( ^ω^)ブーンがあの事件に挑むようです


608:蕎麦屋 ◆kukOJfUSTk:2006/03/09(木) 23:36:57.24 ID:1V+tHSW00
(;^ω^)「先生・・・ツンからだお・・・」
(´・ω・`)「・・・本物か?」
(;^ω^)「わからないお。けど、今帰ってきたって・・・返事しろって」
(´・ω・`)「・・・妙だな」

そう、よくよく考えてみれば不自然な話だ。
帰ってきたというのも急すぎるが、それは良いとしよう。
だが、伝えたいことがあるなら電話をかければ良い。わざわざメールを打つよりも早いのは言うまでもないし、なにより1ヶ月もの間失踪していたのだ。
普通、自分は無事だと声を聞かせようとするものではないだろうか。

( ^ω^)「とらの穴に入らずんば同人誌は得られず・・・だお」
(´・ω・`)「・・・お前国語の成績最悪だったな、そういえば」

不自然とはいえ、このメールが手がかりに繋がる可能性は高い。
本当にツンが送ったメールなのか、それとも別の誰かが送ったメールなのか。
それはわからないが、火中の栗を拾うにはその火の中にはいらなければならない。
出来ることとといえば、火の中にはいる前にどうにか火を弱める程度か。

( ^ω^)「伝えたいことがあるなら会って話そうお。けど、会う場所はこっちで指定するお・・・と、送信だお」

これで少なくとも待ち伏せ、張り込みの心配はない。
呼び出す場所は今いる喫茶店バーボンハウスで良いだろう。



620:蕎麦屋 ◆kukOJfUSTk: 2006/03/09(木) 23:54:10.24 ID:1V+tHSW00
(´・ω・`)「くると思うか?」
( ^ω^)「・・・偽者なら、来ないと思うお。ツンだとしても裏に誰かが居ればこないと思うお」
(´・ω・`)「同感だな。ツンが自分の意思でメールを出したのならあっさりと現れるだろうが・・・可能性は低いかもしれんな」

しばしの沈黙が訪れる。
内藤は黙ってツンが現れた場合の対応を考えていた。
体の心配をするか、どうしていなくなったかを聞くか、鮫島事件についてどこまで知っているかを聞くか。

同じように押し黙り、ショボンは別のことを考える。
メールはおそらくツンの真意ではない。
となれば、誰がなぜメールを送ったか。公安か、それともツンに情報を提供したと思われる人物か。
その誰かが鮫島事件にかかわるものに悪意をもっているのは確実なはず。

( ^ω^)「・・・遅いお」
(´・ω・`)「まだ10分もたってないぞ」

時計の秒針の音だけが、バーボンハウスを支配している。
押し黙った内藤とショボンと、静かに煙草をふかす喫茶店のマスター、シャキン。
返信メールを送って15分がすぎたころ、喫茶店のドアが開いた。
客が来たことを知らせる鐘が鳴り、シャキンが応対する。

(`・ω・´)「いらっしゃい!・・・友達は隅のテーブルで待ってるよ」
ξ゚听)ξ「あ、はい。どうも」

ツンは、ごく普通に現れた。



638:蕎麦屋 ◆kukOJfUSTk: 2006/03/10(金) 00:10:59.65 ID:s8dqHUqQ0
(´・ω・`)「・・・久しぶりだな、ツン。元気だったか?」
( ^ω^)「や、やぁ、久しぶり!・・・だお」
ξ゚听)ξ「ちょっと・・・先生も内藤もそんなに警戒しないでよ・・・」
(;^ω^)「いやいや、警戒なんてしてないお?」
ξ゚听)ξ「・・・まぁ、警戒させるためにメールで連絡したんだけどね」
(´・ω・`)「どういうことだ・・・?」

あのメールは、正真正銘ツンが自分の意思で送ったものだった。
自分の意思と、鋭い思考で。

ξ゚听)ξ「説明するわ・・・その前に、鮫島事件について、詳しく知ってる?」
( ^ω^)「知ってるお。少なくとも、3つの鮫島事件を繋げられる程度には・・・」
ξ゚听)ξ「・・・3つの鮫島事件が繋がる・・・?3つ・・・ですって?」

内藤とショボンの考えの埒外にあった答えが返ってくる。
ツンは、3つの鮫島事件の関連性、つまり、柏台リンチ事件、リンチビデオ事件、鮫島3chネラー行方不明事件が繋がることを知らなかった。

ξ゚听)ξ「ネタじゃなかったの?リンチビデオとか柏台って・・・私は、行方不明事件しか、知らない・・・」



653:蕎麦屋 ◆kukOJfUSTk: 2006/03/10(金) 00:21:16.10 ID:s8dqHUqQ0
(´・ω・`)「知らない、だと・・・?」
( ^ω^)「そんなはずはないお・・・じゃあ、ツンは町田事件のことは知らない・・・?」
ξ゚听)ξ「町田事件・・・?あなたたち、私とは違う切り口で鮫島事件を調べたみたいね」

内藤とショボンはそれ以降の質問をやめ、ツンの話を聞くことにした。
ツンの話によると、ツンは鮫島事件に興味をもったあと、まずあることに注目した。
それは内藤たちが気にも留めていなかったことだ。

ξ゚听)ξ「私は、行方不明になった2chネラー5人の素性に注目したわ」

そこに目をつけた者は少ないだろう。
鮫島事件に踏み入る段階では、それはあまりにも小さな疑問だった。
そして踏み入れた後には、完全に忘れ去られるような小さな小さな疑問。
だが、そこにこそ、謎をとく重要な手がかりがある。

ξ゚听)ξ「彼ら5人はね、同じ学級の出身だったの。鮫島特殊学級っていう学級のね・・・」



676:蕎麦屋 ◆kukOJfUSTk: 2006/03/10(金) 00:46:10.73 ID:s8dqHUqQ0
( ^ω^)「な・・・鮫島特殊学級・・・!?」
(´・ω・`)「馬鹿な・・・いや、だから5人は鮫島がリンチビデオの舞台だと気付いたのか・・・」
ξ゚听)ξ「リンチビデオ事件と行方不明事件の繋がりは後で聞くとして・・・話を続けるわ」

ツンは5人の2chネラーが鮫島特殊学級という同じ学級の出身だということを突き止めた。
だがリンチビデオ事件との関連性には気がつかなかったようだ。
おそらく、行方不明事件に注力しすぎて視野が狭まったのだろう。
その時ツンは鮫島に行こうとは思わなかった。

ξ゚听)ξ「けど2chに気になる書き込みがあったの。鹿児島県沖にある鮫島・・・そこで真実を教えるって」

ツンはそれに乗ってしまった。
内藤とショボンの推測通り、ツンは誰にも言わないという条件で鮫島に向かった。
ほんの1日、2日。両親に聞かれれば、友達の家に泊まっているといえば済ませられる程度の日数で帰れると思って。

ξ゚听)ξ「けど私を鮫島に送ってくれた船は、私が帰る前に姿を消した・・・そして、真実を教えてくれるっていう人もいなかった」



690:蕎麦屋 ◆kukOJfUSTk: 2006/03/10(金) 01:08:42.98 ID:s8dqHUqQ0
( ^ω^)「じゃあ・・・どうやって帰ってきたんだお?それに、なんで2chで連絡を・・・」
ξ゚听)ξ「あの連絡が通るとは思ってなかったけどね。2chで連絡をとろうとした理由は・・・協力者がほしかったからよ」

ツンが2chに書き込みをしたのは鮫島に渡り、しばらくたった後のことだった。
そこでツンは自分の予想以上に鮫島事件が深いと悟り、外部からの協力者を欲した。
2chで有名な鮫島事件の事を知っていて、それを調べる方法を持っている人間。
つまり、一定以上のレベルをもつ2chネラーを。

ξ゚听)ξ「内藤なら、調べられると思った。・・・その、利用したみたいで、ごめん」
( ^ω^)「・・・それは良いお。それで、どうやって帰ってきたんだお?」
ξ゚听)ξ「真実を話してくれるっていう人はいなかったけど、現われはしたわ。その人は・・・町田って名乗った」
(´・ω・`)「なんだと・・・!」
ξ゚听)ξ「・・・内藤がさっき行ってた町田事件と、関係があるの?」
( ^ω^)「・・・後で話すお。続きを頼むお」



736:蕎麦屋 ◆kukOJfUSTk: 2006/03/10(金) 01:52:01.07 ID:s8dqHUqQ0
ξ゚听)ξ「その町田って人は約束どおり行方不明事件の真相を話してくれた」

鮫島に訪れた5人の2chネラーは、鮫島特殊学級の出だった。
そして当時ネタとして広まっていたリンチビデオ事件のビデオを購入し、その舞台が鮫島であることを突き止めた。
5人はすぐに鮫島に乗り込んだ。
リンチビデオが本当に鮫島で撮られたのか、そして、今も特殊学級はあるのか。
それを確かめに行ったのだろう。

ξ゚听)ξ「その5人がなぜ行方不明になり・・・殺されたのか。それを町田は知っていたわ」

5人が殺された理由。
それは鮫島に上陸したからでも、鮫島事件に足を踏み入れたからでもない。
その理由は、単純明快。
鮫島特殊学級の生徒だったから。それが、唯一つの理由だ。

ξ゚听)ξ「町田はそれだけ話すと、私を鹿児島に帰してくれた。それからどこかへ去っていったわ」

それからツンは少ない所持金で海を越え、なんと歩いて帰ってきたらしい。
場合によってはヒッチハイクし。日雇いのバイトをして、自力で帰ってきたのだ。

( ^ω^)「だから近隣を探しても見つからなかったのかお・・・ていうかパワフルだお、ツン」



907:蕎麦屋 ◆kukOJfUSTk: 2006/03/10(金) 17:29:59.48 ID:s8dqHUqQ0
ξ゚听)ξ「私が知ってるのはそれくらいね・・・」
(´・ω・`)「・・・意味がわからなくなってきたな」
( ^ω^)「5人は鮫島特殊学級の生徒だった・・・だから殺された・・・」
(´・ω・`)「ということは、特殊学級の生徒、もしくは生徒だった人間は殺されるのか?」

鮫島事件、町田事件での死者。
それは内藤たちが知っている限りでは、特殊学級の生徒、などの共通点はないはずだ。
生死は定かではないが、リンチビデオ事件。この事件の犠牲者である特殊学級の生徒に死者が出ている可能性はある。
それと、柏台事件では鮫島コテがリンチされ死亡した。この鮫島コテの素性はわからない。

( ^ω^)「・・・けど、リンチビデオを売った町田はおそらく、特殊学級の生徒をリンチした人物のはずだお」
(´・ω・`)「そして鮫島コテをリンチし殺害した仙人・・・町田は、それと同一人物の可能性が高い・・・」
( ^ω^)「ということは、もしかしたら」
(´・ω・`)「殺害された鮫島コテは、鮫島特殊学級の人間か?」

となると、一本の線が出来上がる。
町田はなんらかの理由で、鮫島特殊学級に教師として着任し、生徒をリンチした。
そのビデオを2chで販売するが、購入者に逮捕者が出たために購入者の生き残りが鮫島事件をネタとして撹乱、町田は購入者名簿をもって姿を消した。
しかしその事件を思い出させる鮫島というコテを名乗った人物が現れ、町田は仙人というコテを名乗って鮫島コテの居場所を特定し、殺害した。

( ^ω^)「鮫島特殊学級の関係者は殺される・・・その犯人は、町田・・・」



930:蕎麦屋 ◆kukOJfUSTk: 2006/03/10(金) 17:55:59.17 ID:s8dqHUqQ0
(´・ω・`)「町田は特殊学級の人間を消し、公安は事件に近づく人間を消す・・・」
( ^ω^)「つまり町田の目的は特殊学級の人間の殺害なのかお?」
ξ゚听)ξ「ちょっと・・・私が会ったのはその町田なんでしょ・・・?気味の悪い話はやめてよ・・・」
(´・ω・`)「ふむ。ツンは行方不明事件のことしか知らないと言うしな」
( ^ω^)「・・・それ以外のことを教えるお。町田事件や5つの鍵のことを・・・」

内藤とショボンは今まで自分たちが集めた情報の説明をはじめた。
町田事件という大きな事件があって、それを政府が5つの都市伝説にわけた。
鮫島事件すらそのうちの一つで、町田事件を解き明かすには残り4つの都市伝説を集め、その真相を暴かなければならない。
タカラの協力によって、内藤とショボンはかなり町田事件に近づいていた。
ツンの情報も加わり、推測ではあるが町田の目的もすこしだけ見えてきた。

ξ゚听)ξ「複雑ね・・・町田の目的が特殊学級の生徒の殺害なら、その理由はなんなの?」
(´・ω・`)「町田の行動原理はおそらく政府への復讐のはずだ」
( ^ω^)「町田が特殊学級の生徒を殺すことが政府にダメージを・・・?」
ξ゚听)ξ「・・・だとしたら、鮫島特殊学級って何なのかしら」
(´・ω・`)「隔離施設、犬鳴村・・・そこに隔離されていたのは始末しにくい犯罪者のはずだが」
( ^ω^)「それを始末してくれたならむしろ政府にとっては良いことだお」
ξ゚听)ξ「・・・犬鳴村に隔離されていたのは本当に犯罪者なの?そもそも・・・隔離なのかしら・・・」

人知れない場所に、特定の人間だけを移動させる。
それは時には犯罪者などを隔離させる場合であり、もしくは保護したい人間を隠すための場合もある。
タカラは言った。犬鳴村に隔離されたのは、始末しにくい者たちだと。

(´・ω・`)「始末しにくい・・・始末したくはない・・・?始末したくはないが姿を消すことになった者の駆け込み寺が・・・鮫島の犬鳴村なのか?」



142: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/11(土) 02:36:29.61 ID:3yQOIyIo0
ξ゚听)ξ「始末したくないけど消したい人物・・・ね」
( ^ω^)「どういう人がそれに該当するお?」
(´・ω・`)「大きなヘマをしたり、ゴタゴタに巻き込まれたりした・・・政治家、とかのお偉いさん」
ξ゚听)ξ「あるいは、悪どい事をしてるけど逮捕されると困る大企業の社長とか?」
(´・ω・`)「とにかく、政府にとっていなくなると困るが、表舞台にいても困るような人物の隔離保護施設・・・」
( ^ω^)「・・・そうだとすると・・・どういう仮説が出来上がるお?」
(´・ω・`)「そうだな・・・仮説をたてるなら、こうか?」

犬鳴村は、政府の重要人物でありながら何らかの問題を抱えてしまった人物の保護施設。
おそらく犬鳴村という名前も公には知らされずに、万が一誰かが知っても九州の犬鳴村だと思うようにその名前がつけられたのだろう。
そこに、死刑から生き延びた町田がなんらかの手段を用いて教師として着任した。
おそらく、鮫島犬鳴村に住む人々の中には、少数だが子供連れもいたのだろう。
その子供の教育のための学級こそが、鮫島特殊学級。
だが、政府に怨みをもつ町田は生徒たち、つまり政府にとって重要だろう人物の子供たちをリンチし、それをビデオにとって販売した。

( ^ω^)「憎い政府の重要人物・・・それも、隔離施設まで用意でて保護するような」
ξ゚听)ξ「そこに潜り込んでその人達の子供をリンチ、さらにビデオにとり販売。町田からしてみれば胸がすくような思いだったでしょうね・・・」

ビデオを販売し鬱憤を晴らしたは良いが、購入者の中に逮捕者が出て、せっかく身を隠した町田は焦ったのだろうか。
おそらく違う。
リンチビデオなど販売すれば警察に目をつけられるのは火を見るより明らかだ。
ならばなぜ、うまい具合に2chネラーが撹乱してくれたビデオ販売事件を彷彿とさせる鮫島コテを殺害したのか。
それは、鮫島コテが鮫島特殊学級の出身者だったからではないか。
そして、鮫島に上陸した5人の2chネラーも鮫島特殊学級の出身者だという。
町田が鮫島特殊学級の生徒、そして広く見れば犬鳴村の住人だった者たちの殺害を目的としていて、それを追い、さらに関与しようとする者を公安が排除する。

(´・ω・`)「とまぁ・・・今までの話を総合するとこうなるわけだが・・・」



155: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/11(土) 03:05:53.48 ID:3yQOIyIo0
ξ゚听)ξ「・・・それが町田事件・・・?」
(´・ω・`)「いや・・・今の仮説は我々が持っている情報から構築した鮫島事件の仮説にすぎん」
( ^ω^)「仮説の域は出られないし、しかも鮫島事件でしかない・・・町田事件の真相を暴くには、もう少し考えないといけないってことかお」
(´・ω・`)「だが鮫島事件が町田事件の母体となるパーツだ、というのはタカラもいっていたしな」
ξ゚听)ξ「今の仮説が正しいとして考えると、それにいくつかの小さな要素を加えたら・・・」
( ^ω^)「町田事件がみえてくる・・・」
(´・ω・`)「かもしれんな」

先程の仮説で推理を進めるとして、町田事件に至るにはまだ何かが足りなかった。
まず、町田の行動の根本的な要因であるはずの、死刑執行。
それに耐えた町田は復讐に望んだと思われるが、なぜ死刑になったのか。
理由はわかっている。政府にとって、望ましくない情報を手に入れてしまった。
では、その情報とは一体なんなのか。

(´・ω・`)「それがわからん。その情報はなぜ無実の男を死刑にするに値するのか・・・」
( ^ω^)「けど、その仮説では集めた5つの鍵は繋がっているお。残っている鍵は、鮫島事件の真相だったはずだお」
ξ゚听)ξ「鮫島事件の真相・・・つまり、すべてを理解すれば、おのずと町田事件の全容も見える、か・・・」
(´・ω・`)「しかし仮説どまりだ。推論ではこれ以上は難しいな・・・」
( ^ω^)「うーん・・・タカラみたいに詳しい人でもいれば・・・」

おそらく、無理だろう。
タカラと出会えた事は奇跡とも言える偶然だ。現実に会える可能性は皆無に等しい。
もし、わずかでも会える可能性があるとしたら。

ξ゚听)ξ「2ch・・・2chで・・・町田に、会えないかしら?」



164: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/11(土) 03:30:41.43 ID:3yQOIyIo0
(´・ω・`)「それは・・・難しいとな何とか以前に、危険だろう」
( ^ω^)「町田という名前を出すと、町田も公安も黙ってはいないはずだお」
ξ゚听)ξ「・・・私が、あの時鮫島事件の真相を教えてもらったものです、みたいに書き込めば?」

どこかの鮫島事件関連のスレ。
もしくは自分で鮫島事件のスレを立てて、そこでツンの言うように書き込みすれば、少なくとも町田にしかツンのことはわからない。
公安が書き込みを見ても、警戒はするだろうがまだ動かないはずだ。
良くあるネタレスと同じような書き込みが、はたして町田の目につくか。

ξ゚听)ξ「それが問題ではあるけど・・・一番危険が少なく真相を知っている人物・・・町田に接触する方法じゃない?」
( ^ω^)「・・・たしかにそうかも知れないお。けど、ツンを危険にさらすのは・・・」
(´・ω・`)「むう・・・ツンは一度町田と接触しているし、町田は鮫島学級の関係者以外にはすぐに手を出すわけではないと思うが・・・」

もしうまく町田を釣ることができれば、とりあえずこちらの指定場所で落ち合うようにする。
そして、その場所には内藤とショボンが待機すればいい。
公安が動きにくい人目のある屋内。
隠れる場所もあり、地理も把握していて、隠れている者にも様子が手に取るようにわかるような所といえば。

ξ゚听)ξ「ここね。喫茶店バーボンハウス、ここに呼び出せば問題はないわ・・・決まりね?」
(;^ω^)「・・・わかったお・・・釣れないとは、思うけど・・・」



179: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/11(土) 04:11:16.00 ID:3yQOIyIo0
(´・ω・`)「じゃあ俺のノートPCで書き込みするといい。現れない可能性が高いが・・・念のため家には帰らないほうがいいだろう」
ξ゚听)ξ「はい。それじゃ・・・書き込みます」

幸いオカルト板に鮫島事件のスレがあった。
内藤とショボンが見守る中、ツンは軽快に文字をタイプしていく。

301 :本当にあった怖い名無し :2006/03/11(土) 02:00:37 ID:crm5rpz2O
また会えないかなぁ。
ちょっとだけ真相聞いちゃってさ。続きが知りたくて仕方ない。
だってさ、途中までだと気になるじゃん!

ξ゚听)ξ「これでよし・・・と」
( ^ω^)「あとは待つだけかお・・・食いつくかお・・・?」

食いつく可能性は低い。
町田も四六時中、鮫島関連のスレをチェックしている訳ではないだろう。
それに今はまだ昼の3時だ。

( ^ω^)「町田はおやつ食ってるかもしれないお」
(´・ω・`)「そんなわけあるか阿呆」



191: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/11(土) 04:49:38.41 ID:3yQOIyIo0
ツンが書き込んでから随分時間がたった。
書き込んでからしばらくはスレをチェックしていたが、スル−され続けているのを見ていると次第に諦めがでてくる。
そのスレは緩やかだが確実に1000に向かっていた。
レス数が500を超えた頃には、すでに日は沈みかけている。
テーブルでひたすら待つ三人に、シャキンが夕食を用意してくれた。

(`・ω・´)「はい、バーボンハウス名物のテキーラカレーだよ!」
( ^ω^)「あ。どうもですお」
(´・ω・`)「・・・兄さん、ありがたいんだが俺は普通のカツ丼にでもしてくれ」
(`・ω・´)「なんだと、ぶち殺すぞ」
(´・ω・`)「兄さんこそテキーラカレーなんか早くメニューから消せ。ぶち殺すぞ」
ξ゚听)ξ「テキーラ丼って・・・この匂い、まさかこのカレー・・・」
(´・ω・`)「ああ、テキーラが構成の6割を占めている」
(;^ω^)「・・・」

渋るシャキンに違う料理を頼み、三人は食事に移った。
テキーラカレーなんて意味のわからないものを作る割りには、普通の料理はちゃんと美味しい。
デザートまで食べ終えて、食後の休憩を楽しんだあとでも、スレには何の返事もなかった。
傾いていた日は地平に沈み、スレはもうすぐ1000に到達する。

(´・ω・`)「やはり・・・だめか」

画面の中でレス数が消費されていく。
999を迎え、ついに1000に到達しようとしたとき。
待ち望んだ反応があった。

1000 :本当にあった怖い名無し :2006/03/11(土) 22:10:45 ID:crm4mprty
>>301
明日会おう



201: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/11(土) 05:13:46.26 ID:3yQOIyIo0
ξ゚听)ξ「食いついた・・・!?」
(´・ω・`)「だがこれでは返信できんぞ。どうやって場所を伝える気だ?」
( ^ω^)「・・・メール欄を見るお。こいつ多分、1000まで待ってたんだお」

メール欄には捨てアドがさらされていた。
1000を狙ったと思われる返信に、メール欄の捨てアド。
偶然食いついた釣られ厨という訳ではない。

(´・ω・`)「本物の・・・町田か」
( ^ω^)「・・・メールで明日ここに来いって伝えれば良いのかお?」
ξ゚听)ξ「そうね。とりあえず捨てアドで・・・」

ツンはすぐに返事をだす。
明日の正午に、ここ喫茶店バーボンハウスにきて欲しいと。
町田がどこにいるのかはわからないが、おそらくIPを割る技術をもっているはずだ。
柏台リンチ事件で、仙人コテを名乗った町田はどうやってか鮫島コテのIPから住所を特定したという。
その町田が明日会おうと言うのだから、少なくとも1日かければバーボンハウスへ来ることが出来る距離にいるはずだ。

(´・ω・`)「もう遅いしな・・・今日は泊まっていけ」
(`・ω・´)「こらショボン!教師が女生徒を家に泊めるなんて問題だぞ!」
(´・ω・`)「大丈夫だ。乳臭い小娘に興味はない」
ξ゚听)ξ「なっ・・・!くぅ〜〜・・・・っ!!!」
(;^ω^)「ツン、落ち着くお」



214: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/11(土) 05:29:53.67 ID:3yQOIyIo0
(´・ω・`)「さて・・・部屋がたくさんあるほど金持ちじゃないからな。内藤とツンは同じ部屋で寝ろ」
(;^ω^)「ちょwwwwあんたそれでも教師かおwwww」
ξ゚听)ξ「・・・し、仕方ないわね。へ、部屋もないみたいだし・・・」
(;^ω^)「ちょ、ツンはそれで良いのかお!?」
ξ゚听)ξ「い、いやに決まってるでしょ!け、けど、部屋がないから仕方ないし、その、我慢してあげるわよ!!」

内藤はツンに引きずられるようにして部屋にはいっていった。
ショボンは欠伸一つして隣にある自分の部屋に帰る。
隣がうるさくて、しばらくショボンは眠れなかった。



227: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/11(土) 05:57:33.78 ID:3yQOIyIo0
>>222

内藤とツンが使う部屋は、普段は使われていない客間のようだ。
広くない部屋に、セミダブルのベットが一つあるだけで、ほかには何もない。

ξ゚听)ξ「・・・な、何もないわね。これじゃ時間もつぶせないじゃない・・・あーぁ、も、もう寝ようかしら」
( ^ω^)「ちょwww積極て・・・いや、明日は町田がくるかもしれないお。はやく寝るお。じゃ、僕は床で・・・」
ξ゚听)ξ「え?いや、その、こんな季節に床で寝たら、か、風邪引くわよ?そんなの気分良くないから、ベッド使わせてあげるわよ!し、仕方なくだからね!」
(;^ω^)「うぇwwwwちょ、それは嬉し恥ずかs・・・ぷぉ!!」

反論する暇もなく、内藤はベッドに押し込まれた。
しかも、逃げれないような壁よりに。さらには、蓋をするようにツンが潜り込んでくる。
内藤の顔が引きつる。
ツンは仕方なくと言いながらも、内藤に背を向けず、むしろ内藤の引き攣った顔を見つめていた。

(;^ω^)「お、落ち着くおツン。早く寝ると良いお・・・!」
ξ゚听)ξ「え・・・わ、わかってるわよ、うるさいわね!ちょっと狭いからもっとよってよ!」
(;^ω^)「ちょ、これ以上は・・・ちょ、足が、絡でfもdせh手がmlgそこhcrだめdふぁdf」

ベッドの中で逃げるようにのたうちまわる内藤と、追うようにのたうちまわるツン。
軋むどころか浮かぶように動くベッドの音を、ショボンは苛立たしげに聞いていた。

(´・ω・`)「・・・セイセイ、不順異性交遊、セイ。明日ぶち殺す」



  
221:蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU: 2006/03/11(土) 05:40:06.03 ID:3yQOIyIo0
(´・ω・`)「さて・・・良く眠れたか?」
(;^ω^)「全然だお・・・」
ξ゚听)ξ「私も・・・」
(´・ω・`)「そうか。俺もだ・・・お前たちのせいでな」

内藤たち3人は眠たそうにまぶたを擦りながら、シャキンの用意した朝食を食べていた。
昨日町田に出したメールの返事は帰ってきていない。
はたして現れるのかどうか。
喫茶店にある雑誌や漫画を読みながら、三人は時間を潰した。

もうすぐ正午、メールが届いていれば、そろそろ町田が現れるはずだ。
三人の雑誌をめくる手が遅くなり、喫茶店のドアに注意が向きだす。
時計の針が12時を回っても、客は一人も現れなかった。
雑誌はすでに置かれ、ショボンは煙草を吸い、内藤とツンはしきりに時計を気にしている。
ツンが何度目かのメールチェックをしたとき、シャキンが外を向いた。
喫茶店のドアが開く。
三人が固唾を飲んで見守る中、それは現れた。

('A`)「おいすー。・・・って何で先生ら揃い踏みなんだ?」
(*゚∀゚)「マスターお昼ご飯お勧めないー?」



236:蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU: 2006/03/11(土) 06:18:56.54 ID:3yQOIyIo0
(;^ω^)「・・・はぁ。ドクオかお・・・おどかすなお」
(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」
('A`)「・・・?なんだってんだ?」
ξ゚听)ξ「私たちは人待ってるのよ。まったく、おどかさないでよもう・・・」

立ち上がりかけた三人は再び席に座る。
ドクオは訳がわからないというような顔をして内藤たちの隣のテーブルに座った。
その向かいに座ったつーが、外を眺める。

(*゚∀゚)「んー、人待ってるってどんな人?」
ξ゚听)ξ「えーと・・・とりあえずスーツで・・・ちょっとキモイ顔の・・・」

ツンは鮫島であった町田の姿を思い出していた。
なんともいえない特徴的な顔に、スーツ姿の男。町田の印象はそれくらいだった。
そういえば初めて聞く町田像に、内藤とショボンが顔を見合す。
ドクオは何も考えていないようにメニューを眺め、その向かいの席に座るつーは何か思案しているような顔をしている。

(*゚∀゚)「それってさー、喫茶店の外にいるあの人じゃない?」

つーが指差した窓の向こう。
喫茶店の駐車場にいつのまにか止まっていたバイクに持たれかかり、煙草を吸っている男がいた。
内藤たちのほうを向いた男とツンの目が合う。

ξ゚听)ξ「・・・町田・・・」



240:蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU: 2006/03/11(土) 06:28:08.29 ID:3yQOIyIo0
窓の外にいた男、町田が喫茶店の入り口に歩いていく。
町田は最後に深く煙草を吸って、華麗に投げ捨てる。
喫茶店のドアが開き、店にベルの音が響いた。

    /\___/ヽ
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  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|    やぁ、マスター、お勧めはなんだい?
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,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、.
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不気味なほどの爽やかさで、町田はマスターに話しかけた。



246:蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU: 2006/03/11(土) 06:38:41.98 ID:3yQOIyIo0
(´・ω・`)「・・・あれが町田か?」
ξ゚听)ξ「はい・・・少なくとも、鮫島で私があったのは、あの人です」
(;^ω^)「予想と印象が違うお・・・しかも声が渋すぎるお。若本様のようだお・・・」

町田はシャキンにいやに親しげに話しかけたあと、優雅にこちらに歩いてくる。
足取りはゆっくり、顔には微笑を絶やさずに。
町田はテープルに近づくと、内藤たち三人の顔を見渡して席についた。

町田「君は鮫島であった娘だね。2chでメッセージを残したのは君かい?ご丁寧にたて読みで私を名指ししていたね?」

町田は公安に追われているとは思えないほどの気さくさで話しかけてくる。
ドクオとつーが何事かと見ている中で、内藤とショボンも怪訝な表情で町田を見つめていた。
ただ一人、町田を見たことがあるツンが口を開く。

ξ゚听)ξ「・・・あれから、随分と調べて。どうしても聞きたいことがあるんです」

内藤とショボンは、わずかに目の前にいる町田は偽者なんじゃないかと思いはじめていた。
だが、その考えは町田の自信に満ちた台詞で打ち砕かれる。

町田「そうか。鍵は集めたのかな?それなら話そう、真相を」



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