DOKUO's A-LIVE STORY

  
85: 169◆f4rw8oIHfU :10/25(水) 17:07 5fBMzxx8O
  



11th〜The Head〜


(,゚Д゚)ようこそ

話かけてきたのは若い男だった
その男は俺より背は高くどこか温和な印象を受ける
その雰囲気に気を許したのだろう
俺も先程の緊張感から解放されていた

(+'A`)あんたは?

俺の質問に男は応えを一瞬躊躇した
一呼吸分間を空け応えた

(,゚Д゚)義児

―――コイツがギコ?

―――俺に変な薬を射って拘束したヤツ?

―――コイツが組の頭?

―――コイツが……素直の笑顔を?

―――素直の涙を?

(+'A`)テメェが……

怒りが呟くような声となって発する
拘束されていて体は動かないがそれでももがき続ける

(#'A`)コノ野郎っ

もがきながら出来る限り声を出して叫び続ける
二人だけの空間にベッドの軋む音と独雄の怒号が響き渡る



  
87: 169◆f4rw8oIHfU :10/26(木) 16:29 v6YwsRbzO
  


どの位叫び続けただろう
もう喉が潰れそうだ

(;'A`)はぁ…はぁ……

(,゚Д゚)お前の身体に射った薬は―――

ギコは唐突に話掛ける
その口調は柔らかく優しかった

(,゚Д゚)筋肉量の増加に伸縮性の飛躍、さらに瞬間記憶能力―――

今更何を言ってるんだ
そんなものは俺が一番よく知ってる
と言いたくなったがギコは話には続きが有りそうだから黙ってる

(,゚Д゚)そして―――


―――凶暴性の発現を促す


凶暴性の発現?
何の事だ?
余りにも唐突で衝撃的な内容に言葉を失った



  
89: 169◆f4rw8oIHfU :10/26(木) 21:59 v6YwsRbzO
  


(+'A`)……なんだよそれ?

擦れる声で問い掛ける
多分震えた声だろうが気にならなかった

(,゚Д゚)先ずはお前が披見者になった理由から説明するか……

そう言ってゆっくりと話し始めた
その口調はやはりどこか温和だった
しかしはっきりと順を追った説明だった

(,゚Д゚)お前は過去にヒトを殺してる

その言葉にまた思考が中断される
そんな俺に構わずギコは続ける

(,゚Д゚)さらに好いてるヒトがいる

―――素直

(,゚Д゚)その二つが大きな理由だ

―――素直が泣いてたのは俺の所為?
ギコ話を聞いて
“素直から笑顔を奪ったのは俺に原因がある”
と思わず考えてしまった

もう俺が披見者になった他の理由なんかどうでもよかった



  
90: 169◆f4rw8oIHfU :10/28(土) 06:10 dcLz0zsdO
  


    “絶望”

その言葉が俺を支配した

―――俺がショボンを殺したから……

―――俺が素直を好きだから……

もう言葉が声にならなかった
あの事件以来ずっと自分を呪っていた
そんな俺に素直は“希望”をくれた

(,゚Д゚)忌むべきはお前自身じゃない……

―――俺だ

(,゚Д゚)俺を憎め

なに言ってんだ?
‘忌むべきはテメェ’だ?

(+'A`)俺は親友を二人殺した……

―――だから

(+'A`)誰かを憎む資格がない

俺は言う
自分に言い聞かせる様に
もうあんな事をしないように

(,゚Д゚)俺はお前の彼女を強姦したんだぞ?

(,゚Д゚)さらにお前の宝物も壊した……

ギコが顔をニヤつかせ嬉しそうに話す

―――愉しかったなぁ〜

その顔と口調は今までの温和なものではなかった

―――道化

その言葉が頭にうかんだ


11th End



戻る次のページへ