( ^ω^)はヌクモリティを取り戻すようです

238:◆uAn5dIn1Sw:06/16(土) 21:40 9Lhi8x5SO
  


第二話

疑惑


学校に向かう足取りは重い。
今はあんなことはもうない。

でも、あのドクオの台詞が頭から離れてくれないんだ……



ドクオは本当は私をどう思っているんだ?
私の体が目当て?
自慢するため?

川; ‐ )「駄目だ駄目だ駄目だ!」

ドクオを疑うなんて最低じゃないか。

いつもの私に戻るんだ。暗い気持ちに縛られてはいけない。

('A`)「よう、オハヨー」

川゚‐゚)「ああ、オハヨー」

いつもの表情で、
私らしく。

川д川「おはようクーちゃん」

川゚‐゚)「おはよう。貞子」

友達。私にもこんなにも仲良い友達がいる。

大丈夫。私はもう大丈夫だ。



239:◆uAn5dIn1Sw:06/16(土) 21:51 9Lhi8x5SO
  


授業が最近早く終わって欲しくなった。
クラスの違うドクオと私は休み時間しか会えないから。
休み時間が苦痛で授業がずっと授業が続いて欲しかった昔の私とは違う。

四限終了のチャイムが響くと同時に日直が礼を掛ける。

ドクオのいるクラスで弁当を食べよう。

川゚‐゚)「ドクオ。弁当を……」



240:◆uAn5dIn1Sw:06/16(土) 22:07 9Lhi8x5SO
  


俺は心には人それぞれ違うカタチがあると思う。

( ^ω^)の奴の心は丸くて柔らかいイメージ。マシュマロって感じに。

(´・ω・`)の心は緩く角張っててフワフワしたイメージ。

( ゚∀゚)「よう、ドクオ。なんか考えごとか?」

こいつの心は電球みたいに光っていて角張ってるが蒟蒻みたいに柔らかいと思う。

('A`)「おうよ。今度のデートにお前が来ない方法を考えていた」

( ゚∀゚)「ひでえや」

( ^ω^)「おいすー。ドクオ!弁当食べるお!」

川д川「私が作ったんだよ?」

女の子のはイマイチよくイメージできない。
貞子ちゃんはフサフサで浮かんでいる…ぐらいか?

女の子でも一人だけ、
心のカタチがよくわかるのがいる。

川゚‐゚)「すまない。少し遅れた」

クーだ。



242:◆uAn5dIn1Sw:06/16(土) 23:50 9Lhi8x5SO
  


クーの心のカタチ。
川゚‐゚)「明日は私も弁当を作ってこようか?」

('∀`)「茹でたまご以外で頼むな」

川 ‐ )「……この前の弁当……嫌だった?」

(;'A`)「いや、今度は別の料理も食べたいなって」


初めて出会ったころのあいつの心のカタチは
ガラスみたいに硬くて冷たくて

『ほっといてくれ』

川゚‐゚)「なんだ、なら心配するな」

('∀`)「期待してるからな」

( ^ω^)「僕も食べたいお」

川д川「え〜、私は明日も作ってくるよ」


ハリネズミみたいに尖っていて

『もう嫌なんだ』



川゚‐゚)「みんなで食べればいい」

( ゚∀゚)「俺も混ぜてくれよ」



243:◆uAn5dIn1Sw:06/17(日) 00:14 zPBZxVzyO
  



そして、ひどく脆くて。

『そんなことをして何になる』

あの春の日、
傷ついた心はモララーの電波に壊された。

寂しさに負けたクー。
自暴自棄になって俺達に背いたクー。


……変な話だよな。
おかしくなっちまったクーを見て、
俺の気持ちは固まったんだ。
あの告白は、決意だったんだ。

あいつの心は、誰かがゆっくり触れて、
硬いガラスの棘を抜いてやればよかったんだ。

それは俺の役目だ。
棘に触れて、傷ついても、
俺はクーに触れ続ける。
そんな決意。



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