ノパ听)は奮闘するようです

50: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:25:42.48 ID:neRSr2wS0
ノパ听)<第二話!!


目の前にあるのは、大量の段ボール箱。
俺は、カーチャンと一緒に、それを眺めていた。


('A`)「お母様」

J( 'ー`)し「なんでございましょう」

('A`)「一体このダンボール箱はなんなんでしょうか?」

J( 'ー`)し「ヒートちゃんの荷物よ。
      今日からここで暮らすから、荷物を出すのを手伝ってあげてね」

ノハ><)「よろしくね☆ドクオ!!」


今日は、日曜日。
身体を休めるどころか、なぜに動かさなければならないのだろうか……。

ん?ちょっと待て。
今、カーチャンはなんて言ったんだ?



54: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:28:21.80 ID:neRSr2wS0

('A`)「お母様。今一度なんて……」

J( 'ー`)し「ヒートちゃん、ここで暮らすのよ」


俺は耳くそをとり、冷静に考える。
大丈夫。まだあわてるような時間ではない。


('A`)「え〜と……、もう一度……」

J( 'ー`)し「うっせーな。だからお前は彼女できないんだよホーケイが」

(;A;)「………」


いるもん!!
彼女ならちゃんといるもん!!(二次元に)



58: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:31:08.26 ID:neRSr2wS0

それから、カーチャンに説明を受け、やっと状況を理解した。

どうやら、ヒートは本格的にここで暮らすらしい。
ちゃんと高校に、転校手続きを済ませたようだ。

嫌な予感は当たり、俺と同じ高校だそうで。
明日から一緒に登校しろとのこと。

んで、今なにをやっているかというと、
空き部屋にヒートの荷物を入れているところだ。


('A`)「ヒート、これ、ここでいいのか?」

ノパ听)「いいよおおおおおお!!そこにおといてええええええ!!」


俺が荷物を運び、ヒートが部屋を装飾する。
その作業も、大分片付こうとしていた。



60: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:33:44.69 ID:neRSr2wS0

('A`;)「ふぅ〜、この荷物で最期か」


最期の荷物を、適当なところに置いとく。

やはり、女の子だからなのだろうか。
ところ狭しと、人形が置かれていた。


('A`)「ヒート、俺も手伝ってやるよ」

ノハ;゚听)「ちょ、その箱はあああああああああ!!」


目の前にある、少し軽めの段ボール箱を開ける。
そこから出てきたのは、ヒートが着ているだろう下着だった。



62: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:36:21.34 ID:neRSr2wS0

('A`)「……ヒート」

ノハ///)「な、なに……?」


貴様、朝のことを忘れてはいないだろうな?
お返しとばかりに、俺はヒートに向かい、口を開く。


('A`)「高校生で、ひよこパンツってどうかと思うぞ」

ノハ;゚听)「………」

('A`)「許されるのは、二次元だけだぜ?」


ヒートは、下を向いている。
心なしか、少し震えているようだ。



65: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:39:10.38 ID:neRSr2wS0


('A`)「……ヒートさん?」


いまだ俯くヒートに、俺は戸惑う。
やっと上げてくれた顔には、涙が溜まっていた。


ノハ;凵G)「でていけえええええええええ!!」


無理やり部屋から追い出される俺。
扉は、乱暴に閉じられた。


('A`)「……なんだよ、くそ」



66: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:41:39.67 ID:neRSr2wS0

気分が悪くなった俺は、家から出ることにした。

はぁ、気がつけばもう夕方か。
時折聞こえる、カラスの鳴き声がそれを告げていた。

もう、日曜日は終わりに向かっているのか。
そう考えると、今日してきたことが、馬鹿らしく感じた。


('A`)「日曜日に、俺はなにをやってるんだよ」


答えるものはいない。
カラスの鳴き声で、その呟きは消えてしまった。



67: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:43:43.56 ID:neRSr2wS0

こういう気分のとき、向かうところは決まっている。

俺は、疲れた身体に鞭をうち、足を進める。
次第に現れるその光景は、息を呑むものがあった。


('A`)「いい景色だ……」


オレンジ色が、海を染めていた。

なんて綺麗な風景なのだろうか。
普段、こういう感傷に浸らない俺にも、唸らせるくらい素晴らしい光景であった。

砂浜まで歩き、海辺へ行く。
歩くたびに、食い込む砂。波音が、なんだか心地よく聞こえた。



69: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:45:59.07 ID:neRSr2wS0

自然が織り成すハーモニーを前に、俺は座る。

胡坐を掻き、行儀悪くその光景を見る。
畜生、飲み物でも買えばよかったな。そう思ったときであった。

後ろから声をかけられたのは。


ノハ;゚听)「探したん……だよ?」


ヒートは、額に汗を垂らし、息も上がっていた。
どうみても走ってきたであろうその姿に、俺は呆然としていた。


ノハ;゚听)「となり、座ってもいいかな……?」


その声は、なんだか弱弱しかった。
とても、ヒートの声だとはおもえないくらいであった。



72: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:48:19.62 ID:neRSr2wS0

('A`)「あぁ、いいぜ」


ぶっきらぼうに、俺は喋る。

相変わらず、俺は損な性格をしていると思う。
そんな嫌なわけでもないのにな。


ノハ;゚听)「ありが、とう……」


ヒートは、俺のとなりに座る。
彼女からは、優しい匂いがした。



74: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:50:28.59 ID:neRSr2wS0

沈黙が続く。

俺はその沈黙が耐えれなく、立ち上がる。
ヒートは、まじまじと俺のことを見ていた。


('A`)「大丈夫。飲み物買ってくるだけだ」


その言葉に安心したのか、表情が和らぐ。
俺は、遅い歩幅で自動販売機へと向かった。


('A`)(難しいな、女の子って)


240円を入れる。
コーラをふたつ買った俺は、砂浜へ戻ることにした。

ヒートは、目の前の光景を、じっと見ていた。



75: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:52:19.41 ID:neRSr2wS0

('A`)「綺麗だろ?」


ヒートは、俺の声に反応し、ぶんぶんと首を縦に振る。
素直な奴だな、と、俺は心の中で少し笑った。


('A`)「コーラでいいよな?」


俺は、持っていたコーラをヒートに差し出す。
冷たい感触が、手を伝う。


ノパ听)「ありがとう」


一緒に、タブをあける。
久しぶりのコーラは、なんだか甘かった。



78: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:54:54.06 ID:neRSr2wS0

また、この沈黙が続くのか。と思ったとき。
ヒートは口を開く。

そこには、先程のような弱いヒートはいなかった。


ノパ听)「ごめんなさいいいいいいい!!」


突然、頭を下げる。
びっくりしたが、いつものヒートに戻ったので、俺は嬉しかった。


ノパ听)「せっかく……、せっかく手伝ってくれたのに、あんなことを言って……」


俺は、気にするなとだけ告げる。
波の音が、それを引き立てるように大きく鳴った。



79: ◆I40z/j1jTU :2007/05/24(木) 22:56:07.76 ID:neRSr2wS0

('A`)「さぁ、もう暗くなるから、帰ろうぜ」


俺は、ヒートに手を伸ばし、海を後にする。
家には、カーチャンが作った暖かい夕食が待っていた。



('A`)<第二話、終わりだ



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