|;;;;| ,'っノVi ,ココつ榊原マリントンは子供好きなようです

2: ◆qvQN8eIyTE :2007/06/02(土) 17:56:19.68 ID:wCnLm5j00
【( ^ω^)】



( ^ω^)「先生! 先生! でっかいカタツムリを見つけたお!」

僕の受け持つクラス一番の元気ッ子、内藤ホライゾンが駆け寄ってきた。
その小さな手に小さな命を乗せて。

|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「内藤君すごいねー。どこで見つけたの?」

( ^ω^)「あの綺麗なお花さんの上で日向ぼっこしてたんだお!」

すごく嬉しそうな顔つきで外に咲いている紫陽花の花を指さす。

――もう、梅雨の時期だ。



4: ◆qvQN8eIyTE :2007/06/02(土) 17:58:45.10 ID:wCnLm5j00
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「そういえば内藤君、カタツムリの殻の中には何が入っているか知ってるかい?」

( ^ω^)「うん! 知ってるお!」

僕の投げ掛けた質問を元気に答える内藤君。
彼は満面の笑みを浮かべて言葉を紡ぐ。

( ^ω^)「カタツムリの殻の中には沢山のお菓子が入っているんだお!
       カタツムリはいつも遠足してるから、遠足のお菓子なんだお!」









|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「そんなバカなことがあるか。常識的に考えろよ。アイツの殻の中には内臓がビッシリ詰まっているんだよ。内臓」



5: ◆qvQN8eIyTE :2007/06/02(土) 18:00:12.24 ID:wCnLm5j00
( ^ω^)「……」

おや、何故だか急に黙り込んでしまった。
どこか目も潤んできているような気がする。

|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「はははw よし、じゃあカタツムリさんと楽しいお遊びをしようか!」

泣かれても困るので僕は素晴らしい提案をした。
幼稚園児には遊びという言葉が一番効くね。

( ^ω^)「うん! 何して遊ぶんだお?」

ほら、もう笑顔に戻っている。
この笑顔を見るたびに、僕は幼稚園に勤めていて良かったと心から思えるんだ。

|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「カタツムリはお風呂に入れないから身体が汚いんだ。この塩で清めてあげようね」

( ^ω^)「お? 塩を掛けると綺麗になるのかお?」

|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「うん、だってキュウリとかの野菜も調理前に塩もみして綺麗にしたりしているからね」



7: ◆qvQN8eIyTE :2007/06/02(土) 18:02:37.87 ID:wCnLm5j00
僕の言葉を受けて、半ば納得したような顔の内藤君に僕は塩を手渡した。
1キロほど。

(;^ω^)「おおっ! なんか重いお」

|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「掛ければ掛けるほど綺麗になるからね。ほら、やってごらん」

僕が促すと内藤君は決意したようで、物凄い勢いで塩を振り掛けていた。

( ^ω^)「うおおぉぉおぉぉぉおおぉおぉおおぉおぉぉおおおお!!!!」


――そして数分後、そこには塩によってできあがった白の山岳地帯があった。

(;^ω^)「はぁ……はぁ……、これで……良いのかお?」

若干疲れているようだが、僕には関係無いので気にしない。



10: ◆qvQN8eIyTE :2007/06/02(土) 18:04:10.16 ID:wCnLm5j00
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「よし、じゃあ塩の中からカタツムリを取り出してみよう」

( ^ω^)「わかったお!」

元気に返事をして、塩の山の中からカタツムリを探し出す内藤君。
必死に塩を掻き分ける様子が堪らなく可愛らしい。
やっぱり子供って良いね。

( ^ω^)「見つけたお!」

どうやら見つけ出せたらしい。
塩まみれになってまでして見つけたのだから、その喜びも相当な物なんだろう。
その気持ちを僕はたいせt(;^ω^)「うわぁぁぁぁあぁあぁぁあぁぁあぁあああっぁああぁぁああああ!!!」

( ;ω;)「カタツムリが! カタツムリが殻だけになっちゃったお」

急に叫びだしたかと思えば急に泣き出す。
子供ってなんて面倒くさいんだ。



13: ◆qvQN8eIyTE :2007/06/02(土) 18:06:26.26 ID:wCnLm5j00
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「そらまぁカタツムリに塩掛けたからね。溶けるに決まっているでしょ」

( ;ω;)「溶ける? 何で! 先生は綺麗にしてあげただけなんじゃないのかお!」

|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「正確には塩がカタツムリの水分を吸い取っちゃうだけで溶けるわけじゃないんだけどね」

|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「それにカタツムリをちゃんと『綺麗』サッパリ消してあげたじゃないか」

( ;ω;)「先生のバカ! 大っ嫌いだお!!!」

幼稚園児如きが僕に向かって暴言をはきやがった。
殴り倒したい衝動を我慢し(主に保護者が怖いため)、小さく舌打ちを残して僕は去る。

あーあ、子供なんて消えればいいのに。



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