( 'A`)はアルバムを捲るようです

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:18:39.46 ID:HnbDw2lbO
『Page:6 修学旅行』

SIDE By ( ゚∀゚)



ショボンが経営するバーボンハウス。

この店が出来て三年。俺はずっと入り浸ってる。


( ゚∀゚)「酒だぁ、ショボン」

(´・ω・`)「お前に飲ませる酒は、もう無い」

( ゚∀゚)「……」

( ;∀;)「ショボンさまぁぁぁ」

(;´・ω・)「あぁー欝陶しい!!もう、控えなきゃいけないよ」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:20:19.85 ID:HnbDw2lbO



そう言いながらもショボンは、俺のグラスに酒を注いでくれる。

自分でも飲み過ぎとは、思っているのだが


久しぶりに6人揃った事に、大人気なく興奮してんのかな


ツーが居なくなってから八年が過ぎた。

今どこで何をしてるんだろう。

俺達は成長した。

ショボンはこうして立派に店を持ち、あの時宣言したことを実行している。



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:21:43.89 ID:HnbDw2lbO


ドクオも向こうではキリキリ働いているんだろう。

ツンは短大に行き今は充電期間だそうだ。
まぁ花嫁修行でもしてるんだろう。

ブーンも専門学校を出て、稼業のバイク屋を継いでいる。

渡辺も立派なおっぱいに成長したもんだ。




まぁ、年月というのは少なからず人を成長させる。

俺達6人はそれなりに良い方向へ成長できているようだ。

ツーはどうだ?今どうしてる?



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:22:53.03 ID:HnbDw2lbO



突然バーボンハウスにノック音が響く。

入ってきたのはむさ苦しい男と、綺麗なおっぱいだった。


(`・ω・´)「お前等、まだ飲んでたのか……」


(´・ω・`)「やぁ、親父。久しぶりの再会なんだ。余りうるさく言わないでくれ」

ξ;゚听)ξ「そっそっそれよりシャキンさん!!その子誰なの!?」

そこに居たのは、まだあどけなさが消えない高校生位の女の子だった。


ナイスおっぱいb



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:25:59.10 ID:HnbDw2lbO


(*^ω^)「おっwwおじさんもなかなか隅に置けないおww」

('A`)「犯罪だろ……常孝……」

( ゚∀゚)「こんなナイスおっぱいが、あんなオヤジとry」

全部言い切る前にツンの右アッパーを食らった


意識が飛びそうになるのを押さえる。


o川*゚ー゚)o「……えーっと、お酒飲まして頂けますか?」

从'ー'从「……」

(`・ω・´)「なんかこの町には久しぶりに来たらしく、周囲が変わってて全く分からないらしいんだ」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:27:47.46 ID:HnbDw2lbO


ξ゚听)ξ「……あやしい」

疑いの眼差しを気不味そうに受けるシャキンさん


というか、この子成人してたんだ。

童顔な子だなぁ。


(´・ω・`)「あぁ、お父さん。取り敢えず話はあとで聞くよ」


(;`・ω・)「ショボン、お前まで」


(´・ω・`)「やぁ、よく来てくれた。ここは見ての通りバーだ。お酒しかないがゆっくりしていってくれ」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:29:15.17 ID:HnbDw2lbO


( ゚∀゚)「あぁ、あと今同窓会やってるから、騒がしかったらごめんね」

o川*゚听)o「はい!!構いません。シャキンさんがこちらに連れてくる途中に聞かせてくれてました。
あたしも、皆さんの思い出を聞きながら飲ませてもらいます!!」


(´・ω・`)「そうかい?じゃあ、注文を聞こうか?」

( ^ω^)「こっちも次のページにいくお」



あっという間に過ぎていった時間。

限られた時間の中で作られた思い出。

いつまでも色褪せない、その一つ一つが俺達の宝物だ。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:31:02.38 ID:HnbDw2lbO



  ―――◆―――


(´・ω・`)「おい!!早く起きるんだ!!」

( ー∀ー)「なに言ってんだよー?まだまだ時間はあんだろー?」

(´・ω・`)「……起きないつもりかい?」

( ー∀ー)「だぁかぁらぁ、まだ時間はあんだろー?」
(´・ω・`)「じゃあ質問を変えよう。


掘られたいのかい?」


( ゚∀゚)ノ「やぁショボン。いい朝だね!!」


(´・ω・`)「あぁ、本当にいい朝だ。絶好の修学旅行日和だよ」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:34:43.75 ID:HnbDw2lbO


あっ、忘れてた


(; ゚∀゚)「やっべぇぇぇっ!!」

(;´・ω・)「今から急いでもバスには間に合わなry」

( ゚∀゚)「なんつってー」


ベッドから飛び上がり着地する。


こんなこともあろうかと、昨夜から当日用の服を着て寝ていた。

用意も、あとはボストンバックを背負うだけ。


完璧だ。完璧すぎるぞ!!俺!!



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:53:28.07 ID:HnbDw2lbO


( ゚∀゚)「じゃあちょっくら歯磨いてくらぁ」

(´・ω・`)「……なんというか……いってらっしゃい」


歯磨き、手洗い、トイレをマッハで済ます俺。


(´・ω・`)「やぁ、準備できたね。勝手に台所借りたよ。」

ショボンが、トーストを焼いてくれていた。

両手一杯に荷物を抱える俺の口に、それを突っ込む。

(* ゚Д゚)「ありあとひょー」

(´・ω・`)「どう致しまして。んじゃ走るよ」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:54:55.76 ID:HnbDw2lbO

俺は、トーストを数噛みで飲み込む。

( ゚∀゚)「おーkー」


向かうは学校。校門が集合場所だ。


入り口にある、毎朝牛乳屋が届けてくれる牛乳ビンを二本引っ掴み
先を行くショボンの背を追いかける。



( ゚∀゚)「このまま行くと俺達最後かなぁー?」

(;´・ω・)「ハァッ、ハァッ、そうじゃないかなぁ」



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:57:25.78 ID:HnbDw2lbO


( ゚∀゚)「ドクオがいるんじゃね?」

(;;´・ω)「ハァッ、ハァッ、ドクオはツーが(*゚∀゚)『修学旅行に遅刻なんて絶対させないよ』なんて言ってたから……」

( ゚∀゚)「あぁ、それじゃあしたくても出来ないなww
はぁ、俺等が最後か」

(;;;´・)「ちょっwwハァッ、ハァッ、あんま話し掛けないで、ってかどうして息切れてないの!?」


( ゚∀゚)「あれ?ショボン、これで走ってたのか?」

こんなペースじゃ切れるものも切れない。

( ゚∀゚)「よっと」

俺は競歩でショボンをグイグイ引き離していく。


もう学校は目の前だ。



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:59:05.74 ID:HnbDw2lbO


(;;;;´・)「ハァッ、ハァッ、もう顔が……色んな意味でヤバい」


(*゚∀゚)ノシ「おっはよー!!」

( ゚∀゚)ノシ「おーす!!」

ξ゚听)ξ「アンタ走ってきたの?相変わらずの体力馬鹿っぷりを、見せ付けてるわね」

( ^ω^)「おっ、ショボンも来たみたry」


(;;;;;)ハァッ、ハァッ


………誰だ?


从;'ー'从「ショボン……君?」

(;^ω^)ノ「あっ、おはようだお、ショボンらしき人」



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:00:27.09 ID:HnbDw2lbO


ξ;゚听)ξ「コレは不味い事になったわね」

( ゚∀゚)「ん?なにが不味いんだ?」

(*゚∀゚)「うひゃww居るんだよ、コッチにも。ほれww」

(*゚∀゚)つ(;;;)


( ゚∀゚)「………」


( ゚∀゚)ノ「やぁ、ドクオとおぼしき人物。大丈夫かい?」

(;;;)「いや、色々と駄目だろ、AA的な意味で……」


汗で顔が見えないって……



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:02:39.07 ID:HnbDw2lbO

( ><)「皆集まったんですか?
ではさっそく出発しまするんです!!」



バスの中は騒がしく、ビロードの声なんて全く聞こえない。


('A`)「ってめ、俺のお菓子ばっか食ってんじゃねーよ」

( ^ω^)「下克状じゃーい!!」


(*゚∀゚)「うひゃひゃwwプレステ持ってきたよww」

ξ゚听)ξ「奈良なんて初めてね。楽しみだわ」

从'ー'从「鹿鍋かぁー」


なぜそこで食に走るww



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:04:34.01 ID:HnbDw2lbO


(;;;;;)「……」


あっ、忘れてた。


( ゚∀゚)「ほら、ショボン」
( ゚∀゚)つ牛乳

俺はショボンと見られる人物に、今朝家を出るとき玄関から取った牛乳を手渡す。

( ゚∀゚)グビグビ

(;;;;;)グビグビ



(`・ω・´)シャキーン



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:06:09.14 ID:HnbDw2lbO

(´・ω・`)「やぁ、助かったよ。もう少しで自分の顔を忘れるところだった」


( ゚∀゚)「おう、もう駅に着くぜ」


今日は修学旅行。行き先は奈良。


奈良へは、地元の駅から県内の一番大きな駅に向かい、そこから新幹線で三時間だ。


電車に乗ると、一気に景色は様変わりする。


三時間なんて時間は矢の如く過ぎていく。



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:07:29.77 ID:HnbDw2lbO


  ―――◆―――


(*゚∀゚)「おっ、着いたみたいだよ」

('A`)「なかなか綺麗なホテルじゃんか」

大阪駅からバスで一時間。


俺達は三泊四日の最後の学年行事を過ごすホテルの前に居た。


( ><)「取り敢えず皆、ホテルの人に挨拶するんです」


一番最初の挨拶に選ばれたのは


('A`)「あー、迷惑かけないんでよろしく」


ドクオが、ビロードに連れていかれたのは言うまでもない。



46 名前: 支援が……熱い? 投稿日: 2007/11/26(月) 01:10:15.19 ID:HnbDw2lbO
ドクオ、厳正なアミダクジの結果だ。

(´・ω・`)「これから三泊四日、お世話になります。皆を代表し、僕が挨拶します。
ホテルの方々に泊中様々な迷惑を掛けることと思いますが、その時はどうか構わず大声でお叱り下さい」


やっぱりこうなるかww


ビロードから逃れたドクオは

('A`)「何故最初からショボンにしないのかと小一時間ry」

とずっと呟いていた。



それからの三日間はあっという間だった。



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:12:49.64 ID:HnbDw2lbO


奈良公園に鹿狩りに行ったり、行基像に落書きしに行ったり、思う存分中学最後の修学旅行を堪能した。


ブーンが大仏の穴を無理矢理潜ろうとして
お約束通り詰まったのには笑ってしまった。


このまま修学旅行は平穏?に終わると誰もが思っていた。


しかし事件は三日目の夜に起こった。


それは事件の当事者となる俺も予想外のものだった。



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:14:52.33 ID:HnbDw2lbO


  ―――◆―――


その日俺は、東大寺で引いたくじ引きが、三回連続凶というドリームジャンボもびっくりの凶運だった。


散々皆にからかわれ、今度こそはと引いたクジが……


( ゚∀゚)「白紙って……どんだけ終わってんだ、俺」

( ^ω^)「ジョルジュ涙目ww」

从;'ー'从「もう今日は出歩かない方が良いんじゃない?」

(; ゚∀゚)「そうしたいが、最後の夜だし……」

(*゚∀゚)「あひゃwwひゃwwそんなの狙っても引けないよww」

('A`)「どんだけ運悪いんだww」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:19:21.90 ID:HnbDw2lbO

ξ゚听)ξ「まぁ大人しくしてなさいよ」

( ゚∀゚)「……うぃーす」


今思うとこの出来事は正しくその日起こる、事件のことを指していたんだろうか。



俺はその日何かおかしかった。


無意識に苛立ってたのかもしれない。


俺は自由時間に立ち寄ったゲームセンターで、中学生に絡む高校生を見付る。

意識はしていなかった。

俺は高校生の方を突き飛ばした。



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:21:47.42 ID:HnbDw2lbO



そして逆にボコボコにされた。




  ―――◆―――


ξ゚听)ξ「高校生になんか喧嘩吹っ掛けてるんじゃないわよ」

从'ー'从「本当だよー。まだ中学生なんだから」

(; ゚∀゚)「痛ってて。もうちょい優しくしてくれよな」

( ^ω^)「こんな時に正義感に燃えるからこんなことになるんだお」



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:25:29.12 ID:HnbDw2lbO


('A`)「まぁスルーしないのは、お前らしいわ」


( ゚∀゚)「だろwwもっと誉めてww」

(*゚∀゚)「誉めてねーよww」


ツーが俺の傷口を指でグイグイ突く。

痛い、痛い、痛いですって。


( ゚∀゚)「そういや、ショボンは?」


ξ゚听)ξ「あぁ、ビロードに報告してくるってさ」



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:29:31.99 ID:HnbDw2lbO


( ゚∀゚)ノ「そうか。まぁ明日まで寝れば治るだろ。済まないな。君達」


六人から一斉に傷口を突かれる。


痛いって言ってんのにww

それからショボンが帰ってきたのは、二時間もしてからのことだった。


ボコボコにされてな。



もう皆、呆れ顔だった。アイツ曰く、まだゲーセンに居るかと思って飛び出していったら、案の定居たので我慢できず掴み掛かったらしい。


ということで俺とショボンは再び、皆に尋問を受けている。



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:30:52.65 ID:HnbDw2lbO


(´・ω・`)「ついカッとなってやった。反省はしていない。後悔はしている。」
未だにコレしか話していないが。

ξ゚听)ξ「へー、なにを後悔してるのよ。聞きたいもんだわ」

(´・ω・`)「父さんにメスの一本や二本借りてくれば良かった」

(;^ω^)「真顔でさらりと恐いこと言うなお」

从'ー'从「私達が怒ってるのはそんなことじゃないんだよ」

(*゚∀゚)「どうして一人で行ったんだい?」

そこまで言うとツーは堪え切れなくなったのか、出口に駆け出す。


それを慌ててドクオが止める。



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:36:59.63 ID:HnbDw2lbO


(*゚ー゚)「アンタ達、起きるのも辛いだろ。わたしが朝食は運んできてやるよ」



( ゚∀゚)ノシ「よろしくー」


まぁこんなことでは揺らがないがな


俺とショボンは、それから二人並んで寝ながら笑いあった。



ちなみにアイツは五回連続凶を引いたらしいww


恐るべし、東大寺ww



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:41:42.92 ID:HnbDw2lbO



野郎二人の最後の夜は静かに更けていった。




  ―――◆―――


写真には顔を痣だらけにして、二人仲良く寝ている俺とショボンが写っていた。


o川*゚ー゚)o「ジョルジュさんって正義感強いんですね」

ξ゚听)ξ「ただ虫の居所が悪かっただけでしょw」



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:46:01.32 ID:HnbDw2lbO


('A`)「確かに」


散々言ってくれるねー、君達ww


俺達はあの夜、ひとしきり笑い合ったら、すぐに眠ってしまった。

ビロードが、この写真を撮ったのも後になって気付いた。


( ゚∀゚)(この頃が、一番楽しかったなぁ)


こんな風にみんなで笑い合える日々がずっと続くと思っていた。



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 01:48:15.39 ID:HnbDw2lbO



しかしこの写真から一年後、ツーは……


いや、勝手にしんみりなるのは止めよう。


次が最後の写真だ。


ツー、お前と撮った最後のな。




('A`)がアルバムを捲るようです


( ゚∀゚)編 END



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