ξ゚听)ξが奇病にかかったようです

3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 08:03:02.55 ID:qqy4IyZ/0
ξ゚听)ξ「あれ?ニキビができてる」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 08:11:02.48 ID:qqy4IyZ/0
  
( ^ω^)「ツン、ニキビできてるお」

ξ゚听)ξ「知ってるわよ ちょ、ちょっと触んないで!」

( ^ω^)「ブーンが潰してやるお」

ξ゚听)ξ「やめて!痕になっちゃうでしょ!やっ、ちょっとぉ!」

( ^ω^)「痛っ!?」

ξ゚听)ξ「は?」

( ^ω^)「ニキビが・・・刺さったお」

ξ゚听)ξ「な、なに言ってんの?」

( ^ω^)「このニキビなんだお?まるで金属の棘だお」

ξ゚听)ξ「ちょっと・・・変なこと言わないでよ・・・」

( ^ω^)「・・・・・・・・・」

ξ゚听)ξ「・・・ブーン?」

( ^ω^)「キメェwww えーんがちょ切ったおwwww」

ξ゚听)ξ「・・・・・・・・・」



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 08:50:16.24 ID:qqy4IyZ/0
  
( ^ω^)「ツン?」

ξ♯゚听)ξ「・・・・・・」

( ^ω^)「おーい、ツンってば〜」

ξ♯゚听)ξ「・・・・・・」

( ^ω^)「ツンツンツーン♪ツンツンツーン♪」

ξ♯゚听)ξ「もう!五月蠅いわね!付いてこないでよ!!」

( ^ω^)「なに怒ってるお?」

ξ゚听)ξ「あんた・・・数分前の自分の発言ふり返ってみなさいよ・・・」

( ^ω^)「・・・・・・・・・?」

ξ゚听)ξ(・・・忘れてるわね・・・)

( ^ω^)「それよりもツン、掲示物係の('A`)が画鋲が無いって困ってたお」

ξ♯゚听)ξ「だからなに!?私に関係ないでしょ!」

( ^ω^)「あるお はやく返してやるお」

ξ゚听)ξ「・・・はぁ?」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 09:06:02.34 ID:qqy4IyZ/0
  
( ^ω^)「いくらファッションでも学校の備品を無断拝借はいけないお」

ξ゚听)ξ「・・・わけわかんないんだけど・・・?」

( ^ω^)「髪の毛だお クリップや画鋲を散らすのが流行なのかお?」

ξ゚听)ξ「え!?や、やだ!こんなにいっぱい!?なんで早く言わないの!?」

( ^ω^)「ツンがシカトぶっこいてるからだお」

ξ゚听)ξ「ああ!もう!ちょっと取るの手伝ってよ!」

( ^ω^)「別に取らなくていいお ツンには似合ってるお」

ξ♯゚听)ξ「・・・・・・ブーン?」

( ;^ω^)「て、手伝わさせていただきますお」

ξ゚听)ξ「丁寧にやるのよ 髪を痛めたら承知しないわよ 割と本気で」

( ;^ω^)「Sir, Yes Sir!!だお!」

モソモソ プチプチ ゴソゴソ

( ^ω^)「ツン、シャンプー替えたお?なんだか髪が針金みたいだお」

ξ゚听)ξ「口を動かすまえに手を動かす!」

( ;^ω^)「サ、Sir, Yes Sir!!だお!」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 09:19:01.49 ID:qqy4IyZ/0
  
( ^ω^)「ぶぅーーーーん!おはおーだお!」

ξ゚□゚)ξ「・・・おはヨウ・・・」

( ^ω^)「あれ?マスクなんかしてどうしたお?風邪かお?」

ξ゚□゚)ξ「ちょっとネ・・・」

( ^ω^)「声も変だお お大事にするお」

ξ゚□゚)ξ「・・・ありガトね・・・」

( ^ω^)(いやに素直だお ちょっとからかってやるお)

( ^ω^)「それにしてもツンが風邪ひくなんて意外だお」

ξ゚□゚)ξ「・・・そう・・・カナ?」

( ^ω^)「そうだお 昔からバカは風邪ひかないって言われてるお」

ξ゚□゚)ξ「・・・・・・・・・」

( ^ω^)「・・・ツン?」

ξ゚□゚)ξ「・・・ちょっと・・・お手洗イ・・・」



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 09:32:27.58 ID:qqy4IyZ/0
  
〜女子トイレ〜

周囲に人がいないことを確認すると
ツンは鏡の前でそっとマスクを外した
その下から、昨日よりも数を増したニキビが覗く

ξ゚听)ξ「なんなのこのニキビ・・・薬も効かないし・・・
       それに・・・これって・・・」

そっと奇怪なニキビに触れるツン
その手触りは硬く、先端は刺さるほどに鋭い
まるで溶け固まった鉄が皮膚を突き破って生えてるようにも見える

( ^ω^)『まるで金属の棘だお』
( ^ω^)『キメェwwww』

昨日のブーンの言葉が脳裏をよぎり
再び心に突き刺さる

ξ゚听)ξ「治さなくちゃ・・・でないと、ブーンに嫌われちゃう・・・治さなくちゃ・・・」

鏡に写る自分の顔にそっと手を触れる
 ビキキッ!
その指先を中心に鏡面にヒビが走る

ξ゚听)ξ「治さなくちゃ・・・治さなくちゃ・・・」

虚ろな目で呪文のように言葉を繰り返すツン
その首筋には新たなニキビが顔を覗かせていた



22:とりあえず投下:2006/04/25(火) 10:19:04.92 ID:qqy4IyZ/0
  
〜翌日〜

( ^ω^)「ツンは今日、お休みかお・・・」

('A`) 「ブーン君、コレ」

( ^ω^)「こっ!これは!?」

('A`) 「エ?アノ・・・休ンダツンサンニ届ケルプリントダケド・・・」

( ^ω^)「おっおっおっw」

('A`) 「ブーン君?」

( ^ω^)「フラグイベント発生だお!」

('A`) 「???」

( ^ω^)「プリントを届けることを口実に家にあがりこみ
       風邪で弱った娘を介抱するうちに『なんだかコイツ素敵かも』
       そんなイベント発生と見たお!!!」

('A`) 「チョwww真ッ昼間カラ妄想スパークハマズイヨwww」

       さっそく届けてくるおぉぉぉぉぉぉ(ドップラー効果)   ⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブーン

('A`) 「マダオ昼休ミダヨ・・・」



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 10:23:35.26 ID:qqy4IyZ/0
  
〜同時刻・ツン宅〜

『ツンちゃん、お昼ご飯くらい一緒に食べない?部屋に篭もりっきりじゃかえって体に・・・』

ξ゚听)ξ「ごめン、ママ・・・今、顔見らレタくなイノ・・・」

『わかったわ・・・じゃあ、食べ終わったらちゃんと部屋の外に出しておいてね』

母が階下に降りた音を確認すると、そっとドアを開け食事を取り込むツン
食器を持ったその指先はメタリックな光沢に包まれていた

ξ゚听)ξ「どうなっチャッたんダロウ・・・私・・・」

一人、部屋の中で呟くツン
その顔、体はあちこちに金属質の皮膜が広がり
肌色と銀色の奇怪な斑模様を描いていた

ξ゚听)ξ「どんドん酷クナってる・・・こんナ病気、聞いたこトナい・・・」

自分の右手、完全に皮膜に包まれたその手を見るツン
手のひらは鏡のように、覗き込む斑の顔を映し出す

ξ゚听)ξ「イヤッ!」

思わず目を閉じるが、すると今度はその闇の底から
刻々と己を蝕む病への恐怖が溢れ出してくる

ξ゚听)ξ「いや・・・イヤだよう・・・ブーン・・・助けテ・・・」



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 10:40:13.73 ID:qqy4IyZ/0
  
⊂( ^ω^)⊃「ブーーーーーンッ!こんにちわーだお!」

『あら、ブーンちゃんいらっしゃい』

( ^ω^)(チッ お母さんがいるお)「ツンいますかお?プリントお届けですお」

『わざわざごめんなさいね ツン、顔を見られたくないって部屋に篭もっちゃって』

( ^ω^)「ツンも引き籠もりデビューかお?お母さん、これから大変だおw」

『え、ええ・・・ちょっとそれは困るわね』

( ^ω^)「僕の友達のご両親も『家にいるだけのクセに金だけは一丁前にせびりやがって
       いったい何に使ってるんだが・・・』なんて疲れ果てた顔で・・・」

「キャアアァァァァaaaaaaAAAA!!!」

( ^ω^)「ツンの声!!・・・なのかお?」



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 10:58:13.12 ID:qqy4IyZ/0
  
『ツンちゃん!どうしたの!?ココを開けて!ツンちゃん!!』

ξ゚听)ξ「イヤァaアアa!来なイで!助ケて!見ナいで!イヤ!Aあアaアアぁぁa!!!」

( ^ω^)「おばさん毒男・・・じゃなくて、退くお!!」

⊂二二二( ^ω^)二⊃  「スーパーアルティメットクラッシャーブーンだおぉー!!」

 ゴガァーーーーンッ!!

木っ端微塵に砕け散るドア
そのままの勢いで部屋に転がり込んだブーンは
半狂乱で暴れるツンを押さえ込む

( ^ω^)「ツン!どうしたお!」(す、凄い力だお!)

ξ゚听)ξ「イヤァaa!取ってよo!これを取ッテYOー!」

ノイズが混じったような声で泣き喚くツンは必死で右手を掻きむしっている
暴れるツンに翻弄されながらも、そこに目をやったブーンは凍り付いた

( ^ω^)「スプーンが刺さってるお!?」

ツンの手には金属製のスプーンが柄の半ばまでめり込んでいた



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 11:29:23.37 ID:qqy4IyZ/0
  
( ^ω^)「今、抜いてやるお!だからモチツケお!暴れたら・・・あ!?」

ブーンは間近で見てしまった刺さっていると思っていたスプーンが
ズブズブと銀色に輝く手のひらに吸い込まれていくのを

( ^ω^)(ツンになにが!?) 「おわぁー!?」 バンッ!

驚愕に力が緩んだ隙をつかれ、壁際まで弾き飛ばされたブーン
なおも半狂乱で暴れ回るツン
泣き叫び、体中を掻きむしる度に着ているパジャマが
金属皮膜に包まれた指で引き裂かれていく

( ^ω^)(ツ、ツンの裸!!・・・じゃなくて、なんだお?体中に金属みたいなのが広がってるお!?)

ブーンの見ている前で、ツンの裸身を覆った皮膜はその範囲を広げていく
それは金属質な見た目に反し、ツンが動くたびに液体のように表面が細波立っていた

( ^ω^)(なんだか知らないけど、あれがツンをおかしくしてるお!)

ブーンは自分の手元に、先程砕いたドアのドアノブが転がっていることに気付いた

( ^ω^)(ツン、ごめんだお!)

ドアノブを握りしめ、暴れるツンに躍りかかるブーン

( ^ω^)「ぬるぽぉぉぉぉぉ!!」 ガッ!!

重い衝撃がブーンの手を痺れさせた



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 11:57:18.31 ID:qqy4IyZ/0
  
ツンの後頭部目掛けて振り下ろした瞬間
ブーンは思わず目を瞑っていた
そして伝わる手応えに、命中を確信した

( ^ω^)(当たっちゃったお・・・でも、今のツンを大人しくさせるには
      これしかなかったお・・・ツン、ごめんだお・・・)

ズルッ

( ^ω^)(お?)

ズルズルズルッ

( ^ω^)(お?お?お?)

ノブを握る手に新たな感触が伝わる
恐る恐る目を開けたブーンは再び凍り付いた

( ^ω^)(ノブが・・・めり込んでいくお・・・)

ツンの頭に突き刺さったノブは、まるで引きずり込まれるように
髪の毛の奥へ消えていった
よく見れば、毛髪下の頭皮にもあの皮膜が広がっていた

( ^ω^)(解ったお・・・この膜は・・・金属を喰うんだお!)

ブーンの背筋に戦慄が走った



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 12:31:51.91 ID:qqy4IyZ/0
  
完全にノブが取り込まれた頃には、先程までの狂乱が嘘のように
ツンは静かに佇んでいた
今やすっぽりと体を覆い尽くした金属膜は、フルフルと僅かな波を立てながら
割れた窓から入る午後の日差しをツンの体から部屋中に反射させていた

ξ゚听)ξ『ねぇ・・・ブーン』

金属管が鳴るようなエコーをかけた声が響く

ξ゚听)ξ『私・・・こんなになっちゃった』

ゆっくりと、体に光を反射させながらツンが向き直る
その体を真正面から見据え、ブーンは息を飲んだ
人体の僅かな起伏ですら浮かび上がるほど極薄の膜に包まれたツン
それはほぼ全裸と言っても過言では無かった

( ^ω^)(・・・鼻血が出そうだお・・・あっヤベ オッキしちゃったお
      バレないようにポケットに手を・・・ああ、でもツン綺麗だお・・・)



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 12:33:20.79 ID:qqy4IyZ/0
  
ξ゚听)ξ『ブーン・・・こんな体になっちゃっても・・・』

ブーンの内心の混乱など知ってか知らずか、メタリックな顔に寂しげな表情を浮かべ
ツンは語りかけ続ける

ξ゚听)ξ『こんなになっても・・・私の・・・私のこと・・・』

どうしても次の言葉を出せず、もどかしげに顔を歪めるツン
そんな葛藤に共鳴するように、全身の膜がザワザワと波打った
それを目にしたブーンは脳味噌を経由せず、脊髄反射で口走った

( ^ω^)「キメェwwwww」

パッと目の前が真っ白になり、ブーンは体が浮き上がるような感覚を覚えた
一瞬、ツンの泣きそうな顔が見えた・・・ような気がした

( ^ω^)(またやってしまったお・・・)

その思いを最後に、ブーンの意識は途切れた



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 14:46:23.51 ID:qqy4IyZ/0
  
ξ゚听)ξ(ブーン、死んじゃったかな・・・)

ξ゚听)ξ(何が起こったんだろう・・・)

ξ゚听)ξ(ブーンに『キメェ』って言われて・・・体が熱くなって・・・それから・・・)

ξ゚听)ξ(・・・思い出せない・・・気が付いたらお家のあったところが火の海になってて・・・)

ξ゚听)ξ(私は、それをずっと高い所から見てた・・・)

ξ゚听)ξ(ココ・・・何処だろう・・・)

その時、初めてツンは自分のいる場所を認識した
眼下には何処までも雲海が広がり、その所々に開いた裂け目から
地上の明かりが見えた
見上げれば見たこともないほどクリアな星空が天上を覆っていた

ξ゚听)ξ(そっか・・・私飛んでるんだ・・・)

眼前に広がる絶景も、その身一つで遙かな高みに漂っている事実も
今のツンの心には何も響かなかった
ただ麻痺にも似た虚脱感があるだけだった



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 15:01:11.25 ID:qqy4IyZ/0
  
『・・・!・・・!・・・!!!』

ξ゚听)ξ(また聞こえる・・・)

『・・・・・・・・!!!・・・・・・・・!!!』

ξ゚听)ξ(病気?が酷くなってきた頃から聞こえる・・・この声?はなんだろう・・・)

『・・・!!!・・・!!!・・・!!!』

ξ゚听)ξ(なんて言ってるのか・・・何処から聞こえるのかもわからない・・・)

『・・・!・・・!!・・・!!!・・・!!!!』

ξ゚听)ξ(焦り?要求?催促?切実? ただなんとなく気持ちだけは伝わってくる・・・)

『!!! !!! !!! !!!』

ξ゚听)ξ(やめて・・・もう私はなにもしたくない・・・)

『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

ξ゚听)ξ(好きにしなさいよ・・・私の身体をあげるから・・・私は・・・もういいから・・・
       変な病気になって、好きな人に否定されて、そして・・・その人を・・・
      もう・・・疲れちゃっt

ツンは自分という意識が身体から抜け落ちて、闇に落ちていくのを感じた
そして抜け殻になった身体が中空でビクンッと大きく跳ねた



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