( ^ω^)が退魔屋になったようです

19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:05:50.31 ID:2xRbCs6d0
  
( ;^ω^)「・・・・なんだってお・・?」

ツンが発した言葉に耳を疑う。

ξ゚听)ξ「ん?聞いてなかったの?だからー。」

ξ゚听)ξ「また、吸血鬼の被害者がでたってね」





第4夜



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:06:38.44 ID:2xRbCs6d0
  
なんだって・・そんなはずはない、ソレなら昨日俺が滅したはずだ。
普段しないような顔をしていたのだろう。ハッっとツンが息を呑むのが聞こえた

ξ゚听)ξ「あ、ごめんね、噂話嫌いなのに・・」
いつもは言わないような言葉を吐くツン
そこまで、俺はひどい顔をしていたのだろうか。
( ;^ω^)「いや、なんでもないお。それよりも急用がちょっとできたから、またお!」

それだけいうと、俺はパンを一気に口に含み、黒い辞書を持って屋上を後にした。

いったいどうなっているんだ。わけがわからない。
昨日退治したアレはなんだったんだ。なぜ犠牲者が・・
畜生!
俺は胸元に潜ませてあった携帯を取り出し、とある場所に電話する
プルルル プルルルル プルルルルルル
無機質のコール音が鳴る。あいつのことだすぐには出ないだろう。
プルルルル プルルルルル プルルルル
時間にして30秒程度、そこでやっとやつは電話にでた。



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:07:06.49 ID:2xRbCs6d0
  
( ´∀`)「ふぁーい、モナー探偵事務所です〜」

いかにも寝起きです、という声でやつは電話にでた
( ;^ω^)「ああ、モナー、俺だけど」

( ´∀`)「・・・・・・」
俺の声を聞くなり黙り込むモナー、それもそうだろう。
やつは探偵事務所を開く一方で、こういった闇の仕事も請け負っている。
前回俺が依頼した仕事で、モナーにはすごい迷惑をかけてしまった。それをまだ根に持っているのだろう。

( ´∀`)「なんだよ、なにかようか」

あからさまに口調が悪くなるモナー
( ;^ω^)「いや、一応仕事の依頼なんだお」
( ´∀`)「またかよ、んで何だよ今回は」
( ;^ω^)「調べ物をしてほしいお、大至急に」
( ´∀`)「・・・・それだけか?」
( ;^ω^)「ああ、それだけだお」

少し疑いながらも、ヤレヤレとあきらめたように
( ´∀`)「了解、で、何について調べるんだ?」
と仕事の依頼を受けてくれたようだ。



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:07:48.25 ID:2xRbCs6d0
  
( ;^ω^)「調べてほしいのは、吸血鬼についてだお」

吸血鬼、その単語が出たとたんに、モナーの動きが止まったような気がした。
( ;^ω^)「・・・どうしたお?」
重い沈黙が支配する電話の中、俺はそう口にする。
( ´∀`)「あ、いや・・・なんでもない、それよりも、どっちだ・・?」
どっち・・・?何のことを指しているのだろう。
最初は本気でそう思ったが、吸血鬼には2種いることを忘れていた。
( ;^ω^)「ああ、死徒のほうだお」
( ´∀`)「・・・了解、また今晩電話する」
( ;^ω^)「ああ、頼むお」
ピッ

電話が切れた後、俺は一種の疑問に掻き立てられていた。
モナーとは、長年の付き合いになる。今まであのように、魔について調査してもらったとき、あんな反応はみせなかった。
しかし、吸血鬼、今回に限ってあのような反応。いったいなにがあるというんだろう。

( ;^ω^)「・・・まぁいいお、今夜も忙しいってことだけは変わらないお・・・」

胸に携帯を収めながら、俺はそうつぶやいていた。



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:08:40.61 ID:2xRbCs6d0
  

夜、約束どおり電話が鳴る。
すでに仕事着に着替えており、今からまさに出ようとしていたところだった。
( ^ω^)「ブーンだお、遅いお。」
( ´∀`)「すまん、ねこけてた、で 今は大丈夫か?」
( ^ω^)「ああ、頼むお」

それだけの簡単なやり取りをすると、モナーはしぶしぶと話始めた

( ´∀`)「いいか、吸血鬼には二種類の存在がいる。コレはしってるか?」
( ^ω^)「ああ、真祖と呼ばれる生粋の吸血鬼と、死徒と呼ばれる吸血鬼のことだお?」
( ´∀`)「ああ、その通りだ、で、ここからなんだが、
      死徒と呼ばれる吸血鬼は、2種の方法で生まれる。
      一つ目は、真祖より、吸血行為を行われた人間
      二つ目は自ら吸血行為へと走る人間     
      この二通りから生まれる。ここまではいいか?」
( ^ω^)「ん、二つ目なんだけどお、それは吸血行為を行ったらすぐに吸血鬼となるのかお?」
( ´∀`)「いや、調べでは一応長い期間をかけてとなっているが、真相はわからない。突然変異で急に吸血鬼となる場合もあるだろうしな。」
( ^ω^)「そうなんだお、続きを頼むお」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:09:15.23 ID:2xRbCs6d0
  
( ´∀`)「ああ、で、死徒と呼ばれる中にも、2種の存在がある。
      一つは、自らの意思を持つもの。
      一つは、死徒・または真祖の操り人形にされているもの。
      この二通りだ。
      まぁ、真祖からかまれた場合、通常の人間はその毒にやられて精神崩壊をするはずだ。
      それほど真祖は強力なんだ。ごくまれに、その毒に対応できる人間がいるという話を聞くが、
      まずそれが死徒となった場合、かなりの強敵とみていいだろう。
      もう一つは、自ら死徒になったほうだが、これは論外だな。吸血鬼になれば、
      永遠の命を手に入れられるといわれているが、体のメンテナンスはかなりややっこしくなる。
      そのため、吸血鬼に成り立ての死徒はかなりの弱さだ。
      故に、死徒は血を吸った相手を自分の手足として操り、そして吸血をさせる。
      それによって、本体の自分に力の補給をしているんだろう。今回はこっちの死徒だと思う」
( ^ω^)「ということはお、昨日俺がつぶしたのは」
( ´∀`)「そ、単なる手足に過ぎない吸血鬼だろう」
( ^ω^)「・・・なるほどだお、勉強不足だったお」
( ´∀`)「まぁ・・そういうな、吸血鬼は特別な存在だ、その生態は無に等しい。で、どうするんだ?これから」
( ^ω^)「どうするもなにも、本体をぶったたくお」
( ´∀`)「まぁ、そうだな、言い伝えによると本体をたたけば手足となっている死徒たちは、死滅すると言われているからな」

これだけ聞ければ十分だ。後は本体をたたくだけ。

( ´∀`)「で、どうやって見つける気だ?」
( ;^ω^)「・・・」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:09:49.21 ID:2xRbCs6d0
  
モナーはたまにこうやって痛いところを付いてくる

( ´∀`)「今回の死徒の場合、確定してはないが、まだ力は弱いだろう。
      この場合、本体は叩かれることを知っている。となると、どうすると思う?」
( ;^ω^)「隠れて、手足にやらせるお・・」
( ´∀`)「その通り、では、おびき出す方法は・・?」
( ;^ω^)「手足をつぶせばいいお」
( ´∀`)「そ、その通り、手足がなくなれば自ら出てくるしかなくなる。そこを叩けばいい」
( ;^ω^)「持久戦か、好きじゃない・・」
( ´∀`)「ま、仕方がないさ、事が事だけに、被害を食い止める意味でも、手足はつぶしとかないとな」
( ;^ω^)「了解した、感謝する。」
( ´∀`)「ん、いやまぁいいんだが、気をつけろよ、死徒でも手ごわいはずだ」
( ;^ω^)「それはすでに、経験している問題ない、でわ」
まだ長くなりそうなモナーの話を一方的に切ると
俺は闇に支配された街へと出向いた
そう、これからが第一段階なのだ
すべてを終わらせるための。





26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:10:04.48 ID:2xRbCs6d0
  
?「カ・・・ハァ」

喉が渇いている、すぐにでも潤したい衝動に駆られるが
ここは我慢だ・・ まだ、弱い、そう、まだまだだ
もっともっと力をつけなければ、すぐに殺されるだろう。
永遠の命と称される吸血鬼、しかし、現代社会では通常の人間よりも、劣っているとも思える。

体を動かすには、それなりの代価が必要となる。エネルギー と呼ばれるものだ。
人のころのエネルギーは、ただ食事を摂取することによりまな買えた。多く消費すればその分の食事を摂取する。それだけで事は足りた。
しかし、この体に変化しはじめたころから、少しの異変が訪れる。食事ではエネルギーを摂取できなくなっているのだ。
変化しはじめた体は、人間の運動神経の比ではなかった。
一瞬にして、地を翔る力や、一瞬にして人を屠る力。
そんな力が身に備わったのだ。
しかし、その代価として、エネルギーの摂取が限られた。
よりよい、栄養価を求め、それは、他人の血となった。
しかし、血を吸われ、死んだ(行方不明)となったものが現れれば、この現代社会においては、それは問題となる。
ゆえに派手な活動ができない。
それは、人間で言う食事を絶たれているのと同じことだ 。



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:10:19.69 ID:2xRbCs6d0
  
?「くる・・・しい」

胸の奥に溜まっている息を吐き出す。
?「ハァ・・・ァ」
エネルギーの供給は、なんとか、自分の手足を作ることでまかなえるようになった。
実際、今の自分は、吸血鬼成り立てのころよりも格段に強くなっていると実感している。
しかし、この喉の渇きだけは、手足を使っても潤すことはできなかった。
自らが、吸血行動を行わない限りコレは癒えることはないだろう。

?「もうすこし・・そうもう少しだ・・」

そう、あと少しで満月の夜となる。
確証はないのだが、私の中で何かが知らせている。
満月の夜に、吸血鬼が来ることを。
それが私にとっての転機になることを。

ガリガリガリガリ

冷たいコンクリートに立てた自らの爪を引っかく。
硬く鋭くなった、爪は意図も簡単にコンクリートを削っていく。
こんな行為で、喉の渇きをごまかす。

?「あと、、、少し・・・・・・・・・・」

こうして私は、渇きをいつものように我慢し、手足にエネルギーの摂取を命じるのであった。

第4夜 End



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