( ^ω^)ブーンがケータイを買ったようです

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:05:38.10 ID:3IPzlgjcO
  
(;^ω^)「あ、秋田から来ましたお。みんなよろしくだお」


ここは東京都立VIP中学校。近場の小学校を卒業した者が自動的に集められるいたって普通な中学校である。



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:06:56.14 ID:3IPzlgjcO
  
そんなVIP中の昼休み

< `∀´>「よぉよぉ!昨日送ったサメ動画みたニダ?」
(><)「見ましたです!マジウケました!」
( '∀')「それより昨日のvipのさぁ〜(ry」

ワイワイガヤガヤクマクマ

いつものようにクラスはメールやらネット関係の話題で盛り上がってる。



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:08:02.65 ID:3IPzlgjcO
  
(;^ω^)「あうあう…なにがなんだかワカラナスwwwwwwみんなの話題についていけないお」

教室の隅で一人メンコをいじってるこの男の名は内藤ブーン。
母子家庭の母親が病気で入院してしまったため、秋田から親戚のいる東京にはるばるやってきた。
vip中に転入して二週間がたつが、内気な性格のせいか全くクラスに馴染めないでいる。



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:08:50.87 ID:3IPzlgjcO
  
バチンバチン!ベシシッ!
( ^ω^)「うはー独りメンコおもすれーおwwww」
ブーンのメンコの音に気付き、クラスは一瞬静寂になりみんなの視線はブーンに注がれたが、クラスのみんなは何事も無かったかのようにすぐにまた騒がしく雑談を始めた。

( ^ω^)「つまらないお…」

そんなとき、一人の女子がブーンに近寄ってきた。



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:09:32.49 ID:3IPzlgjcO
  
(*^ω^)「(おっカワユスwww地元にはあんな子いないおwww)」

ξ゚听)ξ「ね、ねぇ!あんたそれ面白いのっ?」

( ^ω^)「お…メンコ知らないのかお?これを投げてあれをひっくりか
ξ*゚听)ξ「べ、別にやりたくないわよ!そんなダサいもの!じゃあねっ!」

(;^ω^)「あっ、あうあう………」

もうオワタ\(^ω^)/



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:10:45.74 ID:3IPzlgjcO
  
◆翌日

ブーンはなんとなくいつもとは違う帰り道をぶらぶら歩いていた。

( ^ω^)「東京にはついていけないお…」
( ^ω^)「ぬ?あそこに見えるのは………」

ブーンは50メートルほど先に駄菓子屋があるのをみつけた。

⊂ニニニ( ^ω^)ニニニ⊃ブーン「うはー超kskだお!」
( ^ω^)「ゼェゼェ…懐かしいおwwww東京にもベーゴマ売ってるおwwwあっ!あれはきなこ餅だお!wwwwww」

見慣れたものが東京にも売っていたのが嬉しかったブーンは、東京に来てからは一度も見せたことのない満面の笑みではしゃいでいた。



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:11:37.54 ID:3IPzlgjcO
  
( ^ω^)「うはwwwテンション上がりまくりんぐwwwww」
( ^ω^)「ぬ?あそこにいるのは………」

店の奥でメンコを手にとって眺めてる一人の女の子がブーンの目にとまった

( ^ω^)「あれは昨日のあの子だお!!!!1」



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:12:52.26 ID:3IPzlgjcO
  
ξ゚听ξ「(なによこの固い紙っきれ どうやって使うのかしら…)」

影から眺めていたブーンは勇気を振り絞って話し掛けた

( ^ω^)「あ、あの…きみ、きのうの…
買フ )ξ!!!!!

その子は僕に気付くと急いで手に持ってたメンコを投げ捨て、近くにあった訳の分からないお菓子を適当に掴んで買い、どこかに消えてしまった。

(;^ω^)「ちょ、おま!………変わった子だお。メンコやりたいならやりたいって言えばいいのに…」



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:15:00.10 ID:3IPzlgjcO
  
◆帰宅

( ^ω^)「スプー伯父さんただいまだおー」

┌。w゚┐「おいブーン、秋田から手紙が来てるぞ」

( ^ω^)「おっおっおっカーチャンからだお!」

J('ー`)し『ブーンへ カーチャンのせいで迷惑かけてごめんね。東京ではちゃんと元気に暮らしてるかい?伯父さんの言うことちゃんと聞くんだよ。もうちょっとで治るからね カーチャンより』

( ;ω;)「ウッ…カーチャン…僕がんばるお!」



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:16:27.68 ID:3IPzlgjcO
  
次の日、ブーンは例のあの子と同じクラスだったのを初めて知った。
ブーンの席は窓際の後ろで、彼女の席は廊下側の前なので対角線上に一番離れているのである。

( ^ω^)「ずっと席に座って周り見てなかったからわからなかったお」

ブーンは初めてクラス名簿に目をやった

(*^ω^)「ツンデレ…ツンちゃんってゆうのかお♪」



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:18:50.89 ID:3IPzlgjcO
  
( ^ω^)「オラッオラッ!コノヤロ!ドイーンwwwwwwwファック!」

昼休み、いつものように独りメンコをやっていると

ξ゚听)ξ「ブーン!き、昨日の勘違いしないでよね!私は知らないことをいろいろやってみたい性格なだけで…」

(*^ω^)「おっツンちゃん(名前呼ばれたお!!!)」

ξ*゚听)ξ「な、なに気やすく……………ツ…ツンでいいわよ!」

( ^ω^)「把握したお メンコやるかお………?」
ξ゚听)ξ「べ、べつに……やってあげるからちゃんと教えてよ!」

( ^ω^)「まずメンコの起源は(ry この油をしみこませると(ry」

ブーンとツンはいつのまにか打ち解けて自然な会話ができるようになっていた。放課後にブーンはツンと一緒に帰る約束をした。



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:20:02.56 ID:3IPzlgjcO
  
( ^ω^)「こんなに昼休みが短く感じたのは初めてだお 放課後楽しみだお!」

( ^ω^)「(僕、もしかしたらツンのことが好きだお…)」

放課後、約束どおりブーンはツンと一緒に帰った。
あの駄菓子屋でメンコを買って、近くの公園で暗くなるまで遊んだ。
僕はツンに地元の遊びを色々教えた。ツンは何でも覚えがはやかった。



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:21:44.95 ID:3IPzlgjcO
  
(;^ω^)「ツン強いおwwwww手加減してくれお」

ξ゚听)ξ「あ、あのさブーンはケータイ持ってる…?」

(;^ω^)「(スルーされたお…)ケータイ?あの小さい電話かお?も、持ってないお・・・ツンは持ってるのかお?」

ξ゚听)ξ「も、持ってるに決まってるじゃない!ホントあんた田舎者なんだから!じゃあね!(なによせっかく…)」

(;^ω^)「バイバイだお!」



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:23:10.32 ID:3IPzlgjcO
  
◆帰宅後

( ^ω^)「ケータイかぁ・・・」

( ^ω^)「スプー伯父さん、ケータイって持ってるかお?」

┌。w゚┐「それ食えるのか?」

( ^ω^)「おやすみだお」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:24:18.87 ID:3IPzlgjcO
  
それからブーンは昼休みは必ずツンとメンコをするようになった。ツンといるときは自然に明るくなれるのが自分でもわかった。

('A`)「おいツン、おまえ最近ブーンとソレばっかやってるけど面白いのか?」
ξ゚听)ξ「べ、べつに面白くてやってるわけじゃないんだからね!」

('A`)「おいブーン、俺にもちょっと教えてくれよ」
( ^ω^)「うはwwwwwよいお!面白いお!!!」

('A`)「デュクシ!おっ!これでいいのか?」

( ^ω^)「ちょwwwwwwどこにも当たってないおwwww冗談は顔だけにしろおwwww」



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:25:18.12 ID:3IPzlgjcO
  
('A`)「あ?」

彼は同じクラスのドクオ。ドクオはいつも暗くてクラスでは浮いてるが、話してみると根は優しくて信頼できるやつだ

僕らはいつのまにか三人で行動を共にするようになっていた。
ドクオは僕がツンに好意を寄せているのを知っている。たまに気を使って二人きりにしてくれたりする。



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:25:57.29 ID:3IPzlgjcO
  
気が付いたらVIP中に入ってから半年を過ぎようとしていた。
ブーンはいつのまにかクラスのみんなとも普通に喋れるようになっていた。

('A`)「おいブーン、そういやアドレス交換してなかったな。おまえの赤外線あるか?」

(;^ω^)「おっおっ、僕ケータイ持ってないんだお・・・」

(゚A゚)「ポカーン」

('A`)「しょうがねぇ…ほらよ、」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/13(火) 23:27:22.11 ID:3IPzlgjcO
  
ドクオはおもむろにポケットから5000円をとりだし、僕の手に強制的ににぎりしめさせた。

(;^ω^)「こ、こんな大金受け取れないお!」

('A`)「いいんだよ、うち金持ちだからよ。それでケータイ買ってツンとメールでもしろや(あぁ今月あと100円で暮らさねぇとだぜ…)」

( ^ω^)「ホントにいいのかお…絶対に返すお!」
('A`)「いいっていいって、親友だろ?早く買いに行けって(ツンだって待ってるぜ!)」

( ;ω;)「ウゥッ……ドクオ…うん!親友だお!じゃあ行ってくるお!」

ブーンは転校初日を思い出した。まさかこんなとこで親友なんかができるとは思わなかっただろう。ドクオが口にした【親友】という発言につい涙がこぼれた。

('A`)「俺かっこよすぎるぜ…がんばれよブーン」



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