( ^ω^)ブーンがGANTZに選ばれたようです

662:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/28(金) 00:17:43.05 ID:hB8Qy2zF0
  
(;^ω^)「ぬお〜〜〜!!雨振るだなんて聞いてないお!!」
少し遠出して、久々のショッピングを楽しんだらこれである。
本屋の軒先で雨宿りをしてみてはいるものの、一向に止む気配は無い。
途方に暮れるブーンの肩を、不意に背後の誰かが叩いた。
ξ゚听)ξ「お久しぶりね、白豚さん」
傘を持ち、ファッション誌か何かだろう、大きめだが薄い紙袋を抱えたツンだった。
ξ゚听)ξ「傘、入ってく?」
( ^ω^)「相合傘かお?」
ξ////)ξ「かッ、勘違いしないでよね!」
ξ////)ξ「雨に降られてオロオロしてるアンタが哀れだから、同情してやってるのよ!」
ξ////)ξ「べッ、別に、アンタと一緒に帰りたいわけじゃ無いんだから!!」
(;^ω^)「今ひどいツンデレを見たお」
ブーンは、ツンの傘を受け取った。

同じ傘の下のふたりは、終始無言だった。
別に話題が無いだとか、仲が険悪だとかではない。
ひたすら顔を真っ赤にしてうつむき続けるツンに、ブーンは声を掛けあぐねていたのだ。
そして、共通の目的地である駅へと到着する。
( ^ω^)「それじゃ、僕はこっちに行くお。傘、ありがとうだお」
ブーンは、ツンに傘を返し、背を向ける。
ξ;゚听)ξ「あ、あのッ!!」
ブーンはツンの突然の大声に、驚きつつも振り返る。
ξ////)ξ「……この間のブーン、カッコ良かった」
( *^ω^)「……ありがとだお」
ブーンは、生涯で初の賛辞を受けた。



671:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/28(金) 00:36:38.30 ID:hB8Qy2zF0
  
ブーンは、ベッドの中で悶々と悶えていた。
目を瞑っても、羊を数えてみても、真っ暗な頭に浮かぶのはツンだった。
家に着いてから、ブーンは珍しく部屋の掃除をした。
自分の服のチェックなどもしてみた。
どうせまたすぐに引っ張りだすのに、エロ本を隠した。
ブーンは、生まれて初めての恋をした。
( *^ω^)「早く……早くツンに会いたいお……」
ふと、ブーンの背筋に悪寒が走る。
この感覚は2度目だ。1度目は、自慰行為の途中で味わった。
その時も、考えていたのはツンの事だった。
( ^ω^)「早く、早くイキてぇ!!」
そして、ブーンの転送が始まった。



679 名前:1 ◆DcS0KIr23w :2006/04/28(金) 00:54:11.25 ID:hB8Qy2zF0
  
そこには、ただ黒い球だけがあった。
( ^ω^)「……僕が最初かお」
ブーンは、その場にドカッと座り込んだ。
( ^ω^)「…………」
随分と不思議な気分である。これは、紛れも無い生命の危機なのに。
それなのに、何故かどうしようも無くワクワクしている。
心の奥底で、この日を待ち焦がれていた。
生命を賭けた、戦いの興奮を。敵を討ち倒すあの快感を。
ブーンは焦がれて待っていた。
そして、ツンとまた会える……それも大きな理由だろう。
(*^ω^)「早くこないかお」
ワクワクテカテカしていると、2人目の転送が始まった。
( ^ω^)(ツン!ツン!!ツン!!!)
从'ー'从「あれ〜?ここ、私の家じゃないよ〜?」
(;^ω^)「おまwwwwww誰だおwwwwwwwww」
3人目と4人目の転送は、同時に始まった。
(*^ω^)(きっとツンとクーさんだお!)
( ´_ゝ`)「おお、なんか知らんが生きてたぞ」
(´く_` )「流石だな。でも、ここ何処だ?」
(;^ω^)「…………」
随分個性的な新メンバーが増えたようだ。



686:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/28(金) 01:12:04.92 ID:hB8Qy2zF0
  
5人目の転送が始まる。
(;^ω^)「こ、今度こそ……」
( ゚∀゚)「アッア〜♪なんかいいカンジ〜♪……て、転送されてんじゃねぇか!!」
カラオケマイクを手にしたジョルジュだった。
6人目。
(´;゚;ё;゚;)「しょこたぁあああああん……あれ?ここどこ?」
(;^ω^)「うはwwwwwwwキモスwwwwwwwwっうぇwwwwwwww」
7人目。
( ゚д゚ )「…………Yes, I am」
(;^ω^)「何処かでお会いしましたかお?」
8人目。
m9(^Д^)「プギャーwwwwwwww」
(#^ω^)「てめ、ブッ殺すお?wwwwwwww」
9人目
( ∵)「ここは……?」
(;^ω^)「いい加減コメントに困るお!!」
ここに来て、ブーンは僅かな違和感を感じた。
多いのだ。転送される人数が、今までの2回よりも。
未だドクオも、ギコも、クーも、ツンも来て居ない事を踏まえて、最低13人。
( ^ω^)(……まぁ、こんな事だってあるお)
ブーンは再び、ツンを待ちわびた。



694:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/28(金) 01:34:01.42 ID:hB8Qy2zF0
  
ξ゚听)ξ「あ……」
17人目で、ようやくツンが転送された。
ξ゚听)ξ「…………」
ツンはブーンと目が合うと、顔を赤くしてそそくさと廊下……女性更衣室に隠れ込んだ。
ブーンは少し、悲しい目をした。
('A`) 「どうしたんだ、ブーン?」
( ^ω^)「な、なんでも無いお!」
( ^ω^)「それにしても、ちょっと人数多すぎじゃないかお?」
('A`) 「17人か……こんなに多いのは、初めてだな」
そして、18人目が転送された時、部屋のどよめきは更に大きくなった。
( ・∀・)「……生まれ変わった……のかな?」
( ゚ф゚)「おい、コイツ……モララーじゃないか!?」
(`・ж・´)「あの連続殺人犯の!?」
(,,゚Д゚)「マジかよ……」
ざわつく声を静めるように、あの歌が流れ出す。



704:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/28(金) 01:54:37.12 ID:hB8Qy2zF0
  
I wanna be a VIP STAR
君をもっと夢中にそれなんてエロゲ?
テラワロス VIP STAR 腕を広げ
ブーンをさせてあげよう君だけに〜♪

戦士を送り出すにしては、やけにポップな。
死者への葬送曲にしては、やけに賑やかな。
そんな、どうにも能天気な、戦いの始まりを告げる音楽。
そして、黒い球に、にガンツからのメッセージと、今回のターゲットが表示される。

てめえ達の命は、無くなりました。新しい命を
どう使おうと 私の勝手です。という理屈なわけだす
てめえ達は今から この方をヤッつけに行ってくだちい

<ヽ`∀´>
ニダー星人
特徴:つよい いっぱい ずるがしこい
好きなもの:キムチ、韓流、自分
口癖:ウリナラマンセー!

( ^ω^)「あれ?なんか様子が変だお?」
ヴィジョンの表示が、切り替わる。



714:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/28(金) 02:08:56.73 ID:hB8Qy2zF0
  
今回は、ついでにこの方もヤッつけてくだちぃ

|||ー゚||
神崎
特徴:超つよい ちうちう

ξ;゚听)ξ「!? こ、コイツ……!!」
( ^ω^)「ツン、何か知ってるのかお?」
ξ゚听)ξ「……私を、殺した奴」
( ^ω^)「……そうなのかお」
ξ゚听)ξ「一体、コイツは何なの……?」
( ^ω^)「……とっつかまえて、答えてもらおうお」
川゚−゚)レ「しかし、なんだ?ちうちうって」
( ゚∀゚)「なんかやらしいな」
そして、また切り替わるヴィジョン。

今回は、特別にサービスしちゃうだす。



726:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/28(金) 02:31:51.96 ID:hB8Qy2zF0
  
すると、いつも通り黒い球が展開すると同時に、
部屋の隅にあった引き戸がガラガラガラッと音を立てて開いた。
引き戸の向こうには、奇妙な柄だけがいくつも置かれていた。

てめえ達のために、ぼくがんばっちゃいました。
あと、てめえ達のあたまのなかのバクダンも無しだす。
そのかわり、てめえ達は絶対逃げられません。
てきの方々をヤッつけきるまで思う存分戦ってくだちぃ。

(;^ω^)「ど、どういう事だお……?」
('A`) 「何かがおかしいぞ。今回は、全部が」
川゚−゚)レ「ああ、あそこの戸には……」
( ゚∀゚)「結構前から、入れたんだぜ」
('A`) 「ちょwwwwww俺仲間はずれかwwwwww」
(;゚∀゚)「悪気があったわけじゃないんだ。ただ、毎度毎度うっかりしてな」
川゚−゚)レ「まぁ、気にするなよ」
ドクオは、釈然としないまま新たな武器を手に取った。



733:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/28(金) 02:43:32.41 ID:hB8Qy2zF0
  
川゚−゚)レ「ほら、このように女の腕でもこんな事が」
从'ー'从「すご〜い!」
(;゚ω゚)「じまっでる!!めっぢゃぐびじまっでぶぐげぶごぶ」
(;´_ゝ`)「うわ!泡吹いてるぞ、泡!!」
今回も、ブーンの身体を張った実演のおかげで全員にスーツを着用させることが出来た。
そして、戦地への転送が始まる。
(;^ω^)「死ぬかと思ったお」
川゚−゚)レ「死ねばいいのに」
(;^ω^)「ちょwwwwwおまwwwwww」
川゚−゚)レ「冗談だ。さて、そろそろお迎えが来たようだ」
部屋には、ブーンとツンだけが残った。
ξ゚听)ξ「ねぇ、ブーン」
( ^ω^)「なんだお?」
ξ////)ξ「あの……その……」
ξ////)ξ「帰ってこれたら、一緒に映画観に行こう?」
( ^ω^)「何の映画だお?」
ξ////)ξ「な、なんでもいいでしょ!とにかく、行くわよ!!」
一方的に約束を成立させ、ツンも転送される。
(*^ω^)「……ツンと、デートかお……」
ブーンの妄想がどんどん膨らむ中、またもヴィジョンの表示が変わった。



744:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/28(金) 02:51:11.94 ID:hB8Qy2zF0
  
がんばれ、恋するブタ野郎(笑)

(#^ω^)ピキピキピキ
そして、ブーンの転送が始まった。


同時刻・某所にて

《 ◆3◆》「まさか、お前たちまで動いているなんてな。想定外ニダ」
|||ー゚||「オニ星人の件、アンタも知っているだろう?用心しないとね」
<ヽ`≧´>「貴様!将軍様になんて口を!!」
《 ◆3◆》「良い。ホンマン、下がってるニダ」
ホンマンと呼ばれた、2mを遥かに越す巨躯のニダー星人は押し黙った。
|||ー゚||「一応、危険な奴をリストアップしといたよ」
神崎はそういうと、将軍とよばれた肥え太ったニダー星人に数枚の顔写真を渡した。
川゚−゚)レ
( ゚∀゚)
( ^ω^)
|||ー゚||「この3人が、要注意人物ってワケさ」
《 ◆3◆》「ウリ達の軍勢に敵はいないニダ!」
|||ー゚||「クックル星人、知ってるかい?」
《 ◆3◆》「当然ニダ。あの凶暴な星人だろう?」
|||ー゚||「こいつ等に、殺られたよ」
将軍の眉が、ピクリと動いた。
《 ◆3◆》「……それは、油断ならないニダ」
|||ー゚||「それと、一応付け足しておくけれど……」
神崎は、ブーンの顔写真を指差した。
|||ー゚||「こいつは、ガンツに『選ばれた』可能性がある」



746:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/28(金) 02:52:24.90 ID:hB8Qy2zF0
  
将軍の顔に、今度ははっきりと脅威と焦燥が浮かんだ。
《 ;◆3◆》「…………」
|||ー゚||「まぁ、今回は僕達も参加するから、問題無いよ」
(゚=゚)「…………」
銀髪の後ろに立つ大男が、黙って頷いた。
《 ◆3◆》「期待しているニダ」
|||ー゚||「さて、それじゃそろそろ行こうか、篠田」
後ろの大男、篠田とともに去ろうとする銀髪を、将軍は引きとめた。
《 ◆3◆》「腹ごしらえに、キムチでも食わないニカ?」
|||ー゚||「遠慮しておくよ。辛い物、好きじゃないんだ」
再び背を向け、銀髪は続けた。
|||ー゚||「それに、ごちそうを頂く前はお腹を空かせておかなきゃね」

ブーン達の、もっとも長い戦いが始まろうとしている。
夜明け前の空には、雪がチラついていた。



748:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/28(金) 02:53:19.84 ID:hB8Qy2zF0
  
3rd stage ニダー星人

Staring...
( ^ω^) ブーン 
ξ゚听)ξ ツン 
('A`)  ドクオ 
川゚−゚)レ クー 
( ゚∀゚) ジョルジュ 
(,,゚Д゚) ギコ 
从'ー'从 渡辺さん
(^Д^) プギャー
( ,' 3 )荒巻
( ・∀・) モララー
( ´_ゝ`) 兄者
(´く_` ) 弟者
( ゚ф゚) 熊ケ谷
(`・ж・´) 水戸
(´;゚;ё;゚;) ノリヲ
( ∵) ビコーズ
(-_-) ヒッキー
( ゚д゚ ) プレストン

Ready Go.



163:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/29(土) 21:44:23.67 ID:l210RWA/0
  
ブーン達が転送されたのは、とあるビルの屋上だった。
( ^ω^)「ここは……?」
ξ゚听)ξ「パ○コの屋上……かしら?」
(,,゚Д゚)「みたいだな」
そこは、ブーン達の街でももっとも栄えている地区だった。
川゚−゚)レ「む?レーダーがおかしいぞ」
クーの腕のレーダーには、LimitLess の表示だけが映されていた。
('A`)「今回は時間もフィールドも無制限……てことか?」
(`・ж・´)「なら、よくわからないけど帰らせてもらうよ」
( ∵)「ああ、明日も仕事だよ……」
水戸とビコーズが階段を降りる。
( ゚∀゚)「おい、待てって!!」
ジョルジュが引きとめようとした次の瞬間
下のフロアから、いくつもの爆発音が響いた。
( ゚ф゚)「え?ちょ、えぇ!?」
ビルは、一気に倒壊を始めた。



164:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/29(土) 21:44:54.21 ID:l210RWA/0
  
(;^ω^)「うわぁあああああ!!」
いくらスーツを着ているとは言え、9階分もあるビルの崩落に巻き込まれては
タダで済むわけがない。
(,,゚Д゚)「と、飛び移るぞ!!」
ギコは隣のビルの窓に飛び込んだ。
それに触発されたように、次々と周囲のビルへと移っていく。
从'ー'从「あれ〜?みんなどこいくの〜?」
(;^ω^)「ちょwwwwwwwちゃんと、つかまってるんだお!」
ブーンは渡辺さんを抱き上げ、隣のビルへと飛び移ろうとする。
しかし、出遅れ過ぎていたようだった。
すでにビルの高さは、2階分も無かった。
( ^ω^)「だぉおおおおお!!」
ブーンは、路上駐車してあったワゴンの屋根へ飛び降りた。
<ヽ`∀´>「何人逝ったニダ?」
<ヽ`∀´>「階段降りた2人だけみたいニダ!」
<ヽ`∀´>「お、あそこに2人チョパーリ発見ニダ!!」
路上へ降りたブーンと渡辺さんを、ビルを爆破したニダー星人の部隊が発見した。



165:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/29(土) 21:45:26.79 ID:l210RWA/0
  
( ^ω^)「よーし、やったるお!」
ブーンは銃を手に、ニダー星人の群れを迎え撃つ。
从'ー'从「あれ〜?向こうからも来たよ〜?」
ブーンは背後を向く。すると、そちらからもニダー星人が迫ってきていた。
(;^ω^)「テラヤバスwwwwwww」
ふと、ブーンの前方のニダー星人の群れが横に吹っ飛んだ。
('A`)「ブーン、大丈夫か!?」
ドクオの手には、やたらと大型で、銃身も長い銃があった。
( ^ω^)「ドクオ!なんだおそれ!?」
('A`)「新しい武器!なんか、こんなんなっちゃった!」
( ^ω^)「なんでもありかお……」
<ヽ`∀´>「ウリナラマンセー!」
从'ー'从「きゃ〜〜」
振り向くと、ニダー星人がすぐ側まで接近していた。
( ^ω^)「くッ……だおぉおおお!!」
銃では、間に合わない。ブーンは銃をしまい肉弾戦に持ち込んだ。
(#^ω^)「だおおおおッ!!」
ブーンはニダー星人の一体に殴りかかる。
<ヽ`∀´>「アイゴー!!」
ニダー星人はきりもみ回転をしながら、地面に倒れた。
<ヽ`∀´>「チョパーリが同胞を殺したニダ!!」
<ヽ`∀´>「生意気ニダ!!」
<ヽ`∀´>「謝罪と賠償を要求するニダ!!」
ブーンは、ニダー星人に袋叩きにされた。



166:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/29(土) 21:45:52.78 ID:l210RWA/0
  
('A`)「ブーン、伏せろ!」
そういうと、ブーンは叩かれながらも亀の様に丸くなる。
そして、ドクオの新しい銃……大砲の方が、表現として適切だろう。
とにかく、その銃を撃ちはなった。
ギョーンという、いつもの音。すこしの空白。そして、肉の弾け飛ぶ音。
砲身の先から放射線状に立っていたニダー星人が、一気に吹き飛んだ。
<ヽ`∀´>「アイゴー!!」
<ヽ`∀´>「撤収ニダ!!」
ニダー星人は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
( ^ω^)「た、助かったお」
('A`)「さ、追いかけるぞ!」
ブーンとドクオは、ニダー星人の殲滅に繰り出した。

从'ー'从「あれ〜?私なんもしてないよ〜?」
渡辺さんは、とりあえずブーン達を追いかけていった。



167:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/29(土) 21:46:19.67 ID:l210RWA/0
  
( ゚д゚ )「…………ガッデーム」
ミルナコッチ……もとい、そのそっくりさん。プレストンは
逃げ込んだビルの一角で、ニダー星人に包囲されていた。
プレストンは両手に拳銃を持った。
( ゚д゚ )「…………ジェノサイッ!!」
彼の叫びに呼応するように、ニダー星人が一斉に飛びかかった。
ギョーン、ギョーン、ギョーン
プレストンの銃が、一気に光を放つ。
そして、ニダーの繰り出すカカト落としや回し蹴りを舞うように回避する。
<ヽ`∀´>「アイゴー!!」
弾け飛ぶニダー星人。撃ってから炸裂するまでの数秒の間に戸惑ったが、コツは掴んだようだ。
プレストンは、ただのミルナコッチのそっくりさんでは無かった。
彼は、一子相伝の武術『ガン=カタ』の使い手だった。
それは、二丁拳銃を用い、近接戦闘にて一気に敵を殲滅するための武術。
顔目掛けて飛んでくる足刀を避け、逆に相手の顔を撃つ。
足払いと中段蹴りを、高いバク宙で回避し、そのまま両サイドのニダー星人を撃つ。
着地の間際、まだ撃っていなかった3体を一気に撃つ。
( ゚д゚ )「…………Amen(エイメン)」
次々と、ニダー星人が肉の塊となって弾けとんだ。
プレストンは、悠々と1階を目指した。



168:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/29(土) 21:46:53.78 ID:l210RWA/0
  
ξ゚听)ξ「ちょっと……どうしよう」
ツンは、十数体のニダー星人のよって、追い詰められていた。

崩れ落ちるビルから、ツンはこのビルへ飛び移った。
しかし、飛んだタイミングがずれてしまった所為で、クー達のフロアとは別の階に着地した。
そして、最悪な事に、ツンは跳んだ拍子に銃を落としてしまった。
ξ゚听)ξ「早く取りにいかなきゃ……」
ツンは、地面に落ちたと思われる銃を回収するべく未だ動いているエレベータへと向かった。
しかし、ツンは気付く。何故エレベータが動いている?こんな誰もいない時に?
エレベータは、ツンのいる階で動きを止める。ドアが、開いた。
<ヽ`∀´>「ウェーハハハ!チョパーリのメス発見ニダ!」
<ヽ`∀´>「上玉ニダ!チマチョゴリ着せたいニダ!」
<ヽ`∀´>「チョパーリには勿体無いニダ!ウェーハハハ!!」
ξ゚听)ξ「きゃあああああああッ!!」
ヤる気マンマンのニダー星人から逃げるツン。しかし、数が違いすぎる。
そして、ツンは囲まれてしまった。
<ヽ`∀´>「お、あの車、ヒュンダイ製ニダ!」
<ヽ`∀´>「やっぱりイルボンの車と違って優雅ニダ!」
ツンは、バッと背後を見やる。そこには、ヒュンダイ製の自動車が展示してあった。
このビルのこのフロアは、自動車の展示販売所だったのだ。
そう。そこには、自動車があった。
ξ#゚听)ξ「どりゃあ〜〜〜〜ッ!!」
ツンは、自動車を持ち上げ、ニダー星人の群れへと放り投げた。



169:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/29(土) 21:47:28.08 ID:l210RWA/0
  
<ヽ`∀´>「ギャー!!」
ニダー星人のうち一体に、車が直撃する。
絶命にこそ至らなかったものの、気絶はしたようだ。
空飛ぶ車。そんな夢のような光景を目撃したニダー星人たちは、一瞬呆然とした。
そして、その一瞬の隙をツンは逃さなかった。
すかさず、腰に差してあった新兵器の柄を握る。
柄は、そのままズルッと伸び、その先には三日月のような大きな刃が形成された。
ξ;゚听)ξ「何これ……鎌?」
その、死神や悪魔が持つような非常識なサイズの鎌に、ニダー星人は恐れおののいた。
ξ゚听)ξ「ま、ちょうどいいわね!」
そういって、ツンは鎌を一気に横に薙いだ。
ニダー星人の上半身が、一斉に宙へと舞った。
ξ;゚听)ξ「うッ……」
その光景に、犯人であるツンが吐き気を催す。しかし、なんとか堪えてクー達のいるであろう
2階上のフロアを目指した。
当座の武器を手にしたので、銃を回収するのは、後でもいいと踏んだのだ。

そして、その2階上のフロア。
そこは、地獄と化していた。



170:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/29(土) 21:47:54.58 ID:l210RWA/0
  
クー、モララー、プギャー、熊ケ谷が飛び移ったフロアは、ニダー星人達の拠点だった。
4人は、あっという間に取り囲まれる。
川゚−゚)レ「クッ……」
クーは槍を振りつつ、隙を見ては銃を撃つ。
しかし、このままではラチが開かない。
<ヽ`∀´>「ウェーハハハハハハ!!」
ニダー星人の一体がクーへと跳びかかる。前方の群れへの防御に、槍は使ってしまっている。
そして、回避すれば今度は後ろの3人に被害が及ぶ。
川;゚−゚)レ「仕方ない、か」
クーはダメージを覚悟した。その時、3人のうちのひとりが空中のニダー星人を撃ち落とした。
( ・∀・)「ふむ……。威力はすごいけど、遅いね」
モララーは銃の性能を把握し、しまう。今度は、黒い柄を手にした。
柄は、一瞬でナイフへと姿を変えた。
( ・∀・)「これはこれは……」
ナイフは、モララーにとってもっとも身近な武器だった。
それもそのはず。彼の被害者18人は、みなナイフで喉を掻っ切られていたのだ。
( ・∀・)「あつらえ向きだね」
そういうと、モララーはニダー星人の群れへ飛び込んだ。
たちまち、群れのあちこちから血飛沫が上がる。
ニダー星人達は、突然の事にパニックを起こした。
川゚−゚)レ「今だ!」
クーも、防御に使っていた槍で攻撃に転じた。
たちまち、上る血煙が2倍になった。
生きているニダー星人が撤退を終えた頃には、フロア一杯に死骸が転がっていた。
モララーもクーも、血まみれになって佇んでいた。
( ・∀・)「へぇ……君、強いね」
川゚−゚)レ「貴様程じゃないさ、斬り裂き魔」



171:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/29(土) 21:48:26.72 ID:l210RWA/0
  
その圧倒的すぎる光景を呆然と見ていたうちのひとりが声をあげた。
m9(^Д^)「ニダー星人超弱ぇ!!プギャーーーwwwwwwww」
川゚−゚)レ「お前何もしてないだろ」
クーが淡白なツッコミをいれた後、プギャーと熊ケ谷の背後の窓に、人影が現れた。
窓ガラスを突き破ったそれは、黒い球の部屋の人間ではなかった。
<ヽ`≧´>「随分好き勝手やってくれてるようニダね?」
それは、2mを遥かに越す巨躯を誇るニダー星人の幹部、ホンマンだった。
(^Д^)「ちょ、でか
でかい、そう言いかけたのだろうか。とにかく、プギャーは一瞬のうちに頭を掴まれ
そのまま膝蹴りをブチ込まれた。スーツが故障するより早く、頭が砕けた。
(;;゚ф゚)「ひ、ひ、ひぃいいいいい!!!1」
熊ケ谷が背を向けて逃げ出そうとする。しかし、すぐに首根っこを掴まれる。
キューンという、シャットダウン音。首を強く握っただけで、スーツは機能を停止された。
<ヽ`≧´>「ふんッ!」
ホンマンはそのまま熊ケ谷を外へと放り出す。生身の人間が落ちて助かる高さではなかった。
<ヽ`≧´>「これで、あと2人ニダ」
クーは、冷や汗を垂らした。
こいつの強さは、クックル星人に匹敵するかもしれない。
そう、直感的に判断した。



172:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/29(土) 21:48:57.58 ID:l210RWA/0
  
ホンマンの腕がクーの喉へと伸びる。
川゚−゚)レ「遅いッ!」
クックル星人のそれと比べたら遥かに鈍重な動きの腕を軽々と回避し、
クーの槍が弧を描く。標的は、ホンマンの手首だった。
ガキィン
肉と血管は切れた。しかし、骨を断つまでにはいたらなかった。
川゚−゚)レ「くッ……なんて硬さだ!」
そして、先程の腕の動きはフェイクであったかのように
空気を切る凄まじい音と共に、ホンマンの膝がクーの顔面へと迫った。
川;゚−゚)レ「うあぁッ!!」
クーは槍でそれを防ぐ。直撃こそしなかったものの、クーは遠くへ吹っ飛ばされた。
<ヽ`≧´>「女の方は後のお楽しみニダ」
ホンマンはモララーの方へ顔を向けた。
<ヽ`≧´>「まず、お前を潰す事にするニダ」
( ・∀・)「…………」
モララーの瞳の色に、狂気が浮かんだ。
( ・∀・)「とても、とても楽しめそうだ!!」
モララーは、ホンマンの懐目掛けて飛び込んだ。



174:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/29(土) 21:49:25.99 ID:l210RWA/0
  
( ^ω^) ブーン 
ξ゚听)ξ ツン 
('A`)  ドクオ 
川゚−゚)レ クー 
( ゚∀゚) ジョルジュ 
(,,゚Д゚) ギコ 
从'ー'从 渡辺さん
( ,' 3 )荒巻
( ・∀・) モララー
( ´_ゝ`) 兄者
(´く_` ) 弟者
(´;゚;ё;゚;) ノリヲ
(-_-) ヒッキー
( ゚д゚ ) プレストン



264 名前:1アッー! ◆DcS0KIr23w :2006/04/30(日) 01:04:22.42 ID:+0zR2Zuo0
  
( ・∀・)「フハハハハハハハハ!!最高だ!!」
モララーはホンマンの攻撃をかわしながら、笑っていた。
<ヽ`≧´>「ちょこざいなぁあああ!!」
( ・∀・)「そこッ!」
伸ばされた腕に、モララーはナイフを突き立てた。
<ヽ`≧´>「うぐッ」
( ・∀・)「いい骨してるね。けど、肉だけ断たせてもらうよ」
モララーはそう言い放つと、一気に間合いを詰めた。
そして、右腕のナイフで超高速の刺突を繰り出した。
狙いは、肋骨と肋骨の隙間。心臓目掛けて、一気に貫く。
ガキィッ
(;・∀・)「くッ……」
<ヽ`≧´>「キャオラッ!!」
ニダー星人と地球人の骨格の僅かな違い。それにまんまとしてやられた。
ホンマンの膝が、ぐんぐん迫っていた。
ドパァン
ホンマンの膝から先が、吹き飛んだ。
(,,゚Д゚)「よっし、命中!」
ギコの精密射撃が、ホンマンの脚を破壊したのだ。
ξ゚听)ξ「お姉ちゃん、大丈夫?」
川゚−゚)レ「ああ……すまなかったな。ツン、ギコ」
( ゚∀゚)「俺は無視かよ!?」
川゚−゚)レ「これから、あのデカブツを仕留めるんだろう?礼はその後まとめて済ます」
( ゚∀゚)「あ、そーいう事ね」
<ヽ`≧´>「……うおぁああああああああああああ!!」
それは、ビルの窓ガラスが割れる程の大きな叫び声だった。
( ゚∀゚)「うるせぇ!!」
ジョルジュの銃が光を放つ。ホンマンの頭が、砕け散った。



254:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/30(日) 00:38:38.25 ID:+0zR2Zuo0
  
川゚−゚)レ「大丈夫か、モララー」
( ・∀・)「……余計な事を」
( ゚∀゚)「おいおい、助けられといてそりゃ無ぇだろ」
( ・∀・)「今度、獲物に手を出したら、殺す」
そう吐き捨て、モララーは窓から飛び降りた。
モララーと入れ違いに、ブーン達が現れた。
(;^ω^)「凄い音したけど、大丈夫かお!?」
( ゚∀゚)「ああ、大丈夫みたいだ」
その直後、2人、殺られちまったけどな。と、付けたした。
ξ゚听)ξ「……はやく、あの神崎ってヤツも倒さなくっちゃね」
('A`)「無制限とはいえ、早くどうにかしないとな」
7人は、ビルを出て神崎やニダー星人のボスの捜索を開始した。
空には既に、朝日が昇っていた。

同時刻、某所にて

<ヽ`∀´>「戦況、報告しますニダ!」
《 ◆3◆》「うむ」
<ヽ`∀´>「我等が同胞の被害、ホンマン隊長を含め約600!敵の撃破数、6でありますニダ!」
(゚=゚)「7だ」
篠田は、血をすべて吸われて干からびたノリヲを投げ棄てた。
(゚=゚)「やっぱり、見た目と味は比例するものだな」
|||ー゚||「さて、どうする?まだまだ優勢みたいだけど」
《 ◆3◆》「……ホンマンがやられたとは、以外にだ」
《 ◆3◆》「尚早かもしれないが、助力をお願いするニダ」
|||ー゚||「賢明だね」
(゚=゚)「次は美味い血吸いてぇな」
2人組の吸血鬼は、朝日の差し始めた街へと消えていった。



232:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/30(日) 00:10:52.18 ID:+0zR2Zuo0
  
( ´_ゝ`)「ふー……ようやく片付いたな」
(´く_` )「流石だな、俺達」
流石兄弟は、無数のニダー星人の屍の上に立っていた。
兄者の手には黒い棍棒、弟者の手には黒いメリケンサックが握られていた。
<ヽσ_σ>「へぇ、流石ニダ」
( ´_ゝ`)「なんだお前?」
そのニダー星人は、他のニダー星人とは違い、長いマフラーを巻いていた。
<ヽσ_σ>「これから死ぬ君達には教える意味は無いニダ」
(´く_` )「おいおい……それは、死亡フラグというんだぜッ!!」
弟者はマフラーを巻いたニダー星人……ぺヨンに急接近する。
(´く_` )「ドラッ!」
身を屈め、一気に伸び上がりアッパーカットを叩きこむ。手ごたえは、無い。
ギョーンギョーンギョーンギョーン
(´く_`;)「え……?」
どうして、マフラー野郎が後ろに?てか、何今の音?アイツの持ってる銃、俺等のと同じだよな?
やべ、なんか耳のとこから変な液出てきた。何これ、故障か?どうなって
弟者の意識は、そこで途絶えた。彼の上半身は粉々になって散った。
(;´_ゝ`)「弟者ァアアアア!!」
兄者は怒りと憎しみ、悲しみに任せてぺヨンに襲い掛かった。
大振りの攻撃は、どんどんかわされる。そして。
ギョーンギョーンギョーン
(;´_ゝ`)「……糞ッ」
兄者の頭が飛び散った。
<ヽσ_σ>「これは、いいもの拾ったニダ」
ぺヨンは部下に、に流石兄弟や現段階で死体となっている者の銃も回収させるよう命じた。



258:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/30(日) 00:47:17.04 ID:+0zR2Zuo0
  
ブーン達は、2手にわかれて敵の捜索をはじめた。
( ^ω^)「ああもう、すっかり朝だお!」
ξ゚听)ξ「学校どうしよう」
(;^ω^)「おまwwwww余裕かおwwwwww」
从'ー'从「あれ〜?なんかおかしいよ〜?」
渡辺さんは、突如そう言い立ち止まった。
( ^ω^)「どうしたんだお?」
从'ー'从「普通の人、誰もいないよ〜?」
そう、今はもう朝だ。それなのに、人っ子一人見当たらない。
人だけじゃない。ゴミを漁るカラスもいなかった。
ξ゚听)ξ「確かに、ちょっと変よね」
( ^ω^)「あ、向こうにミルナコッチ!!」
ξ゚听)ξ「の、そっくりさんね」
3人は、ニダー星人を次々と倒すプレストンの姿を発見した。



263:1 ◆DcS0KIr23w:2006/04/30(日) 01:01:48.87 ID:+0zR2Zuo0
  
( ゚д゚ )「…………Amen」
ニダー星人を片付けたところで、ブーン達に気付く。
从'ー'从「Would you come together with us?」
( ゚д゚ )「…………Okay」
( ^ω^)「ちょwwwww英語wwwwwww」
ξ゚听)ξ「意外な特技ね……」
ふと、後ろから気配を感じ振り返る。そこには、自分達の銃を構えたニダー星人と、
幹部であろうマフラーを巻いたものまでいた。
<ヽσ_σ>「行くニダ」
ぺヨンが右手を上げると、銃を持ったニダー星人が一斉に構えた。
( ^ω^)「ヤバイお!!」
幾重にも重なったギョーンという音が響いた。

|||ー゚||「あ、いたいた」
(゚=゚)「おぉ、どれも結構美味そう」
(;゚∀゚)「おい、あの銀髪……」
川゚−゚)レ「……神崎、か」
(,,゚Д゚)「後ろのも仲間か?」
('A`)「多分、そうじゃないかな」
4人は、こちらへ向かってくる黒服に武器を構えた。



716:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:04:28.84 ID:QcaENl7q0

<ヽ`∀´>「ちょ、これどうやって撃つニダ!」
<ヽ`∀´>「何度やっても弾も出ないニダ!!」
<ヽ`∀´>「ファビョーン!!」
ブーン達の銃は、上のトリガーで標的をロックオンし
そのまま下のトリガーを引くことではじめて射撃が成立する。
しかし、ニダー星人達はそんな事を知らない。ぺヨンも、教えていなかったのだ。
なら、先程のけたたましい銃声は?
( ゚д゚ )「…………Amen」
最前列のニダー星人達が、一斉に弾け飛んだ。
<ヽσ_σ>「アメリカ人が……調子こくなニダ!!」
再度、ぺヨンが右手を挙げる。
今度は、ガンツから支給されたものでは無い銃を携えたニダー星人達が現れた。
<ヽ`∀´>「蜂の巣になるニダ!!」
<ヽ`∀´>「今度は本当の銃ニダ!!」
そう、本当の銃だった。凄まじい速度で、鉛の弾が撃ち出される、本物の銃。
バチバチという音と共に、プレストンの身体に当たった弾丸が弾かれる。
プレストンはそのまま間合いを詰めながら、どんどんニダー星人を屠っていく。
銃を持ったニダー星人の、最後の一体を仕留めた時には、既にスーツの機能が停止していた。
<ヽσ_σ>「チェックメイトニダ」
ぺヨンの手には、ツンのものだった銃が握られていた。



717:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:04:59.15 ID:QcaENl7q0
  

俺は、生まれ落ちたその日から、明るい道を選ぶことは出来なかった。
来る日も来る日も、地下の訓練施設でのガン=カタの修行。
組織の裏切り者を殺すための道具としてだけの、人生。
しかし、一人の女性を失って、俺は変わった。
組織を潰して、自由を手に入れた。
おかげで、観光先のセントーだかいう風呂屋で転んで、頭を打って死ぬなんて恥をかいたが
まぁ、後悔などはしていない。
この戦場に送られて来なければ、の話だがな。
しかし、なってしまったものは仕方ない。この戦場も、俺は乗り越えてみせる。
そして、もう一度自由を……。

ギョーン

あ、やべ。

( ゚д゚ )「…………Shit」
プレストンの胸の辺りが吹き飛んだ。彼は、自由を取り戻す前に、死んだ。



721:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:05:36.75 ID:QcaENl7q0
  

<ヽσ_σ>「やっぱり、我等が同胞は無能ばかりニダ」
転がるニダー星人の首を、ぺヨンが蹴り転がした。
そのおかげで、死体と目が合ってしまう。舌打ちをし、ぺヨンはもう一度その首を蹴った。
从'ー'从「そんな事したら、バチが当たっちゃいますよ〜?」
渡辺さんが、まるで見当違いの事を指摘する。
その間に、ブーンとツンはぺヨンの視界から姿を消した。
ビュンッという音に、ぺヨンは反射的に屈んだ。
その頭上数ミリほどを、鋭利な黒い鎌が通過していった。
(#^ω^)「どぁあああああああ!!」
続けざまに、ブーンがしゃがみこんだぺヨンの顔面目掛けて蹴り込む。
ぺヨンは、後方にバランスを崩し、尻もちをつきながらもそれを回避する。
そして、ブーン目掛けて銃を放つ。しかし、撃った先にブーンの姿は無い。
遠くの電柱の中ほどが砕け、崩れ落ちる様を確認するのと
頭上に高く跳躍したブーンの姿を見たのは同時だった。
<ヽσ_σ>「くッ……!」
ぺヨンは、頭上目掛けて銃を構える。
ξ゚听)ξ「返してもらうわよ」
ツンは、ぺヨンの手から強引に銃を奪いとった。
<ヽσ_σ>「なッ……ゴブッ!」
突如、ぺヨンが血を吐き出す。
ブーンの身体は、まだぺヨンの上空にあった。
ツンも、渡辺さんも、ぺヨンにダメージは与えていない。
突如、ぺヨンの背後の空間が揺らいだ。



723:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:06:03.06 ID:QcaENl7q0
  

(-_-)「……これで、700匹目」
揺らいだ空間から姿を現したのは、スーツを血でベトベトにした少年……ヒッキーだった。
その手に握られた剣は、ぺヨンの背中から胸までを貫通していた。
ぺヨンが事切れたのを確認すると、再び少年の姿がフェードアウトする。
ξ゚听)ξ「ちょ、ちょっと!待ちなさいよ!!」
しかし、少年は姿も現さなければ、声も発さなかった。
ξ゚听)ξ「一体、今のは何だったの?」
( ^ω^)「さぁ……わかんないお」
あれは、スーツの機能なのだろうか?
とにかく、ブーン達は目の前の脅威を片付ける事が出来た。
从'ー'从「……なんで、宇宙人が銃持ってたのかな〜?」
ξ゚听)ξ「死んじゃった仲間から、奪ったんでしょ」
从'ー'从「ううん、そうじゃなくって〜……本物の、銃の方」
ツンは、そこにきてようやくそれが奇妙な事だと気が付いた。
そう、それは、余りにもおかしな事だった。プレストンのスーツを破壊した、実弾の出る銃。
ニダー星人の星にも……ニダー星?にも、地球と同じような銃があるとでもいうのだろうか?
しかし、もし、その銃が、地球で生産されたものだとしたら。
もし、それが盗品ではなく、何者かの手でニダー星人に与えられたものだとしたら。
そこまで考えて、ツンは思考を切り替えた。
そう、余りにおかしすぎる。地球人と宇宙人の、国際貿易など。



724:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:06:31.42 ID:QcaENl7q0
  

( ・∀・)「……何の、つもりかな」
おびただしいニダー星人の死体と、それが作った血の海の上に立つ2人の男。
荒巻は、モララーに銃を向けていた。
( ,' 3 )「……カタリーナを、覚えているか?」
モララーは記憶を辿った。しばし時間がかかったが、思い出せた。
金髪碧眼の、美しい女だった。そして、彼の7人目の被害者だった。
( ・∀・)「……思い出したよ」
( ,' 3 )「俺は、彼女の父親だ」
そう言うと、荒巻はトリガーに掛けた指に力を入れた。
しかし、トリガーが引かれるより早く、モララーの投げたナイフが荒巻の銃を破壊した。
( ,' 3 )「なッ……」
モララーは、そのまま荒巻へと突っ込んだ。そして、腹へと拳を打ち込んだ。
そして、そのままナイフを拾いあげる。狙いは、荒巻の太腿だ。
殺すつもりは、無かった。ただ、動きを止めて、無力化できればそれで良かった。
しかし、荒巻は鋭い一突きを紙一重の所で回避する。そして、モララーの肩へ黒いナイフを振り下ろす。
彼の武器も、モララーと同じ漆黒の刃を持つナイフだった。
( ・∀・)「くッ!」
モララーはそれを防御する。相手は、ズブの素人だ。動きは読める。
しかし、隙が生まれない。ぶつかり合う黒い刃。
殺戮者と復讐者の戦いは、長引きそうだった。



725:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:06:54.64 ID:QcaENl7q0
  

(;゚∀゚)「うぉおおおお、やべぇええええぞぉ!!」
(,;゚Д゚)「なんッ、何なんすかアイツッ!!」
話は、30分程前に遡る。

川゚−゚)レ「どうする?」
( ゚∀゚)「どうするもこうするも……」
|||ー゚||「戦うか、それとも逃げるか?」
|||ー゚||「アドバイスしてあげるよ」
そういうと、神崎は左の掌を上を向けた。そこから、ジョルジュのもととは対称の
刃も柄も銀色の刀が姿を現した。
|||ー゚||「見てなよ」
神崎の刀の刀身が、どんどん伸びる。
それが10mもの長さに達した時、凄まじい速度でその刀を振るった。
その途端、神崎の右側に建っていたビルが切断される。
鉄筋コンクリートのビルが、真っ二つである。
崩れ落ちるビルを横目に、神崎が微笑む。
|||ー゚||「さ、どうする?」
(;゚∀゚)「逃げろおおおおおお!!」
ジョルジュ達は、一斉に駆け出した。そして、100m程走った先のT字路で2手にわかれた。
(゚=゚)「やりすぎたんじゃね?」
|||ー゚||「そうみたいだね」
(゚=゚)「面倒っくせぇなぁ、オイ」
そういうと、神崎達も二手に分かれ追跡を始めた。



726:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:07:30.52 ID:QcaENl7q0
  

神崎は、何事も手間をかけるだけ良いものになる。という、自論を持っていた。
例えば、部屋に飾る観葉植物ならば自分で苗から育てるし
獲物を倒す時だって、いきなり首筋に牙を突き立てるような事はしない。
彼にとって、過程とは結果を向上させるスパイスだった。
|||ー゚||「楽しいな、鬼ゴッコは!!」
( ゚∀゚)「俺は御免だぜ。疲れるし」
不意に、ジョルジュの声が聞こえた。
その手には、先程彼がしてみせたような長い長い、黒い刀があった。
そして、ビルを斬る。
斜めに斬られたビルは、今神崎が立っている所へとずり落ちて来ていた。
|||ー゚||「へぇ……」
突如、神崎の足元のアスファルトが弾け飛ぶ。
(,,゚Д゚)「逃がすか、ヴィジュアル野郎!!」
ギコは、悪態を吐きながら崩れ落ちるビルの上から飛び立った。
ズゥウウウンという轟音と共に、ビルは神崎を押し潰し、地へと堕ちた。



728:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:08:28.80 ID:QcaENl7q0
  

土煙が失せた頃、ジョルジュは煙草を咥えた。
ライターをガサゴソと探すが、見つからない。
それを見たギコが、自分のライターで火をつけた。
そして、自分も煙草を咥え火を付ける。
( ゚∀゚)「作戦成功、だな」
(,,゚Д゚)「上手くいくなんて、思いもしませんでしたけどね」
( ゚∀゚)「バーカ、俺を信用しろっつの」
突如、沈静化したはずの瓦礫からガラッという音が鳴った。
そして、そこからは腕が伸びていた。真っ黒なベロア生地に包まれた、細い腕。
ギコの口から、煙草がポロリと落ちた。
|||ー゚||「面白い事するじゃないか。パクリだけど」
(,;゚Д゚)「は!?う、うわ!!うわぁあああああ!?」
ギコとジョルジュは、瓦礫の中の神崎に背を向け逃げ出した。



729:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:08:57.95 ID:QcaENl7q0
  

( ・∀・)「はぁッ……はぁッ……」
モララーは、血にまみれて立っていた。
その血は、自分のものでは無い。
足元に横たわる、荒巻のものだった。
( ・∀・)「死にたがりが……」
モララーは、葛藤していた。
死刑が確定してからは、世界すべてが輝いて見えた。
だからこそ、彼はもう一度人間に生まれたかった。
今度こそ、人間に生まれたかった。というべきかも知れなかった。
毎朝満員電車に揺られて、上司に怒鳴られて、同僚の愚痴を肴に酒を飲んで。
休日は、庭の手入れをしながら隣人と談笑したり、自宅でパンでも焼いてみたり。
そういう、穏やかな生活を心から望んでいた。
しかし、それよりもっと深い所で……魂で、彼は今のこの状況を望んでいたのかもしれない。
事実、先程の巨躯のニダー星人との戦いは、純粋に興奮し、生を実感できた。
やはり、ケモノはケモノにしかなれないのだろうか?
そんな事を考えていると、遠くから刃と刃のぶつかり合う音が聞こえた。
モララーは、頭の片隅で、その勝者は標的であることを望んで音のした方へと向かった。



730:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:09:34.29 ID:QcaENl7q0
  

ヒッキーは連番が好きだった。何故かそれが、とても美しいものだと感じているのだ。
だから、自分の誕生日、12月2日が嫌だったし、出席番号11番も嫌だった。
自分の出来る範囲は、自分で調整した。財布の中身、コンビニでの買いものの金額、自転車のチェーンのダイアル。
そして、殺戮した標的の数。
(-_-)「こいつで、1233……」
ヒッキーは、インターネットが趣味だった。そして、最も好きだったホームページは
『黒い球の部屋』という、小説のページ。
今起きている事は、それとまるで同じだった。
だから、彼は生き延びる事が出来た。
読んだ通りの位置にある機械を、読んだ通りに調節すると、彼の姿はたちまち透明になった。
そして、読んだ通りにトリガーを引くと、読んだ通りの効果が起きた。
ヒッキーは、おもしろくておもしろくてたまらなかった。
星人達が、みえない敵に恐怖し、恐慌し、死に絶える様が面白くて仕方ない。
そして今、彼は立派な黒い革張りの椅子に腰掛ける、肥え太ったニダー星人を射殺する。
《 ◆3◆》「ぶぐぇえええ!!」
下半身を吹き飛ばされた標的の頭を、撃つ。脳みそと血が飛び散った。
(-_-)「……1234」
ヒッキーは、ニタリと笑った。そして、ふと将軍の側に居る生物に目をつけた。
(,,,・Д・,)「………ぃぇ……ぁ……」
その生物は、出来損ないのテディーベアの様だった。
ヒッキーは、それを撃つ。この動物は、カウントしない事にした。
しかし、その生物の身体は数秒グニャリと歪んだだけで、弾け飛ぶ事は無かった。
そして、気付けばその生物の身体はベキボキという音と共にどんどん大きくなっていった。
ヒッキーは、震える腕を押さえて銃を構え直した。



731:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:10:02.54 ID:QcaENl7q0
  

(゚=゚)「くッ……手間ぁとらせやがって……」
片腕を失った篠田の足元に、血にまみれたクーが倒れていた。
('A`)「糞ッ……糞ぉおおおおおお!!!!」
ドクオは吼えた。そして、砲を振り回し篠田へと突っ込んだ。

川゚−゚)レ「私がヤツを喰い止める。お前は遠くから狙撃してくれ」
そうして、ドクオは側のビルへと登り、窓からチャンスを伺っていた。
クーと篠田の勝負は接戦だった。一進一退の攻防が、延々と続く。
そして、クーの振り上げた槍が篠田の右腕を切り落としたのと
篠田の左腕がクーの鳩尾を打ち抜いたのは同時だった。
そして、ブチ切れた篠田は倒れたクーを何度も蹴った。
(゚=゚)「このッ!この糞アマがッ!」
ドクオが窓をブチ破り、ビルを飛び降りて駆けつけた時にはクーは虫の息だった。

川;´−゚)レ「ドク……オ、私はいい……逃げて、生き……延びれ……」
しかし、ドクオは篠田との戦いをやめない。
('A`)「俺は、こいつを許さない!!」
(゚=゚)「こいてんじゃねぇぞ、ボケがァッ!!」
篠田の蹴りが、ドクオの腹に食い込む。
('A`)「うッ……ゲボッ!!」
とてつもない衝撃に、ドクオは思わず嘔吐した。
(゚=゚)「きったねぇ……もういい、死ねッ!!」
轟音とともに、篠田の左腕が唸りをあげる。
その先のドクオの前に、クーが立ち塞がる。
(;'A`)「クー!!」
クーは、ここで死ぬ覚悟を決めていた。



733:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:11:50.43 ID:QcaENl7q0
  

この気持ちに気付いたのは、いつからだろう。
身体は大きいのに、とても弱い心を持ったこの男が、気になっていた。
しかし、彼の心は弱いのではなく、とても優しいのだと気付いた時からか。
クーは、ドクオに僅かばかりの恋心を抱いていた。
妹と同い年のこの男が、クーには可愛くて、愛しくて仕方なかった。
だけど、ミッションの時以外に出会う約束を付ける勇気が、クーには無かった。
もし、このままお互いに100点を取ってしまったら?
2人の関係は、それで終わってしまう。
そんなのは、嫌だ。
そして今、彼は生命の危機にさらされている。
彼の前に立ったのは、咄嗟の事だった。
頭で考えるより、身体が先に動いてしまった。
けれど、ここで死んでも後悔は無い。愛した男を守って、死ねるのだから。
そこで、ふとツンの顔が頭を過ぎった。
そうだ、後悔が無いわけが無いではないか。
たった一人の肉親を残し、死ねるか。
けれど、もう手遅れのようだ。
さようなら、ツン。
どうか、ブーンと幸せに、いつまでも、元気で……。
さようなら、ドクオ。
せめて、一度位は普通の男女として、触れ合いたかった……。



735:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:12:26.38 ID:QcaENl7q0
  

骨のひしゃげる音が聞こえた。
しかし、自分には何の痛覚も無い。
ドクオの砲のフルスイングが、篠田の鼻っ面を捕らえていた。
(゚=゚)「オグッ……げぇッ」
(#'A`)「お前にだけは、心を痛めない」
砲口を倒れた篠田の顔面に打ちつける。そして、トリガーを数度引く。
そして、篠田の頭部は、アスファルトごと吹き飛んだ。
川゚−゚)レ「……すまなかったな」
('A`)「気にするなよ。それより、怪我が……」
川゚−゚)レ「流石に、ちょっと効いたな」
川゚−゚)レ「……ドクオ。先に、ジョルジュ達と合流してくれ」
川゚−゚)レ「あの神崎とかいう男……相当、ヤバそうだ」
('A`)「わかった。けど、クーは?」
川゚−゚)レ「一休み、させてくれ」
('A`)「……わかった」
ドクオはクーに背を向けて、もう昼下がりになってしまった街を駆けて行った。
川゚−゚)レ「ふぅ……」
クーは、浅くまぶたを閉じた。
そして、そのまま意識を失ってしまった。



736:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 01:13:50.36 ID:QcaENl7q0
  

Remaining...
( ^ω^) ブーン
ξ゚听)ξ ツン
('A`)  ドクオ
川゚−゚)レ クー
( ゚∀゚) ジョルジュ
(,,゚Д゚) ギコ
从'ー'从 渡辺さん
( ・∀・) モララー
(-_-) ヒッキー

to be continue.



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