ノパ听)は奮闘するようです

3: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:29:04.24 ID:hiRpkS1H0

ノパ听)<第四話!!


いつもと違う通学路。

途中、ブーンと合流し学校へ。
ヒートは俺の背後で、影のようにずっとついてきていた。

気のせいだろうか。
先ほどから、ヒートの額から汗が途絶えることはなかった。


('A`)「おい、ヒート……」

ノハ;゚听)「……どくおぉおお……」


震えるような声。

どこか、具合でも悪いのか?
きっと、あれだ。女の子の日なんだろう。

あまり気にせず、俺は歩いた。



5: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:31:38.63 ID:hiRpkS1H0

(;^ω^)「ちょ、ドクオ!!ヒートちゃん、まじでやばそうだお!!」


ブーンが指した指先には、蹲っているヒートの姿。
苦しいのか、表情は青くなっている。


('A`;)「おい、大丈夫か!?」

ノハ;゚听)「うぅうう……」


腹を押さえて、苦しんでいる。
周りをみるが、休めそうなところはない。

どうすればいいのだろうか。
俺は、普段使わない脳みそを、フル回転させる。



7: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:34:11.45 ID:hiRpkS1H0

('A`)「そうだ、京都に行こう!!」

(;^ω^)「現実逃避するなお!!とりあえず、楽な格好をさせるお」


意外にも、この状況でてきぱきと動くブーンに、俺は関心させられた。

こいつがいなかったら、今頃俺は京都に行ってたかもしれない。
あぁ、氏金時食いたかったな。あぁ、新選組ゆかりの地に行きたかったな。

って、アホか!!
俺は、ハンカチ王子御用達のハンカチを地面に敷く。


('A`)「ヒート。とりあえず、これの上に座れ」


ノハ;゚听)「ありがとう、どくお……」


顔色が優れない。
呻きながら、ヒートはハンカチの上に座った。



9: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:36:31.14 ID:hiRpkS1H0

('A`)「俺、ちょっくらそこのコンビ二に行って、飲み物買ってくるわ」


一言にそこといっても、走って5分はある。
俺は筋肉痛ということを忘れ、全力疾走で走った。


('A`;)「こりゃ完全に遅刻だな」


既に登校中の学生はいない。
ほとんどがもう学校に行ったのだろう。

言い訳を考えながら、俺はがむしゃらにコンビ二を目指した。



12: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:39:23.74 ID:hiRpkS1H0




ノハ;--)「ぶーちゃん……、どくおはどこに行ったの……?」


ぶーちゃん、というのは僕のことなんだろう。

ヒートちゃんのために、飲み物を買いに行ったと告げる。
途端、乾いた笑いがヒートちゃんの口から聞こえた。


ノハ;--)「悪いこと、しちゃったな……。もちろん、ぶーちゃんにも……」

(;^ω^)「そんなことないお。僕は全然大丈夫だお」

ノハ;--)「優しいね、ぶーちゃん……」


ヒートちゃんは、頭を下げた。

なんで下げたかはわからない。
ただ、僕には懺悔のように見えた。



14: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:41:52.14 ID:hiRpkS1H0

ノハ;--)「最低だね、私……」


眼には水が溜まっている。

だが、まだ垂れてはいない。
涙にしたくない理由があるのだろうか?


(;^ω^)「ヒートちゃんは卑屈になりすぎだお。もっとリラックスしようお」


精一杯、笑顔を出し、ヒートちゃんを元気付けようとしたが、
ついに水は垂れてしまう。


ノハ;凵G)「ごめん……なひゃい……」


彼女が謝って数秒後。
ついに、その小さな口が動き出した。



15: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:43:55.15 ID:hiRpkS1H0

ノハ;凵G)「私、前の学校で虐められてたの……」


(;^ω^)「……お?」


静寂が破かれる。

ヒートちゃんの突然の告白に、僕はただただ唖然とするしかなかった。
だが、彼女の口は動くのを止めない。


ノハ;凵G)「だから、この中途半端な時期に、私は転校してきたの……。
      みんながした虐めに、私は耐えれなくて……」

ノハ;凵G)「学校に行くのが怖くて……、心が苦しくなって……」


ついに、大声を上げて泣き出してしまう。

それは、過去の僕を見ているようだった。
小学校のときの僕を。



17: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:47:15.33 ID:hiRpkS1H0

( ^ω^)「僕は、ヒートちゃんの気持ちがよくわかるお」

ノハ;凵G)「……え?」


泣き声は止まった。

いや、止まっているのではない。
僕の声を一字一句漏らすまいと、必死に堪えているのだ。


( ^ω^)「僕も、小学校のとき少し太ってるからって、虐められていたんだお」


そう、何度この体系を恨んだことか。
あのときの僕は、なんでもかんでも自分に卑屈になっていた。

今のヒートちゃんみたいに。



20: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:50:21.37 ID:hiRpkS1H0

( ^ω^)「クラスでは、僕は空気のように扱われていたんだお」

ノハ;凵G)「そう……なの……?」

( ^ω^)「だおだお。何度も死のうと思ったお」


そう、何度も。

でも、結局僕は死ななかった。
それは、一番辛いときに彼が引っ越してきたから。

僕の、救世主だった。


('A`)「ドクオといいます。よろしくお願いします」


それが、ドクオとの出会いだった。



22: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:52:48.02 ID:hiRpkS1H0

窓際の一番後ろの席。
僕の隣に、ドクオの席はあった。

僕の汚い机とは違い、真新しいその机。
少し、羨ましく感じた。


('A`)「これから、よろしくな」

( ´ω`)「……お」


素っ気なく答える僕。
これで良いんだ。僕と関わると、彼も虐められるのだから。

しかし、自分の気持ちに嘘はつけなかった。
友達が欲しいという、純粋な気持ち。



23: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:54:40.82 ID:hiRpkS1H0

('A`)「君も、サッカーが好きなんだ?」

( ^ω^)「そうだお。あと僕のことは、ブーンって呼んでくれお」

('A`)「内藤ホライゾンが名前なのに?」

( ^ω^)「家族が皆、僕のことをなぜだかそう呼んでるんだお」

('A`)「把握した。じゃあ俺はドクオで」

( ^ω^)「そのまんまじゃないかおwwww」

('A`)「うっせwwww」

( ^ω^)「おっおwwwフィーゴのドリブルは眼を見張るものがあるおwww」

('A`)「フィーゴもいいけど、俺はネドベドが好きだな」



26: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:56:41.69 ID:hiRpkS1H0

お互い、好きなものが共通だと直ぐに仲良くなれる。

僕たちが仲良くなるのは、そう時間は必要としなかった。
そして、僕の顔に笑顔が戻るのも。


(,,゚Д゚)「なんの話をしてるんだゴルァ」

('A`)「サッカーの話。ギコ君はサッカー好き?」

(,,゚Д゚)「好きもなにも、サッカー少年団に入ってるぞ」

('A`)「どの選手が好きなの?」

(,,゚Д゚)「当然、フィーゴだろ!!あのドリブルはテラヤバスwww」

( ^ω^)「ギコ君も、フィーゴが好きなのかお」

(,,゚Д゚)「なんだ、ブーンもサッカー好きなのか」


こうして、輪が広がっていった。
あまりにもできすぎた話。だけど、本当の話。



27: ◆I40z/j1jTU :2007/05/27(日) 23:58:58.77 ID:hiRpkS1H0

( ^ω^)「今の僕がいるのは、ドクオのおかげなんだお」

ノパ听)「………」

( ^ω^)「ドクオのおかげで、学校が楽しく感じられるようになったお。
      だからヒートちゃんも、もっと気楽に学校を楽しもうお」

ノパ听)「楽し…む……?」

( ^ω^)「だおだお。きっと、VIP高校は楽しいお!!」


ヒートちゃんは、いつの間にか泣き止んでいた。

自分と同じ境遇を持つ者がいて、心強くなったからかもしれない。
とりあえず僕は、ほっと胸を撫で下ろした。


('A`)「お〜い!!ヒート大丈夫か〜〜!?」


ドクオが、コンビ二袋を持ち走ってくる。
ヒートちゃんはそれを見て、くすりと笑った。



28: ◆I40z/j1jTU :2007/05/28(月) 00:01:48.50 ID:bHVxhkJz0

('A`)「これ、ポカリ。よかったら飲んでくれ」

ノパー゚)「ありがとう、ドクオ。そしてぶーちゃん」

(*^ω^)「おっおっお。どういたしましてだお」

('A`)「……?あ、そうだ。ヒート、ついでにこれ買ってきたぞ」


ドクオは、袋のなかからなにかを取り出した。


('A`)「タンポンも買ってきたぞ。買うの恥ずかしかったんだからな」


場は、静まり返った。

目の前に、空条承太郎の宿敵のDIOがいた。
時が、止められている……!!


('A`)「え?え?どうしたの二人とも?」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!



31: ◆I40z/j1jTU :2007/05/28(月) 00:04:22.39 ID:bHVxhkJz0

(;^ω^)「最低だお……ドクオ……」

('A`)「どうしたブーン?あとヒート。その後ろにいるごつい人はいったい」

ノハ#゚听)「てめーは私を怒らせた」

('A`;)「ちょ……、拳を振り上げないでください!!警察を呼びますよ!?」

ノハ#゚听)「オラオラオラオラオラオラオラオラアッー!!」

(メメメメメメメ'A`)「ぎゃーーーーー!!」

(;^ω^)「アルファベットじゃあるまいし…クレイジーダイヤモンド!!」


みるみる怪我が治っていくドクオの身体。
生きていることを確認した僕は、彼の言葉を思い出した。

『スタンド使いは惹かれあう』

このVIP町に、一体なにが蠢いているのだろうか?
このとき僕は、何も知らない一人の一般市民に過ぎなかった。

当然、続きません。


('A`)<第四話完!!



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