( ^ω^)ブーンがあの事件に挑むようです


507:蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/16(木) 16:59:26.78 ID:DMiQdEIB0
(´・ω・`)「探すなって言われるとなぁ。探したくなるのが人間ってもんだ」

鹿児島にむけて、RX-8が走っていた。
卒業式の日にツンまでいなくなってしまうと、教師としては非常に困る。
しかも残された日記は諦めきったような内容だった。

(´・ω・`)「まったく・・・面倒臭い奴らだ。鮫島って遠いから嫌なんだよ・・・なぁ、お前ら」

ショボンは突然後部座席のほうに話しかける。
普段は人のいないそこに、二人組みが静かに座っていた。

('A`)「そーね。けどま、多分無事だぜ、あいつら」
(´・ω・`)「お前に言われても普通は聞き流すが・・・今回ばかりは信じよう」
('A`)「しかし先生らが関わっちまうなんて思わなかったけどなぁ・・・タブーだぜあれ」
(*゚∀゚)「アメリカまで行ってたなんてね・・・しかも、あの人に会っちゃったもんだから」



521:蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/16(木) 17:10:02.27 ID:DMiQdEIB0
(´・ω・`)「タカラ・・・お前の兄、か」
(*゚∀゚)「ん・・・あの人、気になったことはとことん追いかけちゃう人だから」

アメリカで偶然出会った男、タカラ。
彼はつーの兄だった。
内藤とツンがいなくなって捜索が始まった頃、ショボンは町田事件について別の角度から調査を始めた。
一度ダディに聞いたビデオの存在を忘れ、自分の仮説に基づいての調査を。
そこで、意外な人物から接触をうけた。
町田事件などまったく知らなさそうな自分の生徒、ドクオに。

ドクオはショボンに会わせたい人がいるといって、ショボンにも馴染みのあるつーをつれてきた。
つーの持っていた情報のおかげで、調査は進んだ。
そもそも、タカラはアメリカで全てを語っていなかったのだ。
つーは、その残りの情報を持っていた。



544 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/03/16(木) 17:40:24.28 ID:DMiQdEIB0
ダディの語ったビデオ事件は、確かに事実だった。
だがそれは事実であるからこそ、カバーストーリーとしての側面を持っている。
公安が町田事件の全容をつかめないのは、事実であるビデオ事件を軸に据えているからだ。
公安からすれば世の裏で蠢く町田事件とは、偽者に他ならない。

実際にある研究ビデオを販売し鮫島事件を生み出し、自らの存在を隠した男。
公安がダディと鮫島を使いビデオ事件を追っているときに、鮫島を消した男。
いるのかいないのか確かではなく、それでも関わった人間が消えていく。その裏に見え隠れする存在。
それに最も近づいたのがタカラだった。
そして今、タカラがすでに消され、その情報をつーから渡されたショボンこそがその存在に一番近いといえる。

(´・ω・`)「ダディクールとかいう馬鹿に惑わされたが・・・研究ビデオの件も関係あるかもしれんな」
('A`)「かもな・・・俺には難しいことはわかんないけど」
(´・ω・`)「そういやお前役に立ちそうにないのに何でついてきてるんだ?」



646: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/17(金) 00:25:11.40 ID:99qemVKl0
('A`)「結構役に立つつもりなんだけどなぁ・・・」

ドクオはもともと、鮫島事件に興味を持っていた。
普通にそこそこ調べればわかる程度の事しか知らなかったが。
そしてあの日。
ドクオは偶然立ち寄った喫茶店で、内藤たち3人がダディと接触した隣のテーブルので話を盗み聞いた。
鮫島事件や町田事件、リンチビデオなど、聞いたことのある単語が含まれる話を聞きながらの昼飯は味を感じなかった。

喫茶店を出た後つーの様子がおかしいことに気付き、つーから町田事件の情報を聞きだすことに成功。
それからつーと推理を繰り返していたが、内藤とツンが失踪したため、ショボンに接触。
ドクオ達の知っていることを話し、協力して内藤とツンの捜索を開始した。
だから今ここにいるわけだ。

(´・ω・`)「うっせー。さて・・・まだ鮫島まで時間があるから色々とまとめてみるか。ドクオは黙ってろよ」
('A`)「・・・先生俺のこと嫌いなん?」
(´・ω・`)「いや、別に。生徒はみんな愛してるぞ」
(*゚∀゚)「ちょー良い台詞なのにうそ臭ーい」



667: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/17(金) 01:07:06.11 ID:99qemVKl0
('A`)「で、まとめるってどうすんだよ」
(´・ω・`)「そりゃまずは分かっていることを列挙して、そのあとで分からないことを話し合うんだよ」
('A`)「わかってること、ね・・・」

わかっていることは少ない。
まずビデオ事件の真相、実は研究ビデオでした、という話は公安も信じているから本当だろう。
そして、本物の町田の存在。
確認はされていない上に名前がネットに出ているだけだが、その存在感は大きい。
なにより、実在してもらわないと辻褄が合わなくなる。
柏台で鮫島が殺されたのも確実なようだ。これは、ショボンが内藤のいなくなった日に公安の男に聞いた話からして信じることができそうだ。

(´・ω・`)「・・・そういえば、公安の男に聞いた話によるとダディも鮫島も公安関係者らしいが・・・」

内藤がいなくなった日、自販機の前でショボンが聞いた話は、なんともいえない脱力感に見舞われるものだった。
ダディと鮫島は公安の人間で、調査中に鮫島が消された。ビデオ事件の調査中に。
そのために公安はビデオ事件に注力していたわけだが・・・。
おかしくないだろうか。
鮫島はビデオに上書きした映像で、町田に呼ばれたと言っていた。
町田を名乗っていたダディは同じ公安の人間なのだから危害を加えるはずがない。
だが、鮫島は町田が金目当てで暴走し、止めようとしたら呼び出されたといった。

(*゚∀゚)「・・・意味わかんないねぇ」



684: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/17(金) 01:44:19.81 ID:99qemVKl0
鮫島のメッセージは誰に対してのものだったか。
それは町田、ダディの頼みを聞いてビデオを取りに来た人間に対してのはずだ。
つまり、ダディがいつかビデオを回収しに来るとわかっていた。これは同じ公安だから不思議ではない。
公安の方針ですでに最後のビデオ回収による釣り作戦が決まっていたのなら、鮫島も知っていただろう。
それならば何故、町田が暴走し云々などという事をわざわざビデオに上書きしてまで伝えたのか。

('A`)「つーか誰が回収しても結局ビデオは公安が手に入れるんだろ?鮫島って奴は公安の連中に伝えたかったんじゃないか?」
(*゚∀゚)「・・・そっか・・・ドクオ君意外と頭回ってるね、偉いぞー」
('A`)「・・・なんであんまり嬉しくないんだ?」

鮫島が公安に伝えるためにメッセージを送ったのなら、ビデオ中の町田というのはダディのことではない。
となると、本物の町田だろうか。
鮫島は本物の町田と接触したか、それとも誰かに知らされたか。
それはわからないが、町田が暴走しているという事をなんとしても伝えたかったのか。

(´・ω・`)「・・・鮫島はベテランって訳じゃないらしいからな・・・情報だけ伝えて独断専行したか・・・?」

2chで鮫島が荒しを繰り返したのは、町田を釣り上げるためだろうか。
それに成功し、町田から呼び出されるという形で、町田を柏台駅に誘い出すことに成功した。
そして仲間を待たずに一人で柏台駅に行き、リンチされた。

('A`)「それが本物の町田だとすると、鮫島がどういう捜査でそいつに行き当たったかわかれば・・・」
(´・ω・`)「町田に近づけるかも知れん・・・ってお前どうしたんだ?なに普通に推理できてるんだ、ドクオのくせに」
('A`)「・・・何か扱いがおかしいと思うのは俺だけかな・・・」



695: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/17(金) 02:41:39.48 ID:99qemVKl0
(´・ω・`)「まぁともかく・・・鮫島がどういう捜査をしたかってのは気になるな」
(*゚∀゚)「今からそれを調べるのも難しそうだし・・・それより今は内藤君たちだね」

確かに、鮫島の事より今は内藤とツンだ。
公安の男が言うには、内藤は少なくとも殺されたわけではないらしい。
ツンは自ら鮫島に渡ったから襲われたのではない。
つまり、鮫島で致命的な危害が加えられていなければ、まだ二人は生きている可能性がある。

('A`)「そういやなんで先生は襲われもせずにピンピンしてるんだ?先生もビデオ取りに行ったんだから目立ってるはずだろ」
(´・ω・`)「俺に恐れをなしたに決まってるじゃないか。馬鹿かね君は?」
('A`)「・・・これが・・・殺意か・・・」
(*゚∀゚)「けど、もしもそうだとしたら・・・」

冗談ではなく、本当にショボンの武力を恐れ、襲うのをためらったのなら。
町田はショボンの強さを知っているという事になる。
そんなことを知っているのはごく一部の生徒と、公安くらいか。
生徒が犯人というのは無理があるとして、公安の女隊長はショボンを知っていた。
だが、喫茶店で会うまではショボンが関係していると知らなかったのだから、町田が公安の情報を手に入れたとするなら最近のはずだ。
そう仮定すると、町田は今も公安から情報を得られると考えていい。
そして、そう仮定すると鮫島捜査官が消されたときに20人を集めた理由も想像できる。
本来なら20人など集めずに町田一人で消せばいいのに、なぜ20人も集めたか。
それは鮫島捜査官が公安の人間だと知っていて、一人では手に負えないと判断したからではないか。

(´・ω・`)「神出鬼没に存在は掴めない・・・しかも公安から情報をリークできる可能性まででてきたか」



703: 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/03/17(金) 03:21:31.49 ID:99qemVKl0
(*゚∀゚)「公安なんていう国家の機関から情報をリークできるっていう事は・・・情報の入手にかけては神業ね」
('A`)「だから神出鬼没か。どこから敵がくるか分かるからその前に逃げるんだな」
(´・ω・`)「俺たちが鮫島に向かっているのもわかっていると思うか?」
('A`)「俺たちは電子機器の類は使ってないからな・・・わかってないんじゃねぇの?」

町田が公安の裏をかけるほど情報戦に優れていようと、直接会って話してから鮫島に向かっているショボン達の動向は掴めない。
それどころか、鮫島に向かっていることもわからないはずだ。
町田が内藤たちを始末しない理由はない。
だが、まだ生きている可能性もある。
ショボンたちが間に合って、内藤たちが少しでも抵抗し時間を稼いでいれば。
もしかしたら間に合うかもしれない。

(´・ω・`)「飛ばすぞ。警察がきたら教えろ、逃げ切る」
('A`)「・・・相変わらず教師らしくない教師だな、先生」



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