( ^ω^)は駆動兵器を操るようです
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 18:48:06.84 ID:vA9ZN/WZ0
( ^ω^)は駆動兵器を操るようです
――2CH-V。
5年前に荒巻スカルチノフが生み出した、搭乗者の体温を感じ取るとエネルギーを発する仕組みの合金で組まれた兵器。
現在VIPには5体の2CH-Vが配備されている。
搭乗するパイロットは、いずれも、凄腕パイロットと呼ばれるような人物ばかり。
その内の二体が、なぜか二等兵に振り当てられた。
その名前は、ブーン、ドクオ。
この文書が基地に正式発表された時は、ブーン達の驚きよりも、
ブーンたちがいる基地の兵士達の驚きのほうが大きかった。
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 18:50:10.74 ID:vA9ZN/WZ0
『なぜ二等兵などに2CH-Vなどを……?』
『いや、なにか考えがあるんだよ、フサギコ少将殿にも。』
『あの二人に使いこなせるのか?』
『国境会議時に配置……あと12日しかないぞ?』
もちろん、ブーンとドクオも不思議でたまらないし、どこか苛立ちはおさまらない。
フサギコが何を考えているのか見当もつかなかった。
そして、『2CH-V』の搭乗を命じられた次の日の昼休憩――。
( ●ω^)「いろいろ噂されてるお!!」
('A`)「喜んでんじゃねぇよ……まったく。」
食堂で二人、トレイを持ち並ぶ。
食堂はバイキング制なので、自分が食べたいメニューを配給している場所へ並ぶ。
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 18:52:19.53 ID:vA9ZN/WZ0
途中で何人にも声をかけられた。
もちろん同期の二等兵仲間にも、上等兵や大尉にも話しかけられた。
『お前達どんな風にして少将殿に言い寄ったんだ?』
『かぁーっ!俺も一度のってみてぇなぁ!』
(´・ω・`)「それにしても、すごい人気……といっていいのかな。」
ショボンがテーブルに食器を持ってやってきた。
('A`)「おお。ショボンか。」
('A`)「……今日から、訓練が始まるんだ。」
ドクオは少しけだるそうに言う。
( ●ω^)「今日乗るんだおね。」
('A`)「ああ。」
(´・ω・`)「そっか……頑張ってね。」
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 18:53:02.18 ID:vA9ZN/WZ0
二人は何かを覚悟したような面持ちで食事を口に運ぶ。
喉を通っても、味なんかしない。
腹は膨れても、どこか心のスキマは埋まらない。
二人は、妙な感覚を共有しているようだった。
( ゚∀゚)「よう!」
( ゚∋゚)「……体調は大丈夫か?」
('A`)「おう。ばっちりだぜ。」
( ●ω^)「乗りこなしてやるお!」
( ゚∀゚)「はは!そいつは頼りがいがあるな!」
バシバシとブーンの背中を叩くジョルジュ。
ただ背中を叩くだけではなく、どこか気合いを入れるような叩き方であった。
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 18:54:00.45 ID:vA9ZN/WZ0
( ●ω^)「痛いおww」
( ゚∀゚)「すまねぇw」
( ●ω^)「じゃあそろそろいくお!ドクオ。」
('A`)「……おうよ。」
――ブーンたちがいる基地。
VIP南部司令基地は、国境付近ということもあって、交戦数が多い。
いわゆる、前線基地のようなものである。
その中で、兵士達は国を守るため、自分を守るため、家族を守るために戦う。
この南部司令基地の兵士達は、他の司令基地と比べ、兵士のレベルが高いと位置づけされている。
それゆえ、『2CH-V』が全5体中3台も配備されている。
残りの2体は、『2CH-V』を開発した中央研究所のある研究都市ワクテカと、東部司令基地に1体ずつ配備されている。
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 18:55:13.26 ID:vA9ZN/WZ0
ドクオ達は演習棟へと向かう。
('A`)「……ブーン。」
( ●ω^)「お?」
('A`)「本当に、すまない。」
立ち止まり、またブーンに頭を下げるドクオ。
( ●ω^)「……まだいってるのかお?」
('A`)「俺が原因でお前を巻き込んだんだ。」
( ●ω^)「ブーンは、なんにも気にしていないお……。」
('A`)「だけどよ……。」
と、急に、ブーンはドクオの胸倉を掴み、引き寄せた。
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 18:56:28.70 ID:vA9ZN/WZ0
(;'A`)「!!?」
(#●ω^)「ブーンは、そんなに弱い人間かお!?」
ドクオの胸倉を掴み揺さぶるブーン。
胸倉を掴む力は強く、どこか悲しかった。
(#●ω^)「ブーンは……、ブーンはドクオより強いお。『駆動兵器』で証明してやるお。」
ドクオからバッと手を離し、ズンズンと先に歩いていってしまった。
('A`)「……ブーン。」
首元を直す。
('A`)「そうだな。俺が……弱いんだな。」
後を追いかけて小走りで演習棟へ向かう。
もう、迷いは背中には見えなかった。
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 18:57:45.21 ID:vA9ZN/WZ0
演習棟へ着くと、一人の男が待っていた。
小柄だが、筋肉質。
そして、片方の手は手袋で隠れて見えないが、ひどく黒ずんでいて、職人、といった感じであった。
( ,’3 )「フサギコ少将から聞いている。君たちが、ブーン、ドクオ二等兵だな?」
('A`)( ●ω^)「ハッ!」
( ,'3 )「私は中嶋バルケン中尉。この演習棟の棟長だ。」
( ●ω^)('A`)「よろしくお願いします!」
二人は敬礼をする。
( ,'3 )「君達のような入りたての二等兵がなぜこの『2CH-V』に乗ることになったのかは知らないが、
乗ることになった以上、本気で指導させてもらう。」
( ,'3 )「では、着いてきたまえ。」
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 18:58:59.31 ID:vA9ZN/WZ0
右手にはめていた手袋をヒラヒラと旗のように扱い、ブーンたちについてくるよう促した。
演習棟というだけあって、戦車や重火器が大量においてある。
戦場と変わらない匂いがした。
演習場の奥にどんどん入っていく三人。
そして、バルケンが口を開いた。
( ,'3 )「……君達に乗ってもらうのは、これだ。遠目でくらい、見たことくらいあるだろう?」
バルケンが壁に埋め込んであるボードのスイッチを押すと、カーテンコートのようなものが開き、ドクオたちの目の前に『駆動兵器』が現れた。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:02:07.45 ID:vA9ZN/WZ0
(;'A`)(;●ω^)「な……。」
――ドクオ達の目の前に現れた『駆動兵器』は、初見でどう表現すればいいのかわからなかった。
戦場で何回か動いているところは見てきた。
しかし、いずれも遠くから。
なぜなら『駆動兵器』の作戦行動中は、兵士にすら行動制限がしかれ、近くに寄れない。
それが今、目の前に存在している。
濃い黒の装甲が不気味な光沢を放ち、何重にも歯車のように重ねられた関節部、
大きな爪、腕から飛び出たトゲのような、一見掘削機のようにも見えるパーツ。
明らかに、今までの兵器とは違う。
全てが違う。
そして、黒に映えた赤の一つ目。
全てが自分を見詰め、見透かしているような気がした。
死神――。
こんなもの、本当に乗りこなせるのだろうか。
不安と、恐怖がドクオ達を支配した。
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:03:29.50 ID:vA9ZN/WZ0
('A`)「……。」
( ●ω^)「ちゃんと見たのは、初めてですお……。」
( ,'3 )「そうか。ちなみにこの機体は『2CH-VB』という呼称がある。
ドクオ二等兵には、この『2CH-VB』に乗ってもらうことになっている。」
('A`)「自分……ですか。」
ギュッと拳を作る。すぐに手が汗ばんできた。
でも。
覚悟は決めたんだ。
――俺は、これを扱いこなしてやる。
- 27 名前: 作者 ◆Cy/9gwA.RE 投稿日: 2007/05/25(金) 19:05:00.64 ID:vA9ZN/WZ0
( ,'3 )「ブーン二等兵は、こっちの『2CH-VG』に搭乗してもらう。」
そういって現れた機体は、一言で片付けると、スマート、であった。
曲線を強調し、メインカラーは緑。
余計なパーツを全て取り除いた究極形。
細い腕部、むきだしの関節部。
ただ、背中には巨大なブーストのようなものがついており、機動重視なのが伺えた。
( ●ω^)「これが……自分が今から乗る機体……ですか。」
ブーンはまじまじと常緑の様な鮮やかな色をした『駆動兵器』を見詰める。
足元まで歩み寄ると、より大きさが体に感じ取れた。
ブーンの身長は178cm。約1.8mで、『駆動兵器』の脚部の半分といったところであった。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:06:03.06 ID:vA9ZN/WZ0
( ●ω^)「バルケン中尉……。」
( ,'3 )「なんだ?」
ブーンは少しひんやりする『2CH-VG』に触れながら言った。
( ●ω^)「命を持っているように、思えますお。」
('A`)「命……?」
――確信も無いのに、自身に溢れたその言い方は、ドクオに違和感を持たせた。
何を言っているのだろう?
兵器が、生きている?
いや、ブーンが言うんだから、なにかある。
( ,'3 )「命……か。」
手持ち無沙汰なのか、バルケンは手袋を弄りながら話す。
( ,'3 )「荒巻博士も、そのようなことを言っていたな。」
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:21:20.60 ID:vA9ZN/WZ0
バルケンは、荒巻スカルチノフ率いる中央研究部員の一人であった。
/ ,' 3「私は、とんでもない兵器を考案してしまった。」
/ ,' 3「だが、反省などしていない。」
こう言い放ち、説明を始めた荒巻を、今でも鮮明に覚えている。そうバルケンは言った。
/ ,' 3「私が開発した、この合金。ヴィプクロメタリウム。」
/ ,' 3「バルケン君。金属とは一体どういったものか答えてくれないか?」
( ,'3 )「は、はい。硬度が高く、熱を通しやすい、鉱石等から作られた物質のひとつです。
」
/ ,' 3「そう。それが金属。では合金とはなにかね?」
( ,'3 )「複数の金属元素からなる金属、あと……金属より融点が低いのが合金です。」
/ ,' 3「ふむ。そこで私の開発した合金。ヴィプクロメタリウムのデータを見て欲しい。」
そういうと、荒巻は研究員達に一つのプリントを手渡した。
それを目に通した研究員達の間にどよめき、ざわめきが起こった。
そのプリントには、こう書き記してあった。
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:22:04.43 ID:vA9ZN/WZ0
『ヴィプクロメタリウムは、従来の金属の硬度の5500%増、重量は30%減』
『金属内で高純度のエネルギーの生成が可能』
『駆動部と連結、順応させることによって、半永久的駆動兵器の製造が可能』
これは、恐ろしい事であった。
パワーバランスなど気にもしていないような書き記し。
世界征服。
この合金さえあれば、あながち夢物語ではないものであった。
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:23:17.22 ID:vA9ZN/WZ0
( ,'3 )「その時私も思っていた。これが世界にとって危険なものであるということを。」
( ●ω^)「それでも、それを差し置いても……。」
( ,'3 )「ああ。νは目に余った。」
そう。
それだけν帝国のしていることは酷く、残忍なものであった。
人体実験など当たり前。
侵略した国の民を捕縛、拷問、実験。
この繰り返しであった。
『ぐあっ……あああああぁぁぁぁあぁっぁ!!!!!!!』
『いっ……ああっ。あfjkがbj!!!』
『も……もう……ころしぃてっ。』
どれだけの断末魔を聞いたか覚えていない。
どれだけの家族を奪ったか、覚えていない。
しかし、覚えていないことを、なぜか忘れられなかった。
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:24:56.36 ID:vA9ZN/WZ0
('A`)「……。」
( ,'3 )「もちろん、していたのは私達研究員だ。その償いのために、今こうしている。」
バルケンがボードに触れると、2台の『駆動兵器』の胸部が開き、乗降口が現れた。
( ,'3 )「さあ、話が長くなってしまった。説明よりもまず実践。壊すなよ?」
( ●ω^)('A`)「イエス!サー!」
( ,'3 )「が、その前に。」
( ,'3 )「クー!!」
クー。誰かの名前だろうか。
呼ばれて来たのは、腰まである長髪をなびかせ、綺麗な女性兵士。
華麗ながら、どこか強さを持ち、芯が通っている。
そのような印象を二人に植え付けた。
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:26:03.94 ID:vA9ZN/WZ0
川 ゚ ?゚)「はい。どうかなさいましたか?」
( ,'3 )「紹介しておこう。君達が今から乗る『2CH-V』。
その1号機『2CH-VR』にのっているのが、このクー少尉だ。」
二人は驚いた。
戦場で何回か見たことはあると言っていたが、まさか中に乗っている兵士が女だったとは。
しかし、基地でもウワサにはなっていた。
あの『赤色の牙』には誰が乗っているのか――。
他の4体には、搭乗者の名前がデータとして記載されていたが、この『2CH-VR』だけ、搭乗者データが無かった。
- 41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:26:54.99 ID:vA9ZN/WZ0
川 ゚ -゚)「そうか。君達がウワサの二等兵なんだな。」
( ●ω^)「う、ウワサだなんてとんでもないですおw」
('A`)「お、おいブーン……!」
川 ゚ -゚)「私はクー。よろしく。」
一人ずつ握手をするクー、ブーン、ドクオ。
クーはどこか階級に気負いがなく、接しやすかった。
('A`)「そのスーツ……自分達もそれを着るんですか?」
( ,'3 )「ああそうだ。コクピットの中に備えついてあるから着てもらうことになっている。」
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:28:44.04 ID:vA9ZN/WZ0
川 ゚ -゚)「スーツを着ないと『駆動兵器』は動いてくれないから気をつけるんだ。」
( ●ω^)「ど、どういうことですかお?」
( ,'3 )「そういえば、君達は何も知識がないんだったな。この機体順応スーツは、君達と『2CH−V』を繋ぐ役割を持っている。
この肩の部分と背中の部分……4つの接続部分で君達の『流れ』を感知する。」
('A`)「流れ、ですか?」
( ,'3 )「そう。人間になら誰にでもあるものを、この『2CH-V』は、いや、ヴィプクロメタリウムはエネルギーにする。」
川 ゚ -゚)「君にもあるだろう?血の流れ。感覚の循環。変化。
そういったものが『流れ』にあたる、とされている。」
- 44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:29:37.96 ID:vA9ZN/WZ0
( ●ω^)「某漫画でいう、気の流れのようなものですかお……。」
('A`)「凝!!!」
( ●ω^)「……。」
('A`)「……。」
川 ゚ ?゚)「そうそう。そういった物だな。」
( ,'3 )「じゃあ、乗り込んでくれ。コクピットを閉じると前面にモニターが出る、モニター越しに指示をするぞ。」
( ●ω^)('A`)「イエス!サー!」
ブーン達はポールに掴まり胸部コクピットへと上る。
胸部といっても地面から4Mは離れている。
ドクオは高いところが苦手なので、少し足がすくんでしまった。
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:30:55.38 ID:vA9ZN/WZ0
('A`)(怖いなんていえないな……。)
( ,'3 )「では、右下にあるトリガーを引いてくれ。コクピットが閉じる。」
( ●ω^)「……これかお?」
ガチッ、という音を立てトリガーを引く。
すると、少しの振動と共に、コクピットが口を閉じた。
川 ゚ -゚)「あの二人……大丈夫でしょうか。」
( ,'3 )「うーむ……まあフサギコ殿の考えだ、本人以外誰もわからんよ。」
- 46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:31:57.16 ID:vA9ZN/WZ0
――前搭乗者ノデータクリア。オ名前ヲドウゾ。
機械的な女性の声が響く。
( ●ω^)「ブーン。」
('A`)「……ドクオ。」
――ブーン様。声帯、確認、登録シマシタ。ボディーボルト接続準備デキマシタ。
( ●ω^)「ああ。スーツに着替えないと……。」
そういって、コクピット内のバックパックから機体順応スーツを取り出す。
いそいそと着替えるブーン。
( ●ω^)「このスーツの穴を接続すればいいんだおね?」
ガチン、ガチン、と接続具とプラグをつなげて行く。
背中に腰をかけるように全てを接続し終わった瞬間、ブーンにビリッとした電気のような衝撃が走った。
- 48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:33:40.10 ID:vA9ZN/WZ0
(;●ω^)「お!!!」
――ブーン様。血流、指紋、確認、登録イタシマシタ。モニターヲ開キマス。
(;●ω^)「お、お願いしますですお!!!」
ブーンのいる空間に急に光がさした。
これを動かしているのが自分の『流れ』なんだろうか、
よくわからない内によくわからない説明をされて少し混乱していたが、今少しだけ理解することができた。
前面にモニターが映る。
( ,'3 )『よし。ちゃんと接続できたみたいだな。』
バルケンと、その背後にある器具等が鮮明に映し出された。
( ●ω^)「はい、完了ですお。」
( ,'3 )『では、今そう手を入れているトリガーの使い方を説明する。』
( ●ω^)「あ、あの……ドクオは大丈夫……ですかお?」
( ,'3 )「ドクオは……。」
- 49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:34:32.83 ID:vA9ZN/WZ0
('A`)『大丈夫だぞ。』
左面に急にドクオの顔が出てきて、ブーンは驚いた。
( ●ω^)「ブ……ブラクラ!!……じゃなかった。ドクオかお。」
('A`)『……。』
川 ゚ -゚)『ドクオは私が教えることになった。安心して説明を受けてくれ、ブーン。』
( ●ω^)「は、はいですお!」
そうして、二人は基本的な動作方法、緊急脱出、内臓武器など説明を2時間ほど受けた。
ブーンの乗る『2CH-VG』は、短距離高速飛行が可能な為、追加の演習があることもここで告げられた。
- 51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 19:35:28.14 ID:vA9ZN/WZ0
( ,'3 )『基本的な動きは今やっている要領でかまわない。ただ、そのブーストを使う際が出てくると思われるのだが……。』
( ●ω^)「……?」
( ,'3 )『そのブーストは強力な余り、搭乗者に強い衝撃を与えてしまう。
その重力に耐えられる体を君には作ってもらわないといかんのだ。』
( ●ω^)「どういうことをすればいいんだお?」
( ,'3 )「基本的な筋力トレーニングでいい。ただ、途中でへばってやめないようにな。」
( ●ω^)「了解ですお!」
――こうして『駆動兵器』操作訓練と称した特訓が始まった。
朝4時半起床、夜11時就寝といった過酷なスケジュールの中での訓練。
歩行操作から実戦形式の演習まで、みっちり兵法を叩き込まれた。
そして、ブーンとバルケン、ドクオとクーによる11日間の『駆動兵器』操作訓練が終わり……
ν帝国、ニーソク国、VIPによる国境会議が始まった――。
第1話「鉄の心」 完
戻る/第2話