ξ゚听)ξが奇病にかかったようです

48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 15:23:53.82 ID:qqy4IyZ/0
  
ブーンは学校の廊下に立っていた
いつもの朝、いつもの学校の、いつもの廊下
ただ一つ違うのは、そこにブーン以外の誰もいないことだった

( ^ω^)(・・・みんなどこだお?)

キーンコーンカーンコーン♪

予鈴が鳴り響くが、誰も現れない
慌ただしく教室に駆け込む足音も
お喋りの声も、イスの足が床を擦る音も、聞こえない

( ^ω^)(誰かいないのかお?)

何時までも鳴りやまない予鈴の中、ブーンは走り出す
どの教室を覗いても、墓石のように机と椅子が並ぶだけで人影は無い
遂に体育館まで走りきっても、誰と出会うこともなかった

( ^ω^)(ブーン一人だお・・・寂しいお・・・・・・お?)

未だに耳障りなほどに鳴り続ける予鈴の一瞬の合間
何かが聞こえた

( ^ω^)(泣き声・・・?ツンの泣き声だお!)



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 15:33:49.58 ID:qqy4IyZ/0
  
予鈴に掻き消されそうになる声の方向を必死で探るブーン
やがてその目は長い長い廊下の果てで、しゃがみ込んでいるツンをとらえる

( ^ω^)(ツン!なんで泣いてるお!いま行くお!)

全力のブゥーーーンで駆け寄ろうと、広げた両手を何者かが掴む

( ^ω^)(離せお!誰だお!ツンが!ツンが泣いてるんだお!)

『泣いてなんかないわよ』

( ^ω^)(何言ってるお!あそこで泣いてるお!!)

『泣いてないわよ “私”は泣いてなんかいないわよ』

( ^ω^)(私? ・・・!!!)

ふり返ろうとした瞬間、背後から伸びてきた何百本もの銀色の腕が
ブーンの体に絡みつき・・・

( ^ω^)「キメェェェェェェェェェェェェ!!!!!!」

絶叫と共に飛び起きたブーンの前に、見知った顔があった

('A`) 「オハヨウ、ブーン君」



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 15:49:53.29 ID:qqy4IyZ/0
  
( ^ω^)「え?う?おうお?うぇ?うぇ?うぉおあうお?」

('A`) 「オチツイテブーン君 色々聞キタイコトガアルケド、何カラ聞イタラ良イカ解ラナイ デショ?」

( ^ω^)「うんうんうんうん!」

('A`) 「エーット、ジャアマズ、ココハ病院ダヨ 君ハ丸々1ヶ月意識不明ダッタ OK?」

( ^ω^)「うんうんうん!」

('A`) 「君ハ重度ノ火傷ヲ負ッテイル ツンママハ幸イニモ、ホボ無傷 OK?」

( ^ω^)「うんうん!」

('A`) 「ツンサンハ・・・ソウ・・・一応・・・無事・・・ナノカナ?」

( ^ω^)「うん!」

('A`) 「・・・デ、最後ニ・・・世界ハ征服サレチャッタヨ」

( ;^ω^) 「うn うぇ!?」

('A`) 「ツンサンニネ」

そう言って、('A`)はサッと病室のカーテンを開いた
窓の外には天を覆い隠さんばかりの大樹が、奇怪な枝葉は茂らせて悠然と屹立していた



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 16:45:21.08 ID:qqy4IyZ/0
  
( ^ω^)「・・・・・・・・・」

('A`) 「声ガ出ナイ?ソウダネ、僕モ最初ニ見タトキハ自分ノ正気ヲ疑ッタヨ」

( ^ω^)「アレ・・・なんだお?」

('A`) 「見テノ通リ、デッカイ木ダヨ 幹ノ胴回リハ約45km・・・」

(♯^ω^)「そうじゃなくてお!!」

('A`) 「アレガ・・・ツンサンダヨ・・・」

( ^ω^)「!!!!」

('A`) 「順ヲ追ッテ話ソウカ・・・」

('A`)はブーンが混乱しないように、なるべく簡潔に話した
ブーンが病院に担ぎ込まれた翌日、まず最初に「アレ」が出現したこと
「アレ」は周囲の金属を喰らってどんどん大きくなっていったこと
自衛隊が攻撃したこと その全てが「アレ」に対して効果が無かったこと
「アレ」が育ちきると、今度は世界各国の主要都市・軍事施設に「アレ」と同じ物が
同時刻に一斉に出現したこと
世界の軍事力の90%が「アレ」に喰われてしまったこと
あと1週間の後に最初の「アレ」に対して、残った大量破壊兵器で一斉攻撃すること



55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 16:48:46.68 ID:qqy4IyZ/0
  
('A`) 「・・・ト、マァ ハショッテ説明スルト、ソウイウ次第カナ?」

( ^ω^)「待つお まだなんで「アレ」がツンだと言うのか聞いてないお!」

('A`)はその問には言葉ではなく、一枚の紙を答えとして渡した

('A`) 「マダTV局ノ ヘリ ガ近ヅケタ頃ニ、撮影サレタモノダヨ」

不鮮明な映像を印刷したものなのか、「アレ」のどの辺かなどの
全体像は要として掴めないが、ただ一つ明らかに解ることがあった
画像の中央、金属の塊や根のようなものに囲まれている銀色の人影 それは・・・

( ^ω^)「ツン・・・」

ブーンの目は、半ば茫然自失のまま、遙か彼方の大樹に
ツンの姿を探していた



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 17:03:31.77 ID:qqy4IyZ/0
  
『・・・・・・ ・・・・・・』

ξ゚听)ξ「・・・ん・・・なに?」

『・・・・・・・・・・・・・』

ξ゚听)ξ「・・・そう・・・そうなの・・・」

『・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・』

ξ゚听)ξ「そうね・・・それも良いかもね・・・」

『・・・・・・・・・・・・・?・・・・・・・・・・・ ・・・・・・?』

ξ゚听)ξ「別に・・・アイツがいないからってわけじゃないわよ・・・
      ただ・・・この世界もちょっと飽きたかな? そう思っただけよ」

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

ξ゚听)ξ「・・・そう・・・全ては・・・新世界のために・・・」



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 17:24:14.80 ID:qqy4IyZ/0
  
(♯^ω^)「なんでだお!なんでツンを攻撃するんだお!」

('A`) 「地下茎ッテ知ッテル?つくしんぼナンカガ代表的ダネ 地表ニ出テル部分ハ
    他ノ植物デ言ウ所ノ枝ヤ葉ッパデ茎事態ハ地下デ伸ビテテ、実ハつくしんぼハ
    全部地下デ一ツニ繋ガッテルッテイウ・・・」

(♯^ω^)「それがなん・・・お?まさかだお?」

('A`) 「ソウ・・・世界中ニ出現シタ「アレ」ハ、今見テル最初ノ「アレ」と全部根ッコデ繋ガッテルンダ
     ソシテ、最初ノ「アレ」ハ世界中デ最モ巨大ナンダ 間違イナク「アレ」ガ親株ダネ」

( ^ω^)「じゃあ・・・「アレ」を叩いちゃえば・・・」

('A`) 「他ノ「アレ」モ連鎖的ニ滅ビル ト、お偉いさん達ハ考エテルヨウダヨ」

( ^ω^)「・・・で、でも、世界の軍事力は90%喰われたって言ったお!」

('A`) 「10%デモ残ッテレバ、世界ヲ滅ボスニ足リル大量破壊兵器ハ用意デキルヨ」

( ^ω^)「そ、そんなのが撃ち込まれたら、この国だって・・・」

('A`) 「世界中カラ責メラレ迫ラレテ、NOト言エルホド、コノ国ハ強クナイヨ・・・」

( ^ω^) 「そんな・・・そんな・・・」

('A`) 「古人曰ク 『悲しいけど、コレって現実なのよね』 」

( ^ω^) 「・・・ちょっと違うお・・・」

('A`) 「・・・・・・・・・」



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 17:35:12.45 ID:qqy4IyZ/0
  
人っ子一人いない病院の中庭
ブーンは車椅子に体を預け、夕日に染まる大樹を眺めていた

( ^ω^)「みんな、避難しちゃったんだお・・・」

ここまで車椅子を押してきた('A`)はブーンと隣に立ち、同じ風景を眺めていた

('A`) 「君ガ目覚メル3日前ニハ、コノ辺一帯ノ避難ハ終ワッタヨ」

( ^ω^)「僕は置いていかれたお?」

('A`) 「違ウヨ 重症患者ハ優先的ニ避難サセラレルヨ デモ君ハ
    意識ノ無イハズノ君ハ、連レテ行カレソウニナルト、看護士サンノ手ヲ振リ切ッテ
    無意識トハ思エナイ ブゥーーン デ、マタ病室ニ戻ッチャウンダ
    マルデ大切ナものヲ置イテイクノヲ嫌ガルヨウニネ」

( ^ω^)「大切な・・・もの・・・」

('A`) 「・・・・・・ワカルダロ?」

( ^ω^) 「・・・・・・・・・うん!」



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 17:40:44.35 ID:qqy4IyZ/0
  
( ^ω^) 「でも、どうして('A`)は僕と一緒に残ったお?」

('A`) 「目覚メタ時ニ説明役ガイナイト困ルダロ?君モ・・・・・・・・・・筆者モ」

( ^ω^)「え?」

('A`) 「ナンデモナイヨ ソレニサ 僕モ大切ナものヲ置イテイケナカッタンダ」

( ^ω^)「?」

('∀`) 「大切な、友達をね」

( ^ω^)「('A`)・・・」

('∀`) 「・・・・・・・・・」

( ^ω^) 「うぇwwwテラ臭スwwwwうぇwwwww」

('A`) 「・・・・・・・・・」



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 18:36:11.96 ID:qqy4IyZ/0
  
その夜、澄み渡る星空の下、ブーンと('A`)はささやかな晩餐を開いた

( ^ω^)「メインディッシュが缶詰かお せめて豚丼喰いたいお」

('A`) 「世界中デ都市機能ガ麻痺シテルンダカラ、食べ物ガアルダケアリガタイヨ」

( ^ω^)「そうなのかお・・・・・・・・。」

('A`) 「ドウシタノ?考エゴト?」

( ^ω^)「ツンはなにをしたいんだろ?」

('A`) 「ウーン、実ヲ言ウト、未ダニコノ侵略ノ目的ハ不明ナンダヨネ
    「アレ」カラノコンタクトガアッタトイウ話ハ聞カナイシ
    都市機能麻痺ヤ軍事施設ヘノ攻撃ハアッタケド
    世界規模デ見ルト人的被害ハ驚クホド少ナインダ
    ムシロ、今デハ被災地デノ略奪ヤ殺人ナドデノ死傷者ノ方ガ多クナッタクライナンダヨ」

( ^ω^)「・・・なんだか悲しいお・・・」

('A`) 「・・・ソウダネ・・・」



66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 18:36:58.56 ID:qqy4IyZ/0
  
('A`) 「コレカラドウスルノ?」

( ^ω^)「・・・ツンの所へ行きたいお・・・でもこの火傷じゃブゥーーンで飛べるかわかんないお」

('A`) 「・・・一緒ニ避難シナイ?」

( ^ω^)「お!?」

('A`) 「マダ逃ゲ遅レタ人ノタメノ避難ヘリガ定期的ニ来ルンダ ソレニ乗レレバ・・・」

( ^ω^)「でも・・・ツンが・・・」

('A`) 「・・・判断ハ君ニ任セルヨ・・・」

( ^ω^)(僕は・・・僕は・・・)



68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 18:56:06.67 ID:qqy4IyZ/0
  
翌朝、ボクが目覚めるとブーンはいませんでした
これがブーンの出した答えなんだと、自分に言い聞かせましたが
ちょっと泣いてしまいました
もう二度とブーンに会えない気がしたから・・・

避難ヘリに乗り込んで、遠くなっていく大樹を窓から眺めていたら
また涙が出てきてた
ハンカチで拭おうとポケットをまさぐったらクシャクシャになった紙切れが出てきました
象形文字のような独特の筆跡でわかりました
ブーンの手紙でした


 でいあ ('A`)どぬ

 おお友だちよ 友だちよ ああ友だちよ 友だちよ
 ごめんだお 手紙なんて書いたこと無いからナニ書けばいいかわからんお
 といあえづ 思つたことを書ちますですごぢいます
 ('A`)はボクのちい高の友だちだお
 ちみがそばにいてくれてうれJかつたお
 そんな犬切な友だちだから、ちみはひなんJてくだちい
 ボクは行>お シソともう一どはなJがJたいお

 q s
 犬切な友だちといってくれたとちに、笑ってスマンカッタお
 ほんとはヨッタウレシスwwwだったでござるます


読み終わってまた涙が溢れてきた
どれだけ拭っても止め処ない涙が



69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 19:16:47.24 ID:qqy4IyZ/0
  
ブーンは大樹を臨む幹線道路に立っていた
障害物も無く、助走には持ってこいの滑走路であった
だがブーンの顔には、いつもように飛び立つ前の笑顔は無かった
包帯だらけの体
自衛隊の戦闘機でさえ歯が立たなかった大樹の防衛網
そして、例え辿り着けても、ツンは話してくれるだろうか
山のように積み上がる不安材料は重くブーンにのしかかった

( ^ω^)(いかんお・・・こんなんじゃ飛べないお・・・)

( ^ω^)(ボクは飛ぶお・・・ボクは飛べるお・・・)

( ^ω^)(ボクは・・・ボクは・・・)

⊂( ^ω^)⊃「ツンに合いたいおぉーーーーーーー!!」


ブゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーン!!! ⊂二二二( ^ω^)二⊃  

ブーンはありったけの思いを込めて走り出した
走り出してすぐに包帯は解けて風に舞った
火傷の傷が激しい風圧にひどく痛んだ
涙が溢れた
だが足を止めることはなかった
だが手を下げることはなかった
走って、走って、泣いて、泣いて
そして



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 19:20:16.25 ID:qqy4IyZ/0
  
  
     ⊂二二二( ^ω^)二⊃
           |    /       ツン!今いくおー!!!
            ( ヽノ
            ノ>ノ 
           レレ









抜けるような蒼天に吸い込まれていくようにブーンは飛び立った



73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 19:49:03.82 ID:qqy4IyZ/0
  
ξ゚听)ξ「・・・? 今、ブーンの声が聞こえたような・・・」

ξ゚听)ξ「・・・気のせい・・・だよね・・・」

ξ゚听)ξ「だって・・・ブーンは・・・私が・・・」



75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 20:10:51.62 ID:qqy4IyZ/0
  
傷の痛みに耐えながらもブーンは飛び続ける
しかし目指しているはずの大樹には一向に近づいてる気がしない

( ^ω^)「デカ過ぎて距離感が狂うお・・・」

改めてその現実離れした巨大さを目の当たりにし
背筋に冷たいものが流れるブーン

( ^ω^)「しかも辿り着いても直径45kmの幹だお
      ツンを探せるのかお・・・お?」

気が付くと、大樹の枝先には無数のキラキラ光るものが見える

( ^ω^)「綺麗だお・・・まるでクリスマスツリーだお・・・」

ベジータ 「ブーン、避けろ!!!」

咄嗟に、わけもわからず急降下するブーン
直後、先程までブーンがいた空間を枝先から放たれた白い光線が薙ぎ払った

( ^ω^)「あ、危なかったお・・・そうか、これが自衛隊が突破できなかった防衛網だお!」

紙一重で攻撃を避けた恐怖から一転、ブーンの胸には希望の炎が灯った

( ^ω^)「防衛網が発動するってことは、それだけ近づいた証拠だお!」

ブーンは一層に速度を上げ、大樹目掛けて飛ぶ

( ^ω^)「もうちょっと・・・もうちょっとなんだお!」



81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 20:26:41.46 ID:qqy4IyZ/0
  
ブーンが近づくにつれ、散発的だった怪光線も
じょじょにその発射頻度を増していき
ブーンの視界が化け物じみた巨幹で埋め尽くされる頃には

( ^ω^)「ちょwwwおまwwwwww」

もはやブーンに大樹に近づいていることへの喜びを感じる余裕はなかった
息つく暇もなく襲い来る光線の波状攻撃に上へ下へ、右へ左へと
死に物狂いで逃げ続けていた
だが決して後へ下がる選択だけはしなかった

( ^ω^)「下がれば遠のくお ツンが遠くへ行ってしまうお 絶対に辿り着くお!」

ここでブーンは一か八かの賭けに出た

( ^ω^)「にょぉぉぉぉぉぉぉるぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

自由落下に近い速度での垂直下降 一転、激突寸前で引き起こし
そこからは地面スレスレの低空飛行へ切り替えた
ブーンに航空戦闘の知識があるわけではない
ただ、以前に映画で見た「こうすれば避けやすい」という場面を思い出したのだ
これにより、少なくとも回避は上方からの攻撃に集中でき
時には遮蔽物の陰を飛ぶことで光線を防ぐことができた
眼前に巨大な幹の壁面が迫ってくる・・・



86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 21:12:45.48 ID:qqy4IyZ/0
  
( ^ω^)「うぅう・・・顔が痛いお・・・」

目の前で星が廻るという状況を実体験するブーン
クラクラする頭で状況整理を試みる

( ^ω^)「え〜っと光線避けたお 一生懸命飛んだお 気付いたら幹が目の前にあって・・・
      慌てて急上昇したら今度は枝があって・・・」

一つ一つの事柄を指折り確認していき、突如ガバッと跳ね起きた

( ^ω^)「ここは何処だお!?」

ξ゚听)ξ『枝の上よ』

( ^ω^)「!!?? ツン!?ど、何処だお?出てこいお!」

返事は無く、代わりにブーンが引っかかっていた枝に白い燐光が灯る

ξ゚听)ξ『光に着いていって』

姿の見えないツンの声に促され、ブーンは恐る恐る光る枝の上を渡っていく
最初の内こそ、細い枝に足下がおぼつかなかったブーンだが
枝は幹に近付くに連れ太くなり、1時間ほど歩いた頃には
大人20人が横に並んでも充分に余裕がある幅にまでなっていた



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 21:31:02.17 ID:qqy4IyZ/0
  
大樹の枝を渡る内にブーンはあることに気が付いた

( ^ω^)「枝も葉っぱも、よく見ると金属だお・・・」

ξ゚听)ξ『そう・・・我らと植物は組成こそ違うけど
      種としての類似点が多かったわ だからここに在る期間は
      その姿を模倣させてもらったの』

( ^ω^)「??? ツンが何を言ってるかわからないお
      いい加減、姿を見せてほしいお」

ξ゚听)ξ『ようするに、過ごしやすいように服を替えたの
       姿の方は・・・ホラ、もうすぐよ』

( ^ω^)「お?」

ツンの声に視線を移すと、今まで歩いてきた枝は遂に幹へと辿り着き
その付け根の部分には見覚えのあるドアが場違いに取り付けられていた

( ^ω^)(ツンの部屋のドアだお・・・)

ξ゚听)ξ『入って』

ゴクリとやけに固く感じるツバを飲み込み、ブーンはドアノブに手を掛けた



93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/25(火) 21:54:51.49 ID:qqy4IyZ/0
  
目の前に広がる光景にブーンは言葉を失った
机やベッドの位置、カーテンの色合い
ブーンが趣味が悪いと馬鹿にした手描きの?マーク付きの
ニコチャン大魔王のポスターまで、寸分違わず再現されていたそこは

( ^ω^)「ツンの部屋だお・・・」

ξ゚听)ξ「ようこそブーンw」

( ^ω^)「!!!」

いつの間にかツンが背後に立っていた
にこやかな笑みを浮かべるその顔には
金属膜はおろか、ニキビ一つ無い、いつものツンの顔だったが

ξ゚听)ξ「まあ、その辺に適当に座ってよ お茶でも煎れるから」

( ^ω^)「お茶なんかいらないお はやくツンと合わせてほしいお」

ブーンは精一杯の厳しい表情で目の前のツンを睨みつける
対するツンは、ちょっと意外といった目でブーンを見つめる

ξ゚听)ξ「いつわかったの?」

( ^ω^)「枝の上で話してる時お ツンは3分に1回は必ずボクをバカ呼ばわりするお
      おまえは一回もボクをバカにしてないお!おまえはツンじゃないお!!」

ξ゚听)ξ「そういう見破りかたってアリ?」

偽ツンの顔に、はにかみとも困り顔とも取れる表情が浮かんだ



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