( ^ω^)机は繋がり僕らは出逢うようです。
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/15(金) 19:07:50.63 ID:1FLXSN0o0
- 《そのろく 休日しせんくぐり。その2》
(´・ω・`) 『そう思うのなら、今のうちに借りて下さいよ……
僕としても、テスト勉強が遅れるのは少し辛いですから』
ショボンの言葉だ。
今回もテスト前にハインリッヒと一悶着ありそうだお。と笑った僕に対して、
メールでも丁寧口調だった彼が言った。
確かに正論。
そんな事があって、今僕はショボンの家の前にいた。
日曜日の午後2時のこと。
( ^ω^)「……どこの異空間だお」
世界の法則が乱れでもしたか、僕の目前には威厳すら漂う門戸。
民家だと知らない人が見れば寺かと思うだろう。僕も思った。
( ^ω^)「…………」
表札ってヒノキで出来てるもんだったっけ。
職人彫りの表札にでかでかと『須田』の文字。その横には裏千家須田流の看板。
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/15(金) 19:08:49.06 ID:1FLXSN0o0
- (; ^ω^)「どうすりゃ、いいんだお……」
門戸の割には可愛げのあるインターホンすら押すのをためらわれた。
ぴちゅぴちゅと鳥のさえずりが聞こえてきて、
剪定された垣根から2羽のスズメが飛び立っていく。
( ^ω^)「…………」
ため息を吐いて空を見上げる。そろそろ首も痛くなってきた。
梅雨の晴間、快晴の午後。
/
(´・ω・`) 「不審者と聞いて何事かと思いましたよ。内藤くん」
( ^ω^) 「はぁ……恐縮ですお。つかそれよりもあの、
僕を瞬く間に取り囲んだ薙刀片手のおばちゃん達は何者かお」
通された縁側をショボンに着いていく形で歩きながら、僕はつい2分前の事を思った。
ショボンの家の前で呆然としていたら、目の前の扉が勢いよく開いた
(恵比寿神社の年初め福男争奪レースを思い出して貰えると一番だ)
と思ったら武装したおばちゃん達に囲まれた。みんな薙刀片手。
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/15(金) 19:09:36.28 ID:1FLXSN0o0
- (´・ω・`) 「茶道教室の生徒さんです。元気な方々でしょう?」
( ^ω^) 「元気すぎると思いますお」
キィ。板張りの廊下が軋む。
僕の左手には日本庭園。お茶のCM一本、ここで作れるな。
(´・ω・`) 「時々ハッチャケますけどね」
(; ^ω^) 「16年生きてて初めて本気で死ぬと思ったお……」
(´・ω・`) 「はは……ご無礼をお許しください。僕を孫のように思ってらっしゃるらしくて」
笑い、ショボンが立ち止まる。閉め切られたふすまの取っ手を引いて、僕を招き入れた。
屋敷にはほのかに線香の香りがした。
( ^ω^) 「お。お邪魔しますお」
一礼。
/
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/15(金) 19:10:35.28 ID:1FLXSN0o0
- 通されたのは純和風の部屋だった。
(´・ω・`) 「適当に座ってて下さい。今お茶でも……」
(^ω^ ) 「いやいや、お構いなく。長居はしないお」
これ以上居たらどっかから矢でも飛んできそうだ。
(´・ω・`) 「そうですか? でも、お呼び立てしたのはこちらですし……」
( ^ω^) 「おっおwwwつーかそれはこっちの話だお。日曜日にすまんおww」
眉尻を下げながら、そうですか。と少し残念そうなショボン。
立ち上がり、本棚へ歩き出した。
適当に部屋を見渡すと、学習机の方に目が行った。
( ^ω^) 「おっ…………?」
机の上に置かれていた、簡単な木のフレームの、写真たて。その中にある、写真。
学ランを着たショボンが左端に。そしてその横に二人。
同じく、僕の高校のブレザーを着た女の人。
( ^ω^) 「………………」
一番右側の女の人の顔の部分が、ハサミか刃物で切り取られていた。
学習机の上に、真っ先に目が行ったのは、この写真が含む異質のせいかもしれない。
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/15(金) 19:12:09.52 ID:1FLXSN0o0
- (´・ω・`) 「――内藤くん?」
呼ばれて振り返ると、思ったよりも近くにショボンがいた。
いつもと同じトーンで、一冊の大学ノートを差し出してくる。
(´・ω・`) 「これ、英語のノートです」
(^ω^ ) 「おっおっwwwありがとうだお」
受け取り、パラパラとページを確認する。
やはり丁寧に取られたノート。日本語訳も……ちゃんと出来てる。
( ^ω^) 「さっすがショボンだおwwwありがとう!」
(´・ω・`) 「いえ。それでいいですか?」
( ^ω^) 「もっちろん! 本当に、日曜日に悪かったお」
いつのまにか背後に居たショボンを振り返り、礼を言う。
静かなトーンでいえ。と首を横に振るショボン。
その際また机の上に視線が言ったけれども、写真たては伏せられていた。
それは多分、そういう事、なのだろう。
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/15(金) 19:13:32.76 ID:1FLXSN0o0
- ( ^ω^) 「うん、じゃあブーンはそろそろおいとまするおw」
(´・ω・`) 「すみません。たいしたおもてなしも出来ずに」
( ^ω^) 「薙刀のおもてなしは結構鮮烈だったお!」
(´・ω・`) 「すみません……」
(; ^ω^) 「ただの冗談だお!」
途端くしゃりと顔を崩したショボンに、急いで弁明する。
(´・ω・`) 「わかってますよ」
ショボンの明るい苦笑に、陰りの色をみたような気がした。
《そのろく 休日しせんくぐり。そのに》終
そのななに続く!
そのごとそのろくの「しせん」には
死線と視線のお好きな漢字を当てはめてください。
先ほど見ていたんですが、人物設定のショボンの項。
殴り書きで『男装の麗人』
……あ、もちろん没にしましたよ?
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