|;;;;| ,'っノVi ,ココつ榊原マリントンは子供好きなようです

19: ◆qvQN8eIyTE :2007/06/02(土) 18:15:41.04 ID:wCnLm5j00
【( ´∀`)】



( ´∀`)「ふわぁぁ、眠いモナ……」

うちのクラスで一番のノンビリ屋さんなモナー君が欠伸をしている。
彼はいつも気付けば寝てしまうほどの子なのだ。
きっと四六時中、年中無休で眠いのであろう。

|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「はははw またモナー君は眠いのか」

(;´∀`)「うん、昨日怖い夢見ちゃったから眠れなかったんだモナ。でも、また寝たら怖い夢見ちゃうかもしれないモナ……」

何とも子供らしい可愛い悩みだ。
やはり子供は純粋で良いね。

|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「じゃあモナー君が怖い夢を見ないように先生が傍でお話をしていてあげよう」

( ´∀`)「本当モナ? やったー!」

|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「うん、じゃあ寝ながら話を聞いてね」

そして僕はモナー君が目を瞑ったのを確認してから話を始める。

|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました――」



20: ◆qvQN8eIyTE :2007/06/02(土) 18:16:46.74 ID:wCnLm5j00
お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きます。
お婆さんが川に着くと、上流の方からドンブラコ、ドンブラコと大きな桃が流れてきました。

「こりゃあ大きな桃じゃわい」

驚いたお婆さんは、桃を持ち帰って食べようと考えました。
しかし、家で食べるとなるとお爺さんと食べなければいけません。
どうしても桃を一人で堪能したいお婆さんは、お爺さんを事故に見せかけて抹消することにしました。

一方お爺さんは、芝を刈っている最中に湖へ鎌を落としてしまい、狼狽えている最中でした。
どうしよう、どうしようと悩んでいると、湖の中から女神様が現れます。
色々とあって金の鎌と銀の鎌を手に入れたお爺さんはウハウハです。

すると、金の鎌を持っていた右腕に突然の衝撃を感じます。
驚いたお爺さんは思わずそこに目を向けます。

「腕が……無い……? うわぁぁぁあぁぁぁあぁああああぁぁあああ!!!」

そこにはつい先程までくっついていた腕が、そしてその手に握られていた金の鎌が消えて無くなっていました。



22: ◆qvQN8eIyTE :2007/06/02(土) 18:18:12.42 ID:wCnLm5j00
次第に強まる痛み、それは老体には耐えきれないほどの苦痛でした。
恐るべき死の力によって意識を薄れさせていくお爺さんの最期。
彼の視界には日本刀を構えたお婆さんが微笑んでいました。

「さようなら、お爺さん」

それがお爺さんの最期に聞いた言葉でした。
お婆さんは既に事切れたお爺さんの死体を近くにあった湖に放り捨て、家に帰ります。

「ほっほっほ、桃を独り占めじゃあ」

お婆さんは川で拾った桃を堪能して眠りにつきました。
家の前に不審な影が潜んでいることも知らずに。



23: ◆qvQN8eIyTE :2007/06/02(土) 18:19:49.74 ID:wCnLm5j00
「俺…………を……せ」

寝ているお婆さんの耳元で、謎の声が響きました。

「俺…右……を……せ」

その声はどこか恨みの篭もったおぞましい物でした。

「俺の右……を……せ」

ついにお婆さんは目を覚まします。

「俺の右腕を……せ」

そこには金、銀、そして普通のお爺さんがお婆さんの顔を覗き込んでいる姿がありました。

「俺の右腕を返せ!!!!」

「うわぁぁぁぁあぁぁあああ!!」



25: ◆qvQN8eIyTE :2007/06/02(土) 18:20:43.82 ID:wCnLm5j00
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「これでお話は終わり。モナー君はちゃんと寝ているかな」

話し終えた僕は寝ているモナー君に目を移す。

(;´∀`)「うぅ〜ん……お爺さん怖いモナ……」

そこには涙から鼻水から涎から小便やらで布団をぐちゃぐちゃにするモナーの姿があった。

|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「ふざけんなよ! これ汚したら怒られんの俺なんだからな!」

どうやら怖い夢でも見ていたようだ。
こんなに布団を汚して。
あーあ、死ねばいいのに。



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