( ^ω^)ブーンがあの事件に挑むようです


94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 06:24:44.69 ID:5Xowqc2C0
その男は、タカラと名乗った。
ショボンの脅しに屈し、しぶしぶベンチに座る。
中々話し出さない男に内藤が業を煮やしたとき、ショボンがタカラの隣に座り、タカラの肩を抱いた。

(´・ω・`)「なぁ、タカラ。あんたはまだ若いみたいだ、そんな年で新聞に載りたくはないだろう?ホームレス、観光客にタコ殴りにされて病院送り、なんてな・・・」
(;^Д^)「く・・・顔に似合わずなんてやつだ・・・わかった、話すよ・・・」

タカラは苦渋に満ちた顔で語りだした。
その表情は、目の前のショボンに怯えているというよりも、もっと恐ろしい何かを恐れているように見える。

(;^Д^)「俺は2chネラーだったんだ。そして、あの日・・・鮫島事件が起こった日、俺は本スレにいた・・・」

2chが今よりもっとアングラ色が強かったころ、その事件は起こった。
鮫島と名乗るコテが凄まじい荒しを繰り返し、それに激怒した仙人というコテが20人を引き連れ、鮫島コテを柏台駅でリンチした。
だが、途中でタカラはそのスレから移動した。
タカラは後にリンチ後に鮫島が死亡し、警察も動き出したと聞き、再び興味を惹かれ独自にその鮫島事件を調べだした。
そして、やがて大元の事件の存在に気付き、過去ログを求めここアメリカに来たという。

(;^Д^)「俺はその会社を見つけ、過去ログを見ることに成功した。だが・・・それと引き換えに俺は、日本には帰れなくなった」
( ^ω^)「・・・なんでだお?」
(´・ω・`)「金でもなくなったか?」
(;^Д^)「・・・公安に、監視されている」



95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 06:32:44.35 ID:5Xowqc2C0
(´・ω・`)「なんだと・・・」
(;^ω^)「公安が動いてるってのは本当なのかお・・・?」
( ^Д^)「残念だが本当だよ。大元となるあの事件・・・それを解き明かす5つの鍵を集めだした人間は、気付かない間にやつらに監視される・・・」
(´・ω・`)「大元の事件というのは町田事件か?」
( ^Д^)「・・・もう、知ってるのか。・・・鍵ってのはわかる?」
( ^ω^)「関係ないはずなのに繋がった2つの鮫島事件に・・・アメリカの会社、かお?」
( ^Д^)「うん、正解だ。それで3つ・・・まぁ、それだとまだネタの域を出ないけどね。俺が知っている限り、教えようか?」
(´・ω・`)「当然だ。聞かせてもらおうか」

タカラは、鍵となる都市伝説を4つ知っていた。
内藤たちが見つけた3つと、さらにもう一つ。
タカラのもつ4つめの都市伝説は、犬鳴村伝説といった。



103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 06:43:54.14 ID:5Xowqc2C0
( ^Д^)「昔、犬鳴村っていう村があった。中々人が訪れない秘境だったそうだよ・・・」

その村に近づくと、コノ先日本国憲法適用サレズ、という立て札があり、その村に立ち入った人間は例外なく行方不明になったそうだ。
実際その村は朝鮮人の住む村で、戦後しばらくはそこに訪れた日本人を朝鮮人が殺す、という事件は本当にあったらしい。
だがそれも昔の話で、今はそんな村はない。

( ^Д^)「そのはずなのに、犬鳴村に近づいたら行方不明になる、っていう都市伝説がたった。数十年がたって忘れ去られたはずなのに、奇しくも鮫島事件スレがたった直後からな・・・」
( ^ω^)「つまり、それが4つめの鍵・・・?」
( ^Д^)「そう焦らず。それが表向きなんだ、まだ続きがある」

その犬鳴村は、九州屈指の心霊スポットである犬鳴峠の近くにあった。
それゆえにホラー的な要素も含まれ、マニアたちは見学にいったそうだ。
そこに落とし穴があった。
犬鳴峠という今も残る、有名な心霊スポットの名をあげることで信憑性を高め、人々の目をそこに向けさせた。
だが、本当の犬鳴村は別にある。

( ^Д^)「そう、別の場所に、犬鳴村はもう一つあるんだ・・・あの、鮫島に」



115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 06:59:12.45 ID:5Xowqc2C0
( ^ω^)「な・・・それじゃあ、僕たちが行った鮫島に・・・」
(´・ω・`)「・・・朝鮮人が住む・・・隔離施設的な村があった、と?」
( ^Д^)「そのとおり。そこは真実、隔離施設だったんだよ。政府の邪魔になるけど、始末しにくい人物・・・極右派の大物、在日の犯罪者だが有力者、などの人物を隔離するな」
(´・ω・`)「だが・・・廃墟だったぞ?鮫島特殊学級以外は建物すら見つからなかった」

( ^Д^)「それこそが鮫島事件なんだよ。鮫島の、犬鳴村という隔離施設。誰にも知られないはずのそれを見つけた5人の2chネラーが島に上陸し、行方不明になった。最後の一人の死因からして、その時はまだ人がいたはずだ・・・が、それから犬鳴村は廃墟になった」

つまり、鮫島にある犬鳴村を見つけた5人が何者かに始末され、その何者かは鮫島を廃棄した。
さらに、2chに上がったリンチビデオの舞台である特殊学級は、鮫島に実在する。

( ^ω^)「どういうことだお・・・それぞれ独立しているはずの鮫島事件が、なんで繋がっていくんだお・・・?」
(´・ω・`)「・・・もしかすると、鮫島事件の5つが繋がったら、町田事件の真相が見えてくるのか?」
( ^Д^)「いいや、見えないね。鮫島事件はあくまで切符だよ、町田事件へのね。鮫島事件の真相はたしかに町田事件において重要な部分を担っているはずだけど・・・それだけじゃ町田事件は解き明かせない」
(;^ω^)「いくつかある鮫島事件の真実が・・・町田事件の5つの鍵の1つに過ぎないのかお?」

( ^Д^)「そのとおりだ。これで、君達のもっている鍵は2つに減ってしまったね。いや、2つにも満たない。君達の持っている鍵はアメリカの会社という1つの鍵と、鮫島事件という鍵の半分までだ」



120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 07:24:17.57 ID:5Xowqc2C0
( ^Д^)「・・・まず、アメリカの会社だ。そこで見た情報には、たしかに削除されたはずのログがあった」
( ^ω^)「そのはずだお。あのメッセージの通りなら・・・」
( ^Д^)「・・・縦、横、斜めか?そうか、あれを見つけたのか・・・」
( ^ω^)「知ってるのかお?」
( ^Д^)「ああ・・・誰が書いたのかは知らないが、俺もそれを見てアメリカに来たんだ」
(´・ω・`)「それだと俺たちも帰れなくなる可能性があるということか・・・」
( ^Д^)「ま、首を突っ込んだ報いだと思うよ。これ以上は聞かないほうが良いんじゃないかな。今なら帰れるかもしれない」
(´・ω・`)「良いから話せ、ぶち殺すぞ」
(;^Д^)「・・・あの会社にある過去ログには・・・」

ネラー社に保存されている過去ログの内容には、重要な情報が残されていた。
鮫島リンチビデオ販売事件で、ビデオを売った人物の本名。
そして、鮫島柏台駅リンチ事件での主犯である、仙人というコテの本名。
その二つの事件の重要人物の本名が残されていたのだ。

( ^Д^)「おそらく・・・鮫島事件はパーツの一つだが、町田事件の母体となるパーツなんだろう・・・なぜなら、その二つの鮫島事件の主犯は・・・ともに、町田という名前だったんだ」



131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 07:49:52.00 ID:5Xowqc2C0
( ^Д^)「ただの偶然かもしれない。けど、偶然で片付けるのは無理ってもんだよ。町田事件を隠蔽するために分割して世に広まった5つの都市伝説。その中の一つ、鮫島事件はさらにいくつかに分けられ、その中の2つの鮫島事件の重要人物の名前が同じ・・・」
(´・ω・`)「たしかに・・・怪しすぎるな」
( ^ω^)「それで、ほかの鍵っていうのは・・・?」
( ^Д^)「まず一つは・・・死刑囚は死刑執行時に生き延びると、釈放される、って都市伝説だ」
(´・ω・`)「ああ・・・聞いたことがある」

それは、5つの鍵の中では地味なものだった。
地味だからこそ、これに目をつける者は少ない。
確証はなかったがその地味さが、タカラにそれが隠匿された情報であるという信憑性を高めていると考えていた。


( ^Д^)「誰が言い出したかはわからない・・・けど、その死刑執行時に生き延び、釈放された人物っていうのが、ただ一人だけ居たらしい。それが町田だという説がある」
( ^Д^)「その説を唱えた者がいうには、その死刑囚だった町田という人物は日本政府の暗部を知ってしまったらしい。
そこを無実の罪で捕まり、その町田という男は死刑執行に・・・耐えた」
(;^ω^)「耐えた・・・のかお」
( ^Д^)「厳密に言えば・・・後に息を吹き返したらしい」

執行後、ちょうど棺にはいり外に出されたとき、その町田という男は息を吹き返した。
そしてそのままうまく逃げ延びたらしい。

( ^Д^)「その執行後に逃げたっていう失態・・・それも、日本政府にとって知られたくない情報をもった男がいるという事が流布する前に、政府は都市伝説を流したのさ。執行後に生き延びたら釈放、ってね」
( ^Д^)「普通に考えたらありえないからね、それはネタとして浸透し、うまく真実を隠したよ」



136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 08:08:39.61 ID:5Xowqc2C0
(´・ω・`)「ネラー社、死刑執行後の釈放、犬鳴村・・・お前が知っている残り1つっていうのは鮫島事件か?それとも、別の鍵か?」
( ^Д^)「いや・・・鮫島事件の全容は俺も知らない。もうひとつは別のもだ」
( ^ω^)「そのもう一つっていうのは・・・」

( ^Д^)「公安だよ。さっき普通に話しに出てきたけど、よく考えて見れくれ。公安の実動隊なんて聞いたことあるか?アニメじゃあるまいし・・・」

たしかに、公安というのはデスクワークをするはずだ。
それが自ら動き、わざわざ町田事件に首を突っ込む者を監視し、時には排除さえすろというのは、冷静に考えればありえない。
だが、それは気付かない間に当たり前の話として受け止められていた。
そう、鮫島事件によって。
鮫島事件関連のスレの中で必ず見かける、公安が動いている、というレス。
何度も何度もそれを見るうちに、それが当然の事実であると認識してしまっていたのだ。

( ^Д^)「そう、もっとも巧妙なトリック。派手に仕掛けた鮫島事件に紛れ込ませて、ひっそりと浸透した都市伝説としてすら認識されていない話だ。それが、最後のカードなんだよ」

(´・ω・`)「・・・なるほど。公安というものが本当にあるかどうかわからない、ないだろうという常識的な判断をすれば、鮫島事件はネタとなる。しかし、存在を信じるとするならば・・・それはつまり、公安という日本の影とすら言える組織が暗躍するほどの事件・・・」

( ^Д^)「その通り。それが最大のトリックにして、公安の最大の失敗だったのさ。ある程度真実に近づいた者からすれば、公安の存在だけである程度の推理の材料になるからね」



137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 08:12:02.32 ID:5Xowqc2C0
( ^ω^)「ちょっと質問いいかお?」
( ^Д^)「ん?」
( ^ω^)「柏台で起きたリンチ事件と、ビデオ販売事件・・・どっちが先に起こったんだお?」
( ^Д^)「・・・なぜそんなことを?」
( ^ω^)「いや・・・何かひっかかったんだお」
( ^Д^)「変なことを気にするんだね。先に起こったのはビデオ販売さ。その事件で鮫島特殊学級の名前が出てきたから、鮫島というコテは嫌われ、それに腹をたてた鮫島コテは荒しを始めたんだ」
( ^ω^)「なるほど・・・偶然にも聞きたくない名前をコテにしてしまったのかお・・・」



139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 08:18:14.65 ID:5Xowqc2C0
( ^Д^)「これが知っている情報の全てさ。もう行っていいかい?」
(´・ω・`)「・・・ああ、すまなかったな、無理矢理話させて」
( ^Д^)「・・・もういいよ。探してる人が無事に見つかればいいね」
( ^ω^)「ありがとうだお。とても助かったお」

タカラは、ようやく解放された肩をもみながらニューヨークの雑踏に消えていった。
まさかアメリカに来てすぐにこれほどの情報を得られるとは思っていなかった内藤とショボンにとって、このわずか1時間たらずの会話は数ヶ月の調査に匹敵する価値をもっていた。

(´・ω・`)「素材は飛躍的に増えたな・・・あとは残りの謎と、鍵の組み立てか」
( ^ω^)「たしかに、材料はあってもそれだけじゃ解き明かせないお。それぞれがどうやって組み合わさっているのかがわからないお」
(´・ω・`)「まぁ・・・これで数歩前進したことに変わりはないな。さっそくだが、日本に帰るか」
( ^ω^)「ちょwwwテラハヤスwwwwww」



143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 08:31:25.63 ID:5Xowqc2C0
次の日、内藤とショボンは飛行機に乗り日本に向けて飛び立った。
はやすぎるとんぼ返りに、疲れを癒す暇もないまま乗った飛行機はひどく疲れる。
内藤とショボンが寝ようかと思ったときに、ショボンが見ていたニュース番組に速報がはいった。

―ー―本日8時26分、ニューヨークの路地でホームレスが殺害されました。被害者は日本人と思われるホームレスで、被害者の知人によると被害者の名前はタカラ―――

(;^ω^)「・・・な・・・!!」
(´・ω・`)「ふむ・・・これはまた、面白い冗談だ」
(;^ω^)「ちょ、先生、僕らもまさか・・・」
(´・ω・`)「なぁに、大丈夫さ。こんな人気のあるところでは動かないだろう。まぁ、危ないのは日本についた後だろうが・・・」
(;^ω^)「もしかしたらこの中にも・・・?」
(´・ω・`)「さぁな。ところで・・・いきなりだがトイレにいってくる」
(;^ω^)「は?・・・ああ、いってらっしゃいだお・・・」

突然トイレにいくと席を立ったショボンを見送る。
タカラを消したのが公安だという証拠はない。だが、公安の仕業だとすれば消された理由は十中八九、自分たちに話しを聞かせたからだろう。
となれば、もしかすると公安がこの飛行機に乗っているかもしれない。
だというのにショボンは恐怖を感じないのだろうか。
内藤は、ショボンの豪胆なのか暢気なのかわからない態度に困惑した。
困惑し、冷静な思考をしていない内藤の頭では、ショボンに続くように席をたった男に気付けなかった。



153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 08:48:38.89 ID:5Xowqc2C0
(´・ω・`)「トイレ、トイレ・・・と・・・満室か」

ショボンは扉の前でトイレが空くのを待つ。
その後ろで、席をたった男が同じようにトイレが空くのを待っていた。
いや、乗客が唯の一人もこちらを見ていなくて、なおかつショボンがこちらに気付いていない状況が訪れるのを待っていた。
やがてトイレの一室が空き、はいっていた人がでてくる。
だが、ショボンはトイレにはいらず、振り向きもせずに背後の人物へ話しかけた。

(´・ω・`)「後ろの人、私はもう少し我慢できるのでお先にどうぞ。どうにも周りを見渡して落ち着かないようですからね、もうそろそろ限界なんじゃないです?」
背後の男「な・・・い、いや。まだ大丈夫ですとも。先にお待ちになられていたのですから、あなたからどうぞ」
(´・ω・`)「いやいや、そう遠慮せずどうぞ。ほらほら、遠慮せずに」
背後の男「ちょ・・・わかりました。ではお言葉に甘えて・・・」

男は内心で舌打ちしていた。
まさか背後についた自分に気付いて、しかも先にトイレに行かせるとは。
ショボンがトイレにはいっていった所を始末しようと思っていたのが、作戦の変更を余技なくされる。
が、背中を押し先を促すショボンは、男がトイレにはいってもまだ男の背中を押していた。
あろうことかそのまま一緒にトイレにはいってくる。
トイレのドアが閉まる刹那、男はショボンに片手で口を塞がれ、残った片手で腕を極められた。

男「!?」
(´・ω・`)「あんた、公安だな?」



162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 09:04:12.04 ID:5Xowqc2C0
男「〜〜・・・!」
(´・ω・`)「大声を出せばぶち殺す。何も喋らなくてもぶち殺す。ついでに、抵抗してもぶち殺す」

ショボンの言葉には、明らかに本気の響きがあった。
専門訓練をうけている公安の男をして、本当に殺されると信じさせるほどの凄みがあった。
男は、2,3度ゆっくり頷いた。

(´・ω・`)「よし・・・質問に正直に答えろ。嘘をいえばとりあえず肘を砕く。で、お前は公安だな?」
男「・・・な、なんのことでs」
(´・ω・`)「ほいっと」
男「・・・っ!あっぐ・・・や、やめてください・・・」
(´・ω・`)「ふむ・・・なぜ大声で叫ばない?一般人なら錯乱し叫んでもおかしくないぞ?なのにお前には混乱がない・・・」
男「・・・!き、貴様・・・何者だ・・・」
(´・ω・`)「ただの教師さ。さぁ、答えてくれ。なぜあんたらは町田事件に対してそう過敏になる?町田事件とはなんだ?」
男「・・・私も国のために働いている。それには答えられんな・・・!」
(´・ω・`)「国のために、か。どうやら本当に日本政府にとって都合の悪い事があるらしいな・・・いや、確認がとれた。ありがとう」

この男は何も喋らないと判断したショボンは、容赦なく腕をねじ上げ男の体をこちらに向けた後、鳩尾を殴った。
訓練された腹筋も問題なく貫通する衝撃によって、男の意識が途切れる。
ショボンはトイレの外に誰もいないのを確認して、何事もなかったかのようにスチュワーデスを呼んだ。

(´・ω・`)「あー、すいません。この人がトイレで倒れてましたので、看護お願いします」



182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 09:21:38.67 ID:5Xowqc2C0
( ^ω^)「良かったお・・・襲われなくて」
(´・ω・`)「なぁに、少々なら俺が撃退してやるから心配するな」
( ^ω^)「そりゃ先生は良く喧嘩してるし・・・ていうかよく考えたら何でそんな無駄に強いんだお?」
(´・ω・`)「無駄ってお前・・・俺は自衛隊の野戦特科にいてなぁ。軍隊格闘技に憧れてはいったんだが、訓練でむかつく上官をぼこったせいで辞めたんだよ。それから教師になったんだ」

(;^ω^)「そんな教師いやだお・・・」



185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 09:30:02.68 ID:5Xowqc2C0
無事に日本に帰ってきた内藤とショボンは、ひとまずショボンの家であるバーボンハウスで話し合った。
鮫島事件のすべてはまだわからないが、とりあえず今ある情報を組み立て、ツンがどういう経緯で失踪し、今はどうしているかを推理する。

(´・ω・`)「まず、なぜツンが失踪したかだ。これは鮫島・・・つまり町田事件に踏み入ったからだろう」
( ^ω^)「・・・それは間違いないはずだお。けどなぜ、ツンは鮫島に行ったんだお?」
(´・ω・`)「鮫島事件に興味をもち、その舞台である鮫島を突き止めたか・・・」
( ^ω^)「もしくは、誰かに連れて行かれたか・・・?」
(´・ω・`)「だがそう考えると誰が連れて行ったのかは謎だな。公安も興味をもっただけで拉致はせんだろう。それに、鮫島に連れて行った意味がわからん」
( ^ω^)「となるとやっぱり自分で鮫島にいったんだお」
(´・ω・`)「しかしそうするとなぜ連絡もいれずに失踪したかという謎が出てくるな・・・」



187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 09:41:24.85 ID:5Xowqc2C0
( ^ω^)「・・・どういう状況なら、両親にも告げずに鹿児島まで行くお?」
(´・ω・`)「わからん・・・よほど切羽詰っていたのか・・・」

開始した途端に暗礁に乗り上げた推理に、突然わりこんでくる声があった。
カウンターでコップを拭いていたショボンの兄が、なんともないように言ってくる。

(`・ω・´)「何を話しているのか知らないけど、その娘に鹿児島まで行く理由がないなら誰かに呼ばれたに決まってるじゃないか!」

(´・ω・`)「シャキン兄さんは黙っていてくれ。気が散る」
( ^ω^)「・・・そうか・・・呼ばれたんだお。誰かに」
(´・ω・`)「ん?」
( ^ω^)「きっとツンはスレを立てるか、鮫島事件関連のスレで質問したんだお。鮫島事件の真相について」
(´・ω・`)「ふむ・・・それに答えた人物がいたのか?」
( ^ω^)「・・・例えば、真実を教えるけど、これは危険な話だから誰にも言わずに鮫島まで来てくれ、とか・・・」
(´・ω・`)「・・・どうしても好奇心を抑えられなかったツンは、単身鮫島に渡った、か・・・少々無理があるが、今はそういう事にしておくか?」
( ^ω^)「ひとまず、そういうことにするお」



192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 09:51:39.14 ID:5Xowqc2C0
(´・ω・`)「鮫島にいったは良いが、なぜ帰ってこないのか」
( ^ω^)「そして、なぜ連絡をしてきたか・・・それも、わざわざ伝わる可能性の低い、2chのスレで」

おそらくツンは鮫島についた後、ツンを呼んだと思われる人物に会う前にVIPにスレを立てた。
そして、偶然すぐにそれに気付いた内藤がレスを返し、鮫島にいるということを伝えることが出来た。

( ^ω^)「だとすれば、何であんな深夜に鮫島に・・・」
(´・ω・`)「深夜にこいと言われたんだろうな。秘密の話のはずだ・・・」

ツンは単身で、それもわざわざ深夜に誰ともわからない人物と話をするために鮫島に行ったのだろうか。
それほど愚かな行動をとるとは思えない。
それとも、そうさせるほどの情報を聞ける予定だったのか。
それはわからないが、事実としてツンは深夜に鮫島に渡った。
そして、おそらくそこで何者かと会い、会話した。
その何者かがツンを連れ去ったのか、それともあの後でツンを誰かが連れ去ったのか。
もしくは、ツンは自分の意思で姿を隠したか。

(´・ω・`)「・・・姿を隠す、つまり・・・何かから逃げた・・・?」
( ^ω^)「鮫島、町田事件に関わったものを追いかけるといえば・・・公安かお」



194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 10:02:12.56 ID:5Xowqc2C0
まだ公安が追いかけているとは断定できない。
公安に目をつけられるほどの情報を持っていなければ、追われたりはしないはずだ。
内藤とショボンがアメリカまで行って入手した数々の情報、それに匹敵するほどの情報をツンが一人で調べ上げる、というのはとてもじゃないが無理だろう。
おそらく、内藤とショボンにタカラが真実のいくつかを話したように、ツンも誰かに話を聞いた。

( ^ω^)「ツンは・・・情報提供者と会って、話を聞くことに成功した」
(´・ω・`)「そしてそれはツンが身を隠す、または追われるに値する正確な情報だった・・・か」

あくまで推論の域を出ないが、ツンが何かしらの情報を得たのは確かだろう。
それでツンが姿を消したというのなら、その情報提供者はどうなったのか。
ツンと共に逃げているか、消されたか、ツンとは別に姿を消したか。

( ^ω^)「・・・わからないお・・・鮫島で何があったお?」
(´・ω・`)「・・・わからんが、ツンと同じものを追いかければどこかで会えるかもしれんな」



200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 10:14:18.96 ID:5Xowqc2C0
ツンが追いかけていたもの。
それは間違いなく、鮫島事件のことだ。
ツンがどこまで鮫島事件のことを知っていたかはわからないが、近づきすぎたことは確かだろう。

鮫島事件を調べていくと見えてくる町田事件。
それこそが公安の動くきっかけのはずだ。
ツンは、おそらく町田事件の存在に気付き、5つの鍵を集めだした。
どこまで集めたかはわからないが、今もツンが鍵を集めているとしたら、いつか終着点か道のりの途中で会える可能性が高い。

となれば、町田事件の真相を一刻も早く解き明かさなければならない。
今内藤たちがわかっていることは、

1・鮫島事件はそれぞれの説が互いに繋がりあい真相へと至る。
2・アメリカのネラー社で得た情報に、鮫島事件の重要人物と思われる町田なる名前がある。
3・町田事件という大きな事件が分割され、5つの都市伝説になった。
4・町田事件とは日本政府に都合の悪い事件である。
5・その都合の悪い事件の理由は、これまた町田なる死刑囚が知る政府の暗部のためである。

(´・ω・`)「・・・案外材料は多いな。ほかにも細かいものがまだあるしな」
( ^ω^)「やっぱり町田って人がかなり重要だお。色々なところに名前がでてくるお」



209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 10:42:06.44 ID:1V+tHSW00
(´・ω・`)「町田か・・・」
( ^ω^)「町田という名前が出る事件から考えて見るお?」

まず、一番古いのは大本の事件である町田事件だろうか。
それがどういう事件かはわからないが、死刑から逃れ姿を消した町田という人物が大きく関係するはずだ。
その死刑逃亡事件を隠蔽するために、死刑で生き残ったら釈放されるという都市伝説が出来た。

それと同時期なのか、それとも後の事なのか。
2chで鮫島特殊学級でのリンチを収録したビデオが販売されるが、逮捕者が続出し販売者は逃亡。
それを隠すために購入した2chネラーの生き残りが鮫島事件というネタとしてその件を隠蔽した。

その後、鮫島というコテが現れる。
鮫島という名に過剰反応した一部の2chネラーのうち、仙人と名乗るコテが20人を引き連れて鮫島コテを柏台駅でリンチし、結果的に殺害した。

この2つの鮫島事件の主犯、つまり、ビデオを販売した人物と仙人と名乗るコテは、ともに町田というのが本名だという。
リンチ、鮫島という2つのキーワードに、町田という名前。

( ^ω^)「仙人っていうコテはもしかして・・・」
(´・ω・`)「ビデオを販売した男、か・・・?だからせっかく撹乱したビデオ販売事件を思い出させる鮫島というコテに過剰に反応し、20人も人を集めてリンチした・・・」



222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 11:14:17.22 ID:1V+tHSW00
( ^ω^)「・・・リンチビデオの当事者だからこそ、町田は鮫島コテに過剰反応した・・・その気持ちはわかるお」
(´・ω・`)「ああ、なんとしても蒸し返されたくなかっただろうな、なにせ、自分が販売したんだからな」

そう考えるのが自然な気がする。
そして、リンチビデオ事件の再燃を抑えるはずだった柏台リンチ事件によって、また新しい鮫島事件が生まれた。
とするならば、仙人、つまり町田の思惑は成功しなかったといえる。

鮫島という名前が残ったことにより稀代のネタスレとして人の目から逃れかけていた鮫島事件は新しい形態を生み出し、再び2chで議論を呼んだ。
さらに、どういう理由かは分からないが鮫島という鹿児島県沖の島こそがリンチビデオの舞台だと気付いた5人のせいで、3つめの形態をも生み出す。
こうして、鮫島事件はその数を増やしていった。
それに好奇心をくすぐられ鮫島事件について調べる者が増えていき、ちょうどその時期、2chのログが大規模に削除された。

(´・ω・`)「鮫島事件の発祥はリンチビデオ、か。なぜ町田はそんなビデオをとったんだ・・・?」
( ^ω^)「・・・町田が単なる変態だったか、もっとちゃんとした理由があったのか・・・かお?」
(´・ω・`)「タカラから聞いた説が正しければ、町田は死刑執行後生き延びたという人物のはずだ」
( ^ω^)「その生き残った人物・・・町田は、どんな思いだったんだお・・・?」
(´・ω・`)「政府の暗部を偶然知り、そのために無実の罪で殺されかけた・・・」
( ^ω^)「・・・町田は政府を憎んでいる?」

十分考えられる。
それまではごく普通の生活をしていただろう町田が、突然国に殺されかけたのだ。
憎むなというのも酷だろう。
そして、何かを憎んだ人間のとる行動は大抵決まっている。

(´・ω・`)「日本政府への復讐・・・か」



229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 11:37:35.85 ID:1V+tHSW00
( ^ω^)「復讐のために、町田は鮫島に特殊学級の教師として着任したのかお?」
(´・ω・`)「それは妙だな。特殊学級があった鮫島・・・つまり犬鳴村は政府の隔離施設だったはずだが・・・」
( ^ω^)「タカラはそう確信してたみたいだお」
(´・ω・`)「いや、そうか。政府の施設だからこそ、リンチビデオを取り2chという不特定多数の人間が見る場所で販売した・・・」
( ^ω^)「・・・犬鳴村のことを世間に広めようかと思ったのかお。アングラな場所から、少しずつ・・・」

そう考えれば、町田の行動に対する印象が変わってくる。
おそらく町田は、ビデオ販売が警察の目についても問題なかったのだろう。
むしろそうしてマスコミにでも取り上げてくれれば御の字だったはずだ。
だが、そこまでは広まらなかった。
逮捕されることを恐れた購入者が隠蔽工作に走ったから。

( ^ω^)「隠蔽工作・・・つまり鮫島事件の誕生は、町田が望んだものじゃなかったのかお?」
(´・ω・`)「その可能性もあるな・・・だがやはり決定的じゃない・・・」

そう、今の推測のとおりだとすれば、町田は鮫島コテをリンチした柏台事件を起こす必要がないということになる。
わざわざ鮫島リンチビデオ事件を蒸し返そうとしてくれたのだから、消す必要はないはずだ。



231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/09(木) 11:44:56.86 ID:1V+tHSW00
わからない。
何か決定的なものがかけている。
せめて町田の目的、今の推測では日本政府への復讐という事になるが、それが真実なのかどうか判別する手がかりでもあれば別なのだが。

(´・ω・`)「復讐が目的なら、町田が事の真相を世間に流そうとしたのが鮫島事件だと考えられなくもないんだがな・・・」
( ^ω^)「うーん・・・あと1つ2つの手がかり・・・んぁ?」
(´・ω・`)「どうした?」

ショボンに答えず、内藤は自分の服のポケットを見つめる。
内藤のポケットにはいっていた携帯が震えていた。携帯は三回振動し、その動きを止める。
メールだった。内藤は何気なく携帯を取り出す。
何気ない表情で携帯を開き、メールの送信者を確認する。
そこには、信じられない名前があった。


件名:内藤、ツンだけど
本文:今どこにいるの?私いま帰ってきたの、伝えたいことがあるから早く返事して



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