( ^ω^)がマジ切れしたようです
- 1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/07(日) 21:19:20.83 ID:qwzl1mK50
「悪いが、私は帰らせてもらうよ」
「待ってくれお、こんなはずじゃないんだお!」
「俺もホテルに戻るぜ。今なら住職の考えも分かるような気がする」
- 3: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:20:37.68 ID:qwzl1mK50
(*^ω^)「今日は僕の世界に来てほしいお!」
如何にも能天気そうなこの男。
次に行く世界も決まっていないという理由からすんなりと決まったこの旅行。
代わり映えすることなく活気に満ち溢れた若さと情熱の街、アキバハラ。
そう説明する男の笑顔は眩しかった。
(*^ω^)「きっと楽しんでもらえるはずだお!」
そして、ジャムによって用意された眩い光に包まれた扉を開く。
- 6: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:21:41.69 ID:qwzl1mK50
(;^ω^)「……どうなってんだお」
代わり映えすることなく活気に満ち溢れた若さと情熱の街、アキバハラ。
('A`)「こりゃ酷い」
しかし彼らが目にしたのはそんなアキバハラの変わり果てた姿だった。
从;'ー'从「誰もいないよ?」
閉められた店は寒々とした空気に包まれ、来るものを拒んでいるようにさえ感じられる。
川 ゚ -゚)「ほう……」
自然と歩みは減っていく。
(´・ω・`)「どうなってるんでしょうね」
五人が次に向った先は、アニメ店長の世界。
Bグループ合作
from (炎^ω^)ブーンがアニメ店長になったようです
ぼくらの
- 7: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:21:58.06 ID:qwzl1mK50
('A`)「あー何ていうか」
静まり返ってしまった空気に、ドクオが口を開く。
('A`)「寂しいところですね、アキバハラって」
(;^ω^)「そんなことないんだお! これは何かの間違いだお!」
必死な身振り手振りで“本当のアキバハラ”や“anim@teの何たるか”を説明しようとするが
既にドクオはまるで聞いておらず、げんなりとした顔でズボンのチャックを上げ下げしていた。 *
('A`)「この、巻き込みそうで巻き込まないスリルが溜まらん」
川 ゚ -゚)「とにかく、ここに居ても仕方ないだろう。先に進むぞ」
(´・ω・`)「(ネジの外れている筈の住職がまともなことを……)」
川 ゚ -゚)「オフの時ぐらい、勘弁してくれな」
(´・ω・`)「ふむ」
从;'ー'从「……オンとかオフとか言ってる時点で既にネジ抜けてると思いますけど」
( ^ω^)「……とにかく、ついてきてくれお」
ブーンの指示を仰ぎ、一向は彼の働いているというanim@teへと向った。
- 11: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:22:45.13 ID:qwzl1mK50
anim@te。
何の因果か、当時ニートだったブーンを店長として向かい入れ、
大体その頃から厄介ごとの多くなった店。
('A`)「……これがanim@teですか?」
一行の目の前にはanim@teの看板。
そこは間違いなく、彼の言う場所だった。
(;^ω^)「違うお……こんな、こんな筈じゃないんだお……」
('A`)「道でも間違えました?」
(;^ω^)「そんな筈無いんだお。けど」
('A`)「ならここがanim@teってことで」
そういうとドクオは一歩後退し、うなだれたブーンの後姿を視界から外した。
川 ゚ -゚)「何にせよ、ここに長居をしようとは思わないな」
クーの言葉がブーンに突き刺さる。
そして追い討ちをかけるように、言葉が行き交う。
从'ー'从「どこか座れる場所でもないんでしょうか」
(´・ω・`)「来る途中には見当たらなかったけど」
('A`)「何処も閉まってますからね」
- 16: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:24:15.12 ID:qwzl1mK50
(;^ω^)「ツン! クーさん! ヒッキー! ショボンさん! どこに居るんだお!」
(´・ω・`)「え?」
川 ゚ -゚)「何だ?」
(;^ω^)「二人のことじゃないお!」
しかし彼の呼びかけに応じるものはいない。
この場所には彼ら以外、誰もいなかった。
(;^ω^)「(ダメだお、このままじゃ。皆に見てもらうんだお)」
ブーンはポケットからどう見てもサイズ的に入りそうに無いサンバイザーを取り出す。 *
そして。
(炎^ω^)「うおおおおおおおおおお!!!!!」
サンバイザーを装着した瞬間、彼から発せられるオーラが変わった。
(;'A`)「……それで、どうします?」
(炎^ω^)「みんなを、見つけ出すお! 手を貸してほしいお!」
从'ー'从「……そうですね。このまま帰るわけにもいかなそうです」
(炎^ω^)「ありがとうだお!」
- 19: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:25:13.26 ID:qwzl1mK50
(;'A`)「(帰りたいなぁ……)」
しかしドクオは空気を読み、解決の方向へと会話を進める。
結局のところ、このままじゃ帰れそうにないことを察しての行動だった。出来るだけ早く帰れたほうが良い。
('A`)「とりあえず、ブーンの知ってるところに行ってみましょう。何か分かるかもしれない」
(´・ω・`)「そうだね」
从'ー'从「行きましょう」
('A`)「えぇ」
(炎^ω^)「案内は俺に任せてくれお!」
(゚A゚)「ハッ!」
そのときドクオは気付いた。
まさかとは思うが、これはもしや。そう信じてやまない、この沸きあがる感情。
(゚A゚)「……今の俺、かっこよくね?」
- 23: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:26:51.15 ID:qwzl1mK50
さすったところで真偽は確かめられないが、頭のネジは外れてないと思う。
頬っぺたを抓っても気持ちいいだけ。
強く抓っても気持ち良いだけ。
(*'A`)「夢じゃない」
既に歩き始めていたブーンが早く来いと手振りする。
(*'A`)「考え事をしていても置いていかれない……」
拳を握りしめ、振り上げた。
(*'A`)「今日は扱い良いなぁ」
四人に追いつこうと急いで向うドクオの顔は、格別に輝いていた。
(´・ω・`)
从'ー'从
川 ゚ -゚)
(炎^ω^)
(*'A`)「ゴメン、遅れたぁー!
fin」
- 28: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:28:46.47 ID:qwzl1mK50
(´・ω・`)「……終われるわけ無いだろう」
从'ー'从「やって良いことと悪いこと。それとやって良い状況かどうか。分からないんですか」
川 ゚ -゚)「それぐらい、どこぞのギアスでも分かるわ」 *
(炎^ω^)「……行くお」
('A`)「あっ……その、ゴメンナサイ……」
そして彼らが次に向った先はメイド喫茶Pure ca@rrot。
ブーンの話によれば、メイドに関してプロフェッショナル的な女性が居るという。
(炎^ω^)「……誰も居なくても、座ることぐらいは出来ると思うんだお」
先ほどの自分の言葉を気遣っていてくれたのかと気付き、
慌ててぺこりと頭を下げる渡辺。
从'ー'从「ありがとう」
(炎^ω^)「こんな筈じゃなかったんだけど……恥ずかしいところを見せてしまったお。せめて、出来ることはさせてもらうお」
川 ゚ -゚)「ドクオ、見たか?」
('A`)「……はい」
川 ゚ -゚)「ダボが」
('A`)「……はい」
- 31: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:31:14.79 ID:qwzl1mK50
予想通り、Pure ca@rrotに着いたが出迎えてくれるはずのメイドはいなかった。
少しずつ言葉数の減っていくブーンに、一同も黙ってしまう。
( ^ω^)「……どうしたもんかお」
オープンテラスに腰掛ける五人。
随分と歩かされて疲れていないわけでもないが、何よりこの状況に溜息が出る。
ブーンに至ってはサンバイザーを外してしまった。
(´・ω・`)「とにかく。この街に何か異変が起こっている……ということでいいのかな?」
( ^ω^)「その通りだお。アキバハラは、こんな所じゃないんだお!」
(´・ω・`)「うん、それは何度も聞いたよ」
川 ゚ -゚)「しかしな……」
クーが何かを言い終える前に、それは突然訪れた。
ほんの少しの風を感じたと同時に、突然足元から生えてくる巨大な樹木がクーの座っていた椅子を一瞬にして取り囲み、そして押しつぶした。
(;゚ω゚)「クーッ!?」
椅子や机の欠片が、彼らの周りで勢いよく吹き飛ばされていく。
( _ゝ )「一撃必殺。……ですぅ」
( < _ )「……ふん」
- 33: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:33:32.23 ID:qwzl1mK50
何かが降ってきた。
ブーンに確認出来たのはそれだけで、ただ呆然と巻き上がる砂埃を眺めているしかなかった。
(;゚ω゚)「そんなっ……」
振り向くと、少し離れたところにうつ伏せに倒れこむ渡辺の姿。
いくらか擦りむいているようだが、起き上がろうとしているところを見ると命に別状はなさそうだ。
从メ'ー'从「痛ぁ……」
そしてブーンと渡辺の距離を三倍にした位置で尻餅をついているドクオの姿が目に映る。
(;'A`)「う、うわぁ……あぁ……」
しかし。
見渡す限り、二人だけ。
(;゚ω゚)「ショボンさん、クー……」
少しずつ、大きく広がった砂埃も姿を消す。
その先に一人分のシルエット。一人分しかなかった。
自分の街に遊びに来てくれていたはずの四人が、欠けてしまった。
立っているのは――
(;´・ω・`)「危ないところだった」
- 38: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:35:09.87 ID:qwzl1mK50
気を失ったクーを右脇を使い片腕で抱えながら、ショボンは現れた。
(;^ω^)「ショボンさんッ!」
(´・ω・`)「大丈夫、住職もこの通りだ」
(;^ω^)「よかった……」
(´・ω・`)「どうやら今の場面では“このショボン様さ”って言わなきゃいけなかったらしいが、そんな余裕がなくてな」
申し訳ない、と言わんばかりの表情で、クーを少し離れた店先に寝かせた。
(´・ω・`)「しかしこの僕が反応しきれないとはね……」
ショボンの指差す先に、この騒動の原因らしき二人が立っていた。
一人は緑色のフリルのついたドレスを着ており、もう一人は青い紳士向けだが同系統の服を着た男。
(;'A`)「うわ。わ。な、何を……」
身をかがめていたドクオに二人の男が近づく。
- 44: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:37:52.00 ID:qwzl1mK50
( ´_ゝ`)「俺の名前は流翠星石(ながれ・すいせいせき)」
(´< _` )「……俺の名前は流蒼星石(ながれ・そうせいせき)」
( ´_ゝ`)「二人そろって」
( ´_ゝ`)(´< _` )「 薔 薇 紳 士 」
堂々とした自己紹介を終え、再度二人はドクオに向き合う。
彼らの手には、それぞれ「如雨露」と「鋏」が握られていた。
( ^ω^)「兄者、弟者……」
名乗った名前と違う名前を口にしたブーンに、ショボンが問いかけた。
(´・ω・`)「彼らと知り合いなのか?」
( ^ω^)「……同じアキバハラに店を構える仲間だお」
(´・ω・`)「ほう、これは中々。……ハードだね」
不敵な笑みを浮かべるショボン。
- 50: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:39:04.99 ID:qwzl1mK50
思い出したようにブーンとショボンは倒れた渡辺の元へと駆けつけ、
手を差し伸べると肩を貸しながら起き上がらせた。
(;^ω^)「大丈夫かお?」
从メ'ー'从「うん、思ったより痛くないかな」
(´・ω・`)「すまない、机の向こうにいた君を連れて逃げることが出来なかった……」
从メ'ー'从「ショボンさんのせいじゃないですよ」
(;^ω^)「本当にゴメンお……」
从メ'ー'从「ブーン君のせいでもないから」
ショボンは先ほど座らせたクーの元へと向う。
しかし目を覚ます様子はなかった。
(´・ω・`)「ふむ」
クーを背負いながらブーンと渡辺の下へと戻るショボン。
(´・ω・`)「彼らについて、聞いても大丈夫かい?」
( ^ω^)「勿論だお」
- 54: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:40:34.46 ID:qwzl1mK50
( ^ω^)「けど、あれは僕の知ってる兄者と弟者じゃないお」
(´・ω・`)「何か理由でもあるのかい?」
( ^ω^)「具体的なモンじゃないお。けど、どこか違う。兄者はもっと“熱い”やつだお。弟者はもっと“冷めた”やつだお」
抽象的な説明に、いまいち腑に落ちないといった表情で返すショボン。
その一方で、ドクオは二人にじりじりと迫られていた。
(;'A`)「やめて、やめてくれ……」
( ^ω^)「街の異変と、二人の行動。やっぱりアキバハラで何かが起こってるんだお」
(´・ω・`)「みたいだね。にしても街全体を巻き込む陰謀。何か根の深いものを感じるよ」
( ^ω^)「…………」
如雨露から滴る水が地に触れる瞬間、もの凄い勢いで樹木が生えて育つ。
それをもう一人の鋏で一瞬にして切り倒す。
(;'A`)「木が、倒れて……う、うわあああああああああ」
( ^ω^)「実は、さっきから気になってることがありますお」
(´・ω・`)「なんだい?」
- 58: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:43:10.89 ID:qwzl1mK50
( ^ω^)「心当たりがあるんですお。この全ての現象に」
从メ'ー'从「そうなんですか?」
( ^ω^)「そんな筈ないって思ってたんだお。けど、ショボンさんの言葉でその可能性もあるかなって」
(´・ω・`)「ほう」
ブーンは過去にアキバハラであったことを話した。
かつて一度、一人の男によってアキバハラが奪われそうになったこと。そしてそれをみんなの力で防いだこと。
結果として男は捕まり、あれ以来姿を見ていないこと。
その男が、脱走しているかもしれないということ。
( ^ω^)「名前は塩沢。アニメやゲームにフィギュア。オタクと称されるものを嫌うアキバの敵だお」
迫り来る大木。震える手足。こちらを見据える男達。
(;;A;)「うわあああああああぁあぁぁぁぁぁあああ!!!」
- 64: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:45:15.36 ID:qwzl1mK50
川 ゚ -゚)「……つまり、その塩沢とやらが今回のことに深く関わっているかもしれないということだな」
(;;A;)「クー……」
川 ゚ -゚)「うるさくて起きてしまったぞ」
片手で倒れてくる大木を受け止めると、足元のドクオをブーン達のほうへと蹴飛ばした。
そして大木を薔薇紳士へと投げつける。
( ´_ゝ`)「……ッ!?」
(´< _` )「……クソッ」
大木がその場に勢いよく倒されると、また辺りに砂埃が立ち込める。
薔薇紳士を巻き添えにして。
(´・ω・`)「……それにしても今日は良くネジが締まっているんだね」
川 ゚ -゚)「明日、明後日の分まで使っている感じだ」
从メ'ー'从「……何を?」
川 ゚ -゚)「平常心」
(;^ω^)「明日が怖いお」
- 68: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:47:09.36 ID:qwzl1mK50
(´・ω・`)「さて、これで目的は分かった」
川 ゚ -゚)「あそこにいる二人をとっ捕まえればいいんだろう」
( ^ω^)「捕まえて全て話してもらうお」
砂埃が徐々に薄く消えていく。
そして中から二人の男が立ち、構えているのが分かる。
从メ'ー'从「うーん。こういうのって私慣れてないから……」
(炎^ω^)「俺に任せるお! アニメ店長になった俺はパーペキな蝶人だお!」
( ´_ゝ`)「……舐めるなよ……ですぅ」
(´< _` )「……ふん」 ('A`)「?」
兄者と弟者がそれぞれの武器を握り直し、四人へと突きつける。
( ´_ゝ`)「……この力さえあれば」
(´< _` )「絶対に負けん」
- 74: ◆FpeAjrDI6. :2007/10/07(日) 21:48:46.50 ID:qwzl1mK50
兄者が如雨露を勢いよく振ると、弧を描いた水がショボンを襲う。
すぐに横っ飛びで避けようとするが、上着の一部に掛かってしまった。
(;´・ω・`)「くっ……」
途端に芽を出すとぐんぐんと成長し、やがて先ほど見たものと同じ樹木となる。
ひとりでに幹を動かし、ショボンを取り囲むようにして成長を続けていく。
(炎^ω^)「ショボンさん!」
一瞬にして木製の鳥かごに収まってしまうショボン。
川 ゚ -゚)「させんよ」
クーがショボンを包んだ樹木に飛びつくと、その瞬間、炎上した。
Σ(^ω^炎;)从'ー';从「「何で(だお)!?」」
そして数秒後には爆発。
大量の煙と燃え盛る炎の中に、一瞬にして鳥かごは姿を消してしまった。
(´< _` )「よそ見してんなよ」
弟者の振りかざした鋏が、渡辺に向って落ちてくる。
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