川 ゚ -゚)クーが恋愛するようです
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 12:48:50.41 ID:rijPwlqcO
第7話 偽り
お風呂でさっぱりしたクーはPCもつけずにベッドに入った。
ただ携帯を枕横に置き、ドクオからの電話を待った。
川 ゚ -゚)「ドクオ…君は思ったよりずっと魅力的だ」
うつ伏せになり、枕に肘をついて手で顎を支える。
携帯を眺めながらクーはドクオを想う。
川 ゚ -゚)「廃人だ、不審者だ。なんて思っていたから、より良く思えるのかもしれないな」
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 12:50:54.56 ID:rijPwlqcO
全然かっこいいところなんて、何もないのに。
何故だ。どうして。
川 ゚ -゚)「運命?そんな陳腐なものじゃないさ」
川 ゚ -゚)「……もっとドクオを見ていたかった」
自然と漏れるその言葉はクーの本心。
枕に顔を埋めて深く溜息をついた。
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 12:52:56.20 ID:rijPwlqcO
川 ゚ -゚)「惹かれている?そんなはずない…」
自分に言い聞かせる。
言い聞かせるのは、弱い自分、何も出来ない自分を隠すため?
川 ゚ -゚)「…言い訳に過ぎない。そんなの通じないな」
川 ゚ -゚)「いままで付き合わなかったのは、人と壁を作って逃げいていた…怖かっただけだ…」
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 12:54:43.31 ID:rijPwlqcO
どうしてこんなに苦しいんだろう。
どうしてドクオは私の心を変えていくんだろう。
川 ゚ -゚)「でも、この仲は─────…」
クーはそんなことを考えている間に寝てしまった。
虚しく鳴り続ける携帯に出る人間はいなかった。
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 12:56:40.26 ID:rijPwlqcO
ドクオは朝から昨日のことを思い出していた。
('A`)「馬に乗ってるクーはすごく格好良かった」
あれはもう一回見てみたい。
そう思わせる何かがあった。
('A`)「あとは笑顔がもの凄く可愛かった。チョコアイスを分けてくれる天然だった」
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 12:58:20.14 ID:rijPwlqcO
('A`)「………それと想像よりずっと若かった」
いつもと同じ朝なのに、スズメは鳴いていなかった。
カーテンを開けてみても見当たらなかった。
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:00:05.32 ID:rijPwlqcO
川 ゚ -゚)「ツン、今いいか?」
ξ゚听)ξ「なぁにー?」
ツンを教室から予備教室へと連れて行く。
ツンは理解できないといった顔で、クーを見上げた。
クーは教室内にある机の上に座る。
少し離れた机に、ツンも同じように座った。
俯いて足をぶらぶらさせながら、クーは口を開く。
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:01:54.50 ID:rijPwlqcO
川 ゚ -゚)「恋って何なんだ」
唐突な質問。
クーは訥々と言葉を紡いでいった。
川 ゚ -゚)「私は不器用だ」
ツンは黙ってそれに耳を傾けた。
授業開始の鐘が鳴り響いている。
それすらも耳に入らないくらい、クーの言葉は真摯にツンに届いた。
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:04:30.66 ID:rijPwlqcO
川 ゚ -゚)「ツンは昔から気づいていたみたいだが、私は今まで、自分を偽っていた」
ξ゚听)ξ「………」
川 ゚ -゚)「人の期待に応えようと頑張っていた。『何だ、こんな奴なのか』『期待外れ』
なんて言われるのが怖かったんだ。嫌われたくなかった。
弱い自分を隠そうと、必死になった。それを暴く人間が現れるのは嫌だった」
ξ゚听)ξ「ばか」
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:06:54.43 ID:rijPwlqcO
川 ゚ -゚)「うむ…」
ξ゚听)ξ「ばか」
ξ゚听)ξ「そんなことしなくたって、全部受け入れるよ。
そういう弱い部分も全部ひっくるめてクーなんだよ?私は全部ひっくるめて大好き」
川 ゚ -゚)「あぁ…そうだな」
ξ゚听)ξ「もちろん、友達としてよ?」
分かっているさとクーは笑う。
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:10:38.90 ID:rijPwlqcO
川 ゚ -゚)「それを暴く人間が現れるのが嫌だったなんて、バカみたいだ」
川 ゚ -゚)「ただ、人と向き合うのが怖かっただけだと思う。
そんな言い訳にくるんで…人と距離を置いた」
ξ゚听)ξ「ほんとーにバカねぇ」
呆れたとばかりにクーにデコピンする
こんなにバカバカ言われたのは生まれて初めてだった。
クーは心から笑った。
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:12:51.61 ID:rijPwlqcO
そして、こんなにも人として、友達として想ってくれている
親友に伝える。
川 ゚ -゚)「好きな人が出来たんだ」
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:15:43.37 ID:rijPwlqcO
川 ゚ -゚)「でも耐えられるか分からない」
自嘲気味に零す。
ξ;゚听)ξ「え?」
窓から射す朝陽が、2人を照らした。
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