( ^ω^)ブーンが任務失敗したようです

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 23:02:51.53 ID:d6qPW6Pg0
  
その頃ショボン家では今日の釣果である魚をお母さんがいそいそとさばいていた。
J(´・ω・`)し「一杯釣れたわねぇ。これは料理し甲斐があるわぁ。食費も浮くし♪」
と嬉しそうだ。どうやらこの大らかそうな人がショボンのお母さんらしい。

(´・ω・`)「でしょ?ドクオがいい釣り場見つけてくれたからね。」
そう答えながらショボンはテレビに夢中な様子である。

J(´・ω・`)し「あんまり危ない所まで行っちゃだめよ?」
ショボン母は少し心配そうだ。
(´・ω・`)「大丈夫大丈夫。あ・・・でも今日・・・」

ショボンは今日あった出来事を母親に話した。ブーンの服装や行動は隠して・・・。

J(´・ω・`)し「そう・・・。多分違うだろうけど昨日サイレンがなってたじゃない?
それも妹山の方で。山の向こうの施設では色々あるみたいだから気をつけなさいね。」

ショボン母が真顔で言う
(´・ω・`)「うん・・・分かった。(そっか・・・ドクオが言ってたサイレンって妹山の方だったのか・・)」

ショボンの中で胸騒ぎが少しした



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 23:03:37.27 ID:d6qPW6Pg0
  
('A`)「これでよしっと。」
ドクオがブーンの傷に薬を塗ってガーゼを貼る
( ^ω^)「ありがとうだお。助かったお。ドクオ君はいくつなんだお?」
ブーンが部屋を見渡すと釣り道具だのアイドルだのサッカーボールだのがぐちゃぐちゃに置いてある。
('A`)「俺?俺は16歳。VIP高校の一年だよ。あー、さっき居たショボンもタメだぜ。」
ドクオが釣竿の手入れをしながら答える。
( ^ω^)「じゃあ二人とも同い年だお。」
ブーンが少し嬉しそうに答える

('A`)「やっぱタメかぁ!それにしちゃお前落ち着いてるよな。」
ドクオが少し感心した様に答えると
( ^ω^)「あまり歳の近い人が周りに居なかったからだと思うお。」
そう答えた。



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 23:04:22.17 ID:d6qPW6Pg0
  
普通に考えるとおかしな話である。ドクオと同い年で周りに歳の近い人が居ない?
ドクオもそれに気が付いたが森で出会った時のブーンが詮索されるのを嫌がってたのを
思い出し、喉まで来た言葉を飲み込んだ。

J( 'ー`)し「ご飯出来たから二人とも降りて来なさーい」

その声を聞いてドクオはさっきまでの疑問も忘れて飛び跳ねた
('A`)「メシメシ!さっ、ブーンも行こうぜ!」
(;^ω^)「僕も・・いいのかお?」
('A`)「いいに決まってんじゃん。さ、行こうぜ。」

そう言うとドクオは階段を颯爽と駆け下りた。

( ^ω^) 「友達・・・嬉しいお・・」
小声でそう呟きながらブーンも階段を駆け下りた。



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 23:05:08.53 ID:d6qPW6Pg0
  
ドクオの家もショボンの家も母子家庭である。
ショボンのお父さんはショボンがまだ赤ん坊の頃に病気で無くなり、
ドクオのお父さんはドクオが小学生の時に離婚した。
二人は似た境遇だからか小さな頃から気が合った。性格は全く正反対だが・・・。


J( 'ー`)し「ごめんねブーン君。ドクオが魚釣って来ると思ってあんまりおかずないのw」
ドクオのお母さんが本当に申し訳無さそうに謝る
('A`#)「うっせーな!!魚釣りなんてのは腕以外にも色々必要なんだよ!」
ドクオが少しムッとした顔で野菜炒めを頬張る。
( ^ω^)「あったかいご飯とお味噌汁だけで充分ですお。味付けも最高ですお。」
ブーンが美味しそうに口いっぱいに頬張るのを見てドクオのお母さんも嬉しそうだ。

('A`)「カーチャン、ドクミは?」
J( 'ー`)し「お友達の所でお勉強するからお泊りですって。今日は帰って来ないわよ。」
('A`)「あっそ。どうりで静かだと思ったw」
( ^ω^)「ドクミって兄弟かお?」
ブーンが野菜炒めを頬張りながら質問する

('A`)「あぁ。妹な。俺に似ず可愛くねーんだよな。ごちそーさん!」
ドクオはそう言うとテレビの電源を入れた。



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 23:05:54.98 ID:d6qPW6Pg0
  
「番組の途中ですがニュースをお伝えします。
昨晩妹山の研究施設で爆発があり多数の負傷者が出ている模様です。
原因はまだ不明ですが不信な人物の目撃証言もあり長岡県警が引き続き
捜査を続ける方針です。
なお今晩から雨が降り続く予定なので近隣の住民の方は
土砂災害などにご注意下さい。以上、ホライゾンニュース速報でした。」

ニュース速報が終わると先程までとはうって変わって芸人のバラエティ番組から笑い声が響いていた。

ドクオは思わず目を丸くした。この静かな田舎街では事故や事件が全くと言っていい程起こらない。
起こったとしてもせいぜい迷子や遭難だろう。
その街で爆発事故、それもまだ分からないが第三者の手により爆発事故が起こったとなれば大変な事である。
いつもならかじりつくように見るバラエティ番組もそっちのけである。

('A`)「爆発事故だってよ。すげーy・・・」
と途中まで言いかけた時
( ^ω^)「ごちそう様でしたお。」
ブーンが遮った。

( ^ω^)「ドクオの部屋で少しゆっくりしていいかお?」
ブーンが尋ねると
('A`)「あぁ。いいぜ。カーチャン今日コイツ泊めていいよな?」
J( 'ー`)し「いいわよ。ただし親御さんに連絡だけしなさいね。」
と洗い物をしながら笑顔で答えた
( ^ω^)「泊めてまで頂いて・・・ありがとうございますだお。
わかりましたお。あとで連絡しておきますお。」

そう言うとブーンは二階に上がって行った。



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 23:10:20.79 ID:d6qPW6Pg0
  
prprprprprprpr♪
丁度その時、ドクオの携帯が鳴った

('A`)「おっ、ショボンからじゃん。もしもし。」
(´・ω・`)「もしもしドクオ?テレビ見たかい?2チャンネル。」
('A`)「見た見た!だから言ったろ?昨日サイレン凄かったもんなぁ!」
(´・ω・`)「まぁそれは良いとして。あの事故が起こったのは妹山だよね?」
('A`)「そうそう。」
(´・ω・`)「誰かの犯行による爆破の可能性があるんだよね?」
('A`)「って言ってたなぁ。一体なんなんだよ!めんどっちーなぁ!!」
ドクオが少し苛立った様子で答えるとショボンは自分の一番言いたかった事を話した

(´・ω・`)「あの犯人・・・ブーンかもしれないよね・・・」

('A`)「ッ・・・!!アイツはそんな事しそうにないだろ??第一同い年だぜ?」
(´・ω・`)「歳は教えてくれたのか。でもあまりにも秘密が多すぎやしないかい?」
('A`)「・・・。ちっ、しゃーねーな。今から俺んち来いよ。三人で話せばそんな奴じゃないって分かるさ。」
(´・ω・`)「・・分かった。三十分後くらいにいくよ。」
そう言って電話を切った。

('A`)「とりあえずブーンと話してみっか。」
ドクオも馬鹿じゃない。あのニュースの内容、ブーンと出会った場所、ブーンの服装。
全てがあの事件に繋がってる様に思えてならないのは事実だ。
ただドクオは友達を疑ったり、裏切ったりする位なら死んだ方がマシだと普段から思っている。

『友達を信じる』と言うことはドクオの信念なのである。それを曲げる事はしないしする気は無い。
だからこそブーンと話をしてスッキリさせようと思った。
ドクオの中では話をして相手が善い奴ならもう友達なのである。



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 23:11:17.48 ID:d6qPW6Pg0
  
ショボンがドクオの家に来るまではまだ時間がある
ドクオは取り敢えず階段を駆け上がった。
('A`)「おーい。ブーン。」

ドクオが呼びかけるが返事は無い

('A`)「寝てんのか?」
部屋を見渡すが誰も居ない。二階を探して回ったが人がいる気配は無かった。

('A`;)「ッ・・・!アイツ・・・・!」

ドクオは慌てて階段を駆け下りた
('A`)「カーチャン!ブーン知らないか?!」
ドクオが思わず叫ぶ
J( 'ー`)し「ブーン君?一階にはいないわよ?」
ドクオは急いで玄関に向かう、だがブーンの靴は無い

('A`;)「くそっ・・・。アイツ・・・俺があのニュースで疑ってると思って・・・」



窓の外は小雨が降りだしていた



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/29(火) 23:14:46.94 ID:d6qPW6Pg0
  
自分のせいでブーンが居なくなった、そう思うと自分で自分が嫌になった。

('A`)「・・。ショボン来たらどうすっか。」
そう呟いてベッドに寝転ぶ



何か枕元に違和感を感じた。
('A`)「なんだ?」
ドクオが枕をめくると湿った紙の切れ端に滲んだ文字が書いてあった

「ドクオ君、ショボン君へ

僕は一般人ではないお。だからこれ以上迷惑を掛けないために出て行く事にしたお。
ドクオ君、ドクオ君のお母さんの優しさ嬉しかった、ご飯も美味しかったお。
僕は今まで周りの人間に優しくされた事は無かったから。楽しかったお。

ショボン君、警戒させてごめんお。二人の生活を壊さないためにも出て行くお。
ドクオ君と仲良くするんだお。

友達っていいもんだって分かっただけで満足だお

最後に

ありがとう」

('A`)「・・・」
('A`)「・・・・」
('A`)「馬鹿ヤロウ・・・雨・・・酷いのによ・・・傷だって・・・」



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