( 'A`)はアルバムを捲るようです

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/20(水) 23:42:34.38 ID:Y9NzIa3BO
人には勝負すべき時がある。それは大学受験であったり、就職活動であったり、転職であったり、人によって多種多様なわけだが

どうやらボクの人生一番の勝負は

『プロポーズ』

のようだ。




('A`)がアルバムを捲るようです 

サイドストーリー 

( ^ω^)が勝負にでるようです



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/20(水) 23:45:42.78 ID:Y9NzIa3BO


……とは言ったものの……こまったお

(;^ω^)「出来ればドクオがこっちに居る間に決めたいお」

ツーが帰ってきて三日が経った。
ドクオはまだこの町に留まっている。

( ´ω`)「ショボーン……どうすれば良いお?」

僕は今バーボンハウスに居る。
ショボンとプロポーズの算段をしようと来たのだが、いつの間にかただの愚痴と化していた。

(´・ω・`)「君もつくづく情けないねぇ……」

級友がカウンター越しに溜息を吐く。 

―――情けない 

自分でも分かっていた。



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/20(水) 23:50:50.99 ID:Y9NzIa3BO

でも仕方ないじゃないか。

(;^ω^)「プロポーズなんてしたことないお」

(´・ω・`)「何回もしてちゃまずいだろ」

ショボンの的確な突っ込みに、再び心を抉られる。

ショボンはずっと相談に乗ってくれていた。

まぁいつも、今日のようにただの愚痴と化していたのだが。

それでも、嫌な顔一つせずボクの話すことに相槌を打ってくれた。

何も言わずにいつもボクのグラスに酒を注いでくれた。



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/21(木) 00:13:19.82 ID:agKf0R3kO
応援し続けてくれるショボンの為にも。

それに

( ´ω`)「これ以上ツンを待たすわけにもいかないお」

ツンは待ってくれている。自分からのプロポーズを。何時もと変わらぬ笑顔で。だからこそ、だからこそ言えないんだ。

何故だ?

そんなこと聞かれても困る。だってボクにもまだ分からないんだから。

自然と表情も暗くなる。

(;´・ω・)「……ブーン、その顔は駄目だ、アイツが嗅ぎつけてくry」

(*゚∀゚)「ちわーすwwww」

(^ω^)「……」

(*゚∀゚)「こっちみんなwwww」

(´・ω・`)「おい、ブーン、ちょっと来い」

( ^ω^)「正直スマンカタ」



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/21(木) 00:22:19.62 ID:agKf0R3kO

(*゚∀゚)「なんだい!?アタシに内緒でなんの密談してたんだい?」

ルミナリエも真っ青な位に、目を輝かせてツーが尋ねてくる。

残念ながら、話す事柄は持ち合わせていない。

話したら最後

『女々しい男』という不名誉極まりない称号と、『喝』という名の鉄拳を同時に叩き込まれるだろう。


(´・ω・`)「………」

( ^ω^)「………」

(*゚∀゚)「……まぁツンはブーンの事が好きだし、大丈夫じゃね?」


( ^ω^)「聞いてんじゃねーかお」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/21(木) 00:24:51.06 ID:agKf0R3kO



(* ∀ )「……はぁ?アンタまだプロポーズもしてないのかい?」


……騙 さ れ た ! !


しかし、いつまで経っても覚悟していた鉄拳はボクの頬に飛んでこなかった。


(*゚ー゚)「まぁツンは素直じゃないからね、態度には見せないけど、アンタはもう分かってるだろ?」

(´・ω・`)「確かに、君以上にツンとお似合いの人は居ないだろうね」

(*^ω^)「おっwwそう言ってくれるとうれしいお!!」

予想外の言葉にボクは頬を赤らめた。 

なんとなくだ。他意は無い。



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/21(木) 00:31:57.39 ID:agKf0R3kO
(* ∀ )「でも……恋する乙女に待ちぼうけを食らわすってのは許されることじゃないねぇー」



なんですと?

(#゚∀゚)「歯を食い縛りな!!アタシが月に代わってお仕置きしてやるわああぁぁぁぁっ!!!!」


『省略されました』


( (メ)ω(メ))「……ありがとーごさいましたお」


(*゚∀゚)「オッス!!」


(*゚∀゚)「問題はどう告白するかだわね」

(´・ω・`)「どうせならあの捻くれお嬢様の、素直なところが見たいよね」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/21(木) 00:35:08.18 ID:agKf0R3kO

( ^ω^)「それは至難の業だおwwww」

(*゚∀゚)「そこでだ!!こう言うのはどうだい!?」

( ^ω^)「おっ!?何か考えがあるのかお!!」

(*゚∀゚)「うししwwwwちょっと耳貸しな」

(*゚∀゚)ゴニョゴニョ(・ω・`)(^ω^ )


(´・ω・`)「……あのツンを相手に……正気の沙汰とは思えない……」

(;^ω^)「それに、そんなこと出来るのかお?」

(*゚∀゚)「アタシ達全員が揃えば不可能なんてないのさっ」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/21(木) 00:42:11.50 ID:agKf0R3kO

ツンの目は更に輝きを増している。もうクリスマスのニューヨークにも匹敵するかもしれない。

無論見たことはないが。

(´・ω・`)「いや、ツンは居ないけど」

(;*゚∀゚)「うっ」

またもショボンの的確な突っ込みが冴え渡る。

でもボクにはツーの話したことが魅力的で仕方なかった。

それに、『私達に不可能はない』

その一言で覚悟は決まっていた。

( ^ω^)「でも……ブーンは乗るお!!」



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/21(木) 00:43:51.44 ID:agKf0R3kO

(*゚∀゚)「おぉ!!遂に男になる覚悟は決まったかい!!」

( ^ω^)「上手くいくかはわからないけど……楽しそうだお!!」

(*゚∀゚)「そうこなくちゃね!!」

(*^ω^)「だおだおwwww」

( ^ω^)(*゚∀゚)「………」
(´・ω・`)「やれやれ、丸一日かかって綺麗にしたんだけどな、また掃除におわれるのか……」

(*゚∀゚)「まあまあwwww」

( ^ω^)「いいじゃないっすかwwww」



『その話!!私も一枚噛ませてもらおうか!!』



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/21(木) 00:46:04.54 ID:agKf0R3kO


(`・ω・´)「HAHAHAHA!!!!」


(´・ω・`)「自重しろよ、糞親父が」

(`・ω・´)「うるさいぞ!!どら息子が!!
元はと言えば、私はもっと活躍するはずだったんだ!!しかし本編中の出番があまりにも少ないから」

(;^ω^)「作者に言えお」

(*゚∀゚)「さすがのアタシでもこれは引くわ……」

(`・ω・´)「知ったこっちゃねーや」

( ^ω^)「駄目だこいつ……早くなんとかしないと」



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/21(木) 00:49:26.83 ID:agKf0R3kO

(`・ω・´)「あぁ、それとショボン。あそこで誰か泣いてるぞ」

(;´・ω・)「本当だ……ってロマネスクさんじゃないですか!?」

そこに年甲斐も無く泣きじゃくる男がいた。

( ФωФ)「ツンが……可愛いツンが……」

( ;ω;)「ニ"ャーニ"ャー」

(;^ω^)「もうなにが何だか……」


こうしてツー企画によるブーン告白大作戦が始まった。

ボクとしては面白ければ良いかなと思ってるので、まったく不満はないが、ショボンには少し申し訳なく思ってる。

しかし、それでも苦笑いしながら付き合ってくれるショボン……ボクは本当に良い友達を持てて幸せだ。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:35:59.03 ID:50JVWhd3O
今ボクはツーの計画を実現させるべく、ショボンと計画を立てている。

あーでもない、こーでもない、幾つものアイディアが煮詰める度に消えていく。

それでも楽しい。そう感じられるのは仲間だからだろう。

( ^ω^)「なかなか難しいお……プロポーズまでの流れはツーのアイディアをそのまま採用するとして」

(´・ω・`)「問題はどういう流れでそのまま結婚式までもっていくかだね」

そこが一番の問題だった。ツーの計画というのは

(*゚∀゚)「一歩を踏み出せないのなら、戻る道をぶっ潰しちまえば良いのさっ!!」

つまりこうだ。ボクは今、プロポーズへ踏み出せないでいる。

それなら退路を断てば良い。ツンの親戚もボクの親戚も皆呼んで、もう結婚するしかない状況にするというものだ。



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:33:49.23 ID:50JVWhd3O


( ^ω^)「ツン相手に……無茶苦茶だお」

(´・ω・`)「弱音は無し、もうやるって決めたんだから」

(;^ω^)「いや、ボクが不安なのはプロポーズの是非じゃないお!!あのツンを騙してタダで済むとは思えないんだお!!」


(´・ω・`)「しらんがな」


こいつ……言いやがった。

( ^ω^)「まぁ、鉄拳制裁の一発や二発は覚悟しとくお」


考えても仕方ない。今は計画を実行する上での下準備だ。

( ^ω^)「はぁ、昨日に続き今日も徹夜だお……」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:37:14.21 ID:50JVWhd3O



  ―――◆―――

次の日、なんとか計画を形にし実行をショボンに託した。
余りに急な話なので遠方にいる親戚方は来られないだろうが、ツンとボクの両親には自分から話すと決めた。

両親は手を叩いて喜んでくれた。

『やっと決断したか』

『これ以上待たせたらツンちゃんに失礼よ』

とまぁ、軽口も叩かれたわけだが。

自分の両親は良い、しかしツンの父、ロマネスクに報告するのは流石に緊張した。



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:38:19.94 ID:50JVWhd3O

どの世界に、当事者である彼女にプロポーズする前に相手の父に結婚パーティーの日取りを言う婿(予定)がいるだろう。


恐らく……

(;^ω^)「いないおね……」

ツンの父であるロマネスクさんは厳格な人だとこの町でも有名だ。

昨日は急なことに取り乱していたが、いざ腰を据えて話すとなると……

一体なにを言われるのだろうか……

というわけで、ボクは今ツンの家の前に居る。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:43:43.73 ID:50JVWhd3O

( ^ω^)「お邪魔しますお」

ツンの家はこの町でも有数の豪邸だ。
立派な門構えに、庭に植えられた松、庭先には幼少の頃ツンの為に作られたブランコがあった。

その全てがツンの父である

( ФωФ)「入りなさい」


この方、ロマネスクさんによって建てられた。

県庁に勤めているとツンから聞いていたが、デレおばさんが亡くなってからも職務を怠ることなく立派に勤めあげていた。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:45:54.99 ID:50JVWhd3O
( ^ω^)「失礼しますお」 
ロマネスクさんの書斎にあがった。

綺麗に整頓された書類。名前の順に規則正しく並べられた本棚の書物。

恐らくツンが整理したものだろう。

( ФωФ)「なかなか片付いているだろ」

( ^ω^)「ですお。何回もツンの家に来てますけどここに入るのは初めてで驚いてますお」

ロマネスクさんは自嘲気味に笑う。

( ФωФ)「全部あの子がやってくれたんだ」

( ^ω^)「わかってましたお」

( ФωФ)「そうだろうな、仕事一辺倒だった私はやはりあの子には余り構ってやれなかったんだろうな」
( ^ω^)「そんなことないですお!!ツンはロマネスクさんを尊敬してますお」
初めてロマネスクさんは笑った。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:47:45.94 ID:50JVWhd3O

( ФωФ)「君が言うならそうなんだろう」

( ^ω^)「それに……ボクも……こんな立派な家を1人で建てたロマネスクさん、いやお父さんを尊敬しますお」

言えた、お父さんと

( ФωФ)「はは、お父さんか……なかなか悪い響きじゃないな」

( ^ω^)「………」

しかしまだ言うことは残ってる。

とても大切なことだ。

( ^ω^)「お父さん、ツンを良い子に育ててくれてありがとうございましたお。」

一言ずつ、噛み締めながら、思いを言の葉に乗せる。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:49:00.88 ID:50JVWhd3O

( ^ω^)「ツンを今まで支えてくれてありがとうございましたお」

何故だろう?目頭が熱くなってきた。

今にも要領を超えた熱量が、涙となってボクの瞳から溢れそうだった。

(  ω )「その……役目、ボクに引き継がせて頂けませんか……」

(  ω )「ボクに……ツンを支えさせて下さいお」

ロマネスクさんの机には一枚の写真が飾られていた。

そこには笑顔で映る、ツンとロマネスクさん、そしてデレおばさんの顔があった。

( ФωФ)「言葉とは軽いな……」

ロマネスクさんが写真立てを撫でながら言う。

( ФωФ)「言葉は、軽いんだ」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:50:35.91 ID:50JVWhd3O


( ФωФ)「だが、無限だ」

ハッとした。


( ФωФ)「言葉は時に、刃となる。言葉は時に、盾となる。言葉は時に、薬となる。言葉は時に、制約となる。言葉は時に、誓いとなる。」

( ^ω^)「……ですお」

( ФωФ)「今の君の言葉は何だ?」

ボクの言葉は?

なんだ?



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:51:46.68 ID:50JVWhd3O

こんな哲学的な質問、誰にもされたことがない。

―――ボクの言葉

なにも思いつかない。

検討もつかない。

だってそれは

( ^ω^)「ボクの言葉は、“真実”ですお」


嘘偽りのない、裸のままの、ボクの気持ちだから。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:53:14.39 ID:50JVWhd3O

( ФωФ)「……そうか、あんな我儘な子だ、苦労を掛けるな」

( ^ω^)「気丈な子ですお」

あの頃、ツンは1人で悩んでいた。

母の代わりになろうと1人で頑張っていた。

そんなツンを支えることが出来なかった。

もうあんな思い、したくない。

( ФωФ)「気丈な子……か、デレの子だからな。全く、その通りだ」

( ^ω^)「ですお」


( ФωФ)「さて、息子よ。用が済んだなら帰ってくれないか?」

( ^ω^)「……失礼しましたお」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:55:06.64 ID:50JVWhd3O

















( ФωФ)「済まないな、流石に子の前では泣けないのでな」

( ^ω^)「ボクもですお、お父さん」



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:56:14.59 ID:50JVWhd3O


―――お父さん、ボクは命に代えてでも、ツンを支え続けます


だから



だから安心して、今は泣いてください


ツンの家を出た時、どこからともなく猫の鳴き声が聞こえた。


明日、ボクはツンに想いを伝える



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/24(日) 14:57:37.85 ID:50JVWhd3O

('A`)がアルバムを捲るようです

サイドストーリー

( ^ω^)が勝負に出るようです  前編


SIDE BY ( ^ω^)


fin



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