川 ゚ -゚)クーが恋愛するようです
- 2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:17:03.41 ID:ZfJpELLXO
- 第5話 友達とドクオ
27日
着々とドクオとの約束の日が近づいている。
廃人で引き篭もりだとばかり思っていたのに、思い立ったら即行動なドクオにペースを乱されている。
利用するどころか、逆にいいようにされている気さえする。
会うのは問題ないのだが、リアルでも付き合うとなると話が違う。
ドクオが例え、どんなに魅力的な男であってもだ。
今までの行動から考えると、まず魅力的なんてことはないと思うが。
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:17:08.28 ID:juzeNKdW0
- そう
あの日彼女は
空から落ちてきた
「ドサ」
川 ゚ -゚) 「・・・・」
ξ゚听)ξ 「いてて・・」
川 ゚ -゚) 「大丈夫?」
ξ゚听)ξ 「腹・・減ったなぁ・・」
川 ゚ -゚) 「・・・。」
綺麗な髪はブロンドのようで
風になびかせてみれば
ゆらゆらとゆれる蜃気楼のようで
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:19:04.04 ID:ZfJpELLXO
- 朝、ドクオからメールがきていた。
頑張った感のあるメールの内容に、愛らしさを感じた。
会えることにここまで率直に喜ぶ人間がいるのだなと、同時に関心もした。
川 ゚ ー゚)「本気で私のことが好きなんだろうな」
ドクオという存在が少しだけ面白く思えた。
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:21:44.48 ID:ZfJpELLXO
ξ゚听)ξ「大丈夫なのー?」
クーは微熱があったけれど、今日は学校に行くことにした。
無理はしないのよと母に言われたが、微熱なら何てことない。
教室に入るなり迎えたのはツンだった。
川 ゚ ー゚)「平気だ。それよりノート見せてもらえるか?」
ξ;゚听)ξ「私がノートとってるわけないでしょ。しぃちゃんに頼んでよ」
川 ゚ ー゚)「高3にもなってノートもとらないのか…」
ξ゚听)ξ「とらないわよ」
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:24:29.48 ID:ZfJpELLXO
(*゚ー゚)「クーちゃんおはよう」
他愛もない話をしている途中、ツンが提案した。
ξ゚听)ξ「GW中、お祭りがあるの。行かない?」
(*゚ー゚)「そうだねぇ。あっちこっちでお祭りやるみたいだもんねー」
川 ゚ -゚)「お祭り?」
ξ゚听)ξ「そう、29日とかどう?空いてない?」
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:30:03.13 ID:ZfJpELLXO
29日、空いていると言えば空いている。
空いていないと言えば空いていない。
ドクオとの約束はキャンセルするつもりだったけど…。
クーの中で微妙な葛藤が生まれていた。
付き合うつもりはない。それでも会ってみたい。私のペースを乱す男に。
川 ゚ -゚)「すまないが、その日は予定がある。他の日はどうだろう?」
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:31:37.03 ID:ZfJpELLXO
思わせぶりな態度はドクオを傷つける。
クーはそれを承知で言った。
思わせぶりな態度ならゲーム内でしたし、今更だ。
クーの中で何かが、善良な心に勝った。たぶん、ドクオへの興味か。
授業中、ドクオへメールをした。
29日にどこで何時に会うか。
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:33:49.44 ID:ZfJpELLXO
川 ゚ ー゚)「………」
質素な内容のメールを、クーは少しにんまりした顔で送った。
ドクオからの返信はすぐにはなかった。
仕事をしている人間だし、そんなものかと思い携帯をしまう。
そのとき、ドクオはまだ寝ていた。
クーのメールなど知ることもなく。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:35:19.24 ID:ZfJpELLXO
ドクオは起きてから狂喜することになる。
そんなこんなで休み時間になりクーは重大なことを思い出した。
川;゚ -゚)「あー忘れてた」
その場ですぐ携帯を取り出す。
『習い事があるのを忘れていた。18時以降から会おう』
乗馬があるのを忘れているとは、相当どうかしていたのではないかと思う。
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:40:25.55 ID:ZfJpELLXO
川 ゚ -゚)(ドクオと会えるから浮かれていた?そんなことはない。
たまにはこんなこともある。人に失敗はつきものだ。)
無理矢理、自分で納得し携帯を握り締めた。
そのメールでドクオは目を覚ました。
何と目覚めの良い朝なんだろうと狂喜乱舞した。
(*'A`)「めええるうううううううwwwww」
外のスズメはドクオの大声に何事かと、狂乱している。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:43:53.61 ID:ZfJpELLXO
('A`)「習い事ってなんだろう」
そう思ったことをメールにし、即返信した。
クーからは『乗馬』とだけ書かれたメールがきた。
単語で送ってくるくぅにSの気を覚えながら、妄想にふける。
(*'A`)「フヒヒヒヒwwww」
即、返信したところでドクオは身支度を整え始めた。
授業中、そのメールにも気づかずに熱心に勉強を続けたクーは、昼休み
ドクオのメールに少々動顛することになった。
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:46:24.77 ID:ZfJpELLXO
川;゚ -゚)「予測の出来ないやつだ」
クーはまた独り言を言った。
しぃは気にしないようにしたが、ぶつぶつ言われると何の事か気になった。
(*゚ー゚)(あとでツンちゃんに聞いてみよう)
クーと付き合いが長いのはツンだったし『予測の出来ないやつ』について、知っているかもしれない。
(*゚ー゚)(ふふ、クーちゃんを焦らせる人って誰かしら)
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:49:10.61 ID:ZfJpELLXO
その日、それぞれにとって色々な意味で充実した日となった。
『見に行きたい』
川;゚ -゚)(ドクオに普通を求めるのはやめよう…)
『18時以降に会おう』と言ったのだから、それに対して『わかった』の一言だけを求めていたのだ。
クーは何だかんだ言いながらも、習い事の場所と何時から開始なのかを知らせておいた。
わかりにくい場所にあるのと、駅から遠いことから来られるか心配になった。
川 ゚ -゚)「……でもまぁ、そこまで心配する筋合いもないな」
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:51:26.83 ID:ZfJpELLXO
その詳しい場所と時間を知らせるメールへの返事がなかった。
仕事…だろうか。
トイレ前
そこにいるのはツンとしぃ。
しぃはくすくすと笑いながらツンにその話を始めた。
(*゚ー゚)「クーちゃん、授業中によく独り言、言うんだけど、知ってる?」
ξ゚听)ξ「あぁ、癖みたいねー」
(*゚ー゚)「『予測出来ないやつだ』って、突然言い出したの」
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:53:58.07 ID:ZfJpELLXO
しぃは小首を傾げながらツンへ顔を寄せるように指示した。
(*゚ー゚)「彼氏、出来たんじゃない?」
ξ;゚听)ξ「まさかそれはないと思うけど…?」
(*゚ー゚)「そうかなぁ?ツンちゃん知らないの?」
ξ゚听)ξ「何も聞かされてないわよ」
しぃは残念そうに唇を尖らせたが、事実、ツンは何も知らされていない。
ξ゚听)ξ(もし、クーに彼氏が出来たなら…)
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 16:57:15.69 ID:ZfJpELLXO
クーは不器用だ。
周りからの期待に応えようと、いつも完璧を演じている。
隙を見せない子でもある。
ξ゚听)ξ(これは確かめなきゃね…)
しぃにも確認してみるとだけ告げ、何か変化があったようなら教えると耳打ちした。
帰りのホームルームが終わり、ツンはクーへ声をかけた。
ξ゚听)ξ「一緒帰ろう?」
川 ゚ -゚)「ん、一緒帰るのは久しぶりだな。行こうか」
クーは何も疑う事無く、ツンと帰路を共にした。
二人とも電車通学だ。駅につくまでの間、ツンは決意して口を開いた。
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 17:00:21.68 ID:ZfJpELLXO
ξ゚听)ξ「彼氏…出来たりした?」
川;゚ -゚)「…そんなことはない」
クーは迷った。あれを彼氏と呼べるのか?ネット上だけだ。
彼氏なんかじゃないはずだ…。
最近、その彼氏でない者を気にしつつもあるが。
ξ゚听)ξ「そう?…でもね、黙ってなくていいんだよ。誰かと付き合うようになったら言ってね」
ツンは続ける。
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 17:03:08.83 ID:ZfJpELLXO
ξ゚听)ξ「クーは不器用で恋愛したことないし」
ξ゚听)ξ「意外とバカなことも、いつも頑張ってることも私は知ってるよ」
川 ゚ -゚)「……ツン」
ξ゚听)ξ「いい?絶対教えてよね!」
川 ゚ ー゚)「あぁ。言うよ」
ツンはいい子だ。
ちゃんと私のことを見てくれているんだな。
そう実感した。
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 17:04:57.96 ID:ZfJpELLXO
ドクオ、君のことは彼氏とか思ってないから、ツンには君のこと言わないけど、感謝する。
ツンが私を見てくれてるって、気づかせてくれた。
別々の方向だから、ホームで別れを言い、クーは電車に乗り込んだ。
帰ってから、ドクオとゲーム内で遊んだ。
少しの時間が経ち、つまらなさを感じた。
川 ゚ -゚)「そろそろゲーム飽きてきたな。元々、引退しようとしたところを連れ戻されたんだし。」
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 17:06:42.66 ID:ZfJpELLXO
クーは早々に引き上げ、ベッドに寝転がった。
ベッドには飼い犬が丸くなって寝ていた。
一撫でだけして、パジャマと下着を持ってお風呂場へ向かう。
川 ゚ -゚)「先に入るよ」
お母さんに言ったら「うーん」とだけ気だるげな返事が戻ってきた。
お風呂は小さい頃嫌いだった。 オバケがいるような、そんな気がして一人で入れなかった。
今ではそんな事もないし、お風呂は好き。
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 17:08:46.52 ID:ZfJpELLXO
髪や体を洗いながらドクオのことを思い描いた。
少し胸の辺りが締め付けられる。
クーはこの気持ちを何なのか知らない。
川 ゚ -゚)「ドクオ………」
湯に浸かり、腕を浴槽にかける。
広い浴槽。波打つ湯の表面。
クーはそれをじっと眺めた。
川 ゚ -゚)「早く寝よう」
胸の辺りが気持ち悪い。
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/04(金) 17:09:22.64 ID:ZfJpELLXO
何なんだ。
戻る/第6話