( 'A`)はアルバムを捲るようです

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:32:18.54 ID:agvmosQOO
『Page:5 花火大会』

SIDE By 从'ー'从


( ^ω^)「だんだん卒業式に近づいてきたお」

ビロード先生が作ってくれたオリジナリティー溢れる卒業アルバムも段々と先が見えてきた

私はショボン君が注いでくれたキス・ミー・ナウ(カクテルの事はさっぱりだが)を一気に飲み干した


――最後の……チャンスか……。
今までだって呑気にしてたわけじゃない。
ドクオ君に一番電話したのは、私だと思うし、ドクオ君が髪型を変えれば一番に聞くし

……あとあと、それから……一番ドクオ君の気持ちが解るのも……多分私。いや、私でありたいな

ただ一番近くに長く居たのは私じゃない。
どれだけ長く見積もっても……



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:34:18.36 ID:agvmosQOO


(* ゚∀゚)「早く次の見ようぜ!!」

ハッ、と私の顔が強ばるのを感じる

( ゚∀゚)「次の写真はいつんだっけー」

あぁ、ジョルジュ君か……
そうだよね。ツーちゃんが居るわけ無いよ

目頭が熱くなる

ツーちゃん、何処に居るの?
皆多分あなたに伝えたいことが一杯あると思う
なのに……なのに!!どうして勝手に居なくなっちゃったの!!

やり切れぬ思いは浜辺に打ち寄せる波の音と共に静かに溶けていった



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:35:29.90 ID:agvmosQOO


ξ*゚听)ξ「あらっ?これって夏祭りの写真よね?」
(*^ω^)「ツンの浴衣姿綺麗だお」

( 'A`)「あぁ、これね」

(´・ω・`)「ビロードは何処までも僕達に付いてきたからね」

(; ゚∀゚)「いや、多分連れていかれてたんじゃないか?」

( ^ω^)「なるほど!!またツーかお」

( 'A`)「アイツは人を引っ張り回す事に関して天才的だったからなぁ」

ほんとだよ。現に今だって皆引っ張り回されてる。


从'ー'从「夏祭り……かぁ」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:38:21.83 ID:agvmosQOO



―――◆―――


(*゚∀゚)「イヤッホオォォォウッ!!!!!!111111」

(;'A`)「うるせーな」

(*゚∀゚)「なに白けたこと言ってんだい!?今日は夏祭りだよ!!」

从*'ー'从「ツーちゃん楽しみにしてたもんね」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:40:24.20 ID:agvmosQOO

( ゚∀゚)「今年も全員参加だよな?」

ξ゚听)ξ「私達も飽きないわね。いっつも同じ面子で6年間も」

(*^ω^)「この面子だから毎年wktkできるんだお!!」

ブーンちゃんがニコニコしながら言う

そうだよね。皆がいるからこんなに楽しいんだよね

(´・ω・`)「それじゃ全員、支度をして六時にもう一度ここに集合しようか」

一同『把握!!』


从*'ー'从「お母さん!!友達とお祭りに行くから浴衣だしてくれないかなー」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:41:59.78 ID:agvmosQOO

母は専業主婦。近所でも若くて美人と評判の人だ。

('、`*川「アンタまたあの六人と遊びに行くの?よくもまぁ毎日毎日つるんであきないねぇ」




从'ー'从「きっと……」

从*'ー'从「きっとこのメンバーだから毎日ワクワクできるんだよ!!」


ブーンちゃんの言葉を借りる。

だって本当に私もそう思ってるから。

('、`*川「かぁ!!青春だねぇ!!良いよ!!出しといたげるからアンタはシャワー浴びてきな!!
ドックンがいるんだ。恥ずかしい恰好は出来ないよ!!」

从//ー/从「……そんなこと思ってないょぅ」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:43:14.98 ID:agvmosQOO


('、`*川「母さんに似ず奥手な子だねぇ!!お父さんに似たんだね」

从'ー'从「……お風呂行ってきます」

私は母の言葉を遮るように、お風呂へと向かった。


うちの家庭は典型的なかかあ天下。お母さんが濃すぎてお父さんが消えてしまっている。

もう少し母に抵抗できるよう父には成長して貰いたいものだ。

从;'ー'从「ふぇー、いつになったらコッチも成長するのよー」

私の胸はブラいらず、スポーツブラさえ必要としない
从;'ー'从「お母さんのはあんなにおっきいのにな……」

はぁ、この胸が後少し大きければドクオ君は振り返ってくれるのかな?



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:44:16.28 ID:agvmosQOO


頭がぼーっとする。変なことを考えている間にのぼせてしまったようだ


「あやかー!!いつまで浸かってるの!?」


从'ー'从「今行く!!」



('、`*川「アンタ一人じゃ浴衣着れないでしょ。早くしな」

从'ー'从「ありがとー」

('、`*川「着せてる間に髪を乾かしなさい」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:45:54.00 ID:agvmosQOO


母は本当にしっかり者だ。

どうやら皆から『おっとり』『天然ボケ』と言われる私の性格は父から遺伝したものらしい。

从'ー'从「あれっ?浴衣新しくなってるよ」

('、`*川「そりゃ何年も着回しできないでしょ」

从*'ー'从「この模様、綺麗だね!!
なんだろ?夜空に浮かぶ星?」

('、`*川「はいっ!!出来上がりっと!!」

从*'ー'从「うわぁぁ……」
果てしない黒に果てしない青。その二色のコントラストが、何処までも続く夏夜の海を表現し
漆黒の闇夜にポツン、ポツンと光る星が描かれている。



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:46:49.27 ID:agvmosQOO


('、`*川「気に入ったかい?」

从*'ー'从「うん、すっごく!!ありがとう、お母さん!!」


今日の祭りは楽しみだな。皆といっしょに、この浴衣を来て回ろう。

綿菓子も買っちゃおう。



今から楽しみだ。



私が、皆との待ち合わせ場所に到着したのは、集合時間の十分前。
もう、皆到着してて後は遅刻魔の彼を待つだけ。



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:49:02.85 ID:agvmosQOO

(;'A`)「悪い!!遅れちまった!!」


集合時間から遅れること五分。ドクオ君が到着し、ようやく全員が揃った。


(# ゚∀゚)「おせーんだよ!!根暗が!!」

(*゚∀゚)「だからまだ童貞なんだ!!」

ξ゚听)ξ「ブーンでも間に合ってるのよ!!」

(*゚∀゚)「だからまだ童貞なんだ!!」

(#^ω^)「その遅刻グセは治さないと将来困るお!!」

(*゚∀゚)「だからまだ童貞なんだ」

('A`)「わかった。お前等の言いたいことは良くわかった。
あと一人で複数回答するな」

(*゚∀゚)「wwばwwれwwたww」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:50:59.77 ID:agvmosQOO


そりゃバレるだろ……常識的に考えて……


('A`)「はぁ、今日も俺がビリか」

从'ー'从「まぁまぁ、今度から気を付ければ良いよ」
ドクオ君を励ましながら、無駄に袖を振り回す。


別に気付いて欲しいなんて思ってないryね//


('A`)「おっ?渡辺、その浴衣……」

从//ー/从「あっ、うん、お母さんが新調してくれたんだ……似合うかなぁ?」

('A`)「……うん、いい線いってんじゃね?」

从//ー/从「あぅ……ありがと」



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:53:54.64 ID:agvmosQOO


(´・ω・`)「よし、じゃあ皆揃ったところで、さっそく屋台を
あ ら そ う か ?」

ξ*゚听)ξ「じゃあさっそくレッツゴー!!」


一同「いえーい!!」


縁日はとても賑わっていた。

スーパーボウル掬いや金魚掬い、当て物、射的、リンゴ飴、普段は静まり返ったこの神社も

今日ばかりはっと、提灯に松明、盛大に光を灯している。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 01:59:59.84 ID:agvmosQOO


(; ゚∀゚)「アイツ、あれほど一人で歩くなと言ったのに……」

(´・ω・`)「……ってことでドクオ君、ツーは今どこにいる?」

('A`)「俺は超能力者じゃないんだ。そんなの知るかよ。
でも、まぁ心配しなくてもすぐ帰ってくるだろ」

( ^ω^)「まぁドクオが言うなら間違いないおw」


皆、それぞれ屋台で買った物を境内で食べながら、のんびりとツーを待つ。


从*'ー'从(この綿飴おいしいなー)

ふと隣を見ればドクオ君が、ラムネの栓を開けようと四苦八苦している。

('A`)「……開かねぇ……」



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 02:01:36.85 ID:agvmosQOO


( ^ω^)「……何してるんだお?」


('A`)「いや、開かねぇから」

(*^ω^)「ドクオはラムネの開け方も知らないのかおww」

ちょっと意外だなw

从*'ー'从(それにしてもこの綿飴おいしいなー)

( ^ω^)ノ「こういうのはこうやって、はいパス」

ヽ(゚∀゚ )「よし来た。」

ブーンちゃんから、ビンを受け取ったジョルジュ君は……



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 02:04:12.00 ID:agvmosQOO


(# ゚∀゚)「ふんぬらばぁぁぁ!!!!」


『キュポン』


( ^ω^)「近くにマッチョがいる場合はこういう開け方もあるww」


(;'A`)「あるあr……ねーよww」


(´・ω・`)「あっ、ツーが帰ってきたよ」


ξ゚听)ξ「……オマケを引きつれてね」



36 名前: おk、ちょっと間隔早める 投稿日: 2007/11/24(土) 02:05:57.24 ID:agvmosQOO


(*゚∀゚)ノ「おーい!!カメラ連れてきたぞ!!」


ツーちゃんは、左手をぶんぶん振り回し皆にこっちに来るよう促す。


ツーちゃんの右手には



(# ><)



ぶちギレモードの先生。


(# ><)「僕は、君たちのカメラマンじゃないんです!!」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 02:07:34.03 ID:agvmosQOO


まぁそんな先生でも……

(*゚∀゚)「煩い。黙れ。」

(; ><)「……」

ツーちゃんには、たじたじだ。

( ><)「僕は、ちんぽっぽ先生と二人で……」

( ><)「……ひどいんです」

やっぱり同情の余地ありかも。

('A`)「まぁ来ちゃったんだから、しょうがないでしょ」

(*゚∀゚)「そうだ!!そうだ!!男がメソメソするな!!」


ツーちゃんが言うなww



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 02:08:28.95 ID:agvmosQOO





ふと夜空を見上げる。綺麗な空。綺麗な星。

その素晴らしい眺望に、私の心は踊る。




いつしか祭り囃子も止んでいた。



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 02:09:32.14 ID:agvmosQOO



  ―――◆―――


空になった、ショボン君自慢のカクテルグラスを見つめる。


最後のチャンス……このままだとドクオ君は、また私の下から去っていってしまうだろう。


ツーちゃん、私には分かってた。貴方がドクオ君に好意を抱いてたことを。


知らない振りをしてた。

だって貴方も自分の気持ちを偽っていたから。

だって貴方にドクオ君を取られると思ったから。



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 02:10:28.91 ID:agvmosQOO



今になって、思い返せば後悔だらけだなぁ。



ツー、なんで急に……いや、止めておこう。


この話を語るのに、私は相応しくない。


語れるとすれば"彼"だけ。



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 02:11:10.29 ID:agvmosQOO



でもね、ツーちゃん。一つだけ、今日貴方に誓うわ。


私は、ドクオ君が好き。貴方に負けない程。


だから私は、この想いを必ず彼に伝える。


これは、過去の貴方への挑戦状。


そして、現在(いま)の貴方への誓い。


アルバムに詰まった、全ての思い出たちに誓うよ。



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 02:15:23.39 ID:agvmosQOO




从'ー'从「ショボン君!!この店で一番強いお酒、出してくれない?

酔った勢いでとんでも無い事、言いだしても違和感無いような奴!!」

ショボン君は何か気付いたのか、ニヤっと笑った。

(´・ω・`)「……了解。披露宴にはどうぞ、バーボンハウスを宜しく」



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 02:17:46.47 ID:agvmosQOO
ショボン君の言葉に、頬が赤く染まるのを感じる。


ツーちゃん


私は、今日


ドクオ君に 


想いを伝えます



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 02:19:40.13 ID:agvmosQOO




雲の切れ間から、はっきりと月が見える。 


私の、決意の、空……だった。 



('A`)がアルバムを捲るようです 


从'ー'从編 END



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