( ^ω^)ブーンが大切なモノを失くしてしまうようです。
- 44: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:24:54.01 ID:rAau3M+j0
- (´・ω・`)「やぁ、ようこそバーボンハウスへ
ん?あぁ、今日は仕事じゃなかったんだ。
すまない。
今日は僕の友達の話を聞いてもらおうと思ったんだ。」
(´・ω・`)「さて、昨日の続きだったね.
ブーンの話を聞く限り、僕はツンに対して憎しみとよべるほどの感情を抱いていた。」
(´・ω・`)「そして、話はまだ終わらない。」
- 46: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:26:35.87 ID:rAau3M+j0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(;^ω^)「大丈夫かおショボン…?」
(#´・ω・`)「何がだい?」
(;^ω^)「手から血が出てるお…。」
(´・ω・`)「あ…。」
気づくと握り締めた拳から血が雫となって零れ落ちていた。
そういえば右手の薬指と小指の爪はしばらく切っていなかった気がする。
( ^ω^)「ブーンの為に怒ってくれるのは嬉しいお。
だけど、それで傷なんか作ったら馬鹿らしいお。」
(´・ω・`)「…それもそうか。」
ゆっくり手のひらを開くと、案の定小指と薬指の爪が赤く染まっていた。
- 49: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:28:34.49 ID:rAau3M+j0
- (;^ω^)「本当に大丈夫かお??」
(´・ω・`)「うん。これくらいなんともないよ。
それより続きを聞かせてくれないか。」
( ^ω^)「大丈夫なら構わないけど…。
じゃあ話を続けるお。」
- 50: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:29:29.75 ID:rAau3M+j0
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
( ^ω^)「仕事を辞めた事をツンに話してからもう3日だお。
なのにあの日以来まったくメールも来ないし、遊びの誘いもないお。」
( ^ω^)「ブーンが送ったメールは見てくれてるのかお…。」
( ^ω^)「…暇だお〜。
ゲームも漫画も飽きたお。
ニートの人って普段何をしてるんだお…。」
( ^ω^)「…ツンの言うとおりやっぱり働くかお。
バイトでもするお。」
- 51: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:30:29.64 ID:rAau3M+j0
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
( ^ω^)「そう決意してとりあえず求人誌に載ってる面接受けまくったんだお!」
(;´・ω・`)「受けまくったって…。どんな仕事だい?」
( ^ω^)「とりあえず、受かったところの中から選ぶつもりだったから、
特に職種も選ばないで片っ端から面接受けたんだお。」
(;´・ω・`)「いや、何の仕事かくらい見ようよ。」
( ^ω^)「選り好みしてても受からなかったら意味ないお。
受かってから選べばいいんだお。」
(´・ω・`)「…そういう考え方もアリか。」
実際給料や職種を考えて面接へ行った所で合格するかどうかはわからない。
とにかくバイトしようと決めて、少しでも早く働きたいなら案外いい手かもしれない。
まぁ、面接を受けた店や会社はしっかり考えて合否を判断して上で、
採用しようと決めたのに断られるのだから迷惑な話だが。
- 53: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:32:18.85 ID:rAau3M+j0
- (´・ω・`)「それでどのくらい面接うけたんだい?」
( ^ω^)「3日で15件だお。」
(;´・ω・`)「…それはまた凄い数字だね。
そのうち何件くらい受かったんだい??」
( ^ω^)「14件採用だったお。」
(;´・ω・`)「…確かに君は人あたりがいいからね。
それにしても凄いね。」
( ^ω^)「バイトなんて簡単に受かるもんだお。
就職は難しいかもせいれないけど、所詮バイトだお。」
(;´・ω・`)「その所詮バイトの面接に10回連続で落ちた記録を持つドクオさんはどうすれば…。」
(;^ω^)「お…。」
- 55: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:33:44.91 ID:rAau3M+j0
- (;´・ω・`)「ま、まぁそれは置いといて、結局何のバイトをすることになったんだい??」
( ^ω^)「コンビニだお!!深夜のコンビニは楽だし時給も割といいから
他の仕事もいろいろ考えたんだけど、やっぱりコンビニにしたお。」
(´・ω・`)「まぁ、無難な選択だね。」
( ^ω^)「ただ…。そのバイトも長くは続かなかったお。」
- 57: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:34:48.37 ID:rAau3M+j0
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
( ^ω^)「コンビニでバイトすることになったはいいけど、ツンから一切メールこないお…。」
( ^ω^)「連絡も取れないし、このまま別れるのかお??
…せっかく頑張って面接受けてニートじゃなくなったんだお。そんなのイヤだお。」
♪愛しい人 貴女の為なら死ねるじゃなくて 貴女の為に生きることにしたよ〜♪
(* ^ω^)「ツンからだお!!!もしもし」
ξ゚听)ξ「久しぶりねブーン。コンビニでバイトするんだって?」
(* ^ω^)「メール見てくれてたのかお!そうだお!今日初勤務なんだお!!」
ξ゚听)ξ「あら、そうなの。残念ね、今日暇だったから遊ぼうと思ってたのに…。」
- 58: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:36:17.43 ID:rAau3M+j0
- (;^ω^)「お…。すまないお、今日は初日だから流石に休めないお…。」
ξ゚听)ξ「まぁ、いいわ。じゃあ。」
(;^ω^)「ちょ、ちょっと待ってくれお!」
ξ゚听)ξ「何?」
( ^ω^)「…なんで今まで全然連絡くれなかったんだお?」
ξ゚听)ξ「仕事で忙しかったのよ。」
( ^ω^)「仕事…かお。」
ξ゚听)ξ「ええ、そうよ。別に遊んでたわけじゃないわ。」
( ^ω^)「わかったお!それならしょうがないお。」
- 62: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:38:20.96 ID:rAau3M+j0
- ξ゚听)ξ「本当に今日遊べないの?私おなかすいたんだけど。」
(;^ω^)「ブーンも遊びたいお…。だけど、初日からサボるわけにはいかないお。」
ξ゚听)ξ「…じゃあ他の人に頼むからいいわ。」
( ^ω^)「あ、ツn…。 切れたお。」
( ^ω^)「…しょうがないんだお。そういうときもあるお。」
- 63: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:39:58.11 ID:rAau3M+j0
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
( ^ω^)「それからブーンは週に4〜5回コンビニでバイトしてたお。」
(´・ω・`)「…そうか。まぁしょうがないよね。
ブーンと遊べないからといってツンに遊ぶなと言うわけにもいかないし。」
わざわざ他の人と遊ぶ、という事をブーンに伝える必要はないと思うが。
という言葉は言わないでおこう。
( ^ω^)「そうだお。そしてそれからは休みの日に何度かツンとご飯食べにいったりしたんだお。
だけど…。」
- 65: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:41:40.96 ID:rAau3M+j0
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ξ゚听)ξ「ねぇ、明日も遊べる?」
( ^ω^)「明日はバイトだからそれまでなら遊べるお!!」
ξ゚听)ξ「…10時までか。 サボっちゃいなさいよ。」
(;^ω^)「お…。まだバイト始めて2週間もたってないお。」
ξ゚听)ξ「イヤならいいわよ。他の男と遊ぶから。」
(;^ω^)「…わかったお。風邪ひいたって事にしとくお。」
ξ*゚听)ξ「やったぁ♪好きよブーン。」
(* ^ω^)「おっおっお♪ ブーンもツンが大好きだお!!」
- 67: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:44:02.78 ID:rAau3M+j0
- ξ*゚听)ξ「私明日買い物行きたいなぁ〜。」
(;^ω^)「今日大量に服買ってあげたお。それにこないだ勝手あげた服もまだ着てないお?」
ξ゚听)ξ「こないだ買ってもらった服なんか気に入らなくなっちゃったの。
だから新しいの欲しいな〜。」
(;^ω^)「ブーンは今コンビニのバイトだお。あんまりお金使うとすぐなくなっちゃうお。」
ξ゚听)ξ「貯金があるじゃない。元ホストがケチくさいこと言わないでよ。」
( ^ω^)「…ツンは暇が無いほど働いてるけど、何に使ってるんだお?」
ξ゚听)ξ「女はいろいろお金がかかるのよ。」
( ^ω^)「…。明日までだお?」
ξ*゚听)ξ「うん!ありがとうブーン!」
(* ^ω^)「しょうがないコだお。」
- 69: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:46:42.01 ID:rAau3M+j0
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
( ^ω^)「結局それからもいろいろ買わされたお。」
(´・ω・`)「…君もホストだったんだからお金の怖さくらいしってるよね?」
( ^ω^)「お…。」
お金の怖さ。
お金というものは本当に怖い。
何より怖いものは人間関係を壊すこと。
ジョルジュやドクオに僕たちが簡単におごったりお金を貸したりしないのはこのためだ。
元々仲のいい友達だったとしてもお金が絡むと簡単にその関係は変わってくる。
いつも遊んでいるときにおごってあげていると、奢らなかったときに不満が生まれる。
元は遊びたいから遊んでいたのに、いつも奢ってもらっていると、
奢って貰えるから遊ぶ、というように変わってしまう。
最終的に仲のいい友達は、ただの便利な奴になってしまう。
それが無意識だとしてもだ。
- 73: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:53:49.12 ID:rAau3M+j0
- ブーンがやった事は本当に好きなら決してしてはいけない事だ。
もうこの時ツンにとってブーンはただの財布でしかなかっただろう。
最初は恋愛感情があったはずだ。
そしてそれは冷めていった。本来はそこで終わるはずだった。
しかし、ツンにはいろいろ奢ってくれるブーンの存在がなくなるのがもったいなく思える。
好きではないけど、奢ってくれるからまだ離れないでおこう。
当然の思考だ。
当然ブーンがツンを繋ぎとめる術は奢り続けるしかない。
悪循環。
その程度の事、ホストをしていたブーンにわからないはずがないんだが。
- 74: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:54:58.28 ID:rAau3M+j0
- (´・ω・`)「どうして…。」
( ^ω^)「最初は軽い見栄だったんだお。それに、ツンが喜んでくれると嬉しかったし…。」
(´・ω・`)「…。」
( ^ω^)「だんだんブーンがお金出すのが当然になっていったお。
買うものも、最初はコンビニでご飯買ったらついでにリップも…とかだったんだお。
それがいつの間にか化粧品になって、服なんかもブーンのを買いに行った時に
ツンのも一着買ってあげる程度だったんだお。
それがいつの間にか…。」
- 76: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:57:05.90 ID:rAau3M+j0
- (´・ω・`)「…君にとって、初めての本気の恋だったんだもんね。」
( ^ω^)「…。」
(´・ω・`)「やり方なんてわからないよね。嫌われるのが怖いよね。」
( ^ω^)「…。」
(´・ω・`)「喜んでくれたら嬉しいよね。もっと喜んだ顔が見たくなるよね。」
( ;ω;)「うっ…。」
(´・ω・`)「ブーンは悪くないさ。君なりに本気でツンの事を愛したんだろう?」
( ;ω;)「うわぁああああああああああああ!!」
- 78: ◆2tIpUAdHJU :2007/07/29(日) 23:58:32.33 ID:rAau3M+j0
- そんなブーンの気持ちを…ツンは踏みにじったんだ。
泣き崩れるブーンを目の前にして僕は何もできない。
だから…。せめて黙っていよう。
ブーンが泣きやむまで、そっとしておいてやろう。
本気の恋を知らない僕には、彼の傷を治す事も、
同じ気持ちになってやることも、慰める言葉すら持っていないのだから。
〜流れる雫・完〜
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