれは一つの仮定を立ててみる。
この世には、ヴァンパイアフィリアと呼ばれる病気がある。
人獣問わず、血液を好む症状を示す病気のことをさすのだが。



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:03:23.00 ID:2xRbCs6d0
  
もし、ヴラド3世がこのヴァンパイヤフィリアだったらどうだろう。この時代には大く血が流れる次代。
彼にとっては素敵な時代であったであろう。また、串刺しすることにより、血を流し、それを溜めることも容易である。
そうした姿を一目でも誰かが目撃すれば、噂になるであろう。
また、そうした血液を好むという根も葉もないうわさが流れた可能性もある。
こうした結果、吸血鬼というのは、本当に実在するのかは確かではない。
ただ、こういった人物たちのおかげで、吸血鬼という言葉が誕生し、今まで引き継がれているのは事実であろう。

( ;^ω^)「くだらないお・・・・」
俺は片手で読んでいた、分厚い辞書のような本を乱暴に閉じる
ドサッ と鈍い音をたてながらその本の役目は終わった。
俺は、倒した敵の情報は、逐一探すことにしていた。
倒し終わった後にするのだから、無駄な努力と思われるかもしれない。
しかし、人じゃないソレらは何時、再び訪れるかわからないのだ。

故に、こうして再びソレらが出てきたときも対処が出来るように知識を詰め込むのである。
しかしながら、吸血鬼に関する記述はほとんど無いに等しかった。



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:04:31.53 ID:2xRbCs6d0
  
学校の図書館を探してみたものの、今、傍らに落ちている本にしか書いていなかった。しかもまったく意味の無い内容しか・・
俺は毎度のことながら、購買で買ったパンをかじりながら空を見上げた。
そう、もうすぐそこまで、この静寂を終える足音が近づいてきている。
ξ゚听)ξ「ヨッ!」
いつもの挨拶が聞こえる。
ξ゚听)ξ「毎度毎度しけてんね〜♪、ってまた難しそうな本だねー。あんたもほんと好きだよね。」
そういいながら、隣に座り込み、意気揚揚と楽しそうに弁当箱を広げ始める。
俺は、獲物を退治したあと、こういった辞典や文献を読んでいる。その姿をツンには何度も目撃されている。
最初のころは興味津々に何を読んでいるのかを聞かれたが、
軽くはぐらかしているうちに、ツンも何かを悟ったのか、聞いてこなくなり始めた。
ツンの中では俺は屋上にただ一人でいて読書が好きなちょっと変わった奴なのであろう。
勝手にそんな想像に更けていると
ξ゚听)ξ「あ、そういえばさ、聞いた?」
と、ツンのうそんくさい噂話が始まった。
ξ゚听)ξ「あー!その顔はうそんくさいとでもおもってるでしょ!もういいもん、知らない!」
そういいながらプイッと横を向くツン。

・・・俺はそんなバレバレの表情をしていたのだろうか、少しショックだった。
しかしながら、ツンの噂話は結構信憑性が高い。噂が嫌いだとしても、昨日の今日だ、聞いておいて損はないだろう。
( ^ω^)「わかった、ジュース一本おごるお」
最大限の譲歩で俺は許しを乞う。
ξ゚听)ξ「・・・・んーもぅ!どうしようかなー・・・」
( ^ω^)「いいから、話すお!」
ξ゚听)ξ「態度わるいぞー。まったく、しかたないなー」

悪態をつきながらも
にんまりと輝いた笑顔でツンは噂を話そうとする。

こうして、俺はツンの口から 予想だにしない出来事を聞くこととなったのであった
第3夜 END



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