( 'A`)はアルバムを捲るようです
- 5: ◆IgPB3k.W/o [Page:2 参観日] :2007/07/17(火) 23:47:44.01 ID:ooKMj/wrO
私とツーとの出会いは小学校。
人見知りだった私。
誰とでも別け隔てなく話せるツー。
周りから見ればえらく対照的だったと思う。現に私もそう思っていたのだから。
しかし、お互いの個性がまったく違っていたからこそ私達二人は尊敬し合えたのだと思う。
- 6: ◆IgPB3k.W/o [Page:2 参観日] :2007/07/17(火) 23:49:52.60 ID:ooKMj/wrO
――――――――――――
ξ;゚ー゚)ξ「この写真は………」
そこに写っていたのは泣いて目を腫らした7人とその親たち。そして担任のビロード先生だ。
(´・ω・`)「授業参観……だね…」
(; 'A`)「ぽいな」
これは恐らく私の記憶のなかに一番深く残っているものだ
- 7: ◆IgPB3k.W/o [Page:2 参観日] :2007/07/17(火) 23:51:15.61 ID:ooKMj/wrO
七人それぞれが目を腫らしているが、全員が笑っている。
その笑顔が窓から差し入る夕陽に照らされ朱く、朱く、染まっていた
思春期に入ったばかりの中学生の頃、私はイジメられていた。
七人しかいない学校でどうやってイジメられるかって?
私をイジメていたのは級友ではなく、親だった……
イジメられていたと言えば語弊が生じるかもしれない。
しかし、子供心に理不尽だと思えるほど父の私に対する態度は厳しいものだった。
- 8: ◆IgPB3k.W/o [Page:2 参観日] :2007/07/17(火) 23:52:48.07 ID:ooKMj/wrO
私は比較的裕福な家に生まれた。父は県庁に勤め、母はパートをこなす。厳格な父と対照的に明るく柔和な母。
この微妙なバランスにより私たちの家族は成り立っていた。
しかし、突如そのバランスが崩れる。
母が亡くなったのは私が十歳になろうかという冬の訪れを感る寒い日のことだった。
私は悲しみに暮れ光を失った、、、
- 9: ◆IgPB3k.W/o [Page:2 参観日] :2007/07/17(火) 23:53:47.25 ID:ooKMj/wrO
優しかった母、笑顔を絶やさなかった母
母がくれた髪留め、母が編んでくれたマフラー
父が厳格であった為か、母の優しさが余計に身に染みた。
自分がパートで貯めたお金で母は、父に内緒で買ってゲームボーイを買ってくれたりもした。
家事と仕事を両立し、余ったお金で私に服やおもちゃを買い与える。今思えば本当にできた母だったと思う。
そんな母を失い、絶望に打ち拉がれる私に再び光を与えてくれたのは、やはりあの六人だった。
- 11: ◆IgPB3k.W/o [Page:2 参観日] :2007/07/18(水) 00:00:55.93 ID:oG/dd6xvO
――――――――――――
( ^ω^)「ツーン!!朝だお!!学校行くお!!」
ξーοー)ξ「ふぁーぁzzz今起きたとこよ、今何時かわかってんの?」
(; ^ω^)「おっ……確か八時はry」
ξ#ー匆)ξ「短針が三回余分に回ってるわよ」
(; ω)「正直スマンカタ」
ξ゚ー゚)ξ「まぁ、良いわ。早起きは三文の得って言うしね」
(* ^ω^)「おっwwそれじゃあ早く支度して学校に行くおww」
ξ゚听)ξ(……お父さんは昨日は帰らなかったのか……)
父は仕事場がこの町から離れているせいか帰ってきたり、こなかったりになっている
- 12: ◆IgPB3k.W/o [Page:2 参観日] :2007/07/18(水) 00:03:56.06 ID:oG/dd6xvO
( ^ω^)「ツーン!!早くするお!!」
ξ゚ー゚)ξ「はいwwはいww」
ブーンの不器用な優しさがあの頃の私にはたまらなく嬉しかった
⊂二二( ^ω^)二⊃「ツン、早くしないと置いていくお?」
ξ゚听)ξ「キメェww」
ブーンは毎日私を迎えに来てくれていた。
あの寝坊の常習犯のブーンがだ、、、
(*//ω/)「別にアンタの為に早起きしてるんじゃないからね!!」
ξ゚听)ξ「はいはい、ツンデレ乙」
- 13: ◆IgPB3k.W/o [Page:2 参観日] :2007/07/18(水) 00:05:20.31 ID:oG/dd6xvO
学校に着けばいつも皆が待っていてくれる
母が亡くなってから二ヵ月が過ぎ、春が来た
桜の花が芽吹き始めていた
( 'A`)「おせーよ」
(;´・ω・)「まぁ僕達も五分前に着いたばかりだけどね」
从'ー'从「ドクオ君が遅刻しないなんて信じられないねぇ」
ブーンと同じくドクオも遅刻の常習犯だ
(; ^ω^)「ツンが走らないんだおww僕だけならもっと早く着けてたおww」
ξ゚听)ξ「なに言ってんのよ!!ってか今何時だかみんなわかってる?7:00よ?始業は8:40」
(; ゚∀゚)「まぁいいじゃねーかwwまた昨日みたいに喋ってりゃ時間なんて直ぐ過ぎるよww」
あの時はこんな事を言っていたが、あの頃の私にとってあの一時間四十分はかけがえのないモノだった
- 15: ◆IgPB3k.W/o [Page:2 参観日] :2007/07/18(水) 00:08:40.24 ID:oG/dd6xvO
(; 'A`)「別に早起きしてダベるってのは構わないがまた昨日みたいに教室開いてないだろ」
( ゚∀゚)「……いや、その点は大丈夫みたいだww」
ジョルジュが見た方を見てみると一人の女の子が大人を引きずりながらこちらに歩いていた
(*゚∀゚)「オラッ!!さっさと歩け!!ビロード!!」
(; ><)「やめてください!!訴えますよ!!これは立派な暴力だ!!犯罪なんです!!」
(*゚∀゚)「やかましいわ!!つべこべ言わず歩け!!」
ξ゚д゚)ξ( ^Д^)(´・Д・`)从'д'从( 'Д`)「……」
いや、あの時はもうダメかと思ったわ。だって想像してみてよ。同級生の女の子が担任を蹴りながら、いや、ドリブルしながらこつちに向かって歩いてきたのよ
- 17: ◆IgPB3k.W/o [Page:2 参観日] :2007/07/18(水) 00:10:58.15 ID:oG/dd6xvO
(*゚∀゚)「おはよーすww」
(; ><)「あっ!!ツンデレさん、お早ようなんです!!」
ξ;゚ー゚)ξ「先生はなぜこんな時間に学校にいらっしゃるんですか?」
( ;'A`)「…いや、聞かなくてもわかるだろ」
(; ><)「文字通り寝込みを襲われたんです。気付いたら背広を着ててツーさんに連れられて学校まで来てました」
(*゚∀゚)「うひゃひゃwwこいつなかなか起きねーんだよww」
(; ゚∀゚)「コイツ、まったく反省してねぇww恐ろしい子ww」
( ><)「皆さんがこんな早く来てるとは知らなかったんです!!これからはボクも早く来るんです!!」
( ^ω^)「まぁそうと決まれば教室の心配は無くなったおww」
(´・ω・`)「そうだね。ビロード先生が来てくれるなら自由に教室を使えるからね」
- 18: ◆IgPB3k.W/o [Page:2 参観日] :2007/07/18(水) 00:12:05.91 ID:oG/dd6xvO
みんなぞろぞろと、教室に入っていく
桜の花、もう満開だな、、、
私は誰に言うでもなく呟いた。
これから訪れる嵐が、咲き誇る桜を全て落としていくなんて、、、
その時の私は知る由もなく、、、
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 02:45:41.65 ID:yH9+K+t2O
- 『Page:2 参観日』
SIDE By ξ゚听)ξ
中編
大好きな町で、大好きな人と、大好きな歌を口ずさみながら歩く海岸線
―――あの頃の私の大切な宝物だった―――
⊂二( ^ω^)⊃「ブーンwwww」
ξ#゚听)ξ「止めなさい、キモピザ」
(;^ω^)「……ゴメンだお」
会話が途切れる。でもブーンとなら苦痛じゃなかった。なんだろ、ブーンといると安心感につつまれる。
別に会話をする必要もなく、ただ二人でこうして歩いてるだけで満ち足りた気持ちになれた。
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 02:49:43.11 ID:yH9+K+t2O
ξ//ー/)ξ「ぁんたって意外と包容力あるわね」
( ^ω^)「ん?なにか言ったお?ツンの声小さいからなに言ったか」
(;; ゚ω゚)「……ビデブッ」
ξ;゚听)ξ「うっさいわね!!また太ったって言ったのよ!!このピザ!!」
今思えば私って本当に素直じゃなかったな……
自分の気持ちを正直に伝えれたことなんて今まででなかった……
⊂二( ^ω^)⊃「僕は君の悲しみが癒えるまでブーンするのを止めない」
ξ゚听)ξ「今すぐ回線切って氏ね」
(;^ω^)「うはwwwwテラゴメスwwww」
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 02:50:18.85 ID:yH9+K+t2O
( ^ω^)「……ねぇ、ツン」
ξ゚听)ξ「なによ?」
( ^ω^)「ツン……元気になれたかお?僕達はいつでもツンの味方なんだお。苦しいことがあれば一緒に苦しみたいし、悲しいことがあれば一緒に泣きたいお」
ξ;//ー/)ξ「何をいきなり言いだすのよ!!」
( ^ω^)「僕のこの大きな体はツンを包むためにあるお。ツンを悲しみから護るためにあるんだお」
聞こえてたんだ……こいつ……
ブーンにこう言われた時、すぐに答えることができなかった。だって涙を堪えるので精一杯だったから。
ξ*;;)ξ「……ありがとう」
これが私の人生初の心からの『ありがとう』だった
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 02:51:01.43 ID:yH9+K+t2O
( ^ω^)「だから今日もピザ喰う」
(;; ゚ω゚)「……ビデブッ」
ξ゚听)ξ「お前は俺を怒らせた」
(^ω^)「……」
ξ;゚∀゚)ξ「いや、コッチミンナw」
(*^ω^)「……ツンは笑ってなきゃダメだお。悲しくても嬉しくても笑顔が一番だおww」
ξ゚听)ξ「この顔がデフォなのよw」
( ^ω^)「フヒヒwwサーセンww」
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 02:51:47.29 ID:yH9+K+t2O
ξ゚ー゚)ξ「んま、ありがとねw」
( ^ω^)「どーいたしましてだおw」
ξ゚ー゚)ξ「じゃあね」
( ^ω^)「おっwまた明日も迎えにくるおwwww」
ξ*゚ー゚)ξ「まぁ一緒に行ってほしいならね」
( ^ω^)「ツンは素直じゃないおwデレおばさんとは大違いだおw」
デレおばさんとは私のお母さんのこと。
確かに親子でここまで違う性格も珍しいだろう
ξ゚听)ξ「しらんがなwじゃばいばい」
( ^ω^)ノシ「ばいばいぶーw」
気付けば自分の家の前だった。
誰もいない真っ暗な家は仲間たちの笑顔で輝いていた教室と比べると、どうしようもなく虚しいものに思えた。
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 02:52:30.69 ID:yH9+K+t2O
――――――――――――
その日、父はまだ帰っていなかった。
ξ゚听)ξ「さて……ご飯作らなきゃな」
母が亡くなってからは私がご飯を作っている
しかし、父が私の作るご飯を食べてくれたことはない。
最初は気分が滅入っているのだと思ってた。
しかしその日で一週間続く。
父に理由を聞こうと思いその日は父を夜中までまっていた。
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 02:53:15.38 ID:yH9+K+t2O
ξ゚听)ξ「お父さん、ご飯食べないの?」
( ФωФ)「いらん」
ξ゚听)ξ「せっかく作ってるのにお父さんが食べてくれないからいっつも余るんだよ」
( ФωФ)「私の分はこれから作る必要はない。外で食べるから」
ξ゚听)ξ「そんなのじゃ体に悪いじゃない!!」
(# ФωФ)「うるさい!!子供のくせに母親の真似事なんてするんじゃない!!」
父が感情を露にするところなんて、見たことが無かった。
(# ФωФ)「私は疲れているんだ!!お前はそんなどうでも良いことは気にしなくていい!!」
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 02:54:02.57 ID:yH9+K+t2O
どうでも良いこと……頭の中でその言葉が何度も何度もリフレインされる。
ξ )ξ「……ぁ…ぁ」
悔しくて、悲しくて言葉にできなかった。
私は嗚咽を抑え、ベッドに潜り込んだ。
ξ )ξ「……うっ、悔しいよ、悲しいよ。ねぇ、ブーン助けて、、、」
この日を境に私たち家族は崩壊していった、、、
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 02:54:53.05 ID:yH9+K+t2O
――――――――――――
( #ФωФ)「おい!!私のワイシャツがないぞ!!ちゃんと洗濯したのか!?」
ξ )ξ「……」
(# ФωФ)「ったく、この糞ガキが」
『もう大人なんだから……』
『まだ子供なんだから……』
この二つの言葉を繰り返し使う父。そんな父にも最初は反抗こそしていたが一ヶ月も経てば慣れてしまった。
もう父の癇癪は全て聞き流すことにした。
みんなにはバレないようにしてる。心配かけたくないから……
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 02:55:49.46 ID:yH9+K+t2O
( ^ω^)「ツーン!!迎えに来たおー!!早く学校いくお!」
ブーンが来た。こんな顔のままじゃ会えない。洗面所で本日二回目の洗顔をする。
鏡に映る自分に向かって『しっかりしろ!!』と気合いを入れ直す!!
よし、今日も頑張れる。
ξ゚听)ξ「待って!!今行くわ!!」
( ^ω^)「女の子の用意は本当に遅いおw」
ξ゚听)ξ「なに言ってんのよ。これでもマッハでやってるんだから!!」
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 02:58:57.67 ID:yH9+K+t2O
教室に入るともう五人は来てた。あと勿論ビロード先生も、、、
( ゚∀゚)ノ「おっす」
( ^ω^)「おっwwジョルジュ、おいーすだおwwwwみんなもお早うだおww」
(´・ω・`)「やぁ、お早よう。今日も仲良く登校だね」
从'ー'从「ほんとw羨ましいねーww」
(; 'A`)「いやっ、俺に言われても」
( ><)「皆さん、オハヨウなんです!!」
ξ゚听)ξ「おはようございます。ビロード先生!!
ツーもおはよう!!」
(*゚ー゚)「……あぁ、おはような」
なんだろう、ツーの雰囲気が違う気がする
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:00:00.70 ID:yH9+K+t2O
( ><)「んじゃあみんな席に着くんです!!さっさと今日の授業済ませてドッジするんですww」
(*^ω^)「うはwwドッジボールktkr!!!!」
( ゚∀゚)「ビロードは本当にドッジ好きだなぁww」
( 'A`)「めんどくせー」
(´・ω・`)「ってか先生、ドッジばっかやってて学習指導要領とか大丈夫なんですか?」
( ><)「でもそんなの関係ねぇ!!」
ξ;゚听)ξ「あるあ・・・ねーよwwww」
从ー从 「…………」
从*'ー'从「うはwwwwみwwwwなwwwwぎwwwwっwwwwてwwwwきwwwwたwwww」
この渡部、ノリノリである。
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:01:03.18 ID:yH9+K+t2O
しかし私はこの時、気付かなかった。
なにかが欠けていることに。
ハイテンションが売りの"あの女の子"が会話に参加せず窓ばかり見ていることに………
そしてその日の放課後。
ビロードによって配られた一枚のプリントにより事態が急転した。
『日曜参観御参加のお願い』
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:01:58.50 ID:yH9+K+t2O
ξ゚听)ξ「………」
(*゚∀゚)「どーしたんだい?ツン」
ξ;゚听)ξ「いや、なんでもないよ!!」
(* ∀ )「そーかい、それならいいんだよ」
――言えない、父との仲が険悪だなんて。なんでだろう?恥ずかしいから?憐れまれるのが嫌だから?心配掛けたくないから?
どれも微妙に違う気がして考えるのをやめた。
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:03:42.22 ID:yH9+K+t2O
――その日の夕方――
ξ )ξ「はぁ、どうしたら良いんだろ。お父さんは多分来てくれないだろうな。けど、それだとみんなに心配掛けちゃうし」
父はその日帰ってこなかった。
私は一人ベッドで泣いた
( ^ω^)「ツーン!!迎えに来たおー!!」
ブーンが来ちゃった。でもこんな泣き腫らした顔を見せるわけにもいかないし。
「ブーン、私今日は熱があるの。悪いけど休むから先生に言っといてくれる?」
私はブーンの顔も見せずに叫んだ。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:09:22.19 ID:yH9+K+t2O
(;^ω^)「おっ?ツン具合悪いのかお?それじゃブーンがお粥でも‥」
『いいから!!!!今日は休むの!!!!寝るから勝手なことしないで!!!!』
本当に自分の声かと疑うほどの大声が出た
ξ )ξ「……いいから、もう学校いっちゃいなさいょぅ……」
消え入りそうな小さな声で呟く、、、
( ^ω^)「・・・」
窓から外の様子を伺ってみるとブーンはいなくなっていた。
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:10:34.47 ID:yH9+K+t2O
冬の訪れを告げる木枯らしに木の枝が揺さ振られる
まるで私の心のように
ツーが私の家を訪れたのは二日後のことだった
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:11:21.08 ID:yH9+K+t2O
――――――――――――
ξ゚ー゚)ξ「ツーにはお見通しだったのよねwあの時の私の悩みが、、、」
ショボンが入れてくれた水を飲み干し呟いた
( ゚∀゚)「アイツは妙に鋭いからな」
(´・ω・`)「ブーンでも気付かなかったのにね」
(;^ω^)「だってツン、なにを聞いてもξ ^ω^)ξ『なんにもないわよ!!!ほっといて!!!』っていって何にも教えてくれな」
(;'A`)「おk、時に志村、後ろ。後ろ」
ξ##)ξ「……ピッツァが‥‥ピッツァが私の真似事してんじねぇ!!!!」
(; ゚ω゚)「モルスァ!!!」
生き絶えたブーンを見下ろし私は再びあの日に還る。
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:11:53.15 ID:yH9+K+t2O
私なりの、、、ツーへの決別のために、、、
後半へ続く
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:13:56.25 ID:yH9+K+t2O
- 『Page:2 参観日』
SIDE By ξ゚听)ξ
中編
9月に入り段々と身体で冬の訪れを感じれる程気温は下がっていた。しかしその日は残暑が厳しく土砂降りの夕立が降っていた
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:14:23.36 ID:yH9+K+t2O
――――――――――――
太陽の光に温められたアスファルトに大粒の雨が砕け、プールの更衣室のような鼻を突くような臭いがする。それが私には不快で堪らなかった。
(*゚∀゚)「ツーン!!」
ξ;゚听)ξ「ツー!?どうしたの?」
窓を開けると真っ赤な傘を差したツーが立っていた。
(*゚∀゚)「えへへ//取り敢えず中にいれてくれるかい?」
急いで玄関まで駆けていき鍵を開けに行く
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:15:13.57 ID:yH9+K+t2O
ξ;゚听)ξ「どうしたの?こんな突然に、プリントならブーンがさっき持ってきてくれたわよ」
(*゚∀゚)「んーん、今日はそんなことで来たんじゃないんだよwwww」
ξ;゚听)ξ「じゃあどうしたの?」
(*゚∀゚)「まぁ産業で言うと・親と喧嘩
・家を出る
・一番家から近いのはツンの家」
ξ゚听)ξ「産業把握」
OK、整理してみよう。ツーは今家出中。そして手には大きなボストンバック。なるほどつまりツーは
ξ;゚听)ξ「もしかして私の家に、、、」
(*゚∀゚)「お世話になるよwwww」
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:17:26.38 ID:yH9+K+t2O
ξ;゚听)ξ「親にはもちろん内緒で?」
(*゚∀゚)「まぁそんな場合もある」
ξ;゚听)ξ「えぇー!!」
(*゚∀゚)「まぁまぁ、別に暴れたりはしないよw」
困ったことになった、このままでは今の父との関係がバレてしまう。
それだけは避けたい。皆にこれ以上の心配を掛けたくはない。
ξ;゚听)ξ「ツー、今日はちょっと…」
(*゚∀゚)「お世話になりまーすwwww」
ツーは私を置き去りにしズカズカ家に入っていく
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:18:37.62 ID:yH9+K+t2O
はぁ、上手く誤魔化せるだろうか。いつもは夜遅くまで父を待っている私だがこの日だけは父に帰ってきてほしくない。不謹慎ながらもそう願った。
(*゚∀゚)「ツン!!スマブラやろーぜw」
無邪気にゲームをセットするツー
―…しゃーないか
ξ゚听)ξ「かかってこい。我のガノンドルフは108式あるぞ」
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:19:43.92 ID:yH9+K+t2O
それから私たちはゲームに興じこれでもかと言うほど遊び続けた。
(*゚∀゚)「ライフ108もあったら終わんねーだろw常識的に考えて…」
ξ゚听)ξ「あらっ?家出少女に常識が備わっているとは意外ねぇw」
時計の針は夜の十一時を指している
ガラガラ
突然ドアを乱暴に開く音が聞こえた
ξ )ξビクッ……
父が帰ってきたようだ。
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:20:42.52 ID:yH9+K+t2O
- ( ФωФ)「帰ったぞ。……んっ、靴が一つ多い……」
ξ;゚ー゚)ξ「お父さん、お帰りなさ…」
『バチッ!!!!』
乾いた音がなった。私は、父にぶたれたと理解するのに少々の時間を有した。
(# ФωФ)「誰が来ているんだ!!お前今家がどういう状況かわかっているのか!!母親の真似事をしてみたり、子供みたいに友達を連れてきたり、本当にお前は愚図だ!!」
この町全体に響き渡るような大声だった。
父の激怒は今日が初めてでは無かったが、いま家にはツーがいる。おそらくあの大声では部屋を囲う襖も意味をなさないだろう。
父に初めて頬を叩かれたショックからかそこから父が何を私に言ったのかよく覚えていなかった。
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:22:01.30 ID:yH9+K+t2O
放心状態のままツーの待つ自分の部屋に帰っていった。
ξ ー )ξ「もぅ、ツーの所為でお父さんに怒られちゃったじゃないw」
出来る限りの笑顔を取り繕いツーに話し掛ける
(*゚ー゚)「……最近のツンの悲しそうな表情の原因はお父さんだったのね」
ξ ー )ξ「……何言ってんのよ、私は元気だっ…」
(* ー )「じゃあ!!!!……じゃあどうしてそんなに泣いてるの?」
私は気が付かなかった。自分の瞳から熱い雫が零れていることに
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:23:22.60 ID:yH9+K+t2O
ξ ;ー;)ξ「ふぇ?私なんで泣いてるんだろ!!」
(*;∀;)「なんで一人で抱え込むのさ、うち等はあんたの味方なんだよ!!
心配したんだから!!ツンは何にも言ってくれないし、ずっと上辺だけで笑って……やっぱりお母さんが亡くなってまだ立ち直れてないのかなぁって……もしかしたらデレおばさんに続いてツンまでって考えちゃって、、、」
私はツーに抱き締められた。優しく、そして暖かく、、、
ツーの身体はお母さんの様に暖かく、ブーンの様に暖かかった
ひとしきり泣いた後、
ξ>ー<)ξ「イタッ!!!」
ツーにデコピンされてしまった。
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:35:00.27 ID:yH9+K+t2O
- (*゚∀゚)「今のは私達に隠し事した罰だねwwwwうひゃひゃひゃwwww」
ξ//ー/)ξ「もうっ!!」
(*゚∀゚)「んじゃあそろそろお暇させて貰おうかねwwww」
あれっ?確かツーは
ξ;゚听)ξ「あれ?ツーは親と喧嘩したんじゃないの?」
(*゚∀゚)「あぁ、まぁ良いの良いのw」
ツーは最初からなにもかも分かってたんだ。私が悩んでいたこと。
(*゚∀゚)「……お父さんとちゃんと話し合えよ」
ξ゚听)ξ「うん、、、わかった」
ツーを玄関まで見送る。
外に出ると涼しい風が私のカールした髪をなびいた
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:45:13.16 ID:yH9+K+t2O
- (*゚∀゚)「……お父さんとちゃんと話し合えよ」
ξ゚听)ξ「うん、、、わかった」
ツーを玄関まで見送る。
外に出ると涼しい風が私のカールした髪をなびいた
夕べの土砂降りが打ち水の役割を果たしたようだ。
(*゚∀゚)「んじゃね」
ξ゚听)ξ「ん、バイバイ」
ツーは雨も降っていないのにまた真っ赤な傘を差しながら帰っていった
雨で色を落としたこの町の風景に、ツーの傘の真っ赤な色は素晴らしく映える
庭から木の匂いがした。心地よいこの町の匂いだった
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:45:56.91 ID:yH9+K+t2O
夕べの土砂降りが打ち水の役割を果たしたようだ。
(*゚∀゚)「んじゃね」
ξ゚听)ξ「ん、バイバイ」
ツーは雨も降っていないのにまた真っ赤な傘を差しながら帰っていった
雨で色を落としたこの町の風景に、ツーの傘の真っ赤な色は素晴らしく映える
庭から木の匂いがした。心地よいこの町の匂いだった
- 41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:48:19.07 ID:yH9+K+t2O
- 『Page:2 参観日』
SIDE By ξ゚听)ξ
後編
善は急げ。私は、まず父に参観日の話をした。
ξ゚听)ξ「お父さん、明日ね、、、」
父はもう布団に入っていた
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 03:49:50.06 ID:yH9+K+t2O
(# ФωФ)「なんだ、藪から棒に!!父さんは眠いんだ。明日にしなさい」
ξ# )ξ「……今じゃなきゃ……今じゃなきゃいけないのよ!!
私今まで自分の気持ちに正直になったことなんて無かった」
―――自分でも耳が痛くなるような大声だった―――
ξ )ξ「けど……だけど今夜は違う!!私はアナタに自分の気持ちをぶつけなきゃいけないの!!ツーの、、、私を心配してくれている友達の為にも!!」
父は布団から体を起こしこちらをずっと見ていた。
( ФωФ)「……」
ξ )ξ「お父さんは勝手だよ、、、お母さんが死んで脱け殻みたいになっちゃって、全然笑わないんだもん」
- 53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:16:20.79 ID:yH9+K+t2O
私の今までに溜めに溜めた感情が爆発する
溢れだす涙と共に
ξ;;)ξ「私は必死だった!!このままじゃ父さんまでどこかに行っちゃうんじゃないかって!!」
父は何も言わず何も表さずただ私の話を聞く
ξ;;)ξ「作ったこともない料理をつくって、お父さんが寂しくないように帰ってくるまで待って、、、私バカみたいじゃない」
ξう;)ξ「べっ、別にお母さんの代わりが勤まるなんて思ってなかった。ただ少しでも、ほんの少しでも父さんを支えたくて……」
そこからは言葉にならなかった。
- 54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:18:50.32 ID:yH9+K+t2O
母が亡くなりたった一人。たった一人だけの肉親だ。
料理を残されどれだけ辛かったか。
頬を打たれどれだけ歯痒かったか。
父が口を開いた。
( ФωФ)「……寝なさい。もう寝てきなさい。明日も学校で早いんだから。」
それだけ言うと私に背を向け再び布団に潜った
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:20:10.33 ID:yH9+K+t2O
―――もう、終わりなのかな―――
ξ゚听)ξ「じゃあこのプリント、参観日の案内だから此処に置いておくね……」
しかし、伝えるべきことは伝えた。ブチ撒けることはブチ撒けた。
妙に清々しい気分で一杯だった。
ベッドに潜り電気を消す。視覚が完全に暗闇により奪われ、代わりに聴覚が研ぎ澄まされる。
「ウーッ……ウー……」
- 56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:21:47.02 ID:yH9+K+t2O
ふと猫の鳴き声のような物が聞こえた。
ネコはどこか悲しそうな音色で哭いていた
ξ゚ー゚)ξ「ネコさんも悲しいことがあったのかな」
そんな猫の泣き声を子守歌に私は深い眠りへと落ちていった、、、
翌朝、いつもの通りやはりブーンが私を迎えに来た
ただ一つ違うのは
- 57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:22:35.94 ID:yH9+K+t2O
ξ;゚听)ξ「それで、アンタはなんで泣いてるのよ?」
ブーンがずっと泣いているのだ
( ;ω;)「すまなかったお、ツン。僕は気付いていたんだお。ツンの様子がおかしい事に、、、」
ξ゚听)ξ「何言ってんのよ、別に私は何にもないわよ」
ブーンを泣き止ませるため、嘘もついてみるが効果はない
( ;ω;)「……僕は、僕は口下手だからうまくツンに事情を聞けるかわからなくて、ツンが仮病で休んだ時も、、、どうすれば良いかずっと悩んでたんだお」
( ;ω;)「それをツーに相談したら『私もそう思うって!!』『私に任せなさい!!』って言ったから、、、僕は無力だったお」
いつの間にかまた涙が出ていた。昨日枯れるまで泣いたのに、、、人間って不思議だ
- 58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:24:21.67 ID:yH9+K+t2O
ξう;)ξ「私も、みんなに、ブーンに心配掛けたくなくて、、、強がって、、、」
( うω;)「言ったのに……この体で君を守って、結局僕はなにもできなくて…」
この数日間ブーンの目に私の笑顔はどう映っていたのだろう
ξう匆)ξ「でもねもう良いの。自分の気持ちは伝えたから」
( うω^)「そうかお。つん本当にすまなかったお」
ξう竸)ξ「いいよ。もう。早く学校行こっ!!今日ブーンの親もくるんでしょ!」
泣き腫らした二人の顔を見たらみんなどう思うだろう。
そんなことを少し気にしながらも私は学校に駆け出したかった。無性にみんなと逢いたい気分だったから
- 60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:25:59.01 ID:yH9+K+t2O
――――――――――――
( 'A`)「……へぇ、そんなやり取りが二人の間にあったわけか」
ξ゚听)ξ「まぁ、今思うと鳥肌が立ちそうなクサイ台詞だったけどね」
从'ー'从「ブーンちゃん頑張ったね!!よしよし♪」
(*^ω^)「そんなことないお//」
(; ゚∀゚)「身体クネらせんな!!このピザ!!」
(;'A`)(はぁ、今この瞬間修羅が誕生したな……)
『トントン』
- 61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:27:07.94 ID:yH9+K+t2O
(#^ω^)「お?誰だお?人が頭を撫でられてるときに肩を叩く不粋な輩は……」
ξ## )ξ『キエェェェェェィィィィィ!!!!!!』
(; ゚∀゚)(ツンのシャイニングウィザードが炸裂!!)
(;'A`)(ブーンに改心の一撃!!!!)
( ω )「………」
(;´・ω・)「・・・これ、生きてるの?」
从;'ー'从「生きて……るよねぇ?」
( 'A`)(俺は見た。ショボンがブーンの前に置いてあった自慢のグラスを光のスピードで回収したのを)
- 63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:28:16.87 ID:yH9+K+t2O
ξ゚听)ξ「えっと、、、どこまで話したっけ?」
(;'A`)「あぁ、お前等が参観日の学校に一緒に登校してくるとこまで……」
再び私はあの日を思い返す、、、
――――――――――――
結論から言うと私の『目を腫らしている』ことを心配されるという不安は杞憂で終わった。
なぜなら
从;ー;从「ツンちゃーん!!」
みんな泣いていたからww
- 64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:30:20.77 ID:yH9+K+t2O
ショボンが言った
「気付けなくてすまなかった」と
ドクオが言った
「もう少し俺達を頼れ」と
ジョルジュが言った
「何でもかんでもその小さい胸にしまうな」と
とりあえず刺した
( ><)「みんな席に付くんでーす!!」
- 65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:31:38.67 ID:yH9+K+t2O
ビロード先生が入ってきた。
( ><)「今日は参観日なんです!!皆さんの親御さんにドッジボールを見て貰‥ふんぎゃcmjapb」
(*゚∀゚)「今日の授業参観は家庭科だよwwww異論は一切認めねぇwwww」
(*゚ー゚)「……ツン、お前の料理、お父さんに食べて貰うだろ」
また涙が溢れてくる。でもなんだろう?暖かい、心地良い涙、、、
ξう;)ξ「……ぅ、うん……」
私につられてまた皆泣きだした、、、
ビロード先生も、、、
( ;><)「何で皆泣いてるかわかんないんですぅ!!!!」
泣きだした。
- 66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:32:37.76 ID:yH9+K+t2O
時間は瞬く間にすぎ三時限目、親が来るのは四時限目だがそろそろ準備しないと間に合わない。
( ><)「集合なんです!!」
ビロードの下に皆が集まる。
( ><)「テーマも何を作るかも自由なんです!!自分で作った料理を親に出して貰うんです!!」
ビロードが叫ぶと皆、散り散りに作業に取り掛かりはじめた
私が作るのは『朝ご飯』父がしっかり働けるようにと願いを込めて、、、
御飯を炊き、味噌汁を作る。丁寧に、一つずつ
出汁巻き卵は父の身体を考え薄味に、焼き魚には父の大好物のこの町で獲れた太刀魚を焼いた。
- 68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:34:46.78 ID:yH9+K+t2O
J( 'ー`)し「おぉー、やってるねぇ♪君たちw」
(’e’)「昼飯抜いてるんだぞー、ちょっとは食えるもの作れよ!ドクオ!」
('、`*川「まぁ、ウチは心配なしとっ」
(`・ω・´)「ウチも心配はないな!!」
皆の親が集まってきた、ペニサスおばさん綺麗だなぁ
从//ー/从「もぅ、あんまり期待しないでよね」
渡部ちゃんのお母さんだもんねぇ……はいはい、優勢遺伝、優勢遺伝w
- 69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:36:20.05 ID:yH9+K+t2O
ξ゚听)ξ(お父さん来てくれるかなぁ……)
今考えれば父が来るという保障はどこにも無い。
しかし、私には父がかならず来るという確信があった
そうこうしている内に皆の料理が完成する。
『ガラガラ!!』
(; ФωФ)「遅れて申し訳ない」
息を切らせながら父が入ってきた……
父は一番私達から離れた席に座る
- 71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:38:31.36 ID:yH9+K+t2O
( ><)「……この料理はみなさんのお子さん達が自分達の手で作り上げたものなんです」
ビロードにも事情は話した。先生申し訳ないと何度も私に頭を下げた
( ><)「料理にはその人の気持ちが顕著に表れます。親御さんは料理を味わいつつも子供たちがこの料理に込めた素直な気持ちという名の隠し味を見つけてあげて下さい」
ξ゚听)ξ「お父さん!!」
( ФωФ)「……おぅ」
バツが悪くオドオドする父さんに料理を差し出す
ξ゚听)ξ「……今日も朝ご飯食べてないでしょ?」
( ФωФ)「……まぁな」
゙頂きまず父が小さな声で呟いた
- 72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:40:46.18 ID:yH9+K+t2O
- 私も父さんの隣に腰を下ろし、箸を付けはじめる
( ФωФ)「……母さん、死んじまったな」
ξ゚听)ξ「そうだね」
( ФωФ)「アイツ、料理巧かったよな」
ξ゚听)ξ「うん。お父さんも私も毎日お代わりしてた」
( ФωФ)「しばらく見ないうちに大きくなったなぁ」
ξ゚听)ξ「……昨日も合ってんじゃん」
( ФωФ)「いや、俺は、お前の中にある母さんの面影しか見てなかった」
ξ゚听)ξ「……」
- 74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:44:33.06 ID:yH9+K+t2O
( ФωФ)「ツン……料理巧くなったな」
ξう;)ξ「……うん!!」
( ФωФ)「認めたくなかったんだ。母さんが居なくなったことを。お前の料理を食べたらもう俺のなかのアイツは完全に居なくなると思ったから」
ξ;;)ξ「……うん」
( ФωФ)「でもなぁ、母さん居たわ。ツンのなかに……この魚も御飯も味噌汁も卵も、全部にアイツは隠れてた」
ξ;;)ξ「……うん」
( ФωФ)「素直にありがとうって言えたら良かったんだけどな、言えなくて、、、」
ξ;;)ξ「……うん」
( ФωФ)「でも卵はもう少し濃い味のほうが‥」
ξう;)ξ「身体に悪いからダメ」
(; ФωФ)「そこまで母さんにならなくても」
嘘のように溶けていく、私と父との間にあった分厚い壁が、、、
- 75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:46:15.70 ID:yH9+K+t2O
不意にツーと目が合う
(*゚∀゚)b
ξ゚ー゚)bξ
もう私たちは大丈夫だ、、、
ありがとう、ツー
- 77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:49:30.00 ID:yH9+K+t2O
――――――――――――
ξ゚听)ξ「ツーは本当に良い子だった…‥」
本当に、、、心からそう思う。
( 'A`)「……だなぁ」
ショボンがさり気なく無くなり掛けたツンのグラスにお酒を注ぐ
(; ゚∀゚)「それにしても、あの後は大変だったなぁ」
从'ー'从「フフフッwそうだったねぇww」
- 78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:53:58.96 ID:yH9+K+t2O
- ――――――――――――
(’e’)「オッ、おい!!ドクオ!!お前一体なにを…‥」
ハダッ
( e )
J( ー )し「……ブーン……お前もか、、、」
( 'A`)^ω^)「ふひひwwwwサーセンwwww」
(; ゚∀゚)「おーい!!誰か救急車!!いや、ってかむしろ霊柩車?」
(´・ω・`)(これ保険利くのかな?)
( ><)「よく考えたら僕の御飯が無いんです!!!!!!」
- 79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 08:56:00.98 ID:yH9+K+t2O
――――――――――――
ξ*゚听)ξ「あの後大パニックだったからねぇww」
(; ゚∀゚)「まったくだぜ、あの時ショボンのオヤジがいなけりゃお前等刑務所だったぜwwww」
(´ ω `)「・・・」
从'ー'从「じゃ、次のページに行こうか」
ツー、貴方は今何を想ってるの?私たちの夢は見てくれてる?
私は見るよ、毎日貴方の夢を、、、
いつも私達は隠れんぼしてるの、、、でも最後まで私は貴方を見つけることができない……
- 81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 09:00:27.34 ID:yH9+K+t2O
- ねぇ?ツー、ドクオならアンタを見つけれるのかなぁ?
私の心の問い掛けは誰も答えることなく消えていく
それとツーはなんで私がお父さんの出席を確信してたか不思議がってたよね。
あれはね、その前の夜に気が付いたんだよ。
今聞こえているのは猫の鳴き声ではなく、父の泣き声だって。
(*゚∀゚)b
ξ゚听)ξ「……あれ?いま、、、」
……気のせいよね、さぁ今度は誰の写真かな…‥
- 82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 09:01:40.73 ID:yH9+K+t2O
完全に機能を停止したこの町に、私達のいるバーボンハウスは綺麗にポツンと浮いていた
SIDE By (´・ω・`)
に続く
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