( ^ω^)ブーンがネオファイターになるようです
- 2: たけし ◆SXCV.2heRo :2007/07/14(土) 16:09:13.05 ID:+W3F0ucl0
――――プロローグ――――
真っ白な病室の、窓の形に切り取られたそこから見える景色が、わたしの世界のすべてでした。
生まれたときからずっとそこにいて、生まれたときからずっとその景色を見ています。
季節が移ろい、景色がゆっくりと変わって行くのだけが楽しみでした。
――わたしはいつもひとりぼっち。
窓の景色に映る元気に走り回る子供たちが羨ましかった。
もうすぐに失ってしまう命を大切に抱えながら、わたしは季節の移ろいだけを楽しみにただ待っています。
わたしはあと、幾つの季節を乗り越えられるのでしょうか。
わたしにはもう、時間が残されていないのでしょう。
それでも、わたしは待っています。
季節の移ろいと共に、失われていく命を抱えながら。
わたしという存在がなくなってしまうそのときまで、わたしは待っていました。
- 4: たけし ◆SXCV.2heRo :2007/07/14(土) 16:11:16.55 ID:+W3F0ucl0
――そんなわたしに、一通の封筒が届きました。
誰かから手紙を貰うのは初めてでした。
嬉しかった。すごく。そしてそれが、わたしの小さな世界の鍵を解き放ってくれた。
わたしが望んでいたことが、やっと叶いました。
その一通の封筒が、わたしと荒巻の出逢いでした。
荒巻はわたしにとって、たったひとりの友達。
わたしが望んでいたもの。それは、友達です。
荒巻はわたしを受け入れてくれた。
だからわたしは、荒巻と一緒に世界から飛び出しました。
荒巻の背に乗って。
見ているだけしかできなかった大空を駆け抜けて。
- 5: たけし ◆SXCV.2heRo :2007/07/14(土) 16:13:07.71 ID:+W3F0ucl0
わたしは、荒巻と一緒に世界を知りました。
わたしに、もう一つの望みができた。
荒巻とずっと一緒にいたい。
だから、探しています。荒巻と一緒に、わたしは探しています。
望みを叶えたい。ひとりぼっちになりたくない。
わたしは荒巻と一緒に、ずっとずっと、一緒にいたい。
たったそれだけを望み、たったそれだけを叶えるために。
わたしは、
……――荒巻と一緒に、
戦います――……
( ^ω^)ブーンがネオファイターになるようです
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