( ^ω^)が退魔屋になったようです
- 131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 02:26:13.85 ID:2xRbCs6d0
- 夜の帳が支配している世界。
その中を翔る。
それはまるで死神のようで
それはまるで悪魔のようで
ただひたすら、翔る
街に近づくたびに
訪れる反動、反応
居る、そこにいる
本能がそう伝える
知らないうちに足に力が入り
スピードが上がっていく
その姿を見て
誰かが言った気がする
あなたは
死神?それとも悪魔?と
【第13夜】
- 132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 02:26:58.02 ID:2xRbCs6d0
- ギィンッ、ギィンッ
街を見下ろせる場所にある高台の広場
昼は近くの住民が集う憩いの場である、この公園に
似つかわしくない金属音が鳴り響く。
/ ,' 3「クッッ!」
せわしなく自由に動く敵の力
爺はすでに防戦一方だった。
しなやかに伸びる一つの影は、撓りながら鞭のように飛んでくる。
それをトンファーで防ぐが、続けざまに頭上より刀よりも切れる刃が振ってくる。
ダッ
と横に跳躍するが、その先にはまた別の影が待ち構えていた。
バシンッッ
待ってましたとばかりに、その影は勢いをつけ、この体を叩く。
刃状の影でなかったのが不幸中の幸いか。
それでもこの体は思いっきり地面へと叩きつけられた。
- 133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 02:27:50.29 ID:2xRbCs6d0
- (*゚ー゚)「あははは、お爺さんやるね。その武器はなんなのかな?
私の力でも壊れないなんて、すごいよ」
目の前の敵はあどけない表情を浮かべながらさも楽しそうに言う。
/ ,' 3「クッ」
痛む体を必死に我慢し、立ち上がると後ろに飛び距離を取る。
戦闘が始まり、最初に与えた一撃以外。
私の攻撃は当たっていない。
それよりも、少女は一歩も動いていない。
動く必要がないのだ。彼女から伸びる無数の影。
それが少女の代わりに攻撃をする。
「闇の天使(ダークエンジェル)とは言ったものだ。」
目の前の少女、名は しぃ
真祖の吸血鬼だ。
彼女の能力は真祖達の能力の中でも際だって特殊だと言われている。
【闇の支配】
- 134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 02:29:05.52 ID:2xRbCs6d0
- 影と呼ばれている部分。それを思うがままに操れるのだ。
それは体から蔓のように延び。そしてそれぞれ形状が異なる
また、その姿は、幼い少女、顔立ちは幼いながらはっきりとしており、かわいらしいその風貌から天使と称されてる。
闇を操りし天使
そんな由来から、彼女の愛称は、闇の世界では
【闇の天使(ダークエンジェル)】と呼ばれている。
ダークエンジェルと聞こえたからだろうか
少女は少し嫌な表情を浮かべる。
(*゚ー゚)「なんで、その名前を知ってるのかしら?
その呼び名を知ってるのはごく一部のはずだけど・・」
威圧感とでもいうのだろうか、ビリビリと肌を突き刺すように殺気が飛んでくる。
(*゚ー゚)「まぁ、いいわ、お爺さん私ね、もうあんまり時間がなくなっちゃった。
ほら、こんなきれいな満月。もうそろそろで祝音が鳴り響く時間なの。」
そういいながら空を見上げながら両手を広げる。
まるで踊るようにくるくる回る少女
こんな非現実的な光景はどこを探してもないだろう。
- 135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 02:29:33.85 ID:2xRbCs6d0
- (*゚ー゚)「だからね、ごめんなさいだけどもう遊べないの。次の一撃で
終わらせてあげるね」
そういうと、少女の後ろに伸びていた影が一つにまとまっていく。
何十もの影を一つにまとめた、その影の密度は見るだけで結果を予想させた。
/ ,' 3「いかんな・・・・」
アレはこの魔具では防げないだろう。
多分、動きさえ見れないであろう。
ギリッッと歯をかみ締める。
(*゚ー゚)「ふふ、コレで終わりかな」
そういいながら、楽しそうに大きく、少女は影を振った
◆
- 136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 02:31:14.12 ID:2xRbCs6d0
- 街の郊外にある高台、そこから気配が感じられる。
吐き気がしそうなぐらいの気配。
おそらく、あの路地裏であったしぃのものだろう。
無論、そこに向かって俺は翔けていた。
しかし、その途中。高台に上る手前であるものを見てしまった。
そう、消したはずの吸血鬼本体の姿。
それも俺のことに気づいているのか
ニターッと下衆な笑みを浮かべると バッっと翔けていった。
(#^ω^)「畜生!」
ギュッッと拳を握り締め俺はその後を追った。
闇が支配している空間を二人の影が走る
それは人の目に入らないほどの速度で。
しばらくの鬼ごっこをやったあと。前の気配が止まった。
それは、つい先ほどまで居た倉庫だった。
(#^ω^)「・・・・ビーンゴォ・・」
怒りで目がチカチカする。
どうしようもないほどのこの衝動。
俺は人であることを辞めるかもしれない。
そんな考えに至る。
そんな事を考えながら俺は倉庫の中へと入っていった。
- 137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 02:32:52.45 ID:2xRbCs6d0
- 倉庫の中は、相変わらず暗く。光は窓から降り注ぐスポットライトのみ。
カツーンカツーン
足を踏み出すたびに、音が響き渡る。
重機が置かれているところを抜けると、そこに奴は立っていた
川 ゚ -゚)「こんばんわ、退治屋さん」
にっこりと微笑むその姿になぜか鳥肌が立つ。
(#^ω^)「・・・・一つ聞くお」
川 ゚ -゚)「あら?何かしら」
クスクスと笑うその女は癖なのか顎に指を持っていきながら
少し身をよじる。
(#^ω^)「ツン。知ってるかお?」
川 ゚ -゚)「・・・?誰かしらそれ」
(#^ω^)「ここで、死んだお前の手下だお」
川 ゚ -゚)「あーあー、あの子ね。なんだかうれしそうに人通りのないところ歩いてたから襲っちゃった あはは、いい表情してたわよー。」
そういいながらケタケタと笑い始める
(#^ω^)「そうか、ビンゴかお」
どす黒い感情が俺の中を走り回る
- 140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 02:35:01.34 ID:2xRbCs6d0
- 川 ゚ -゚)「あらあら、あなたのお友達だったの?あちゃー。じゃあ手足で使うよりか、ここで盾にしたほうが使えたかもね」
手足、テアシ、テアシ、その言葉を聴いた瞬間俺の中の何かがはじけた
力の解放もしていないのに、一瞬にして間合いを詰めると
ドスッ
とそのまま、女の心臓を貫く
川 ゚ -゚)「あ・・・れ?」
何が起こったのか理解できない目の前の吸血鬼は間抜けな声を出しながら倒れた。
(#^ω^)「死ねお!くずがっ」
思いっきり頭を蹴る。
グシャッと鈍い音を出しながら頭は割れていった。
コレだけのことをしたのに、まだ俺の中の憎悪はとまらない。
弱い弱いよわいよわいよわいよわいヨワイヨワイヨワイ
「ああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
叫ぶ、何かに耐えれなくなったように。
咆哮する、内なる何かとリンクしたように。
- 141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 02:36:35.70 ID:2xRbCs6d0
- 川 ゚ -゚)「クスクス、ひどいわね、女相手に」
殺したはずの女の声が聞こえる。
ピタッと咆哮、叫ぶのをやめ グルリと振り返る。
そこには殺したはずの女が癖だろうポーズをとって立っていた
川 ゚ -゚)「やっぱりあなた、最高よ。」
そういいながらケタケタ笑う。
しかしこれは俺にとってはいい出来事だった。
たった一撃で死なれた分。この怒りの捌け口が見つかってなかったからだ。
川 ゚ -゚)「フフフ」川 ゚ -゚)「ウフフフ」川 ゚ -゚)「アハハ」
目の前に居るはずの女の声が四方から響く。
暗闇の幕から姿を現したのは紛れもない吸血鬼本体
川 ゚ -゚)「うふ、驚いた?これが私の力。分身する能力を身に着けたの」
そういいながら四人一斉にケタケタ笑う。
(#^ω^)「・・・だからなんだお?」
川 ゚ -゚)「ん?何か言った?」
(#^ω^)「弱い雑魚が何人に分身しようが、関係ないお」
弱いとの言葉に、反応したんだろう。
奴らは笑うのを辞める。
そして目の前のおそらく本体だろうと思われる奴が口を開く
- 142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/21(水) 02:38:11.37 ID:2xRbCs6d0
- 川 ゚ -゚)「何か勘違いしてるわね、今のが私の本気だと思って?
それにね、今姿を見せてるのは4体だけども。」
そういいながらパチンと指を鳴らす。
次の瞬間には、目の前の本体の後ろに姿形がそっくりの無数の吸血鬼の群れが居た。
川 ゚ -゚)「コレだけの相手できるのかしらね・・・・フフ」
俺が黙っているのに気をよくしたのだろう
少しにやけるように言う。
しかしながら
( #^ω^)「ふん、関係ないお」
それだけ言うと身構える。
チョイチョイと人差し指を振り、挑発するといとも簡単に引っかかった。
川 #゚ -゚)「あははは!後悔して、死ねッッッ!!!」
おそらく、人間としてのブーンの最後の戦いが今始まる。
第13夜 終
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