( ^ω^)は思い出すようです

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:04:37.30 ID:N8UG7wse0
(;^ω^)「やばい、遅刻だお」

ξ;゚ー゚)ξ「ぶーん!!遅いじゃない!!」

( ^ω^)「あれ?なんでツンまだ行ってないお?」

ξ;゚ー゚)ξ「たまたま私も寝坊しただけよ!!」

( ^ω^)「仲間がいて嬉しいお」

ξ゚ー゚)ξ「喜んでないで行くわよ」

( ^ω^)「把握したww」

キーンコーンカーンコーン


ξ;゚ー゚)ξ「や、やば。ぶーんアレやるわよ」

( ^ω^)「おkwwしっかりつかまるお」



⊂ニニ( ^ω^)ニ⊃ ブーン


ぶーん、本名内藤ホライゾンは走ることが大好きだった。

運動オンチな彼だが走ることだけはデタラメに速かった。



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:05:47.05 ID:N8UG7wse0
('A`)「よお、ぶーん、つん」

( ^ω^)「おーっす。ドクオはいつも顔色悪いお」

ξ゚ー゚)ξ「ぶーんは笑顔すぎてキモいわ」

( ^ω^)「ヒドスwwww」

(´・ω・`)「君らはいつでもにぎやかだね」

('A`)「お前はいつもどこから現れるんだ」

(´・ω・`)「ふふふ…」


いつも憂鬱な顔をしているドクオ。

ぶーんとは小さな頃からの友達だ。


眉が下がってなければかなりのイケメンのショボン。

実家がバーを開いてるらしく、どことなく大人っぽい。



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:06:48.50 ID:N8UG7wse0
ξ゚ー゚)ξ「あんたらと居たら疲れてくるわね」

('A`)「ぶーん目当てでいるだけだもんな」

ξ*゚听)ξ「そ、そんなことあるわけないじゃない!!
ぶーんが私に付きまとってるだけなだから!!」


高飛車な態度で、毒舌を吐く彼女はツン。

しかし、顔に感情が出やすい。

かなりの金持ちらしい。


( ^ω^)「さぁ、今日も1日頑張るお!!」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:07:41.92 ID:N8UG7wse0
( ^ω^)「ドクオ、ショボンばいばいだお」

ξ゚ー゚)ξ「また明日」

(´・ω・`)「ドクオと二人に…ふふふ…」

('A`)「タスケテクレナイカ」
「「だが断る」」

('A`)「もうだめかもしれない…」



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:10:10.83 ID:N8UG7wse0
ξ゚听)ξ「最近ちゃんとご飯食べてるの?」

( ^ω^)「米うめぇwwww」

ξ;゚听)ξ「ちょwww」

( ^ω^)「ラーメンに米突っ込んだりしてるから大丈夫だお」

ξ゚听)ξ「栄養偏るわよ。時々はウチに食べに来なさいよ」

( ^ω^)「やっぱりつんは優しいお」

ξ*゚ー゚)ξ「知り合いが餓死なんかしたら嫌なだけよ!!」

( ^ω^)「わかったお。今日行ってもいいかお?」

ξ゚ー゚)ξ「いつでもご飯は余ってるから大丈夫よ。
7時くらいに家にきなさい」

( ^ω^)「把握したww」

( ^ω^)「じゃ、後で行くお」

ξ゚ー゚)ξ「また後でね。バイバイぶーん」

( ^ω^)「ばいばいだお」



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:10:53.88 ID:N8UG7wse0
( ^ω^)「今日も学校は楽しかったお」

( ^ω^)「みんなが助けてくれるから、ぶーんは元気だお」

( ^ω^)「この後もつんの家に行ってご飯食べるんだお」


ぶーんは仏壇の前で今日のことを報告していた。

仏壇には仲良さそうな夫婦の写真が飾ってあった。


( ^ω^)「7時まで時間があるから少し寝るお…」




ぶーんは眠り始めた。

陽は傾きはじめ、長い長い夜が始まろうとしていた。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:12:02.40 ID:N8UG7wse0
ゴーン ゴーン…

ξ゚听)ξ(ぶーん遅いわね。いつもは5分前には来るのに)

ξ゚听)ξ「ママ、ちょっと迎えに行ってくる」
.
.
.
ξ゚听)ξ「ぶーん!!7時すぎたわよ!!」

ξ*゚听)ξ「心配ってわけじゃないけど…迎えにきてあげたんだから、出てきなさい!!」


ξ゚听)ξ「ぶーん…?」

ガチャ・・・



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:13:20.97 ID:N8UG7wse0
ξ;゚听)ξ「え?」


ドアが開いた。

しかし、そこにはブーンの姿はなく、汚れた布団が敷いてあっただけだった。

ξ゚听)ξ「どこかに出かけたのかしら」


つんは仕方なく、家で待つことにした。

しかし、その日ブーンが家に来ることはなかった。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:14:32.47 ID:N8UG7wse0
ξ--)ξ「おはよう・・・」

('A`)「おは・・・って、つん、えらく眠そうだな」

ξ--)ξ「昨日、ぶーんが家にどうしてもご飯を食べたい、って言うから待ってたんだけど・・・」

('A`)「待ってたけど?」

ξ--)ξ「0時になっても来なかったのよ。見つけたら説教しなきゃ」

('A`)「あいつは約束をすっぽかすようなやつじゃないけどなぁ」

ξ--)ξ「そうだけど・・・今日ぶーん見かけた?」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:15:54.87 ID:N8UG7wse0
(´・ω・`)「いや、まだ見てないよ」

('A`)「頼むからそっと後ろに立t・・・」

(´・ω・`)「だが断る」

ξ--)ξ「私、朝ぶーんに文句言いに、家寄ったんだけど」

('A`)「寄ってるのは毎朝だろ・・・」

ξ*゚听)ξ「ち、違うわよ!!寄ったんだけど、もう家にいなかったのよ」

(´・ω・`)「これは事件の香りがするね」

('A`)「しょぼんはいつもそう言うだろ。だけど、気になるから先生にも聞いておこう」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:17:59.64 ID:N8UG7wse0
('A`)「結局、ぶーんのやつ来なかったな・・・」

('A`)「8時か・・・行ってみるか」


ドクオは行き慣れたブーンの家を目指した。


('A`)(ん?ドアが開いてる・・・?)


ブーンの家のドアが開いて閉まったのが見えた



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:19:29.71 ID:N8UG7wse0
('A`)(もしかして帰ってきたのか?)

('A`)「おーい、ぶーん。帰ってきたのかー?」


しかし、ブーンはどこにもおらず、部屋の真ん中にはダンボールの箱が置いてあった。


('A`)(たしか、アレは・・・)



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:20:37.22 ID:N8UG7wse0
ξ--)ξ(ぶーん、どこに行ったのかしら・・・)

ξ--)ξ(しょぼんが行ったとおりだったらどうしよう・・・)

ξ--)ξ(こういうときは、早めに寝るに限るわね・・・)

ξ゚听)ξ「おやすみ...ぶーん...」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:22:19.80 ID:N8UG7wse0
(´・ω・`)「つんは大丈夫かな」

(`・ω・´)「今日いなかったのは、ぶーん君じゃなかったのか?」

(´・ω・`)「うん。でもこれから辛い思いをするのはつんだと思うんだ」

(`・ω・´)「しょぼん、いざというときは助けてやるんだぞ」

(´・ω・`)「わかってるよ、兄さん」





それぞれの夜を過ごす者たち


その目に映るものは現実だろうか


自分に気付くもの 他人に気付くもの


過去に傷つくもの 未来を恐れるもの


それぞれの朝を迎えていく



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:42:26.33 ID:N8UG7wse0
優しいママがいた

カッコいいパパがいた


いた…





ブーンは幼い頃、両親を亡くした。

でも、小さなブーンには『死』を理解することはできなかった。

親戚に引き取られるはずだったが、ブーンは今もこの町に住んでいる。

ドクオという少年が、その家族がブーンのお世話をしてくれたのだ。

幸い、ブーンの両親は、財産を残してくれていた。

しかし、ブーンはそのお金をあまり使わなかった。

使いたくなかった。

大好きなママ、大好きなパパ

それが...



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:45:35.07 ID:N8UG7wse0
( ^ω^)『ママ?パパ?』

「ほら、ぶーん、公園に行きましょうね」

「今日は久々の休みだからなぁ」


なぜ今、目の前に


(;^ω^)『ぶーんはココにいるお!!こっちを向いてお!!』

「本当にパパに似て元気な子ね」

「ママの優しいところもそっくりだよ」


今でも覚えている優しい笑顔


(;^ω^)『ママ!!パパ!!』

「ぶーん、こっちいらっしゃい。危ないわよ」

「最近は車も多いからなぁ」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:47:06.15 ID:N8UG7wse0
どこにでもある、よくある光景


幸せな家族の姿


そう、『ソレ』がくるまでは



( ゚ω゚)「それ以上進んだらダメだおーーーーー!!!!」





キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:47:53.54 ID:N8UG7wse0
('A`)『ん...ここは?』


ブーンの部屋にいたはずのドクオは、なぜか外にいた。


('A`)『この道...あの公園は...』


見覚えはあるけど、どこか違う。

どこか懐かしい感じがする。


('A`)『昔の夢か…』


なぜこんな夢を見ているのか。

こんなにもはっきりと夢とわかるものなのだろうか。

様々な疑問が頭の中を巡っていると、聞きなれた声が聞こえた。



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:48:59.47 ID:N8UG7wse0
『ママ!!パパ!!』

('A`)『ぶーん…?』


あの角を曲がったところにいるのかな。

そう思って向かおうとしたとき、何かが隣を通り過ぎた。


('A`)『ぶーん!!危ない!!』


とっさにかけた言葉。



キーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:49:59.18 ID:N8UG7wse0
『あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ああああAAAAAAA』


ブーンの叫び声が聞こえた。

それはもう声なのかすらわからない叫びだった。


('A`)『おじさん・・・おばさん・・・』


ひかれていたのは、ブーンの両親だった。



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:50:39.21 ID:N8UG7wse0
ξ゚听)ξ「おはよう・・・」

(´・ω・`)「おはよう、つん」

ξ--)ξ「ぶーんは今日もいないのね・・・」

(´・ω・`)「それだけじゃなく、どくおもいなくなった」

ξ;゚听)ξ「えっ!?」

(´・ω・`)「昨日の夜から連絡がとれなくなってるんだ」

ξ--)ξ「なんで、2人も・・・」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:52:17.76 ID:N8UG7wse0
( `∀´)「ぶーんのやつ、今日も来てないな」

( @∀@)「鬱陶しいから、一生こなくていいよ」

( `∀´)「何言っても笑ってやがるからウザイんだよな」

( @∀@)「いい気味だぜ」



ツンは素早く立ち上がり・・・

パーーーーーーーン

思いっきりビンタをくらわした。



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:53:08.71 ID:N8UG7wse0
ξ゚听)ξ「ぶーんのこと悪く言わないで!!」

(#`∀´)「いってぇな、このアマ」

(#@∀@)「ぶっ殺すぞ!?」



(´・ω・`)「ぶち殺されるのはつんかい?それとも君たちかい?」



(;`∀´)「げ・・・しょぼん。・・・・・ちっ、行こうぜ」

(;@∀@)「むなくそわりぃ・・・」



DQN達はゴミ箱を蹴散らしながら歩いていった。



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:54:34.68 ID:N8UG7wse0
ξ゚听)ξ「しょぼん、ありがとう」

(´・ω・`)「僕はカッコ悪い男『には』興味ないからね」

ξ;゚听)ξ「・・・・・」




その日の授業はまったく耳に入らなかった。

ブーンだけでなくドクオまで消えてしまった。


ブーンがいなくなった日には何があったのか。

ドクオがいなくなった日に意味はあるのか。

明日には一体何が起きてしまうのか。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:56:06.34 ID:N8UG7wse0
学校の帰り道。

考えながら向かっているのはブーンの家


ξ゚听)ξ(いないわよね…)


ブーンの家の近くの角を曲がる時、誰かにぶつかった。


ξ--)ξ「いたっ…ごめんなs…」

( `∀´)「痛いねぇ、どうしてくれんだ?」

( @∀@)「今日も学校でひどい目にあったしなぁ」



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 21:59:10.29 ID:N8UG7wse0
DQNたちの手にあるのは、バットと鉄パイプ。

明らかに待ち伏せしていたようだ。


ξ;゚听)ξ「べ、別にアンタらなんか恐くないわよ!!」

( `∀´)「強がってる女の子は可愛いですよねー」

( @∀@)「もっと泣きじゃくった顔も見てみたいねぇ」


ξ--)ξ(うぅ…助けて…ぶーん…)


徐々に近づくDQN二人。

周りを見渡しても誰もいない。



( `∀´)「まずは一発…」

バットを思いっきり振り上げ…



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