川 ゚ -゚)クーが恋愛するようです

  
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 22:35:02.15 ID:N14RPfK0O
  

第4話 ドクオは空気読め

一方、その頃のクーはベッドの中で、文字通り頭を抱えていた。

川 ゚ -゚)「頭痛い…」

ガンガンするその痛みは止まることを知らない。
薬を飲んで、安静にしていたのだがすぐには治まりそうもない。

PCをつけたもののネトゲはついていない。

川 ゚ -゚)「あー…」



  
125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 22:37:27.86 ID:N14RPfK0O
  

廃人根性も病気には勝てないか。
そう思ったけれど、気になり始めるとつけるしかなくなってくる。
まさに廃人。

手を動かすのも辛いな、なんて悠長に思いながら、ネトゲにINした。
長年愛用しているPCは廃スペック。
主人に負けず劣らずだ。

川 ゚ -゚)「ドクオがいる…」



  
127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 22:42:19.21 ID:N14RPfK0O
  

ドクオもこちらに気づいたのか、すぐに囁きを送ってくる。

ドクオ『くぅ、よかったら今度の連休中会ってくれないか?』

思わずクーは倒れそうになった。INするんじゃなかった
こんなところで廃人根性発揮するんじゃなかった。
私のバカバカ。

こいつは私の囁きを読んでいなかったのだろうか?

川;゚ -゚)「あぁ…、色んな意味で頭が痛い」

熱が上がったような気がした。
クーは動かない手を無理矢理動かし、必死に打った。



  
131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 22:46:00.20 ID:N14RPfK0O
  

くぅ『何日がいいの』

どうせこの熱だし、数日間は熱も下がるまい。
約束するくらいなら…。
クーはこの安直な考えで後々後悔することになる。
この返事の後のドクオの喜びと言ったら、本当に半端なかった。
一人でずっと喋り続け、クーのチャットなんてすぐ流されてしまった。

メアドから電話番号、あとドクオの今の喜びを延々と聞かされ、クーは本当にふらふらになった。



  
132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 22:48:34.52 ID:N14RPfK0O
  

ドクオ『じゃあ、29日に会おうな!!詳しくはまたメールで話そう』

川;゚ -゚)「勝手に盛り上がるな。人の状態を気にしろ」

言ったものの、向こうには自分の状態は見えるわけでもなく、いつもよりチャットが遅い。
といったくらいしか把握できないので、悪態をついても無駄なのだが。

くぅ『すまない…今日はもうこれで落ちる』
ドクオ『今日は早いな?何か明日あるのか?』
くぅ『具合が悪いのだ』
ドクオ『え、大丈夫……じゃないか。ちゃんと暖かくして寝ろよー』



  
133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 22:50:04.85 ID:N14RPfK0O
  

これだけのためにINしたのかと思うと、疲れが溜まっただけで意味がなかった。
クーは大人しくベッドに入り、ちゃんと服も着て極力暖かくし、熱さまシートなるものも貼り眠りに着いた。






そんなクーの、その日の夢はネトゲ内でドクオと狩りする夢だった。



  
135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 22:52:18.73 ID:N14RPfK0O
  

母「クー、大丈夫?起きられる?」

母が心配そうな顔でクーの顔を覗き込んでいた。
時計を見ればもう昼を回っていた。

母「おかゆ食べられるかしら?」

その横で、飼い犬たちも顔を覗かせている。

川 ゚ -゚)「あぁ、大丈夫」

昨日に比べたらマシだ。学校に行ったり、ドクオと喋ったりしたから…

そこまで思い出して、枕横の携帯を掴み取る。



  
136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 22:55:15.76 ID:N14RPfK0O
  

母「元気みたいねー。でも今日はちゃんと寝ておくのよ?あと熱も測って」

母はそれだけ言うと下の階へと降りていった。
渡された体温計を腋に挟み、携帯の液晶を見る。


『メール新着三件』

二件はツンとしぃからのメール。
もう一件は、悪夢のドクオメール。
長々と書かれた文は要約すると
具合は大丈夫か?はやく会いたい。あとはドクオの近状。

クーは苦笑いするしかなかった。
昨日の自分は、今まで生きてきた中で最高にバカな事をした自分NO.1だ。



  
138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 22:57:06.60 ID:N14RPfK0O
  

ところ変わってドクオ。

休憩時間の今、携帯を握り締めまだかまだかと返事を待っていた。
エサを待つ犬のように爛々と目を輝かせ、今の唯一の連絡手段を宝物のように扱った。

そんなドクオの気持ちに気づいたように、クーからの返事があった。

それは極短く、飾り気のないメールだったが、ドクオを喜ばせるのには充分だった。



  
144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 23:08:56.68 ID:N14RPfK0O
  

『まだ少しダルいが微熱程度なので、平気だ。29日、私も会えるのが楽しみだ』

それにプラスして犬の写真も添付されていた。

(*'A`)「くぅちゃんにあいてえええええええええええ」
休憩室で叫ぶドクオ。
その様子をみた女医に睨まれて、申し訳なさそうな顔を見せつつも、ニヤけは止まらなかった。

ドクオは胸の高鳴りを抑えながら、返事をしようと小一時間ほど悩み悶えた。

その悩み悶え、へれへれとする様は
病院関係者だけでなく、患者にまでも「ついに脳がイカれたか」と、ちょっとした騒ぎを起すことになった。



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