( 'A`)はアルバムを捲るようです
- 3: ◆IgPB3k.W/o :2007/10/02(火) 10:22:22.73 ID:B3zoNUsbO
『Page:3 スピーチコンテスト』
Side By (´・ω・`)
窓に付く水滴がポタポタと床に落ちる。
皆の熱気故だろう
外は随分と冷え込んできてる。
僕はそっと窓の露を拭き取った
ξ゚听)ξ「私たちって何かしら問題抱えてるよねw」
(; ゚∀゚)「確かにw」
ツンの言うとおりだ。僕達は何かしらの問題を抱えていた。
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:26:49.27 ID:B3zoNUsbO
- しかし、だからこそ今の僕達があるのかもしれない
――◆――
12月の冷たい風が身体に染みる
僕がこの町に来て6度目の冬を迎えた
(´・ω・`)「……可愛い寝顔だなぁ」
( ー∀ー)「――スピィzzz」
(´・ω・`)「ジョルジュー、遅刻するよー……って言っても起きないよね」
僕はこの町に9才の時に引っ越してきた。
小学校三年生、別に元いた学校には未練はなかったし別段寂しいとも思わなかった
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:31:58.38 ID:B3zoNUsbO
級友達は簡素なお別れ会を催してくれたが、学級委員が読むお別れの挨拶にもなんの感慨が湧くかけでもなく、僕にとっては只々暇なものでしかなかった。
(´・ω・`)「……しょうがないなぁ」
ただ引っ越しに対しては多少なりの不安があった。今まで暮らした都会から田舎へ
向こうで読み漁った小説の中では得てして都会者は淘汰されていた。
しかし、引っ越し初日にその不安はかき消されることになる。
それはうだるように暑い夏の日だった
―――◆―――
『ちわーすっ!!!!』
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:34:17.04 ID:B3zoNUsbO
- (;`・ω・)「おいおい、引っ越し初日にお客様なんて聞いてないぞ」
(;´・ω・)「僕も知らないよ」
突然の訪問にアタフタする親子
今思えば滑稽だったなw
(´・ω・`)「取り敢えず出てみるよ」
(`・ω・´)「そうだな……あぁ、ショボン。念のためこれを持っていきなさい」
渡された竹刀
(´・ω・`)「いらないだろ、常孝……」
いそいそと玄関まで行き施錠を解いてチェーンをしたまま覗き穴を覗いてみると……
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:34:54.50 ID:B3zoNUsbO
(^ω^)「おっ、おっ」
…………だれ?
(´・ω・`)「どちらさまでしょうか?」
迷ったが埒が開かないので開けてみる
(*^ω^)「おおっ遂に現れたおwwww」
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:36:23.72 ID:B3zoNUsbO
ξ゚ー゚)ξ「私はツンよ」
(;´・ω・)「うん、取り敢えず僕はショボンだよ。今日引っ越してきたばっかりなんだ」
うん、なにこの馴れ合いの流れ
(*゚∀゚)「言われなくてもそのためにわざわざ来てやったんだよwwww」
………だれ?
(*゚Д゚)「ツーだよ!!バーローww」
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:41:37.43 ID:B3zoNUsbO
( 'A`)「ドクオもいるでよー」
ツーちゃんね、そんなのしらねーよ
(´・ω・`)「では僕も名乗ろうか、今度VIP小に転入することになったショボンだよ。小3だよ」
(*^ω^)「やっぱり同級生だお!!ボク達皆VIP小の三年生だお!!」
ξ゚听)ξ「今度新しく転校生が来るっていうから顔見せに来たのよ」
(*゚∀゚)「それにしてもデケェ家だなw」
なるほどこの子達は僕と同級生らしい。
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:42:26.59 ID:B3zoNUsbO
ラッキーだ。転校初日に不安があったが、ここでこの子たちと仲良くなれれば……
(´・ω・`)「外は暑いし、ひとまず中に入ってほしい」
(*^ω^)「おっ?いいのかお?お邪魔しまーす」
ξ*゚听)ξ「失礼します」
(*゚∀゚)「邪魔するよー」
(;'A`)「……ドクオもいるよー」
自分で言うのもなんだがこの家は大きい。新築の家独特の匂いがプンプンする。フローリングもピカピカ。和室の畳にも塵一つない。
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:43:27.97 ID:B3zoNUsbO
ξ*゚听)ξ「この家って新築よね!?めちゃくちゃ大きいじゃない!!」
(´・ω・`)「お父さんの仕事場とつながってるからね」
( ^ω^)「お父さんはなにやってるんだお?」
こんな家に住むとよくこの質問を受ける。そんなとき僕は少し憂欝になってしまう
(´・ω・`)「……父は医者だよ」
(*゚∀゚)「へぇー、じゃあ風邪引いたら此処に来たら良いわけね。同級生割り引きあるよね?」
( ^ω^)「僕も来るおー!!」
なんというか、コイツ等なんかずれてないか?
向こうでは父が医者と言っただけで一種の畏怖のような目を受けたのに、、、
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:45:35.00 ID:B3zoNUsbO
……と言うか同級生割り引き?あるわけねーだろ!!バーロー!!
(´・ω・`)「けど皆この町にも掛かり付けの病院があるんじゃないのかい?」
ξ゚听)ξ「病院なんてこの町にはないわ。『オワタ診療所』っていうのがあるけど……」
(;^ω^)「あの人はダメすぎるお。この前なんか……」
―――◆―――
( ^ω^)「お願いしますお」
\(^o^)/「我が輩にまっかせなさーいwwww」
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:47:01.06 ID:B3zoNUsbO
(;^ω^)「ちょっwwww聴診器つかえおwwww」
\(^o^)/「ノンノン♪そんなの私には必要ないYO」
(;^ω^)(だめだコイツ……早くなんとかしないと……)
\(^o^)/「とりあえず注射打てば治るよ」
(;^ω^)「mjd?」
\(^o^)/「mjdywwww」
( ^ω^)「…………」
\(^ω^)/「ボクオワタ」
\(^o^)/「ブスッといっちゃうYO〜♪」
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:48:24.78 ID:B3zoNUsbO
- ( ゚ω゚)ウッ!!
\(^o^)/「あれ?ピクリともしないYO」
( ーωー)「……」
\(^o^)/「脈もないYO、屍のようだ。……オワタww」
―――◆―――
( ^ω^)「その後に駆け付けた救急隊員さんの蘇生のおかげでなんとか持ち直したのでした」
(;´・ω・`)「なんという医者、間違いなくそいつは逮捕。
大変だったね。僕の父は必ず聴診器を使うから安心して欲しい」
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:49:48.40 ID:B3zoNUsbO
(`・ω・´)「ショボン、お客様だったのか?」
台所から父が白衣で現れた
しかし何故かその手にメスを持ってる
(´・ω・`)「……どうしたの?」
正直、聞かなくてもわかってる
(`・ω・´)「竹刀じゃ足りなかったかなと思って」
ξ;゚ー゚)ξ「竹刀?」
手に持っていた竹刀は取りあえず放り投げた
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:54:31.53 ID:B3zoNUsbO
(´・ω・`)「なんでもないよ。みんな僕の部屋にいこうか」
(;^ω^)(間違いなく彼の手に竹刀はあったお)
―――◆―――
(´・ω・`)「……仕方ないな」
朝迎えに来てジョルジュが寝てることなんてもう慣れっこだ。
それなりに対策もできた
ジョルジュの耳元まで忍び寄りそっと呟く。
出来るだけ生々しく
出来るだけ艶めかしく
「や ら な い か ?」
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 10:59:35.34 ID:B3zoNUsbO
(;;゚∀゚)「…っておい!!だが断る!!」
やっと起きたか、このかわいこチャンが//
(# ゚∀゚)ビキビキ
(´・ω・`)「起きないお前が悪いだろ、ブチ殺すぞ」
(; ゚∀゚)「いや、やらないかは無いだろ」
ジョルジュの部屋は散らかり放題だ
エロ本から使用済みのコンドーム(自分使用だろう)他にも食べかけのコンビニ弁当やら表現できないほど多くの物が床に転がってる
(´・ω・`)「ちょっとは片付けたら?」
( ゚∀゚)「いいんだよ。どうせまた散らかるんだから」
(´・ω・`)「毎朝起こしに来る僕はこの光景を見ただけで不快になる」
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:00:32.89 ID:B3zoNUsbO
(; ゚∀゚)「わかったよ。善処する」
本当に分かっているのかいないんだか
まぁ今更言っても仕方ない
(´・ω・`)「はぁ、学校にいこうか」
(; ゚∀゚)「(何でため息?)おうよ」
―――◆―――
( ^ω^)ノ「おいーす」
(´・ω・`)「あれ?ブーンだけかい?珍しいね」
( ^ω^)「ツンと渡辺さんは今トイレに行ってるお」
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:09:19.45 ID:B3zoNUsbO
( ゚∀゚)「ってことは遅刻はドクオとツーか?
ドクオはいつも通りだがツーが遅刻ってのは珍しいな」
(´・ω・`)「アイツもそろそろなんとかしないと」
(;^ω^)「でもドクオは頭も要領も良いからギリギリで全部巧くやっちゃうお」
(´・ω・`)「それがダメなんだよ。アイツは今まで挫折なんてしたことないだろうから」
(; ゚∀゚)(……お前もだろ)
その時不意にドアが開いた
( ゚A゚)
死んでる?
(*゚∀゚)「ったくコイツの所為で遅刻食らっちまうところだったよ」
後から現われたツーを見て納得がいった
ドクオwwww憐れwwww
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:10:32.99 ID:B3zoNUsbO
( ^ω^)「ドクオとツーは同伴出勤かお?」
(*^ω^)「怪しいおwwww」
(*゚∀゚)「コイツがそろそろ遅刻すると不味いから起こしてくれってアタシに頼んだんだよ!!」
(´・ω・`)「それでいざ起こしに行ったら案の定寝てたと」
(*゚∀゚)「そういうことさねwwww久々にキレちまったよwwww」
(;^ω^)「まぁ結果的に遅刻は免れたし結果オーライだお」
( ^ω^)(ドクオも……頼む相手を間違えたお)
( ゚∀゚)「今日って七時間あるんだっけ?」
(´・ω・`)「そうだよ。よく覚えていたね」
(*゚∀゚)「何するんだい?」
( ´ω`)「なんかテーマ決めて作文書くとか言ってたお」
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:11:40.82 ID:B3zoNUsbO
(;'A`)「ったく、朝っぱらからひどい目に遭った」
(´・ω・`)「あぁ、ドクオ。起きたのかい」
( 'A`)「辛うじてな。ったくもうちょっと優しく起こせよな」
(*゚∀゚)「最初は優しかったさね!!それでも起きないから殴ったのさ!!」
(;'A`)「最初ってあのマッチを点火して熟睡してる人の指に挟むのがか!?」
というかドクオはそれでも起きなかったのか?
(;´・ω・`)「まぁドクオも無事でなによりだ。もう朝礼が始まるし一旦それぞれの席に戻ろう」
皆三々五々で席に戻っていく
ξ゚听)ξ「あらっ?皆来てたの?」
从*'ー'从「ドクオ君が朝から学校にいるなんて珍しいね」
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:13:06.58 ID:B3zoNUsbO
トイレに行っていた二人も戻って来た
( ゚∀゚)「ツーこれから毎朝起こすんだってさ」
从'ー'从「へぇーそうなんだ」
ξ゚听)ξ「まぁアンタもそろそろヤバいもんね」
( 'A`)「返す言葉もないです」
( ゚∀゚)「まぁドクオを朝っぱらから引きずりだせるのなんてツーくらいだしなwwww」
(*^ω^)「ちがいないおwwww」
ブーンにつられてクラス全体に笑いが起こる
ただ渡辺さんの笑顔にだけ陰りがあったのを僕は見落とさなかった
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:15:19.30 ID:B3zoNUsbO
―――◆―――
( ><)「……ってことで次の作文発表のテーマは『将来の夢』に決ったんです」
(; ^ω^)「ちょwwww将来なんて考えたことないおwwwwやばすwwww」
( ーAー)スピーzzz
ξ゚听)ξ「あんたはニートね」
(*゚∀゚)「うひゃひゃwwww働いたら負けかなと思ってるwwww」
从'ー'从「……」
(´・ω・`)「……」
将来の夢か……そんなこと真剣に考えたこともなかった。ただ人より優れた成績を取って人より高い地位に就く。そんな漠然とした考えしかなかったな
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:16:19.68 ID:B3zoNUsbO
―――◆―――
( ーAー)スピーzzz
ドクオはまだ寝てるのか?そろそろ起きないとまたツーに……起こしてやるか
(´・ω・`)「ドクオ、そろry」
その時、僕より先にドクオのもとに向かった人がいた
从'ー'从「ドクオくーん!!早く起きないとダメだよー!!」
彼女にとってはそれが精一杯の大声だったのだろう
常人からすれば普通に人と会話する程度のものだ
从>д<从「ドクオくんたらー!!」
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:17:07.05 ID:B3zoNUsbO
- (´・ω・`)(健気だなー)
こんなやり取りをしているうちにツーが来てしまう
誰にも聞かれないような小声で
(´・ω・`)「……脇腹を突っついてみな」
渡辺に打開策を授ける
从'ー'从……
从'ー'从σ「バルス!!」
――その掛け声はどうかと思うよ
しかし、その気合いが相まったのか
( ゚A゚)「目がああぁぁ!!!!!」
起きたようだ
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:18:14.46 ID:B3zoNUsbO
从*'ー'从「やったぁ!!」
嬉しそうにする渡辺。のたうち回るドクオ。端から見ればそれは滑稽な光景だった
从*'ー'从「ありがとう!!ショボン君!!」
(´・ω・`)「どういたしまして。渡辺さんもドクオを起こせるようだし、ツーも一人じゃ疲れるだろうから当番制にしたら?」
从;'ー'从「でもツーちゃん張り切ってたし……」
これは渡辺さんの悪いところだ。自分の感情を口にできない。損な役回りだと思った
(´・ω・`)「……思ってることは口にしないと伝わらないよ」
从//ー/从「何言ってるの!?私は別にry」
最後の方は小さくなって聞き取れなかったが何か勘違いしたようだ
まぁ予想は付くけどね
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:19:28.47 ID:B3zoNUsbO
(´・ω・`)「……まぁいずれはハッキリさせなくちゃいけないことだと思うけどな」
それじゃっと一言掛け同じく寝ている( ゚∀゚)のわき腹を突いて引きずりながら家に帰った
起こすときに小声で『バルス』と言ったのには誰も気付いてないだろう
―――◆―――
(´・ω・`)「今度の作文のテーマ、将来の夢なんだ」
別にアドバイスを貰おうと思ったわけでもないが父に話してみた
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:20:56.54 ID:B3zoNUsbO
- (`・ω・´)「ハハハッ!!お前の将来は決まっているだろう?」
ん?自分もわからないのになぜ父が知っているんだ?
(`・ω・´)「ん?医者じゃないのか?」
(´・ω・`)「医者はどうだろ?……人の命に携わる仕事はしたいけど医者はちょっと……」
(`・ω・´)「……」
(`・ω・´)「まぁお前の人生だからな。好きにすれば良いさ」
(´・ω・`)「……あぁ」
どうなんだろう?この父の反応は、拍子抜けしたような悪く言えば期待はずれか?
(´・ω・`)「親心は……複雑……か」
今まで自分のしたいようにしてきた父だ。
この町に来たのも、母と離婚したのも父の独断だ。
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:23:02.12 ID:B3zoNUsbO
(´・ω・`)(医者しか認めん!!っとか言いだしそうと思っていたけどこれはこれで良かったのかなぁ?)
(`・ω・´)「ショボン、ちょっと来なさい!!」
そうと思っていればさっそくお呼びが掛かった。
なんだろう?
―――◆―――
珍しく寝坊してしまった。昨日は夜遅くまで父と話し合っていたからなぁ。
しかし
(´・ω・`)「なぜジョルジュが僕のベッドに?」
これはあれか?フラグか?アッーフラグなのか?
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:23:47.45 ID:B3zoNUsbO
- 取り敢えず起こしてみるか
(´・ω・`)「やらないか?」
(; ゚∀゚)「だが断る!!」
(´・ω・`)「なぜここにいる?」
( ゚∀゚)「えへへ//来ちゃった//」
(´・ω・`)「ブチ殺すぞ」
( ゚∀゚)「お前遅い
いつまで待っても来ない
今日は俺が起こしてやるか」
(´・ω・`)「それで寝てしまったと?」
( ゚∀゚)「いえーす」
コイツ……しかし今の僕には仲間のこんな気配りがとても嬉しく思えた
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:24:35.27 ID:B3zoNUsbO
(´・ω・`)「……学校いくか」
( ゚∀゚)「把握」
―――◆―――
かしこまって書斎の椅子に座る父
(´・ω・`)「どうしたの?」
(`・ω・´)「まぁ、座りなさい」
僕も父の対面に用意された客人用の椅子に腰掛ける。
豪華な作りだなぁ。よくこんな見栄の固まりみたいな椅子を買ったもんだ
引っ越してから何度か座ったが聞いた値段の割に座り心地は良いと思ったことはない
(`・ω・´)「お前の将来についてだ」
やはりこう来たか。まぁ予想はできていた
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:25:48.62 ID:B3zoNUsbO
(´・ω・`)「医者には……ならない」
(`・ω・´)「あぁ、別にお前を無理矢理医者にしようとは思わない。ただ可能性の問題だ。世の中にはなりたくても慣れない奴がいる。それは学力であったり家庭環境であったりする」
僕は曖昧に相槌をうちながら父の話を聞き流していた
(`・ω・´)「しかしな、ショボン。お前は俺に似て頭も良い。人格も親のひいき目なしに出来てると思う」
もう沢山なんだけどな
(`・ω・´)「そして、お前の家……いや、今はまだ俺の家か。俺の家は幸い裕福だ」
別にこの家に生まれて自分の裕福さに感謝したことなんて無い
(`・ω・´)「ならばなぜ医者にならない」
なんて矛盾だらけの話なんだ。医者にならなくても良いと言っておきながら……
(`・ω・´)「お前が生まれたときから俺は『この子を俺以上の子に育て上げよう』と誓った」
(`・ω・´)「医者は一番手っ取り早く勝ち組に入る道だ」
- 40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:26:36.95 ID:B3zoNUsbO
ああ、また流れで相槌をうつ
(`・ω・´)「その辺りをよく考えているのか?」
もうそこから先は覚えていない。父の持論をグダグダ話されただけだ
―――◆―――
从'ー'从「どうしたのー?ショボンくん。今日は一段としょんぼりしてるねー」
(´・ω・`)「そうかい?別になにも無いけど」
いけない。いけない。顔に出てしまったようだ。こんな顔してちゃ何時ツーに
(*゚ー゚)……
ばれました
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:27:41.93 ID:B3zoNUsbO
今夜は三人分夕食を作らないとね
(´・ω・`)「今日はドクオを起こしに行ったのかい?」
从*'ー'从「うんー!!ドクオのお母さんも喜んでくれてたよー」
ドクオお前は幸せ者だな……
( ーAー)スピーzzz
だから頼むから早く気付いてやってくれ
―――◆―――
一緒に帰ろうというジョルジュの誘いを断り一人町で唯一のスーパーに向かった
- 43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:28:36.39 ID:B3zoNUsbO
(´・ω・`)(ツーは何が好きなのかなぁ?)
取り敢えず当たり外れの無いハンバーグでいくことにした
案の定帰り道の家の前でお腹を抱えるツーを見つけた
(*;∀;)うぅお腹がー!!
なんてわざとらしい芝居なんだw
(´・ω・`)「空いたんでしょ?おいでよ。今日はツーの為にハンバーグだよ」
(*゚∀゚)……
(*゚∀゚)「あーざすwwww」
―――◆―――
(*゚∀゚)「これ旨えぇぇwwww」
- 44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:29:20.72 ID:B3zoNUsbO
(´・ω・`)(`・ω・´)……
(`・ω・´)(なんでツーちゃんがいるんだ?)
(´・ω・`)「おかわりは一杯あるからね。ゆっくり食べなよ」
(*゚∀゚)「気が利くねぇwwwwショボン君wwww」
―――◆―――
さて夕飯も終わり父は問診に出掛けていった。
何故ご飯を食べていくかって?
そうしないと行く先々で「ご飯を食べていかないか?」と引き止めを食らうからだそうだ。
皆から信頼されている父を尊敬する気持ちは少なからずある
(*゚∀゚)「んで、そんな父の何を気に入らないんだい?」
(´・ω・`)「別に気に入らないところなんてないよ。立派な父だと思ってる」
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:30:10.41 ID:B3zoNUsbO
(*゚∀゚)「じゃあ何が不満なんだい?」
(´・ω・`)「不満……か。別に父に対しては何もないな。敢えて言うなら自分にかな」
(*゚∀゚)「……どういうところが?」
(´・ω・`)「んー、父の言うことに反論出来なかった情けなさ……かな」
(*゚∀゚)「シャキンさんはショボンを医者にって?」
(´・ω・`)「あぁ、それが一番だって真っ向から言われたよ」
(*゚∀゚)「アタシもショボンが医者になってくれたら毎日健康診断に来るよwwww」
(´・ω・`)「ははwでもね、僕は医者にはなりたくないんだよ」
(*゚∀゚)「どうしてさ?」
(´・ω・`)「どうしてだろうね。父は僕に俺を越えろというんだ。僕もそれに異論はないよ。父は僕の目標さ」
- 48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:31:35.11 ID:B3zoNUsbO
(*゚∀゚)「目標でありライバルってとこかね?」
(´・ω・`)「その言い方のほうが合ってるかもしれないな」
(*゚∀゚)「ライバルに今から貸しを作るのは真っ平ゴメンってとこかい?」
(´・ω・`)「まぁそうかもね」
(*゚∀゚)「アンタ……意外に子供なんだね」
(´・ω・`)「まだ中学生だからね。反抗期なのさ」
自重気味に笑う
(*゚∀゚)「医者って素晴らしい仕事さ」
(´・ω・`)「僕もそう思う」
(*゚∀゚)「シャキンさんがこの町に来てくれてから皆大助かりさ!!
オワタ診療所はもうごめんだねwwww」
- 49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:32:25.25 ID:B3zoNUsbO
(´・ω・`)……
(*゚∀゚)「なにかしたいことあるのかい?」
(´・ω・`)「……まぁね」
(*゚∀゚)「興味あるねwお姉さんに話してみな」
(´・ω・`)「……バーをね、開きたいんだよ」
(*゚∀゚)「ほぉ、またなんで?」
(´・ω・`)「僕達今はずっと一緒にいられるだろ?ツーも渡辺さんもドクオもブーンもツンもさ」
(*゚∀゚)「当たり前さ!!アタシ達はマブだよ!!」
(´・ω・`)「でも高校に進んで大学に行って就職してそれぞれの家庭を持って……それでも一緒にいられる?」
(*゚∀゚)「……まぁ今と状況は変わってくるかもね」
- 51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:34:15.79 ID:B3zoNUsbO
(´・ω・`)「……嫌なんだよ。僕は……」
何故だろう?自然と目蓋から熱いものが込み上げてきた
(´;ω;`)「離れたくないんだ。皆と……」
(*゚ー゚)「あらあら、すっかり染まっちゃったねぇ」
(´;ω;`)「医大に行こうと思えば県外に行かなきゃならないし……不安なんだよ」
(*゚ー゚)「それで……皆を繋ぎ留めておける居場所を作りたいって?」
僕は頷いた
(*゚ー゚)「シャキンさんはさ、その気持ち真っすぐ伝えてほしいと思ってるんじゃないかい?」
(´;ω;`)「でも、そうするとお父さんの期待をry」
(*゚ー゚)「ショボン」
ツーは僕の名を力強く呼んだ
- 57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:43:39.18 ID:B3zoNUsbO
(´;ω;`)「ん?」
(*゚ー゚)「シャキンさんはね、アンタに打ち負かしてほしかったんじゃないかな?」
はっ、とした
(*゚ー゚)「自分の今まで貫き通して来た信念をさ、ねじ曲げて欲しかったんだよ」
収まりの付かないくらい溢れていた涙は自然に止まってた
(*゚ー゚)「皆優しいから深くは聞かないけど色々あったんだろ?」
確かに皆に母の話をした記憶はない。聞かれなかったし話す必要も無いと思ったから
(*゚ー゚)「あの責任感の強いシャキンさんがなにも感じていなかったと思うかい?」
そんなことは……有り得ない
母との離別も悩み抜いてのことだろう
(*゚ー゚)「何も責任を感じる必要はないよ」
- 58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:44:35.73 ID:B3zoNUsbO
(´・ω・`)「……僕には決意が足らなかったのかな」
(*゚ー゚)「いいや、アンタの決意は立派だったよ
ただ……」
(´・ω・`)「ただ?」
(*゚∀゚)「お父さんに話す前にアタシ達に相談するべきだったねwwww」
ツーはなんでも無いかのように笑い飛ばす
(´・ω・`)「……あぁ。そうだったね……」
結局のところ僕に足らなかったのは『信頼』だったのかな、、、
―――◆―――
( ><)「では始まりなんです!!トップバッターはドクオなんです!!」
- 59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:45:25.75 ID:B3zoNUsbO
( 'A`)「書いてくるの忘れました……」
(# ><)「キィー!!廊下に立ってるんです!!」
( 'A`)「はーい。あっ、ただ一つだけ」
(# ><)「なんです!?早く言うんです!!また舐めたこと言ったらバケツも追加するんです!!」
( 'A`)「ここに居る奴らと……ずっと一緒にいたいです」
( ^ω^)「うはwwwwテラくさすwwww」
(*゚∀゚)「引っ込めー!!」
ξ゚听)ξ「柄じゃないわね」
从//ー/从……
(;'A`)「ちょwwwwお前等ひどすぎwwww」
- 61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 11:47:38.72 ID:B3zoNUsbO
思わず笑みが零れてしまった。僕と同じ考えの奴が居たなんてさ
( ^ω^)「僕も全く同じこと書いてたおwwww意味なすwwww」
ブーンがそう言うと皆一斉に自分の机に置いてある作文用紙をばらまいた
――そうこなくちゃ
( ><)「もう、君たちはいつも……ショボン!!いつものようにトリを飾るんです!!」
先生に促され教壇に立つ
(*゚∀゚)b
わかってるよ
―――◆―――
(´・ω・`)「父さん、僕バーを開こうと思うんだ」
- 74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 12:59:15.41 ID:B3zoNUsbO
(`・ω・´)「まだそんなことを言ってるのか、医者になるのが一番の近道だと何度言わせry」
(´・ω・`)「それじゃ駄目なんだ!!」
ハッキリとした口調で父の意見に真っ向からぶつかる。明確な意志を持っているものしかできない瞳で
(´・ω・`)「僕は僕の道を行く。そして父さんを越える!!」
(´・ω・`)「父さんはメスと薬で。僕はお酒と会話で人を救う」
(`・ω・´)「勝手にしなさい」
伝えたいことは伝えた。この先父を越えられるかなんてわからない。
ただ
(`・ω・´)「……ショボン、父さんはカクテルが嫌いだ。ビールも用意しておいてくれ」
目の前が滲んだんだ
―――◆―――
- 75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 13:00:57.81 ID:B3zoNUsbO
(´・ω・`)「ようこそ!!バーボンハウスへ!!」
僕は自分の書いてきた作文用紙を皆と同じように放り投げた。だってこの原稿用紙5枚にはダラダラと皆と同じ言葉が書かれているから……
(;'A`)「こんなノリノリなショボンは初めてだ」
( ^ω^)「写真に撮っておくお」
『パシャッ』
(*゚∀゚)「一番にご馳走してよね!!」
――勿論さ
- 76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 13:02:35.26 ID:B3zoNUsbO
―――◆―――
結局僕がツーにカクテルをご馳走する事は叶わなかった
ツーは20歳になる前に僕達の前から姿を消したから
ξ゚听)ξ「ショボン!!なんか皆にカクテル出してよ!!」
(´・ω・`)「あぁ、お安い御用さ」
手早くシェイカーをふり材料を混ぜていく
(´・ω・`)「ツンにはホワイトルシアンだよ」
ξ*゚听)ξ「あら?中々美味しいじゃない」
(´・ω・`)「ドクオにはパーフェクトマティーニだよ」
( 'A`)「カクテルの王様だな」
- 77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 13:03:11.36 ID:B3zoNUsbO
(´・ω・`)「ブーンにはカミカゼだよ」
(*^ω^)「おっ!!サンキューだお」
(´・ω・`)「ジョルジュにはメロンボール」
( ゚∀゚)ο彡゚オッパイ
(´・ω・`)「綾ちゃんにはこれなんてどう?キスミーナウ」
カクテルを渡しながら目配せする。
(´・ω・`)「最後のチャンスかもよ」
从//ー/从……
そしてツー、君には……
『プレシャスハート』
このチェリーはサービスだ。受け取ってほしい。
- 80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/02(火) 13:06:22.45 ID:B3zoNUsbO
次は誰の写真が出てくるのかな?
蘇るあの頃のツーはずっと僕に笑いかけている
『Page:3 スピーチコンテスト』
SIDE By(´・ω・`)
fin
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