( ^ω^)が退魔屋になったようです

33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:24:29.02 ID:2xRbCs6d0
  
行動することは簡単だった。
昨日と同じように、繁華街にあるビルの屋上。
その上から、吸血鬼の手足となってるものを探す。
見つけ次第、それを屠る。ただソレだけだった。
人間の考えにはびっくりさせられるときがある。
吸血鬼としての犯行がいまだ続いているというのに人々はバカみたいに、夜の町へと繰り出す。
危機感がないのだろうか?自分だけは大丈夫だと思っているのだろうか?

まったくもって、関心する。
その思考中に3体目の獲物を発見する。
( ^ω^)「さて、仕事だお」

こうして、俺は夜の町へと身を三度投じるのであった。

第5夜





34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:24:47.33 ID:2xRbCs6d0
  


月のあたらない裏路地。それが吸血鬼の望む場所だ。
三体が三体とも、同じような、暗い路地裏で吸血を行おうとする。
これは、俺にとっても都合がよかった。

血の咽返るような臭いのなか、3体目の始末をする。
多少傷つけただけでは、やはり永遠の命を持つと称されているだけあり死ぬ気配は見えない。
一番は、最初に蹴りをつけたように頭をつぶすのがベストのようだ。

グシャッ

足を振り下ろすと、案外簡単に頭はつぶれた。
血と共に、みなれない何かがあふれてくる。
べっとりと黒いブーツにへばりついたソレを吸血鬼の着ていた服でぬぐうと再び次の獲物を探しに、俺はビルの上へと上るのであった。

力を解放しすぎたのか、右腕に鈍い痛みが走る。
しかし、持久戦は好きじゃない。
( ^ω^)「めんどくさいお・・ほんとに」
そう闇に支配されている世界で一人ごちるのであった。



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:25:02.30 ID:2xRbCs6d0
  



?「ク・・・ッ ハァ・・・・ァァ・・・・」
何物かが邪魔をしている。
手足となった、手駒が死んでいくたびに激痛が体に走る。
?「クァ・・・ァァ・・・・くそ・・・っっ」
ギリギリと奥歯をかみ締めながらその激痛に耐える。
予想はしていたこと。でもこれは早すぎる。
満月の夜までは時間がない。このペースで次々と消されていったのでは間に合わない。

どうする、どうすればいい。。。

ここで、一つの考えが浮かぶ。
そうか、一人だとやられるのなら。
暗闇の中、
ニヤリと口元に笑みを浮かべる。

?「ククク、、アハハッハハッ、、、ぶっころしてやんよ!!!!!
  アハハハッハハハハハハ」

暗闇に支配された世界で、声だけが響いていた



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:25:22.68 ID:2xRbCs6d0
  



次の獲物を発見し。気づかれないように背後をついていったつもりだった。
しかしながら、俺の行動はすでに読まれているらしい。

4体。吸血鬼が俺を囲んでいる。しかも全て若い男。
身体能力が高いと思われる、そいつ等は連携を取ってるかのごとく、逃げ道を塞ぐ。

( ^ω^)「くそったれだお・・」

つぶやくと同時に背後の一体が飛び掛ってくる。
即座にそれを裂けると右腕を振るう。

しかし、ガシッ っと音と共に、右腕を別の一体に押さえつけられる。
同時にまた別の一体が足をつかむ

これで完全に動きを封じられた。
( #^ω^)「うざったいお!!!!!!!」
噛みつこうとしてきている一体。
目前まで迫ってきたときに俺は力の大部分を開放する

ベキベキベキッ

一瞬にして開放されたソレは俺の肉体を変化させる。
自由に動く左腕で、右腕にしがみついているヤツの頭を握るとそのまま、

グシャッ と音ともに握りつぶす。ドロドロの黒い液体が飛び散った。



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 00:25:37.57 ID:2xRbCs6d0
  
力の解放をしすぎると、反動が大きい。
幼少の頃より何度もきかされていたことだった。
成人するまでは、絶対に、全てを開放するな。
それは、幼心に執拗に刷り込まされたことだった。

力を解放した体は、たやすく残りの3体の吸血鬼を屠る。
右腕一振りで、首を裂き
蹴り一発で、胴体が半分になり。
たやすく握るだけで、それはつぶれた。

頭の中で声がする
?【もう少し!後もう少しだ!ハハッハハハッハハハハ!】
それは頭の中で大きく響き、そのまま力を全て解放してしまいそうになる。
ドクン、ドクン、鼓動が高まり、目の前が真っ赤になる

( ;^ω^)「カッ・・・アアアアアア・・・」

熱い吐息が吐き出される。

ドクン、ドクン、ドクン、
自分の心臓なのに、別の違う音のように、頭鼓動が響き渡る。
目の前の血の海は、俺の感情をコレでもかと高ぶらせている。

この感情はなんだろう、これでは俺も吸血鬼と変わらない。
ズキンッと鈍く走る頭痛に、手で顔を覆いながら耐える。
ここに居るのはまずい・・・・
俺は変化したままの姿で、飛び上がると、夜の町へと消えていった。

第5夜 End



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