( 'A`)はアルバムを捲るようです
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 00:42:56.59 ID:QZ9oK9coO
-
Page:8 激動の日
SIDE BY (*゚∀゚)
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 00:44:37.29 ID:QZ9oK9coO
o川*゚ー゚)o「この方は今どこにいるか分からないのですか?」
(´・ω・`)「あぁ、一体どこで何をしているのやら」
o川*゚ー゚)o「そう……ですか」
( ^ω^)「ツーは、とっても可愛くて、とっても優しくて、とっても怖い、僕達の親友だったんだお」
( ゚∀゚)「あの事件が起きてから、直ぐに向こうの大使館に電話したんだが、ツーのオヤジは行方不明、家族の安否もわからなかった」
ξ゚听)ξ「それでも私達は、手紙を書き続けたわ」
从'ー'从「あのツーちゃんが、私達との再会を果たさぬまま行方不明なんて、信じられなかったからね」
('A`)「…………」
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 00:48:02.41 ID:QZ9oK9coO
―――◆―――
アタシは……どうしたかったんだ?
親に無理矢理、連れて来られたニューヨーク……
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 00:52:03.85 ID:QZ9oK9coO
この町は聞くところによると世界一の都市らしい。
確かに今、目の前に聳えているビル街なんて私の町には、無かったさね。
ここは、なんたって世界一の街なんだからね。
でもやっぱり思わない日はない。
ここに来てもう三年が経とうとしている。 言葉は、一応意志疎通出来る程度までには成長したと思う。
――でも
――でもやっぱり
あの町に帰りたい。
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 01:06:19.77 ID:QZ9oK9coO
日本を去ってからも、彼らからは絶えず連絡が届いていた。
最近気付いたのだが、どうやら当番制にしているようだ。
今日は火曜日。ツンの番だな。
(*゚∀゚)(楽しみだねww)
ツンの手紙は長い。それ以上に暖かい。 アタシはツンの手紙が大好きだ。
いけない。思わず顔がニヤけてしまう。
これから父の働くビルに行かなきゃならないってのに。
(*ー∀ー)「はぁ、あのビル苦手なんだよな……」
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 01:08:56.74 ID:QZ9oK9coO
父は、外交官だ。毎日毎日忙しく動き回り、幾度となく外国に駆り出されていった。
そんな父を私は、尊敬してる。
別に、顔を会わしていなくたって、父は父……ということなんだろう。
(*゚∀゚)(そしてアタシは、問題の職場の前に立っているわけだが……)
父の仕事場は何階だっけ?
アタシは案内板を探す。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 01:12:53.00 ID:QZ9oK9coO
このビルは、外の世界より時間が何倍も早く動いてるように思える。
慌ただしく動き回るスーツ姿の人達を遠めに見ながら、私はエレベータに乗り込んだ。
南塔二十五階にアタシの父の職場がある。
(*゚∀゚)(……何時だ?)
アタシは時計を見る。
時刻は8:45。あのバカ親父のお陰で学校は完全に遅刻だね。
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 01:14:56.49 ID:QZ9oK9coO
(*゚д゚)(忘れ物?自分のケツくらい自分で拭けや!!)
苛立ちを紛らわす為、時計にもう一度目を落とす。
8時45分49秒
やけに秒針が遅く感じる。なかなか進まない。
エレベータの方は
21階
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 01:19:16.14 ID:QZ9oK9coO
不意に
鼓膜を破らんばかり轟音が、耳を襲う。
刹那、体が浮き上がる。
地球の重力とまるっきり逆に、力が働いたみたいだ。
(;*゚∀゚)「なんだ?こりゃ」
そのまま私の体は、エレベータの床に、叩きつけられた………
意識が飛ぶ直前、私の目は偶然にも自分の腕時計を捉えていた。
時刻は
8時46分丁度、だった。
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 01:29:15.19 ID:QZ9oK9coO
―――◆―――
どれくらい眠っていたのだろう?
頭を打ち付けたせいか意識がハッキリとしない。
(*ノдー)「ちくしょう……なんだってんだい」
もう一度時計を確認する。
8:50
気を失ってからまだ五分も経っていなかった。
随分と長い時間だったように思えたが。
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 01:37:01.14 ID:QZ9oK9coO
(*゚∀゚)「こんのぉ、糞エレベーターがぁぁぁぁ!!!!!」
アタシは気合い一番、エレベータに蹴りをかます。
機械なんて物は、万国共通叩けば直る。
直後すぐにエレベータが再起動した。
(*゚∀゚)「どんなもんじゃい!!」
父の職場がある25階までは、すぐだ。
ドアが独りでに開く、窓から伺える外の様子に、アタシの口も勝手に開いた。
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 01:44:41.38 ID:QZ9oK9coO
北棟が、抉れていた。
(;゚д゚)「なに?これ」
辺りに居る大人達も呆然としていた。
(*゚д゚)(……そうだ、お父さん、お父さんを探さないと……)
アタシは肝心なことを思い出し、必死に父を探す。
しかし、どこを探しても父は見つからない。
父の同僚に聞いても分からないと答えるだけだ。
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 01:49:21.86 ID:QZ9oK9coO
(*゚∀゚)「どこ行ったんだよ、あのバカ親父の野郎……」
( ´_ゝ`)「君!!早く避難するんだ!!」
突然背後から怒鳴られた。
クソッ、不覚にも驚いちまった。
(*゚∀゚)「うっせぇ!!アメ公!!こちとらバカ親父がいねーんだ!!
邪魔立てしたらブチ殺すぞ」
モロ日本語で言ってやった。コイツには、なんと言ったかさっぱりだろう。
今、こいつに構う暇はない。
父を探さなければ……
- 43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 01:51:38.70 ID:QZ9oK9coO
私は階段から階下へと向かった。
時刻は、8時59分。
階段からは、数えるのが嫌になる位の数の足音が、聞こえる。
24、23と来て22階、此処に父はいるのか?
一体何をやってるんだ!!
先に避難している?
いや、有り得ない。
アタシは、心の中でその可能性を一蹴する。
(*゚∀゚)(アタシが忘れ物を届けに来ていることを知っているなら、アイツは絶対避難しない)
それは紛れもない、父に対する絶対的な信頼だった。
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 01:55:41.01 ID:QZ9oK9coO
不意に窓の外に大きな鳥が見えた。
その鳥は
真っ直ぐ
こちらに突っ込んで来る。
そしてアタシの意識は急激に遠退いていった。
二回目の気絶だ。
時刻は
9時03分を差していた。
- 71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 09:24:53.50 ID:QZ9oK9coO
『ツー!!久しぶり!!一週間ぶりだね、そっちはどう?まだ暑いの?
こっちはまだまだ夏ね、嫌になるわ。
ブーンとジョルジュは煩いし、蝉より鬱陶しいわね。
そうそう、ドクオの大学が決まったの……東京の大学なんだって……
分かってたことだけど、やっぱり皆離れ離れになっちゃうんだね……。
でもね、いまショボンが頑張って店を持つためにバイトして必死にお金貯めてるのよ!!
シャキンさんに頼んだら?って聞いたら『アイツには頼らない』ですってww
もう貴方に出すカクテルは決まってるそうよ、早く帰ってきて、一番に飲んであげてね。
じゃあね。
貴方の親友 ツンより』
- 73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 09:25:33.69 ID:QZ9oK9coO
―――◆―――
o川*つー;)o「……」
(´・ω・`)「泣いているのかい?」
ξ;゚听)ξ「ちょっと!!どうしちゃったのよ!?」
o川*つー;)o「いえ、ちょっと……」
( ^ω^)「泣きたい時には泣くのが良いお」
o川*つー;)o「うるせーよ、グスッ」
(;^ω^)「おっ?」
- 74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/09(日) 09:26:18.45 ID:QZ9oK9coO
アルバムは終わった。
さぁ夜明は近い。
('A`)がアルバムを捲るようです
Page:8 激動の日
SIDE BY (*゚∀゚)
END
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