( ^ω^)ブーンが諦めたようです
- 1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 09:24:16.09 ID:JNcudfcz0
- 美しい夜景が評判のVIPホテルの展望レストラン。
中でも特に人気の集中する窓際のテーブルで、一組の男女が食後のコーヒーを楽しんでいた。
いや、正確には男の方には魅惑的な香りを楽しむ余裕はなかった。
沈黙が支配する中、男がのろのろと口を開く。
( ^ω^)「ええっと……その………」
なかなか想いを言葉にできないもどかしさに、男は小さく息を吐く。
そして追い詰められた精神状態の中で、ぼんやりと今までの事を思い出していた―――
- 3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 09:31:25.49 ID:G6RsoSueO
- ⊂ニニ( ^ω^)ニ⊃「ブーーーン」
ああ、やっぱり青空の下、風を切ってブーンするのは気持ちいい。
僕は内藤ホライゾン。
友達は僕の事をブーンって呼ぶ。
理由は……まあ説明しなくてもいいだろう。
('A`)「こんな人通りの多いとこで何してんだよ、恥ずかしい」
不健康極まりない顔色に、ひょろりとした体躯のこいつはドクオ。
ちなみに今を輝くニートだ。
('A`)「ニートは輝かねぇよ。そして、その点は出ねえよ」
接点T!!
………って、しまった、つい声に出していたらしい。
- 4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 09:32:56.92 ID:G6RsoSueO
- 今日は親友のドクオと、もう一人の親友であるショボンの店に招待されているのだ。
( ^ω^)「開店前にショボンの店に行くのは初めてだお。こんな昼食時に呼んで何する気だお」
('A`)「なんでも、ランチメニューを始めるから俺たちに試食して欲しいらしいぞ」
( ^ω^)「ほうほう。ショボンはすごいお。フリーターの僕や ニ ー ト のドクオとは大違いだお」
('A;)「ニート強調すんなよ……」
- 7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 09:36:33.27 ID:G6RsoSueO
- そんな会話をしている内に、僕たちは『バーボンハウス』と書かれた看板の出ている、妙に落ち着きのある店に着いた。
ドアを開けると、カランコロンというどこか懐かしいようなベルの音が響いた。
(´・ω・`)「やあ、いらっしゃい」
すぐに見慣れた顔がカウンターの奥から出てくる。
この八の字眉のしょぼくれた顔の男がショボン。
この店に似た落ち着いたふいんき(ryを漂わせている。
いや、店の方がショボンに合わせているのか。
- 8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 09:38:10.28 ID:G6RsoSueO
- ( ^ω^)「今日はお招きいただきありがとうだお」
('A`)「だお」
(´・ω・`)「いえいえ。さあ座って、ちょうど料理が出来上がったところだよ」
ショボンに勧められて、僕とドクオはカウンターに腰を下ろす。
(`・ω・´)「やあ、久しぶりだねブーン君にドクオ君」
突然後ろから声をかけられ、思わずビクッとなる。
('A`)「あ……シャキンさんか……お久しぶりです」
(;^ω^)「び、びっくりしたお。いつからそこに……?」
(`・ω・´)「ははは、驚かせてすまなかった」
シャキンさんはショボンの兄さんだ。
優しさ全開のショボンに比べて、男らしい精悍な顔立ちをしている。
面倒見がよくて僕とドクオにとっても頼れる兄貴のような存在だ。
この店は2人の共同経営らしい。
- 9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 09:40:15.86 ID:G6RsoSueO
- (´・ω・`)「シャキン兄さんも手伝って欲しいな…」
いつの間にかカウンターテーブルの上は色とりどりの皿でいっぱいだ。
( *^ω^)「おっおっ、おいしそうだお♪」
('A`)「すげぇ量だな。俺途中でリタイアするかも……」
(`・ω・´)「なぁに、男4人で食べればペロリさ」
(´・ω・`)「お残しは許しまへんで」
( ^ω^)('A`)(´・ω・`)(`・ω・´)「いただきまーす!」
- 10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 09:46:23.53 ID:G6RsoSueO
- 噛んで飲み込む作業を続ける事1時間―――
あんなにあった皿は全てからっぽだ。
今はシャキンさんが大量の食器を片っ端から洗っている。
(´・ω・`)「味はどうだったかな?」
( ^ω^)「どれもこれもテラウマスだったお!ショボン今すぐレストラン始められるお!」
('A`)「俺的にはティラミスはもうちっと甘さ控え目な方がいいかな」
- 11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 09:49:01.14 ID:G6RsoSueO
- 途中でリタイアするとかなんとか言っていた割には、ドクオはデザートまで綺麗に平らげていた。
(´・ω・`)「ティラミスは甘さ控え目ね、把握した」
ショボンは言いながら僕たちの前にコーヒーを並べると再び腰を下ろした。
ドクオが煙草に火をつける。
僕は吸わないから分からないが、最初の一口がたまらなくうまいらしい。
幸せそうなドクオを横目に、ショボンが話を切り出す。
(´・ω・`)「さて、それじゃ本題に入ろうか」
- 13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 09:53:57.07 ID:G6RsoSueO
- ―――本題?
今日は試食の為に僕らを呼んだんじゃないのか?
僕の疑問に答えるようにドクオが言う。
('A`)「実はさ、今日はブーンの相談に乗ってやろうと思って集まったわけよ」
相談?
そんなもの頼んだ覚えはないが………
(´・ω・`)「口に出さなくても分かるよ。ブーン最近ずっと悩んでるだろう?」
('A`)「ツンの事でな」
( ^ω^)「!!!!」
どうして……
どうして今更ツンの事を……
僕は………もう…………
- 15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 09:57:12.76 ID:G6RsoSueO
- ツンと僕は幼馴染みだった。
家が隣どうしで小さい頃は毎日一緒に遊んだ。
ξ*゚-゚)ξ「わたしブーンの事好きよ」
(*^ω^)「僕も!ツンとずっと一緒にいるお!」
小学校の時の可愛い思い出だ。
そういえば、この頃はツンも素直だった。
今では見る影もないが……
親友と呼べる友達ができたのもこの頃だ。
僕とツンの関係に変化が訪れたのは、中学に上がった頃からだろうか。
お互いに部活や勉強、新しい友達との関係に精一杯で、気付けば廊下ですれ違っても声をかける事も無くなっていた。
- 17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 09:59:21.07 ID:G6RsoSueO
- 話す機会が減っても、僕はツンの事が好きだった。
他に仲のいい女の子もいたし、可愛い後輩から告白された事もあった。
でも僕はツンだけを想っていた。
そして、ツンも同じ気持ちでいてくると信じていた。
「ツンってギコ君と付き合ってるらしいよー」
―――嘘だ
そんな話信じない
ツンが好きなのは僕なんだ!
ずっと一緒にいるって約束したんだ!!
僕は……裏切られたのか?
ツンは僕を裏切ったのか?
それとも最初から全て
僕の思い込みだったのだろうか
ツン………………
- 21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:03:23.18 ID:G6RsoSueO
- それから僕は学校を休みがちになった。
ツンの顔を見るのが辛かったから。
('A`)「ブーン、これ授業で使ったプリント」
(´・ω・`)「君また太ったんじゃない?ちゃんと運動しなきゃいけないよね」
風邪という理由で学校に行かない僕を、ドクオとショボンはよく見舞ってくれた。
二人は大体の事情を分かっているようで、無理に学校に来いとは言わなかった。
二人の心使いが嬉しかったし、同時に情けなさも感じた。
- 22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:11:10.36 ID:G6RsoSueO
- 僕は成績が悪く、答案用紙を白紙で出さない限り絶対合格という高校にしか入れなかった。
まあ、まともに授業を受けてないし当然か。
ドクオとショボンがそんな僕と同じ高校に入学したのが不思議だったが。
後で理由を聞いてみると、
('A`)「え?なんでこの高校選んだかって?ここなら大して勉強しなくても卒業できるからなぁ」
(´・ω・`)「うん、僕もそんな感じ。卒業したらシャキン兄さんとバーを始める予定だからね。学歴は関係無いし」
なんていうか、二人とも逞しい。
- 23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:13:43.86 ID:G6RsoSueO
- でもそんな二人のお陰で、高校生活はすごく楽しかった。
別の高校に通うツンとは完全に関わりがなくなり、次第に辛い記憶を思い出す事も少なくなっていく。
無事に高校を卒業した僕らは、それぞれフリーター、ニート、マスターという道を選んだ。
たまにショボンの店に集まって呑み明かすのが何よりの楽しみ。
それは今も変わらない。
- 24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:20:25.46 ID:G6RsoSueO
- そんな生活を何年続けただろう。
気付けばフリーター、ニートという職業に不安を感じる年になっていた。
('A`)「まあ、なるようになるさ」
( ^ω^)「ドクオは一番危うい位置にいるくせに気楽だおね」
その日も僕たちは、バーボンハウスで美味い酒を飲みながら話に華を咲かせていた。
カランコロン―――
ベルの音に引き寄せられるように入口に目をやる。
( ^ω^)「ツン……?」
ξ゚听)ξ「え、あ……内藤?」
('A`)(´・ω・`)(フラグktkr!?)
- 25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:26:42.91 ID:G6RsoSueO
- そこに立っていたのは紛れもなくツン。
黒いパンツスーツを着こなしたその姿は、まさにキャリアウーマンといった感じだ。
( ^ω^)「久しぶりだお。一人で飲みに来たのかお?」
ξ゚听)ξ「えぇ、仕事帰りにちょっと飲みたくなって」
ツンはしばらく迷った後、僕の隣に腰を下ろした。
- 26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:28:38.94 ID:G6RsoSueO
- ξ゚听)ξ「いい感じのお店だなあと思って入ったんだけど、まさかショボンの店だったなんてね」
(´・ω・`)「ありがとう。このテキーラはサービスだよ」
(;^ω^)「ちょ、ショボン!女の子にそんな強い酒……」
僕の心配をよそに、ツンは豪快にテキーラをあおった。
ξ゚ー゚)ξ「ありがと、おいしかったわ」
( ^ω^)('A`)(´・ω・`)「この娘……できる!!」
- 28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:31:52.78 ID:G6RsoSueO
- それから僕たちは遅くまで飲んで話込んだ。
驚いた事に、僕は普通にツンと喋れた。
それまでは顔を合わせるのも辛かったのに。
心のどこかでこの再会を喜んでいたのかもしれない。
ξ゚听)ξ「もうこんな時間か。明日も仕事だし帰らなくちゃ」
('A`)「お、そうだ、せっかくだしメアド交換しようぜ」
(´・ω・`)「ドクオにしては気がきくね」
('A`)「うるせー」
ツンのメアド………
是非知りたい。
ξ゚听)ξ「はいはい、いいわよ。べ、別にまたあんた達と飲みたいわけじゃないんだからねっ///」
いよっしゃあ!
- 30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:35:20.04 ID:G6RsoSueO
- その夜から、僕は再びツンに淡い想いを抱くようになった。
単純と言われるかもしれないが、やっぱりツンは僕にとって最高の女性なのだ。
(´・ω・`)「ブーン、ちょっといいかい?」
一人でカウンターに座っていた僕に、ショボンが遠慮がちに話かけてくる。
( ^ω^)「お?どうしたんだおショボン」
(´・ω・`)「うん、実はね、ツンの事なんだけど……」
なんだろう、嫌な予感がする。
- 32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:38:12.29 ID:G6RsoSueO
- (´・ω・`)「ツンね、最近よく来てくれるんだけど、その……男の人と一緒なんだ」
聞きたくない、これ以上聞いちゃいけない。
頭の中でそんな警報が鳴り響く。
(´・ω・`)「どうも恋人みたいなんだよね……ブーンが今でもツンの事好きなのは知ってる。だから迷ったんだけど、やっぱり知るなら早い方がいいかと思って……」
ああ、またか
また僕は一人で虚しく踊っていたんだ―――
- 33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:41:41.74 ID:G6RsoSueO
- こうなる事を、僕はなんとなく分かっていたのかもしれない。
( ^ω^)「………やっぱりそうかお。分かってたお、ツンは綺麗で仕事も出来るお。恋人がいない方がおかしいお」
(´・ω・`)「ブーン……」
でも……………
( ;ω;)「でも、それでもやっぱり僕はツンが好きなんだお」
- 35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:43:27.12 ID:G6RsoSueO
- おいおいと泣き続ける僕に、シャキンさんが黙ってティッシュの箱を差し出してくれる。
隣でもらい泣きしているショボンには布巾を渡していた。
(`・ω・´)「今日は俺のおごりだ、気が済むまで飲め」
次の日、僕は二日酔いでバイトを休んだ。
- 37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:47:13.52 ID:G6RsoSueO
- やっぱりというか、それから僕はバーボンハウスに行かなくなった。
ツンと恋人がいる所に出くわしたくない。
ああ、また逃げてる。
なんて弱い人間なんだ。
でも、早くツンを忘れてしまいたい。
この気持ちは諦めなくちゃいけないんだ………
そして今日、ショボンに呼び出されて久しぶりに店を訪れたのだ。
( ^ω^)「……ツンの事は忘れるって決めたんだお。今更この話題はなしにして欲しいお」
そう言ってコーヒーを一口すする。
心なしか手が震えている。
- 39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:51:22.65 ID:G6RsoSueO
- ドクオが短くなった煙草を灰皿に押し付ける。
('A`)「お前ほんとにそれでいいのか?正直に言えよ、まだツンの事が好きだって。忘れられなんかしないってさ」
( ^ω^)「やめてくれお!もうツンに振り回されるのはウンザリなんだお!!」
(`・ω・´)「なあ、ブーン君」
それまで洗い物をしていたシャキンさんが、いつの間にか僕の前に立っている。
(`・ω・´)「いつまで逃げてるつもりだい?」
( ^ω^)「―――!!」
- 40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:55:33.84 ID:G6RsoSueO
- 一番言われたくない台詞をシャキンさんは口にする。
(`・ω・´)「逃げたって気持ちの整理なんかつかない。分かってるだろう?君はこれから先も同じ事を繰り返すつもりか?」
( ^ω^)「く、繰り返したりなんかしないお!ツンの事なんか綺麗さっぱり忘れてやるんだお!」
(´・ω・`)「ブーン!いい加減に認めるんだ、君はツンへの気持ちを忘れられない。あの時君は言ったじゃないか。『でも、やっぱり僕はツンの事が好きなんだ』って」
( ;ω;)「………!!」
- 41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 10:59:06.04 ID:G6RsoSueO
- 僕はまた泣いていた。
あの時のようにシャキンさんがティッシュの箱を差し出してくれる。
('A`)「辛いよな……でもさ、お前は変わらなきゃいけないんだ。逃げてばっかの人生じゃ恥ずかしいだろうが」
( つω;)「おっおっ………」
(´;ω;`)「……自分が何をすべきか、分かってるね?」
またショボンがもらい泣きしている。
( ;ω;)「僕は……僕は………」
ティッシュでズビーっと勢いよく鼻をかんで、僕は言った。
( ;ω;)「ツンに…気持ちを伝えるお!振られたっていいんだお!ツンが好きなんだお!!」
ξ゚听)ξ「ブーン……」
―――――!?
- 44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 11:02:35.73 ID:G6RsoSueO
- ツンがいた。
入口に立ちすくんで、呆然とこちらを見ている。
( ;ω;)「おっおっ?ツン?どうしてここにいるお?」
いつからそこに居たのだろう。
というか、もしかして今の話聞かれてた?
あれ、という事は、僕は今ツンに告白を――――
45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 11:08:21.88 ID:G6RsoSueO
- (´・ω・`)「うん、そうなんだ。このテキーラはサービスだから、まずは飲んで落ち着いて欲しい」
( ;ω;)「おっおっ?」
('A`)「勝手に告白させちまって悪かったな……でもこうでもしないとブーンは素直に言わないだろ?」
( ;ω;)「のおおおお!?」
なんだこれ。
僕ははめられたのか?
ドクオもショボンもシャキンさんまでも、みんなして僕を罠にっ………
- 48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 11:14:32.34 ID:G6RsoSueO
- (`・ω・´)「ツン君、返事を聞かせてやってくれないかな」
シャキンさんの一言で、僕の意識はツンに戻った。
そうだ、結果的に僕はツンに告白してしまったんだから、答えを聞かなくちゃいけないんだ。
怖い……
怖い……
怖い……
心の準備なんか出来てない。
でも、もう逃げられないんだ。
ツンの答えがどんなものでも、僕は受けとめなきゃいけない。
逃げちゃだめなんだ―――
( ;ω;)「ツン……返事、聞かせて欲しいお」
- 51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 11:23:03.20 ID:G6RsoSueO
- 僕がツンに答えを求めてから、どれぐらいの時間が経っただろう。
おそらく五分ぐらいなのだろうが、僕には一時間にも二時間にも感じられた。
やがてツンがゆっくりと口を開く―――
ξ゚听)ξ「私………ごめんね………今ね、付き合ってる人がいるの」
( ;ω;)「うん」
ξ゚听)ξ「だから今はブーンの気持ちに応えてあげられない」
( ;ω;)「うん」
ξ゚听)ξ「でもね………」
ξ;;)ξ「――ありがとう。ブーンの気持ち、すごく嬉しかった。ブーンとの思い出、ちゃんと残ってるから。今はまだ無理だけど……必ずブーンの所に戻れる気がするから………」
( ;ω;)「ツン……」
- 52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/16(土) 11:24:59.97 ID:G6RsoSueO
- ξ;;)ξ「わがままだって、勝手だって分かってるけど……待っててくれる……?」
( ;ω;)「待つお。ツンが来てくれるまで何年だって待つお」
ξ;;)ξ「ありがとう、ありがとうブーン………ごめんね……」
(;A;)(´;ω;`)(`;ω;´)「――――――っ」
僕はずっと泣きっ放しだった。
でもみんな泣いてたからいいか。
- 57 : ラストです :2006/09/16(土) 11:28:13.11 ID:G6RsoSueO
- ―――あれから二年。
二年の間に僕が諦めたもの……
逃げる事
痩せる事
就職する事
そしてもう一つ―――
( ^ω^)「ツン、僕と結婚してほしいお」
ツンを諦める事
END
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